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 マイナンバー制度のシステム設計契約に絡む厚生労働省職員の汚職事件で、同じ部署にいた別の職員も、同じ業者から200万円以上を受け取っていたことが関係者への取材でわかった。「借りたが返した」としているが、業者に便宜を図ったなどと警視庁が判断すれば刑事責任を問われる可能性がある。厚労省は近く処分する方針。

 関係者によると、この職員は年金局の男性(56)。情報政策担当参事官室(情参室)の室長補佐だった昨年6月ごろ、東京都千代田区のシステム開発会社「日本システムサイエンス」側から数十万円を受け取った。その後約1年間にわたって毎月のように現金の授受を繰り返し、総額200万円以上に上るという。

 元室長補佐は、汚職事件を受けた厚労省の調査に「最初は帰省費用として借りた。全額返済した」と説明。今年6月に返済し、無利子だったという。

 捜査2課は、同社の元社長(73)から2011年11月に100万円の賄賂を受け取ったとして、同じ情参室の室長補佐中安一幸被告(46)=収賄罪で起訴=を今年10月に逮捕。捜査関係者によると、捜査の過程で、会社側と元室長補佐との現金授受が浮上したという。