内閣府は18日、東京電力福島第1原子力発電所事故で避難した福島県の住民へのアンケート結果を公表した。東日本大震災が起きた2011年3月11日、国が原発周辺地域の住民に出した避難指示や屋内退避指示を、翌12日までに知ることができた人は2割未満だった。緊急時の情報伝達の不十分さが改めて浮き彫りになった。
同11日夜に出された原発から半径3キロ圏内の住民に対する避難指示について、翌日までに知った人は15.6%。指示を知った際、「どこに避難すればよいか分からない」と感じた人は47.7%に上った。事故直後は停電などの影響で自治体からの情報が伝わりにくかったためとみられる。
原発から半径3~10キロ圏内の住民に同11日夜に出された屋内退避指示については、翌日までに知った人は18.8%で、指示を知った人のうち実際に屋内退避したのは59.9%だった。
11年5月から14年2月までに、原発事故前に同居していた家族と離れて暮らすようになった人は約40%に上った。別居の理由は「仕事の都合」が約半数を占めた。地元に残って働く世帯主が家族と一緒に避難できない例が多かったとみられる。
11年4月末までに滞在した避難先の数を聞いたところ「5カ所以上」という人が22.2%いた。
アンケートは昨年2~5月、福島県の22市町村の避難世帯を対象に実施、約2万人が回答した。
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