今注目のアプリ、書籍をレビュー

「マリオメーカー」実況動画でわかる日本と海外の文化差

2015年12月18日 18時30分
このエントリーをはてなブックマークに追加
大ヒットしている任天堂のWiiUソフト「スーパーマリオメーカー」。どのような点が革新的だったのか、ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんが分析します。

ニコニコ動画のランキング上位を独占



飯田 藤田君はマリオメーカーを買ったんですよね? 僕はゲーム実況を見ているだけなんですが……。

藤田 買いました、今やって、ステージ作って公開しているんですが、マジで人気ないですね、泣きそうですw

飯田 www

藤田 この作品はThe Game Awardsのファミリー部門で受賞していましたね。簡単に言うと、WiiUのゲームで、スーパーマリオのステージをみんなが自分で作って、ネット上で公開して、遊んでもらったり、遊んだりできるというゲームですね。

飯田 Amazonレビューを見たら「素人がつくっても全然人気出ねえし、人気あるコースは初見殺しの無理ゲーばっかりでクソ」っていう意見と「小学生の子どもに買ってあげました! 息子が作ったコースで遊んでいます♪」みたいな家族で楽しくやっている意見と二分されていておもしろかった。

藤田 そしてそれが、ニコニコ動画の実況などで大人気で、ランキング上位を独占して「マリオメーカー問題」に発展している……らしいですが。ぼく、これ、先に結論言うけど、任天堂はニコニコの使い方がうまいという話なんだと思うんですよ。元々、改造マリオや、それを使った全自動マリオという作品がニコニコで流行っていたのですが、それを公式に作れるようにしたゲームがマリオメーカーだと考えればいいんですよね。非常に巧みなネットの使い方だなと思いましたよ。

飯田 そうね。あと『マインクラフト』に代表される、ユーザーが自分で世界を作れるゲームの流れだよね。「『RPGツクール』みたいなもんでしょ」って言われているけど、これが「マリオ」じゃなかったらあそこまでは絶対売れてない。めちゃくちゃうまいIPの使い方。

藤田 やっぱり、マリオですよ。ぼくも最初は、「ノスタルジーに訴えかけるだけじゃね~の~?」と懐疑的だったのですが、やってみたら、おもしろいおもしろいw

任天堂は実況文化をソシャゲより重視?


藤田 マリオメーカー問題について少し触れますが、ニコニコのランキング上位がマリオメーカーばっかりになるので、ニコニコの多様性や実験性、アナーキーさが失われる……とか言っていますが、ぼくから言えば、それは、初音ミク、アイマス、東方の御三家ばっかりのときにも言われていたので、大衆化・商業化したら必然的に起きること、としか思わない。
関連キーワード

注目の商品