先日発売された『このライトノベルがすごい!2016』は、次世代のラノベ情報が詰まっている一冊だ。
来年売れる・アニメ化するかもしれない作品は、必ずこの中にあると言っても過言ではない。そこで60位以内にランクインした作品の中から、伸びしろがありそうなものを7つ選んでみた。
これが、次に来るラノベだ!
全ての陸が海に沈んだ世界で、14歳の少女アキが天然ボケをかましながら辛く厳しい海を生き抜いていく作品。船や航海についての情報が豊富で、良くも悪くもラノベらしくない作品。
ラノベにしては淡白な文章ともとれる部分はあるが、第21回電撃小説大賞の大賞受賞作なだけあって面白さは保証できる。ある理由で、できればあまり内容を知らないまま読み始めてほしい。
現在既刊3巻。まだ伸び悩んでいるので、これからの上昇に期待。
新宮清一は偶然にも不良少女の綾女古都子を助けてしまい、惚れられる。「中古」だと噂される古都子が、あらゆる手を使ってアプローチしていくのを見守るお話。
主人公にヒロインが惚れるという、ラブコメの王道を走る作品。設定自体は別段珍しいものではないのだが、キャラクターの書き方がとても上手く、思わず二人を応援したくなってしまう。
現在既刊3巻。タイトルにもある「中古」の本当の意味を知りたければ読むべし。
偽英雄と笑われる主人公レンが、封印から目覚めた伝説の竜姫・キリシェと共に、「世界録」をめぐる度へと繰り出していくファンタジー作品。
幻想世界を旅する物語が好きな人ならば確実にハマる。ライトノベルでありながら骨太なファンタジー世界は最近の作品においてなかなか見られない。ハーレム無双ものでありながら実際その印象は薄く、硬質的なイメージが残る。
こちらは現在既刊5巻。アニメ化も十分に有り得る作品だ。
出版社がさほど有名ではないため、埋もれてしまっている一冊。薬知識のある下女・猫猫が身の回りで起こる事件を自らの知識を元に解決していく話。
当たり前の知識を元にした話が多いので、ある程度先の展開は予測できるのだが、それをしっかりとミステリーに仕立て上げている点が高評価のポイントだ。キャラクターもとても魅力的。
現在既刊4巻。最近のラノベが少し苦手という方におすすめ。
『さくら荘のペットな彼女』コンビの新作。周囲の人間から見えなくなった少女・桜島麻衣とお近づきになりたい少年・梓川咲太が「思春期症候群」にまつわる謎を解決していく青春モノ。
青春ストーリーでありながら、SFやミステリーを絡めてくる手法は見事の一言に尽きる。「空気」をテーマにした文章は、昨今のネット社会について考えさせられるものになっている。
現在既刊5巻。タイトルで敬遠しがちな人も、1巻だけでも読んでほしい。
あらゆる高待遇を受けられると評判の高度育成高校は、優秀な成績を持つ者のみにその特権を与える学校で、最底辺の主人公・綾小路清隆が上のクラスを目指していく話。
似たジャンルに『バカテス』があるが、系統は全く異なる作品。出だしこそ苦しんでいるものの、実力を秘めた綾小路と取り巻くキャラクターの魅力が光る。特に櫛田ちゃんがおすすめ。
現在既刊2巻。まだまだ追っていけるので、リアルな学園モノを読みたい方におすすめ。
エナミカツミ氏の絵に惹かれる作品だが、その内容も負けず劣らず面白い。食堂「洋食のねこや」は店休日である土曜日には「ある世界の人々」で溢れ、彼らからは「異世界食堂」と呼ばれている。
とにかく食べ物の描写が美味しそうで、小説を読んでいるのにお腹が空いてくる。空腹時や深夜に読むと確実に何かを食べたくなってしまうことうけあいだ。それでも読みたくなる面白さがこの本にはある。
現在既刊2巻。異世界×食べ物作品の中でも、飛び抜けて面白い作品。
まとめ
以上、選びに選び抜いた7作品。ラノベと一括りにするには惜しいほど完成度の高い作品ばかりなので、つまらないと思った場合は存分に文句を言ってもらって構わない。
ラノベに興味が湧いたけど、これから何を読んでいいか分からないという人は、まずこれらの作品を読んでみることをおすすめする!