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 オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスで今年最後の記者会見をし、過激派組織「イスラム国」(IS)のテロを念頭に「一匹おおかみ型の犯行は見抜くのがとても難しい」と述べ、国民が目を光らせて警戒する必要があると呼びかけた。その上で、IS壊滅に向けた国際協力を進めると強調した。

 オバマ氏は米軍主導のISとの戦いについて、ISはかつて支配していた住民居住区の約40%を失い、指導者らが捕らえられていると成果を強調。一方で、「(米国内で)テロの疑いがあれば声を上げるなど、みんなが絶えず警戒しなければならない」と訴えた。

 オバマ氏がテロ警戒を呼びかけた背景には、組織的なテロ計画とは異なり、過激思想に感化された個人のテロ計画を事前に察知するのは難しいとの認識がある。オバマ氏は同日、ハワイで過ごす約2週間の休暇を前に、過激思想に感化されたとみられる容疑者が14人を殺害したカリフォルニア州サンバーナディノを訪れ、犠牲者の家族と面会する。

 またオバマ氏は、この1年の成果の一つとして、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を挙げ、「歴史上、最も革新的な貿易の取り決めだ」と自賛。これまで日本では米国の農産物に税金が課せられて競争力がなかったとも語り、「(米国の)農業にとって大きな勝利だ。日本の国民は米国の牛肉や豚肉を楽しめるようになる」と強調した。(ワシントン=奥寺淳)