塚本和人
2015年12月19日08時29分
カンボジアのアンコール朝(9~15世紀)の王都遺跡、アンコールトム(世界遺産)が、碁盤の目状に街路が張り巡らされ、多数の貯水池を抱えていたことが、奈良文化財研究所(奈文研)と大阪市立大などの調査でわかった。雨期には街路の一部が水路に転用されていた可能性のあることも判明。研究者は「水利構造を持った『水の都』だったのでは」とみている。
2012年に約3キロ四方あるアンコールトムを上空からレーザーを照射して航空測量し、地形の凹凸を赤色の濃淡で示した立体図を作成。レーザーは葉や草を通過して地表まで届くため、熱帯ジャングルに覆われて見えなかった都城の様子が可視化された。その結果、日本や中国の古代王都のような碁盤の目状の街路(主要道は幅約30メートル)や約2千個もの貯水池(1辺15~20メートル)があったことがわかった。
主要道の両側には側溝のような水路が巡り、多数の貯水池とともに配水と排水の両機能が整っていたとみられる。原口強・大阪市立大准教授(地質工学)は「究極のエコロジカルな世界がつくられ、自然と共生していた」とみる。
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