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 不正会計問題で業績不振が続く東芝の2016年3月期の純損益が、5千億円規模の赤字となる見通しであることが19日わかった。赤字の家電部門で工場の売却や人員削減をするため、多額のリストラ費用を計上する。赤字額はリーマン・ショックがあった09年3月期の3988億円を上回り、過去最大となる。

 家電のリストラでは、テレビやパソコンの開発を手がける青梅事業所(東京都青梅市)の縮小や、インドネシアのテレビ工場の売却などを盛り込む方針。従業員削減に伴う割増退職金を計上するほか、利益があがることを前提に税金の前払い分を資産に計上する「繰り延べ税金資産」も大幅に取り崩す方針で、純損益の赤字は5千億円規模にふくらみそうだ。本業のもうけを示す営業損益も、利益の大半を稼ぐメモリーの価格が下落しており、2千億円規模の赤字となる見通し。不正会計で08年4月~14年12月に税引き前損益ベースで計2248億円の利益を水増しし、業績をよく見せかけていたツケが回った形だ。

 東芝の15年9月中間決算では、純損益が372億円の黒字だったが、16年3月期の業績予想は開示を見合わせていた。家電事業のリストラ策と合わせて21日に公表する。