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<澤穂希引退>辻上氏、仙台で共同生活夢見る

澤選手の引退会見を受け、心境を語る夫の辻上さん=17日午後7時35分ごろ、仙台市青葉区

  サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」を率いて2011年女子ワールドカップ(W杯)の優勝に貢献し、今季限りでの現役引退を発表したMF澤穂希選手(37)=INAC神戸=の引退会見を受け、夫であるJ1仙台運営・広報部長の辻上裕章氏(39)が17日、仙台市内で記者会見を開き、「長い間お疲れさまと伝えた。妻の最終章のシーズンを、夫としてサポートできたことに感謝している。彼女しかできないフィールドでの活動を支え続ける」と話した。
 現役引退の意向は7日夜に電話で伝えられた。「その時が来たと思った。全てを受け入れる心境だった」と振り返る。
 今夏のW杯カナダ大会を前にした昨年末にも引退の相談を受けた。「まだ体が動くのにW杯を目指さないのは寂しかった。妻のチャレンジ精神をかき立てることが、僕のできること。W杯のピッチに立った時はうれしかった」と述べた。
 会うのは月1、2回だが、ほぼ毎晩寝る前に電話で近況を話し合う。同居については「今季終了後に決めたい」。一方で「やはり夫婦なので一緒に住みたい。妻は料理が上手なので、日常的に食べられるのが楽しみ」と、仙台での共同生活に思いを巡らせた。
 澤選手が所属するINAC神戸と、ベガルタ仙台レディース(仙台L)は19日にある皇后杯全日本選手権準々決勝を共に勝ち上がると、23日の準決勝で戦う。「仙台Lには初タイトルを取ってほしいが、妻にもこれまで培ってきた思いを出し切ってほしい」と笑顔を交えながら複雑な思いを語った。
 正月は双方の実家にあいさつに行くという。「まずは2人で落ち着いた時間を過ごしたい。来年いつか、旅行など出掛ける時間を設けたい」と待ち遠しそうに話した。
 辻上氏は群馬県出身。早大卒業後の2000年に当時J2の仙台に入団し、DFとしてプレーした。翌年の引退後はJ1柏のフロントに勤務。出向先の共同通信社で運動記者として働き、日本サッカー協会にも出向。13年に仙台入りし、強化・育成部などを経て今月1日、運営・広報部長に就いた。


2015年12月18日金曜日

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