指定廃棄物受け入れ 富岡、楢葉了承 全国初の処分場

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宮本富岡町長と松本楢葉町長に計画を受け入れる県の方針を説明する内堀知事(右)=3日午後、県庁

 国が国有化する方針の民間管理型処分場「フクシマエコテッククリーンセンター」(富岡町)で東京電力福島第1原発事故に伴う県内の指定廃棄物を最終処分する計画をめぐり、内堀雅雄知事と宮本皓一富岡町長、搬入路のある楢葉町の松本幸英町長は3日、計画を受け入れると表明した。避難指示解除と古里帰還に向け、指定廃棄物処理の加速が必要との認識で一致。内堀知事らは4日に福島市で丸川珠代環境相と会談し、安全対策の徹底を申し入れた上で受け入れを伝達する。

 指定廃棄物がある12都県のうち、処分場受け入れは初めて。特措法で国の処分が義務付けられた放射性廃棄物の県内での集約地が決まった。除染で出た汚染土壌などは中間貯蔵施設で一時保管され、30年以内の県外最終処分が法制化されたが場所は決まっていない。

 内堀知事は県庁で両町長と協議し「地元の大きな負担で苦渋の決断だが、処分場を受け入れたい」と理解を求め、両町長が了承した。引き続き双葉郡の他の町村長とも協議し了承された。

 協議は冒頭を除き非公開。終了後、宮本町長は「古里の一日も早い復興を進めるため」、松本町長は「国有化など安全対策が示されたことなどを踏まえた」と容認の理由を語った。

 処分場では、下水汚泥や農家の敷地内に保管されている稲わらなど放射性セシウム濃度が1キロ当たり8千ベクレル超、10万ベクレル以下の指定廃棄物約13万8千トン(9月末時点)を処理する計画。政府は11月に追加の安全対策や地域振興策を提示し、県も両町に計100億円を拠出する方針を示した。