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 全国の介護施設で働く人たちが先進的な取り組みや介護への思いを発表する「介護甲子園」(日本介護協会主催)で、松山市のグループホーム「ルンビニー」が最優秀賞に選ばれた。ホームでみとった利用者に職員と家族で行う「最期の入浴」が評価された。

 介護甲子園は介護職の意義を再認識し、仕事に誇りを持ってもらおうと、日本介護協会が2011年から開いている。今回は全国から2771施設が参加。書類審査やそれぞれの取り組みを紹介する1分間の動画審査を経て、5施設が先月東京であった決勝大会に臨んだ。

 ルンビニーは、同市の医療法人ビハーラ藤原胃腸科が運営するグループホーム。今回テーマにしたこの入浴は、職員と家族が亡くなった利用者を、いつも使っていた風呂に入れてせっけんやシャンプーでからだや髪を洗う。提案したのは、職員の五藤恵さん(53)。かつて、みとった利用者の体を消毒液でふく処置を任され、「最後にゆっくりお湯につかり、きれいな姿になってもらいたい」と思ったのがきっかけという。

 入浴中は家族と一緒に利用者に声をかけ、思い出を語る。家族からは「よいお別れができた」と感謝されているという。

 決勝大会では、五藤さんら職員6人が劇仕立てにして取り組みを紹介。「『最期の入浴』は家族にとってもスタッフにとっても心の整理となる大切な時間」「お別れはつらく悲しいが、私たちだからこそできる最後の支援」などと意義を訴え、来場者の投票で日本一に輝いた。