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 米軍の戦略爆撃機B52が今月中旬、南シナ海で中国が埋め立てた人工島から12カイリ(約22キロ)内を誤って飛行したことが18日、わかった。米国防総省当局者が明らかにした。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、人工島から2カイリまで接近した。中国政府は米政府に抗議した。

 米国防総省当局者は、今回の飛行は通常の訓練の一環だったとしつつ、「12カイリ内に入る意図はなかった」とした。領有権などをめぐる過度の主張がある場合などに行う「航行の自由作戦」ではなかったという。同紙によると、南沙(スプラトリー)諸島のクアテロン岩礁の12カイリ内に入った。悪天候が原因という。

 海上では、12カイリ内の領海内でも停止や監視活動などをしなければ外国軍艦の「無害通航」が認められるが、領空には同様の概念がなく、一般的に12カイリ内は飛行しないとされる。この岩礁はフィリピンも領有権を主張。満潮時にも水面より上に出ており、国際法上はどこかの国の領空となる。

 中国国防省は19日、「岩礁を守る中国の要員や施設の安全に著しく危害を及ぼし、地域の平和と安定を害する。重大な軍事的挑発行為だ。中国軍は米国の挑発行動に必要な手段と措置を取る」と反発した。(ワシントン=奥寺淳、北京=倉重奈苗)