皇太子同妃両殿下が日本で研修中の研修員8人にご接見

2015年12月18日

皇太子殿下と握手をするモンゴルからの研修員。左から、人事院千葉審議官、JICA加藤理事、バングラデシュ行政省職員、ブータン内務・文化省職員、モンゴル財務省職員、パレスチナ人事評議会職員、スリランカ内務省職員

課題別研修「上級国家行政」の研修員8人が、2015年11月13日、皇太子同妃両殿下にご接見を賜った。

ご接見では、人事院千葉恭裕総括審議官のごあいさつに続き、皇太子同妃両殿下が研修員一人ひとりにご質問をされ、日本での研修の様子や出身国など、さまざまな話題に花が咲いた。

研修員の感想

ご接見前は大変緊張していた研修員。ご接見が始まると、皇太子同妃両殿下の温かいお人柄に触れ、終始和やかなご歓談となった

【ブータン内務・文化省 副知事 ジャムヤン・チェダ氏】
皇太子殿下は1987年にブータンをご訪問されており、今回のご接見においても、現在のブータンの状況についてたくさんの質問をしてくださいました。私からは、現在はさまざまなインフラや設備が整い、着実に経済発展を遂げていることをお話しさせていただきました。また、ブータンにおいてJICAが実施している橋梁や道路建設、防災、農業、情報通信、人材育成の協力が、ブータンの国家の発展に多大な貢献をしていることをお伝えいたしました。最後には、皇太子同妃両殿下がブータン国王に対する心からのごあいさつをしてくださいました。
皇太子同妃両殿下とこのような時間を過ごせたことは、私にとって大変光栄なことです。

【モンゴル財務省 行政管理局専門官 バヤンムンフ・ザンダリヤ氏】
皇太子同妃両殿下は大変お人柄が良く、モンゴルに関する多くの質問をしてくださいました。
皇太子殿下はモンゴルで乗馬をされたことがあるとのことで、そのような経験も交えた思い出のお話を聞かせてくださいました。
日本での研修の中でこのような機会をいただけたことは、人生で一番の宝物です。日本の皆様、JICAの皆様に感謝しています。

【スリランカ財務省 行政管理局 M. M. C. P. モホッティゲダラ氏】
皇太子同妃両殿下とお会いできたことは、大変素晴らしい経験となりました。お二人とは、今回の研修の話題に加え、スリランカのお話もしてくださいました。スマトラ島沖地震に対するお見舞いのお言葉もかけてくださり、大変感動いたしました。
今回このような貴重な経験をさせていただき、とても感謝しています。

課題別研修「上級国家行政」

葛飾区役所では、市民の要望に早急に対応する「すぐやる課」の取り組みを視察。「市民はお客様です」という葛飾区役所の考え方に、研修員はみな感銘を受けていた

課題別研修「上級国家行政」は1985年度に開始され、今年で30年目を迎える。
本研修は、発途上国の中央政府において政策決定に関与する幹部行政官を対象としており、2014年度までに72ヵ国から304人の研修員が参加している。
研修修了者は、帰国後に各省庁の要職に就くことも多く、各国の公務員制度の発展、また日本との懸け橋となる人材ネットワーク作りに貢献している。

人事院および一般財団法人公務人材開発協会の協力を得て実施される、約3週間の研修では、日本の戦後の社会経済発展の過程において行政が果たした役割や、行政の近年の取り組みや動向などについて紹介する。
今年は、バングラデシュ、ブータン、パレスチナ、モンゴル、スリランカ、タジキスタンから計8人の研修員を受け入れた。
各講義では、研修員は講師の話に熱心に聞き入り、活発に質疑応答や意見交換が行われた。また講義に加え、人事院の視察、葛飾区役所や造幣局での見学、積水ハウスや兵庫県人と防災未来センター・災害対策センターへの研修旅行を行い、日本の知識や経験を精力的に学んだ。