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銘板に17人加わる 神戸のモニュメント

震災の影響で亡くなった母・河合美子さんの名前が刻まれた銘板を触る次男・河合次郎さん=神戸市中央区で2015年12月19日午後1時59分、小関勉撮影

 阪神大震災から来年1月17日で21年となるのを前に、犠牲者名を刻んだ神戸市中央区の「慰霊と復興のモニュメント」に19日、新たに17人の名前が加えられ、総数は4989人になった。遺族らは愛する人の名前が刻まれた銘板に手を添えるなどして思いをはせた。

     神戸市中央区で被災し、今年4月に96歳で亡くなった芝ヒデ子さんの名前も加わった。

     あの日、ヒデ子さんが住んでいた文化住宅は倒壊し、夫重吉さん(当時82歳)とともに生き埋めになった。大阪から駆けつけた長女の新崎良子さん(68)によって救出されたのは2日後の朝。だが、その日の昼に見つかった重吉さんは息絶えていた。

     ヒデ子さんは新崎さんに「助けを待つ間、重吉さんと手をつないでいた記憶がある」と語った。重吉さんの名が刻まれたモニュメントを2000年の完成直後に訪れ、涙を流しながら「私もここに刻んでほしい」と訴えた。

     母の死後、思いをかなえたいと新崎さんが申し込み、離れた場所ではあるものの掲示が実現した。この日、神戸を訪れた新崎さんは「母ちゃんよかったね。父ちゃんとこに行けたね。また手をつないでね」と心の中で語り掛けた。

     粉じんを多く吸い込んだためとみられる肺の疾患で震災翌年、76歳で亡くなった神戸市兵庫区の河合美子(はるこ)さんの銘板も追加された。次男の次郎さん(70)が震災関連死でも名前が刻まれることを知って申請した。次郎さんは「最後まで神戸で暮らし、神戸を愛した母の思いをここに残したい」と母の銘板に頭をつけ、涙ぐんだ。【神足俊輔、村瀬優子】

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