【ジェスカズガン(カザフスタン)=共同】油井さんの乗ったソユーズは強風で粉雪が舞う悪天候の中、カザフスタンの雪に覆われた草原に着陸した。横倒しになったソユーズから運び出された油井さんは「ただいま。ありがとうございます。重力を感じますよ」と笑顔。「宇宙もだが、地球も本当にすばらしい。冷たい風も心地よい」と快活な声で語った。
油井さんは草原に設置された椅子に座り、笑顔を見せて関係者と握手した。「ゆっくりシャワーを浴びたい」と話した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、健康状態は良好という。
油井さんにとって初めてとなった宇宙滞在日数は141日16時間。新人ながら航空自衛隊パイロットの経験を生かし、無人補給機こうのとりのドッキングなど重要任務を見事にこなした。輝く「中年の星」として即戦力の活躍を見せた。
油井さんは米航空宇宙局(NASA)のチェル・リングリン飛行士(42)、ロシアのオレッグ・コノネンコ飛行士(51)と3人でソユーズに乗り、午後3時49分(日本時間同6時49分)にISSを出発。軌道上から地球に帰還するためのエンジン噴射を実施、徐々に降下して高度約100キロで大気圏に突入し、パラシュートを開いて3時間半後に着陸した。
ISSでは昨年以降、米国やロシアの補給機が相次いで失敗し、水や食料などの物資に不安が生じていた。油井さんは8月に物資を積んだこうのとりをロボットアームでつかみ、ISSにドッキングさせて不安を拭い去った。
油井さんはJAXAが2009年、10年ぶりに採用した新世代の飛行士。来年6月ごろから大西卓哉さん(39)の、17年11月ごろから金井宣茂さん(39)の初のISS滞在が決まっている。
7月23日に出発した油井さんは当初今月22日に帰還予定だったが前倒しになった。これが最近のソユーズでは異例の夜間着陸になった理由とみられる。
油井