「ラブ・アゲイン」(原題: Crazy, Stupid, Love) は、2011年公開のアメリカのロマンティック・コメディ映画です。グレン・フィカーラ/ジョン・レクア監督、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ジュリアン・ムーア、エマ・ストーンらの出演で、突然、妻から離婚を迫られた40男が、遊び人の男のアドバイスを受けて大変身、妻の気持ちを取り戻そうとする姿をコミカルに描いています。
脚本:ダン・フォーゲルマン
出演:スティーヴ・カレル(キャル・ウィーバー)
ライアン・ゴズリング(ジェイコブ・パーマー)
ジュリアン・ムーア(エミリー・ウィーバー)
エマ・ストーン(ハンナ・ウィーバー)
ジョン・キャロル・リンチ(バーニー・ライリー)
マリサ・トメイ(ケイト・タファティ)
ケヴィン・ベーコン(デイヴィッド・リンハーゲン)
アナリー・ティプトン(ジェシカ・ライリー)
ジョナ・ボボ(ロビー・ウィーバー)
ジョーイ・キング(モリー・ウィーバー)
ライザ・ラピラ(リズ)
ほか
【あらすじ】
中年のキャル・ウィーバー(スティーヴ・カレル)は、妻のエミリー(ジュリアン・ムーア)から離婚を切り出され、ショックを受けます。エミリーは、同僚のデイヴィッド・リンハーゲン(ケヴィン・ベーコン)と浮気をしていました。一方、キャルとエミリーの息子ロビー(ジョナ・ボボ)は、17歳のベビーシッターのジェシカ・ライリー(アナリー・ティプトン)に熱をあげています。そのジェシカは年上のキャルに恋心を抱いていますが、キャルは気づくはずもなく、我が家を離れてわびしい一人住まいへと移ります。
毎晩バーへ通い、嘆くキャルに、若くハンサムなジェイコブ・パーマー(ライアン・ゴズリング)が、ナンパのコツを教えると持ちかけます。ジェイコブは遊び人で、その夜は法科学生のハンナをナンパしたものの、身持ちの固い彼女にソデにされていました。「どうして自分みたいな中年男にアドバイスするんだ?」とのキャルの問いに、「昔、あんたみたいな人を知っていた」とジェイコブは言葉を濁しますが、キャルは服装から会話までジェイコブの特訓を受けることになります。
徐々にテクニックを覚えたキャルは、オールドミスのケイト(マリサ・トメイ)のお持ち帰りに成功します。その日からキャルは多くの女性のナンパに成功するようになります。そんな時、彼はロビーの保護者会でエミリーと再会、2人は和解しそうになりますが、何とロビーの担任の先生はあのケイトでした。キャルを独身だと思っていたケイトは憤懣やるかたなく、キャルとの情事をエミリーに暴露、愛想が尽きたエミリーはデイビッドとの交際を再開します。
一方、法科を卒業したハンナは、彼女の司法試験合格パーティーで恋人のリチャードのプロポーズを期待していましたが、彼は逃げ腰で、ハンナは傷つき苛立ちます。彼女は前にジェイコブの誘いを断ったバーへ戻り、彼に熱くキスすると一夜の関係を迫ります。ジェイコブは彼女を家に連れ帰りますが、話をしながら寝込んでしまいます。
エミリーが自分に未練があることを知り、キャルは女遊びを反省、復縁する計画を練ります。ハンナと付き合い始めたジェイコブは、キャルに本物の交際についてアドバイスを求め、近くハンナの両親を訪ねるといいます。
ある休日、キャルはエミリーに初めてのデートを思い出してもらおうと、彼女の家の裏庭に子供たちとミニゴルフのセットを作ります。その頃、ジェシカの家では母が娘のヌード写真を見つけます。ジェシカは同級生の助言でその写真をキャルに送るつもりで、タンスに仕舞い込んでいました。キャル宛ての写真であることを知った父親のバーニー(ジョン・キャロル・リンチ)は、怒り心頭でウィーバー邸へと向かいます。
一方、ウィーバー家では帰宅したエミリーがゴルフセットに感激していると、ハンナがジェイコブと家にやって来ます。実はハンナは、キャルとエミリーが学生結婚した時に授かった娘でした。キャルは愛娘の相手がジェイコブであることを知り、ハンナに別れろと命じますが、そこにバーニーが乗り込んできてキャルに飛びかかります。後を追ってきたジェシカが止めますが、バーニーは聞く耳を持たず、今度は、デイビッドがエミリーの忘れ物を届けにやってきます。全ての元凶であるデイビッドにジェイコブが一発くらわせ、キャル、バーニー、ジェイコブ、デイビッドは乱闘になります・・・。
片思い、浮気を含めて、八つの恋愛関係が入り乱れる賑やかなロマンティック・コメディですが、「カーズ」の脚本を書いたダン・フォーゲルマンが、分かりやすく、爽やかに捌いていています。個性的なキャスティングが際立っていおり、また、ダサい中年男から、クールなミドルに変身するキャル(スティーヴ・カレル)や、モテ男のジェイコブ(ライアン・ゴズリング)のファッションも見逃せません。
主役のスティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ジュリアン・ムーア、エマ・ストーンの4人のオスカー級の俳優がぐっとクォリティを高めています。第87回アカデミー賞では、ジュリアン・ムーアが「アリスのままで」で主演女優賞を受賞、スティーヴ・カレルが「フォックスキャッチャー」で主演男優賞にノミネート、エマ・ストーンが「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」で助演女優賞にノミネートされており、またライアン・ゴズリングは2006年に「ハーフ・ネルソン」で主演男優賞にノミネートされているなど、豪華なキャスティングです。
さらに、1992年に「いとこのビニー」で助演女優賞を受賞しているマリサ・トメイを筆頭に、ジョン・キャロル・リンチ、ケヴィン・ベーコン、アナリー・ティプトン、ライザ・ラピラといった個性的な俳優が、バラエティに富んだ彩りを添え、メリハリの効いた華やかなコメディになっています。
ちょっと気になるのが、キャルに密かに思いを寄せるジェシカを演じるアナリー・ティプトン。彼女は、全米ジュニアフィギュアスケート選手権にも出場した元フィギュアスケート選手、身長が高く(177cm)なったため16歳で引退、モデルを活動を初め、現在は女優もこなしています。エマ・ストーンと同い年ですが、17歳のベビー・シッター役を見事に演じています。「LUCY/ルーシー」、「ダムゼル・イン・ディストレス バイオレットの青春セラピー」、「きみといた2日間」にも出演しており、今後が楽しみな女優です。
豪華で多彩なキャスト
左から、ケヴィン・ベーコン(デイヴィッド・リンハーゲン)
ジョン・キャロル・リンチ(バーニー・ライリー)
ライアン・ゴズリング(ジェイコブ・パーマー)
スティーヴ・カレル(キャル・ウィーバー)
左から、エマ・ストーン(ハンナ・ウィーバー)
ジュリアン・ムーア(エミリー・ウィーバー)
アナリー・ティプトン(ジェシカ・ライリー)
オスカー級の主役4人がクォリティを高める
オスカー女優を筆頭に多彩な助演俳優
マリサ・トメイ(ケイト・タファティ)
アナリー・ティプトン(ジェシカ・ライリー)
ライザ・ラピラ(リズ)
ジェイコブがナンパを指南
キャルのビフォー・アフター
「40歳の童貞男」(2005)
「リトル・ミス・サンシャイン」(2006)
「イン・ザ・ベッドルーム」(2001)
「その土曜日、7時58分」(2007)
「リンカーン弁護士」(2011)
「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」(2011)