「世界の工場」が終焉へ、中国OEM製造業の30%で給与支払い遅延?=中国メディア
2015-12-18 07:33

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中国メディア・第一財経日報は16日、従来の製造業を中心とした産業構造の転換を目指す中国で、OEM企業が厳しい冬の時代を迎えているとする記事を掲載した。
記事は、「冬の寒気が製造業においてさらに蔓延しており、一部企業では長年の生産能力拡大に伴う資金不足が、会社の負担能力を超えてしまっている」と説明。「現状、遅れることなく給料を出せる企業は製造業界の30%程度しかない」という業界関係者の話を紹介した。
また、従業員の給与を出すための資金確保が難しくなるとともに、生産者物価指数(PPI)低下により、工場を存続させるために製品の出荷価格を引き下げざるを得ないという状況もOEM企業の経営を苦しくしているとした。
そして、専門家が「OEM企業は請け負い元からの制約を受けるうえ、自らのブランドを持っていないほか、エンドユーザーのニーズも理解していない。今後これらの企業が発展するうえで抱える負荷はますます大きくなる」と解説したことを伝えた。
これまでは廉価な労働力を武器に国内外の大手企業向けのOEM製品を作ることで成長してきた中国の製造業。しかし、近年は人件費の上昇によってアドバンテージが薄れ、技術や研究開発力、マーケティング力といった面での優位性がなければたちまち経営が行き詰まるという状況に変化しつつある。サプライチェーンの中でなかば「相手のいいなり」になってきた彼らが、自ら考えて製品を開発するという習慣を身に着けるのは、決して容易なことではなさそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)