予兆は11月にあった
日本銀行(黒田東彦総裁)は12月18日、政策決定会合を開き、上場投資信託(ETF)と上場不動産投信(J−REIT)の買い入れ枠について、現行の年間3兆円に加えて新たに年間3,000億円の枠を設けることを決めた。
と同時に、国債購入の平均残余期間を来年から現在の7~10年程度を7~12年程度に延ばすことも決めた。こうした金融緩和を補完する措置の「条件」として、企業の設備投資と人材投資を挙げている。
「黒田バズーカ第3弾」ではなかったが、日銀による「師走サプライズ」には違いなく、東京株式市場の日経平均株価は一時515円高の1万9,869円まで上昇した(後場の終値は1万8,986円)。株価2万円が射程に入ったのだ。
手前味噌で恐縮だが、筆者は『夕刊フジ』の連載コラム「永田町・霞が関インサイド」(12月7日付)に「黒田バズーカ第3弾発射か―GDP伸び悩みで決断?」と題し、黒田総裁が11月30日に名古屋で行った講演内容に注目すべきだと書いた。
「デフレという“すくみ”の状況を打破するには、誰かが断固たる決意を持って物事を変えなければなりません。そしてそれが、物価の問題である以上、まず日本銀行です」という言葉を紹介した上で、「18日の政策決定会合で『黒田バズーカ第3弾』=サプライズの可能性大である」と、同記事を結んだ。
競馬の予想屋ではないので「当てた」「外した」を言うつもりはない。だが、黒田講演の中で引用した部分について言及した新聞は、寡聞にして『日本経済新聞』(12月1日付朝刊)5面のハコモノ記事だけだったように思う。それでも同記事は、この間、追加緩和期待が後退したというところに力点が置かれていた。
筆者の見立ては、次のようなものである。今回の日銀の金融緩和を補完する措置は、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が2日前の16日に7年間続けた事実上のゼロ金利政策を解除し、0.25%の利上げを決定したことを織り込んだ「日米金融連携」ではないか。
日本の麻生太郎副総理・財務相=浅川雅嗣財務官と米国のルー財務相・マコーミック財務次官(国際担当)の両コンビと、金融庁の森信親長官とイエレンFRB議長の個人的関係が、今回の措置の背景にあるのではないか。
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