ここまで分かる?はぁ。
分かんない…。
こんにちは中江有里です。
今日のテーマは手紙なんですがかもめんたるの2人はふだん手紙書かれますか?書きますよ。
僕毎朝の日課がファンレターに返事を書く事なんで。
うそつかないでよ。
来たとしても1年に何通かでしょ。
どうですか?生徒の皆さん手紙書かれますか?
(瑞生)全く書かないです。
全く書かない。
全く書かない。
え〜。
携帯ばっかり使っちゃって手紙はあんまり書かないですね。
やっぱりじゃあメールが多い。
(結衣)そうです。
毎日日記はつけててでも誰かに書くっていっても本当メッセージカードとかそのぐらいしかないですね。
葉書を手に取らないぐらいの…。
全く手紙を書かないっていう…4人が集まって。
今日のね演習に合ってますよ。
はい。
今日ぴったりですね。
今日は手紙の書き方そして手紙の魅力について学んでいきましょうね。
(槙尾)じゃあみんな今日も頑張りましょう!
(4人)オ〜!ではまずは…これが手紙の例ですね。
中学時代の先生に宛てた手紙です。
手紙は大きく3つの部分に分ける事ができます。
始まりの部分を前文。
真ん中を主文。
終わりの部分を末文といいます。
それぞれの部分は更にいくつかの項目で出来ています。
前文は……の4つから成っています。
(岩崎)あ〜もう既にこの時点で面倒くさい。
ちょっとそんな事言わないの。
そして主文ですけれども…
(岩崎)ああそれぐらいならまだ覚えられますね。
そして末文は……の5つです。
(岩崎)え!宛て名が最後なんですか?はい。
え〜知らなかった。
この前文の時候の挨拶っていうのは季節を大切にする日本人らしい心が感じられますよね。
うん本当にそうですよね。
この時候の挨拶はね月ごとに決まった表現があるんです。
そこで突然ですが…ここにですね4つの時候の挨拶が書かれたカードがあるんですけどこれ1枚ずつ引いてもらってその挨拶が何月によく使われるものなのかを答えてもらいます。
(生徒たち)はい。
では皆さん1枚ずつ引いて下さい。
「菊花薫る時…」。
あっこれ…はい。
(瑞生)「菊花」。
え〜!分かんない。
じゃあ続いて理乃。
はい。
(岩崎)何で?あれ?あれ?
(岩崎)じゃあ圭祐。
(圭祐)はい。
(槙尾)さあこれは何月でしょうか。
あ〜。
(槙尾)惜しい。
これはね…「梅雨の候」。
(岩崎)これはね惜しいんですよ。
「梅雨」と読んでほしいんですね。
(結衣)「梅雨の候」。
はい。
(槙尾)お〜正解!
(結衣)本当ですか?やった!挽回しました。
(岩崎)最後の最後でね。
いや〜でもねなかなか難しかったみたいですね。
でもねこういう時候の挨拶はね別に定型以外のものでも自分が書く時の気候や陽気に合わせて考えていいんですよ。
(槙尾)あっそうなんですか?空梅雨なのに梅雨の候なんて言ってたらおかしいですもんね。
時と場合に応じて使っていいんですね。
使う月を限定しない時候の挨拶もありますのであまり堅苦しく考え過ぎず季節を楽しむ気持ちを大切にしましょう。
(茉愛羅)言葉の…。
(一同)言葉のプロに聞いてみよう。
今日の言葉のプロは中江さん。
作家脚本家でもある中江さんに手紙の魅力について聞きます。
メールやSNSってリアルタイムでコミュニケーションができてとても便利じゃないですか。
はい。
(槙尾)そんな時代だからこそ手紙の魅力ってどういうところだと思いますかね。
一つ一つの事が手紙っていうのは籠もってるんですね。
例えば便せんどれを選ぶか。
封筒どれを選ぶか。
切手をどれに貼るか。
そして中身の文章ももちろんそうなんですけど結局その……と思うんですよね。
メールだったら例えば寝転んでピピピッと押せちゃうかもしれないし何か仕事のついでにカチャカチャカチャッて送れちゃうかもしれないけど手紙は一度自分が机に座ってきちんと文字が乱れてないかとか内容をやっぱり精査しながら書かなければ書けないものだというふうに思うので……と思いますね。
封筒とか便せん選ぶ時に「俺のセンス大丈夫か?」って…。
そういう時はどういう気持ちで乗り切ったらいいですかね。
だからといってなにもかしこまり過ぎる事はないと思うんですよね。
相手のやっぱり気持ちって伝わるのでたとえどんな…例えば文字を書き始めたような小さいお子さんが葉書に書いた文字でもやっぱり伝わる気持ちってのがありますよね。
そういうものでいいと思うんですよ。
そこから始まればあとはみんなだんだんだんだん上達してくるんじゃないかなと思います。
手紙の書き方を学ぶ今日の演習。
後半は実際に手紙を書いてみます。
さていよいよ皆さんに手紙を書いて頂きます。
私ラブレターなら書いてみたい。
そうですね。
ラブレターもね人生を左右する大事な手紙です。
そうですよね。
でも今回は…いやいや僕なんてまだ先生なんて呼ばれるような…。
あんたにじゃないわよ。
相手がね仕事関係の場合はねパソコンなんかで書く事もあると思いますけれどもやっぱりお世話になった先生へのお礼の手紙ですから是非手書きで書くと喜ばれると思います。
せっかくなので書く紙にもこだわりたいですよね。
そうですよね。
手紙はやっぱり内容も大切なんですけれども…よ〜しみんな便せんや封筒好きなの買ってこいや〜!
(4人)う〜っす!やって来たのは書道の道具や便せん封筒などを販売しているお店。
たくさんの種類が並んでいますがどうやって選べばいいんでしょうか。
今日はよろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
あの今日便せんを選びに来たんですけど…基本的にこれじゃなきゃいけないっていうのはないです。
好きなものを選んで構わないです。
季節の柄とか…。
こういうのに書いてあげると…。
(生徒たち)かわいい!
(理乃)うれしいですねそれ。
(庄司)こういうの選んであげて喜ぶかなと。
今みたいに「かわいい!」って言ってもらえるかなというのはやっぱり大事じゃないかなと思うんですよ。
かわいい!あ〜確かに。
考えてますって感じ。
ねえ。
うめゆいさんが手にしたのは…
(庄司)便せんとかだと「拝啓」から始まってちょっと堅苦しくなりますよね。
そういうのをなしで書けるようなもの。
すぐに気持ちを書けるっていうところがいいところだと思います。
なるほど。
封筒を選んでいる瑞生君。
何かに気付いたようです。
封筒にはこうやって一重のものと二重になってるものがあるんですね。
(瑞生)違うんですね。
(庄司)うん違うんですね。
二重の方は書いたものを入れた時に外に写らなくていい訳です。
ああ。
ただし不幸があった時に送る手紙には…皆さん気に入ったものが見つかったようですね。
(4人)心を込めて書きます。
みんなの手元に買ってきた便せんや封筒がありますね。
これらを使って手紙を書いていきましょう。
前半で学んだ伝統的な形式を意識して書いて下さいね。
じゃあ用意…ふだんほとんど手紙を書く習慣のない皆さん。
いきなり伝統的な形式の手紙なんて書けるんでしょうか。
一心不乱に書いている圭祐君。
中学時代の先生への手紙のようですね。
理乃さんはちょっと悩みながらも少しずつ筆を進めています。
心を込めて書く手紙もうすぐ完成です。
講師の幸田先生です。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
なぜこのような手紙の形式が必要なのでしょうか。
手紙の形式と聞くと古くさいと思うかもしれませんがこれは長い時間かけて一般化された常識ですね。
この常識を知らない事で人間関係がぎくしゃくするより…また…そうですね。
手紙ならではの価値や効果というのはどういう点でしょうか。
情報のスピード化が求められる現代では手紙はもはや古い時代遅れの通信手段のようにも思われますがしかし逆にそこに手紙の価値があると言っていいかもしれません。
手紙を送る側も待つ側もその手紙が届く時間を心待ちにします。
小学校の国語教科書にローベルの「お手紙」というお話が載っています。
そこでは友達から送られた手紙が届くまでの時間がいかに豊かな時間であるかが描かれています。
相手に心を届ける手紙にはかえって…そんなふうに思います。
ああ。
手紙はね郵便などで送る「物」。
これは贈り物ですよね。
やっぱり心を込めたプレゼントをするという気持ちを持つという事も大切ですね。
はい。
皆さんはどんな手紙を書くのでしょうか。
楽しみですね。
はい。
みんなの手紙が出来上がったようです。
では順番に読んでもらいましょう。
まずは瑞生。
僕は高校の先生に書きました。
いきます。
「拝啓街中が光であふれる頃になりましたがいかがお過ごしでしょうか。
さて今回は先生に感謝を伝えたいと思い手紙を書きました。
高校一年生の途中にこの高校に転校してきて授業についていけなかった僕に毎日放課後に勉強を教えてくださってありがとうございました。
今では勉強が非常に楽しいです。
僕の為にもお身体に気をつけて下さい。
敬具」。
ふだん全く手紙を書かない瑞生君が一生懸命形式にのっとった手紙を書いてくれましたよね。
時候の挨拶もオリジナルなものを考えてくれました。
…がただ言葉がちょっと足らないかなと思いますね。
例えば「街なかを彩るイルミネーション」とかそういう言葉がないとちょっと抽象的かなって感じがしますね。
何か天国に召されたのかなっていう…。
ちょっと!私は…「拝啓冬の寒さもピークを迎えそうですがいかがお過ごしでしょうか。
私はさいごの定期試験の勉強に追われています」。
理乃さんは大学受験を目前にした今学ぶ事の楽しさを教えてくれた先生に対する感謝の気持ちを手紙に書きました。
え〜形式もさる事ながら内容がとても充実しています。
進路の事からなぜ学ぶのかという事そしてその事が先生へのお礼の手紙を書く事につながってますよね。
ですのでこれをもらった先生はとてもうれしいと思います。
相手に対する気遣いもきちんと示されていてとてもすばらしいと思いました。
これもし自分がもらったらちょっと感動してしまうかもしれません。
僕が切手代出すので…。
(槙尾)出しますか?
(岩崎)送りましょうこれ。
もったいないんでねこのまま捨てちゃったら。
「拝啓こたつにみかんが似合う季節となってまいりましたがいかがお過ごしですか」。
圭祐君が書いたのは作文が好きになるきっかけを与えてくれた先生への感謝の手紙です。
圭祐君の手紙ですばらしいのがですねこの時候の挨拶ですね。
これは季節の実態とか天候の状況に左右されないこの時期を表す時候の挨拶としてはとてもすばらしいんじゃないでしょうかね。
何かすごく字が決してきれいな訳じゃないんですけどすごく本当時間かけて書いてくれたんだなっていうのが分かりますね。
私は中学校の時にお世話になった先生に書きました。
「拝啓寒い時期ももう終りに近づいてきていますが体調はいかがですか?」。
うめゆいさんは給食の牛乳にまつわる先生との懐かしい思い出をユーモアを交えて書きました。
うめゆいさんらしいエピソードが具体的に書かれていてとてもいいんですが…時候の挨拶ですよね。
「寒い時期ももう終りに近づいてきています」と。
12月ですのでまだねこれからどんどん寒くなっていくんじゃないかなと…。
あとはもう少し段落を作って改行してね読みやすくするといいかもしれません。
どうしてね急にこのエピソードの事を思い出したのかなっていうの気になっちゃいますよね。
(岩崎)謝罪文なんですよねこれ。
あまり本当に手紙を書かれないというふうに聞いてましたけど形式さえあればしっかりここまで書く事ができるんだなっていう事が分かりました。
これを単に知識として知ってるっていうのと実際に書いた事があるというのでは大きな違いがあります。
将来必ず求められる事ですからこの機会に是非マスターして下さい。
(生徒たち)はい。
先生今日はありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
皆さん今日の演習はどうでしたか?手紙とか封筒とか選んでる時も書いてる時も先生の顔を思い浮かべながら書いてたんでやっぱり心が伝わるんだな手紙って思いました。
書く前の準備からやっぱり相手への思いっていうのがね生まれてきますよね。
手紙を書きながら相手を思い出してるその時間がすごい心地よくて手紙書くのってすごいすてきな事だなって本当に思いました。
何かみんなね手紙書いてすごいかっこよかったですよね。
何か何にもできないやつらだと思ってたんで…。
何なのよそれ。
すごく見直しました。
あっそうですか。
では岩崎さん例のものを短めに。
拝啓手紙の達人末敬具。
短すぎよ。
最後何つった?バイバ〜イ。
(4人)バイバ〜イ。
2015/12/15(火) 14:10〜14:30
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 国語表現「手紙の書き方」[字]
読む、書く、聞く、話す。あらゆる教科で必要な表現の基礎力を養います。ユニークな演習や様々な分野で活躍する表現の達人へのインタビューで、表現のコツを学びます。
詳細情報
番組内容
コミュニケーションのための道具として、メールやSNSが使われることが多いが、大切なお願いやお礼のためには手紙が重要な役割を果たす。手紙には時候の挨拶など定型の書き方があり、それを守らないと相手に失礼になりかねない。手紙の書き方を学ぶ。【出演】中江有里、かもめんたる、幸田国広
出演者
【講師】早稲田大学准教授…幸田国広,【司会】中江有里,【出演】かもめんたる,中嶋理乃,梅村結衣,大野瑞生,斉藤圭祐,【語り】田中杏沙
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:26461(0x675D)