NHK高校講座 地学基礎「大気の大循環」 2015.12.16


文字で表すと…という事なのだ。
(垣内)そ〜っと1g。
何かさっきからやけに丁寧な仕事してるけど何してんの?何の粉?それ。
よいしょよいしょ。
あららっ風が…。
あ〜!やめて下さい。
飛んでっちゃった。
はあ…垣内家秘伝のカレーの粉が。
ハハ。
ああ〜…。
ああっ!あっ…あ〜あ。
いいじゃない。
今日の話は風の話なんだからさ。
んっ?まあといってもあの…地球レベルの大気の流れの話ですけどね。
大気の流れ?うわ〜。
あ〜…はあ意地悪ですね。
フフフフ。
うん確かに。
風といってもいろいろありますよね。
まあそんなちまちました風じゃないけどね。
地球規模の大気の動きですからね。
地球規模の風?うん。
という事はこういう事ですか?ほっ…これってどんな風だ?いやちょっと違うの。
地球の外から吹いてくる風ではないんですわ。
うん。
まあいいや。
じゃあ今日のキーワードいきましょうか。
お願いします。
ねっまずはこれ。
はい。
でこれ。
そして…。
これみんな大気の流れに関するキーワードなんですか?そうですよ。
ふ〜ん。
かっきー偏西風って知ってる?知らんか。
じゃあ後で説明するとしてまずはこちらから。
はい。
これが大気の流れのもとなんですわ。
ふ〜ん。
じゃあ市川隊員の調査を見てみましょうかね。
市川さんよろしくお願いします。
よろしく〜。
地球調べ隊の市川です。
ではご報告しましょう。
地球上には暑い所と寒い所があります。
暑いといえばアフリカとかハワイとか。
まあ赤道に近い所ですよね。
そして寒い所といえば南極?北極?極に近い場所ですね。
ではどうして北極や南極は寒くて赤道付近は暑いのか。
それを解明するキーワードが…地球上では緯度によって太陽から受け取る熱の量が違います。
例えば熱帯。
暑いですね〜。
太陽がガンガン照りつけています。
一方こちらは極地方。
太陽の高さも低いし弱々しいですね。
つまり緯度によって太陽から受け取る熱の量が違うんです。
太陽の光を受け取る角度が違うとこんなにも変わってしまうんですね。
でも私ここでちょっとした疑問に突き当たってしまいました。
どんな疑問か皆さん分かりますか?んっ。
疑問って何でしょうかね。
それは前回学んだ地球の熱収支との関係だと思うけどね。
うん?地球の熱収支とはね。
はい。
はい。
地球に入ってくる熱と地球から出てく熱はつり合ってるって話でしたよね。
そうでしたね。
ほんじゃあ今度はこのパターン見て下さい。
おおっ?縦軸が緯度。
真ん中がだから赤道でこう極になる訳。
こっちに北極南極ね。
なるほど。
ほんでこの横軸の方は熱の出入りなんだけどもさえ〜この低緯度つまりは熱帯地方では太陽の放射が多い訳よね。
うん。
だから入ってくる熱が出てく熱よりも多い。
うん。
つまり暑い。
そういう事ですな。
今度逆に高緯度にいくと地球からの放射の方が多くて結果出てく熱が多い訳よね。
うん。
つまり寒い。
そのとおり。
これが市川隊員の疑問だと思うんだよね。
うん?…って事なんじゃない?緯度ごとに見ると熱収支はつり合ってない。
まあ確かにそうですよね。
これ入ってくる熱の方が多い熱帯ではこれどこまでも温度が上がっちゃうし出ていく熱が多い極地方ではどこまでも温度が下がっちゃうはず。
でしょ?うん。
だけど…その差40度ぐらいで落ち着いてる訳じゃないね。
何でそんなに丸く収まってるんですかね。
そこで重要な役割を果たしているものの一つが…ハドレー循環って一体何なんでしょうか?んっ?大気の大循環で熱輸送ですか?はい。
実は緯度によって熱収支がつり合っていないのに地球全体では熱収支がつり合っているのは地球レベルの大気の流れつまり大気の大循環などによって熱帯地方の熱がですよ寒い地方に運ばれてるからなんですね。
熱が運ばれる?はい。
今回立体にしてみましたよ。
ワオ!すご〜い立体だ。
これは北半球の大気の大循環を表した図なんだけどさ。
ここ赤道付近から亜熱帯にかけての大気の循環があるの。
でこれは…ふ〜ん。
この大気の大循環を…。
おっ出た。
こっちもなんだけどさハドレー循環っていうのさ。
大気が熱を運んでいくっていう事なんですね。
そうそう。
大気の大循環はハドレー循環以外にもここ中緯度や高緯度にもあるんですね。
もしこうした…100度ですか?はい。
結果地球全体でおおむね快適な環境になってるっちゅう事だったんですね。
え〜大気の大循環ってすごいですね。
でしょ。
すごい大気の流れはハドレーさんだけじゃないんですね。
ジャ〜ン。
おっ出た偏西風。
はい。
こっちもすごいんだけどさこの偏西風っていうのはこの中緯度の立体になってるとこねこの大気の流れの事をいいます。
うんうん。
特にこの日本ではなじみの深い大気の流れなんですよ。
この偏西風ちゃん。
私たちになじみ深いんですか?ええ。
どんな大気の流れなんでしょう?うん。
それを調べるのが…。
が…?が…?私の役目。
はい分かりました。
じゃあ行ってきます。
そういう事でございます。
頑張ってくるんだぞ〜。
垣内隊員が向かったのは空港の国際線ターミナル。
空港といえば飛行機。
で飛行機といえば風は付き物。
実はここに偏西風を肌で感じている人がいるんです。
それは旅客機のパイロットの皆さん。
パイロットの伊関寛さんは機長歴10年以上のベテランです。
実際のところを聞いてみました。
え〜私たち…地上から約1万メートル近く富士山でいいますと富士山の3倍ぐらいの高さを飛んでるんですね。
そうなんですね。
偏西風は中緯度地方を西から東に吹く上空の風。
その強さは上に行くほど強くなり…この強い偏西風の流れをジェット気流と呼びます。
その場合ですと通常…例えば…ところが…そうなんですね。
はい。
旅客機の行きと帰りの所要時間が大きく変わるのは偏西風のためだったんです。
パイロットの皆さんは偏西風に注意しながら操縦しているんですね。
ジェット気流は目に見えないので「大体ここにあるだろ」っていう予想で飛ぶんですけどもそれはやっぱりずれたりするんですね。
その中を…それでは今日も安全に空の旅を。
それでは行ってらっしゃい。
行ってきます。
は〜い。
地球規模の大気の循環は旅客機の運行にも大きな影響を与えているんです。
隊長。
ハワイに行く時と帰りでかかる時間が違うのは偏西風のせいなんですよ。
知ってますよ。
えっ。
では大気の流れをまとめてみましょうかね。
そうですね。
うん3つ。
赤道付近で上昇して亜熱帯で下降する流れがハドレー循環でしたね。
はい。
ハドレー循環は亜熱帯で下がってくると赤道に向かって地上付近を吹く風になるんですね。
う〜ん。
よいしょこんな感じかな。
はい。
でこの風は地球の自転の影響で東から吹く貿易風になります。
自転の影響で風向きが決まるんですか?ええ。
地球が自転している事でどんな事が起こるのか簡単な実験で見てみましょうかね。
はい。
この円い板は地球を北極から見たもの。
円の縁が赤道に当たります。
地球の自転の向きに板を回転させます。
そして円の中心つまり北極から赤道に向かって玉を転がすと玉はまっすぐ進みます。
でも私たちは地球と一緒に回っているので地球が止まっているように感じていますね。
そこで地球が止まって見えるように映像を逆方向に回転させます。
すると玉は曲がっているように見えてきます。
自転している地球の上の私たちからは風の向きによってこのように風が曲がって感じられるのです。
隊長。
自転の影響って不思議なものなんですね。
ねえ。
風も同じように自転の影響を受けて向きが決まる訳なんですよ。
なるほど。
ほんで中緯度には偏西風があります。
んで高緯度地方ここにも大気の循環があって地上付近ではやっぱり地球の自転の影響で極偏東風っていうんだけどさ風が吹く訳ですね。
極偏東風。
でこれ北半球で見てきましたけれども南半球でも同じ事です。
ふ〜ん。
これで地球全体の大気の大循環なんですね。
うん。
でも隊長。
この偏西風だけこれだけ何か妙にくねくねしてませんか?あらっあんたいいとこにまた気付きましたね。
あらっ?その偏西風のくねくねを蛇行っていうんだけどこの蛇行が地球全体の気象にも大きな影響を与えているんですよ。
これもどういう事か私が調べてきます。
ああそう?はい。
いやここで説明しようと思ったのに調べに行かんでも…。
まあいいや。
垣内隊員が向かったのは…偏西風と気象の関係を探ります。
こんにちは。
よろしくお願いします。
ここの研究室では世界の気候それの成り立ちとか変動について研究しています。
中村先生が研究している気候…はい…そうなんだ…。
ええ。
ふ〜ん。
偏西風が蛇行する事で暖かい空気が寒い地方に冷たい空気が暖かい地方に運ばれていくんです。
こうして大気が大きく循環する事で地球全体に熱を運んでいるんです。
蛇行する偏西風は気象の変化もつくり出します。
暖かい空気が北に上がって暑くなったり冷たい空気が南に下がって寒くなったりします。
更にこの偏西風の蛇行は異常気象とも関係があるんです。
へえ〜。
偏西風の蛇行が大きくまた長い間続くとその影響で気温や降水がいつもの年とは異なる状態になります。
洪水が起きたり猛暑になったり寒波が襲ったり世界中にさまざまな異常気象を起こしていくんです。
偏西風の蛇行の変化などによって起こるさまざまな異常気象のメカニズム。
それを更に探る研究が続けられています。
よろしくお願いします。
(武田)よろしくお願いします。
さあ今日は大気の大循環の話でしたけどこの前のあれじゃないけど大気の大循環が可視化して見れる写真とかないんですか?あっ私が撮ってきた雲の写真でね説明できるんです。
地上からじゃないですか?そう。
地上から撮った雲の写真ですが偏西風の強い流れをジェット気流というんでしたね。
そのジェット気流が日本の上吹いてる時にこういう雲がね高さ10キロぐらいのとこにね雲が次々流れていく。
こうしましまになるとね風が強い時。
これつまりは偏西風を表している。
そう。
偏西風の中でもジェット気流です。
雲で分かるんだ。
そう雲で分かる。
貿易風っていうと今度はハワイがイメージありますけどそれも見れる…?もちろんハワイでも写真撮ってきました。
あらっおあつらえ向きに…。
これは何?貿易風の影響の雲だって分かるんですか?ハワイだと絶えず北東の風吹いてますよね。
絶えず風。
あれがまさに貿易風でそれによって低い雲がハワイでは次々やって来てそして時々雨降ります。
その時に虹が出るんですよこうやって。
それはなんと貿易風が影響してるって事ですか?そうですね。
貿易風の雨っていうのはにわか雨で時々ザッと降ってこっちが晴れてたりするんですね。
日本だと全体曇っちゃうから雨降ってると月とか太陽出てませんよ普通はね。
でもハワイだと月や太陽出てる時に雨が降るから虹が出やすいと。
じゃあ今日のこの大気の大循環はある程度地上から見たら分かる場合があると…。
そうあの…体で感じられるし目で見えますから。
雲見てね。
へえ〜。
そうやって理解してほしいなと。
こういう知識を入れた上で空を今度見てみたいもんですね。
そうですねはい。
はい。
隊長。
はい。
私も海外旅行好きなんですけど偏西風のせいであの…行きと帰り時間が違うって事今までお恥ずかしながら知りませんでした。
何〜?ハハハ。
ただ単に行きと帰りで何か空路が違うのかな〜って思ってました。
じゃあいい勉強になりましたね。
なりました。
あの…大気の大循環なんていうとどっか遠いとこの話のようでそれぐらい身近だって事ですよ。
うん。
たださ理屈としては分かったけど不思議感は抜けない話だね。
そうですね。
私はそう思いましたよ。
うん。
2015/12/16(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「大気の大循環」[字]

「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。

詳細情報
番組内容
太陽放射から受け取る熱の量(受熱量)は、地球が球形であるので、緯度によってかなり違いがある。しかし大気の大循環などによって熱が運ばれるため、赤道地方と極地方の温度差は小さくなっている。低緯度地方の貿易風、中緯度地方の偏西風、高緯度地方の極偏東風などは、大気の大循環に伴う風だ。今回は、大気の大循環のしくみを考える。【出演】関口知宏、垣内彩未【講師】武田康男
出演者
【司会】関口知宏,垣内彩未,【出演】日本教育大学院大学客員教授…武田康男,【語り】市川展丈

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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