(最終回)無痛〜診える眼〜 #10【西島秀俊主演】 2015.12.16


(早瀬)イバラ!
(為頼)撃つな!早瀬!どうして撃った?早瀬!早瀬…!何で撃った!彼は犯行を認めていた。
自首させるつもりだったんだ!あいつは凶悪犯なんだ。
止めなきゃまた人を殺す!南サトミだってどうなったか。
あの子ならうちで預かってる!イバラ君が連れてきたんだ。
助けてくれと言って。
なのにお前は…!
(早瀬)助けてくれ?早瀬です。
イバラを発見。
大至急捜査員の派遣を要請します。
場所は万国橋。
(白神)そうですか。
イバラが一刻も早く発見されることを祈っています。
いえ私の警護は結構。
お気遣いなく。

(操作音)
(和枝)あっねえ英介君どうだった?ちょっ…英介君…。
(菜見子)為頼先生…。
早瀬刑事がイバラ君を撃った。
(菜見子)えっ?
(和枝)じゃケガは?急所はそれた。
致命傷にはなってないはずだけど川に落ちて…。
それで?まだ見つかってない。
警察は明るくなってから本格的に捜索を始めると…。
どうして撃たれなきゃならなかったんですか?イバラさんは白神先生に薬で操られてたんですよね?俺もそれを伝えようとしたんだ。
危険なのは早瀬さんの方よ。
もうそんな先走って撃つなんて。
サトミちゃん…。
(菜見子)駄目サトミちゃん。
(和枝)ちょっサッサトミちゃんあなた寝てなさい病気なんだから。
ねっ?サトミちゃん…。
(和枝)ちょっ…。
あっ…。
(菜見子・和枝)サトミちゃん…。
(和枝)サトミちゃんやめなさい。
(菜見子)上に行こう。
(和枝)ねっ?ねっ?ねえ落ち着いて。

(リポーター)元清掃員の男はことし4月に起きた中区の一家殺害事件の重要参考人で今月19日の夜勾留されていた港中央署から脱走。
その後男の勤務先であったこの病院から14歳の少女を拉致して逃走しました。
少女は無事保護されましたが男はいまだ見つかっておらず現在…。
(橋本)ちょっと…残った患者さんの転院手続きは?
(看護師)あっ進めています。
最後の1人までケアを怠らないように。
(看護師)はい。
(ノック)
(横井)失礼します。
院長今後の…。

(アナウンス)おかけになった電話番号は現在使われておりません。
番号をお確かめになっておかけ直しください。
英介君買物行ってくるわね。
あっうん。
寒くなってきたから鍋でもしようかしらね〜。
来たわよ。
早瀬さん。
じゃいってきま〜す。
イバラ君は?まだ…。
でも必ず見つけだします。
殺したかもしれないんだぞお前が。
死んでたらとっくに遺体が揚がってるでしょう。
ただでさえケガをしてたんだ。
撃つことはなかった。
危険な凶悪犯なんです。
だったら撃ってもいいのか!あいつはもう5人も殺してるんだ残忍な手口で!人殺しになりたくなかったら刑事を辞めろと言ったはずだ!俺は絶対にイバラが許せない!お前は危険だ。
やっと犯人を見つけたんだ無理もないでしょう。
イバラ君は自分が人を殺したと知ってひどく混乱してた。
この期に及んでまだそんなことを。
よっぽど異常なやつだな。
イバラ君が異常だと言えば言うほどお前が忌み嫌ってる事態に近づく。
刑法39条ですか?今そんなこと言ってる場合じゃないんですよ!殺人鬼が野に放たれたんだ!止めるには殺すしかないか。
俺の命と引き換えだっていい。
あいつには正当な罰を与える。
白神先生がそう言ったんだな。
お前の犯因症を見てイバラ君を殺させようとした。
殺させようと…?撃ったのは白神先生の思うつぼだったんだ。
仕組まれたんだよ!これを見ろ。
イバラ君の治験データだ。
ことしの4月17日白神先生の開発したドロールという薬を大量に飲んでる。
石川一家殺害事件の起きた日だ。
イバラ君は殺した記憶がない。
薬のせいで…?白神先生が殺させた可能性がある。
薬を飲ませてデータを取って隠し持っていたんだぞ!白神が石川一家を…?何かつながりがあるはずなんだ。
それで調べてたんですか。
聞いたか。
白神先生には10年前に死んだ弟がいた。
ええ同じぐらい優秀な医者だったとか。
白神先生はその弟の心臓を移植してる。
弟が死んだネパールで非合法な手段で。
どういうことですか?分からない。
ただ2年後に帰国してからなんだ。
白神先生が無痛治療の研究にのめりこんでこの薬の開発に乗り出したのは。
すぐ調べます。
早瀬!矛先を変えるだけならよせ。
お前はこの事件から降りた方がいい!そのデータコピー取っておいてください。

(イバラ)あ〜!あ〜!あ〜!・
(ドアの開く音)白神先生は?分かりません。
あなたは知ってたんですか?イバラ君の検査や投薬の現場を見ていたはずだ。
もちろん承知してました。
何かおかしいと思ったことはなかったんですか?いいえ何も?全て無痛治療を実現するためです。
あなたも利用されたんだ。
それとも…見えないふりをするうちに本当に見えなくなってしまったのか?あの何なんでしょうか?あなたみたいに優秀な人はどこに行っても立派な仕事ができただろうに。
何なのよ。
訳の分かんないこと…。

(太田)石川家の交友関係は相当当たりましたけどね。
もっとさかのぼるんだ。
徹底的に調べ直すぞ!
(太田)はい。
(男性)毎度どうも。
(仁川)おい。
(太田)あっ。
結婚したのちょうど10年前っすね。
ほらこれ。
ああ。
10年前…。
(仁川)おい。
これもうあったかいうち食べようや。
俺のおごり。
このリストから当たるぞ。
(仁川)えっお前おごりで3つ…。
行くぞ太田。
はい。
(仁川)えっえっ…3つ来てるがな。
おい!お前ら昼飯も食わんと行くんかい。
為頼先生?英介君。
もうただいまぐらい言いなさいよ。
あっ…面目ない。
ただいま。
(和枝)遅かったのね。
川沿いを歩いてた。
イバラさんはまだ…?ああ。
(和枝)おなかすいたでしょ。
はい座って座って。
ねっ?よいしょっと。
は〜い。
(和枝)サトミちゃん呼んでくる。
(菜見子)為頼先生その記事…。
ええ。
(菜見子)もう一度読んでとても気になったんです。
何でしょう?この文章は素晴らしい先生が幸せな家庭を築いたことだけ書いてあります。
でもサトミちゃんはこの石川先生につらい思いをさせられていたんですよね。
サトミちゃんを追い詰めた先生が家ではいい夫でいいお父さんだったなんて…。
何だかやりきれなくて。
(菜見子)完璧な先生なんていないかもしれませんね。
(菜見子)でもこの先生がもしサトミちゃんに少しでも手を差し伸べてくれてたらって…。
さあ行こう。
ねっ?フフフ。
みんなたくさん食べてよ〜。
フフ。
熱〜。
はい。
は〜い。
じゃいただきます。
(為頼・菜見子)いただきます。
(和枝)は〜い。
(和枝)ちょっと英介君…。
あっつ。
もう卵ぐらい溶きなさいよ。
いろんな味を楽しみたいんです。
バカねえ。
はいサトミちゃんどうぞ。
(菜見子)すき焼き久しぶりです。
(和枝)あっホント?よかった。
うん。
(和枝)うん。
(菜見子)おいしい。
(サトミ)おいしい。
(和枝)たくさん食べてね。
(菜見子)おいしいよね。
(菜見子)あっつ。
あっ…。
(和枝)えっ?
(菜見子)熱い。
(和枝)あっやだ〜。
(菜見子)これ…?えっ?・はい刑事課。
はい。
どちらさん?うん。
(太田)あっつ!
(仁川)はいはい。
早瀬ですか?はい少々お待ちください。
はい。
あの早瀬君は?
(太田)いや聞き込み行ってます。
じゃあのすぐに戻ってくるようにお伝え願えますか?
(太田)何かあったんですか?
(仁川)高島先生が来るんや!どうして急に?自分からちゃんと話したいと言いだしたんだ。
でも無理はさせないでください。
分かりました。
サトミちゃん話してくれるかな。
石川先生の家を見つけたんです。
家の前で小学校のときのこと色々思い出して…。
《しゃべってみろよマネキン女》
(児童)《キモい》
(石川)《ちゃんと声を出して言いなさい!》なのに先生の家から楽しそうな家族の笑い声が聞こえてきて…。
殺したいって思った。
(サトミ)そうしたら…。
(石川)《何なんだよ》《うっ…》
(彰子)《お願いやめて》《あっ…》イバラが殺したところを確かに見たんだね?イバラ忠輝は一家殺害事件の犯人で間違いないね?はい。

(サトミ)あのときのあの人はとても怖くて…。
でも…本当はあんな人じゃない。
どういうことだ?あの人は悲しくて寂しい人で…。
何も言わなくてもそれが分かったからついていった。
メスで脅されたんだろ?そんなことされてない!私は何も怖くなかった!あの人は優しい人。
私を助けてくれた!だけど人を殺した。
あの人のこと殺さなきゃならないんですか?
(サトミ)何で殺さなきゃならないんだよ!
(為頼・菜見子)サトミちゃん。
(サトミ)何で撃ったんだよ!何でそんなことすんだよ!やめろよ!何で殺したんだよ!もうやめろよ!何で撃ったんだよ!
(為頼・菜見子)落ち着いて。
(サトミ)何でそんな…!何で!何で…。
(菜見子)サトミちゃん。
何で…。
先に帰っててください。
(菜見子)はい。
薬のせいだったということはあの子の話からも間違いないだろう。
ええ。
白神先生がいないんだ。
いない?秘書も行方を知らない。
電話もつながらないままだ。
逃げたのか…。
無痛治療の研究をあっさり投げ出したまま逃げるとは思えない。
何か分かったことはないのか?石川夫婦の過去を洗ってますけどまだ…。
手伝うよ。
俺は…。
このヤマが片付くまでは絶対刑事を辞めません。
交友関係のリスト今持ってきます。
ただいま。
(和枝)あっおかえりなさい。
(菜見子)すいません自分の家みたいに。
いいのよ。
ちょうどよかったお客さんが来てんの。
あっ横井さん…。
どうも。
(和枝)今お茶入れるわね。
(菜見子)あっサトミちゃん2階にいて。
(菜見子)どうなさったんですか?為頼先生にお話があって。
(菜見子)あっそうなんですか。
でも高島さんに会えてよかったわ。
色々大変そうですね。
白神先生は?横井さん?返してくださる?白神院長はあんな人じゃなかった。
完璧な崇高な人だったの。
あなたたちが現れてから変わってしまった。
みんなあんたたちのせいなの。
本当にそうでしょうか?だとしたら白神先生は人のせいで変わってしまう方だったんですね。
完璧な人間なんていないと思います。
白神先生は横井さんにとって完璧な人だったかもしれません。
いえ完璧な人だと思いたかったんじゃないでしょうか?私にも白神先生をそんなふうに見ていたときがありま…。
あっちょっ…。
(和枝)何するの!?あ〜サトミちゃん2階行ってなさい。
(横井)放しなさい。
(和枝)ねえやめて。
やめて。
(横井)放して。
うっ…。
(和枝)あ〜!
(横井)あっ…。
(菜見子)サトミちゃん逃げて。
(横井)邪魔ばかりして!
(和枝)あ〜!やめて。
(横井)あんたたちのせいよ!あんたたちの!
(和枝)あっ英介君!やめろ!
(横井)あっ!うっ…。
うっ…。
何やってんだ!
(横井)あっ…。
うっ!あ〜!あ〜!大丈夫ですか?大丈夫です。
私は何でもありません。
カズさん警察に電話。
(和枝)あっあっ…けっ警察…。
(横井)あ〜…。
う〜…。
(菜見子)知らないうちに憎まれていた…。
そういうことはきっとよくあることなんです。
でも逃げないでちゃんと向き合わなきゃいけないのかもしれませんね。

(太田)どうもありがとうございました。
(女性)ありがとうございます。
失礼します。
太田。
はい。
すいません。
(操作音)
(呼び出し音)先生分かりました。
白神と石川家はやっぱりつながってたんです。
今どこですか?白神メディカルセンターだ。
呼び出されたんだ。
これから会いに行く。
ちょっと待ってくださ…。
(不通音)チッ。
くそ〜。
早瀬さん?ちょっ…早瀬さん!為頼先生。
どこに行ってたんですか!イバラ君はまだ見つかってないんだ。
心配じゃないんですか!
(白神)落ち着いてください。
もちろん心配ですよ。
しかし今の私にできるのは今後どうしていくべきか考えることだけでした。
結論が出たのであなたに来ていただいたんです。
結論?この病院は畳みます。
いえ惜しくありません。
もちろんここまで大きくするには相当の苦労があった。
サテライト・クリニックの構想も長い時間をかけて積み重ねたものです。
全てが水泡に帰したわけですがもういい。
私はイバラをまったく恨んでいませんよ。
あなたが彼に何をしてきたのかもう全部分かってるんです。
あなたがやったことは先天性無痛症の患者を使った人体実験だった。
そして…。
為頼先生一緒にこの国を出ませんか?メルボルンの病院に留学時代のコネクションがあります。
研究室に打診したところわれわれを歓迎すると今日メールがありました。
そんな所に行ってどうするんです?無痛治療の研究ですよ。
手土産はお分かりでしょう?今や無痛治療に関心を寄せないところはない。
この研究はそもそも世界市場に向けられていたんです。
為頼先生力を合わせて成し遂げましょう。
お断りしたはずです。
私は別の道を行くと言いました。
二言はありません。
そんなはずはない。
あなたはこの話を断れませんよ。
なぜです?亡くなった奥さんのことです。
一切治療もできず先生が自宅でみとられたとか。
相当苦しまれたでしょうね。
為頼先生私が本当に救いたいのは家族です。
痛みは本人のみならず付き添う者に忘れ難い苦痛を与えます。
みとった側が一生忘れられない苦痛です。
家族の苦痛を少しでも和らげることができたら素晴らしいじゃありませんか。
そうかもしれません。
為頼先生あなただけには分かってほしい。
私はあなたと無痛治療を完成させたいんです。
ずっと考えていた。
どうしてあなたがそんなにも無痛治療にとらわれているのか。
あなたも亡くなった弟さんのことを片時も忘れられないはずだ。
その心臓がそこで動いているかぎり。
亡くなった者の幻がなぜそんなにもあなたを突き動かすんだ?・
(ドアの開く音)・白神!早瀬。
分かったんです。
石川の妻石川彰子は結婚前に別の恋人がいた。
それがこの白神の弟白神怜児だったんです。
何だって…?白神怜児は恋人の彰子を石川に強引に奪い取られていた。
彰子は石川と結婚してその結果幸せな家庭を築いた。
そのことがお前は許せなかったんじゃないのか!それで?それでイバラ君に薬を飲ませて…?石川一家を悪いやつらだと吹き込んだんだろう?「大切な人大切な場所」あの記事を何度も読んで聞かせたんじゃないのか。
だからイバラにその言葉が刷り込まれていた!フフフフ…。
何がおかしい?お前がやったことは殺人以上に恐ろしい犯罪だ!早瀬。
怜児は子供のころから引っ込み思案でした。
体は健康なのに心は繊細過ぎる。
片や私は精神力はあっても心臓が悪い。
優しい怜児はよく言ってましたよ。
「兄さんに僕の心臓をあげたら無敵になれるのに」無敵?フッ。
図らずもそうなったわけだ。
バカバカしい話ですよ。
たかが失恋したぐらいでネパールへ行き自ら遭難した。
失恋で自殺。
それほど怜児は弱い人間だった。
脳死状態の怜児はまるで心臓を差し出してくれているようだった。
私に迷いなどまったくなかった。
すぐに現地で医師を探して手術を依頼した。
ねえ為頼先生あなたも死んだ奥さんと一つになれるとしたら?形見ではない思い出のような曖昧なものでもない自分の一部として自分の命として共に生きていけるとしたら?怜児の診察眼はもともと私より確かでした。
弟と一体になったおかげで私は強くなれたんです。
為頼先生なら分かるはずです。
私はこの能力を特別な能力だとは思っていない。
いわば動物的な勘が発達しただけだ。
犯因症が見えるようになったのも刑務所の医務室に勤務してた経験則からだ。
私は特別じゃない。
あなたも特別じゃない。
あなたにとって怜児さんだけが特別な存在だったんじゃないんですか?弟のために一家を皆殺しにするほどか…?何の罪もない子供たちまで!飛び切り理不尽な死を与えたかったんです。
だって…。
だって怜児が死ぬなんて理不尽じゃないか。
そんな理由でお前は…!早瀬やめろ!早瀬!愛する者の死はどんな死に方をしたって理不尽だ!だがあなたはその理不尽さを自ら背負ったんじゃないんですか?移植を決めたあなたは脳死状態の弟を自分が殺したと思ってるんだ。
白神先生痛みから解放されたかったのはあなただったんですね。
フフ。
フフフフ…。
欺瞞ですよ。
私は弟の心臓が欲しかっただけだ!健康な体を得て思うがままの人生を生きたかっただけだ!欺瞞だと教えてくれたのは石川彰子のあの文章ですよ。
「大切な人大切な場所」まるで運命のように結婚し子供をつくり幸せいっぱいの家庭を築いた。
一点の曇りもないような完璧な幸福。
そんな文章をあの女は世間にまで公表した!他の男に心を奪われて怜児をあっさり捨てたことはどうなった!人の心を踏みにじった上で完璧な幸せを自慢する。
私はそんな人間に報復しただけだ。
早瀬撃つな!あっ…。
どうです?これが人間の本性ですよ。
私だって同じだ。
怜児の心臓のおかげでのうのうと生きている。
生きていることは醜い。
フフフ。
フフフフ…。
否定する気はない。
人間は醜い!だが諦めるつもりもない。
俺は人間であることに絶望したくない。
恨みも憎しみも痛みも悲しみも乗り越えていけるのが人間だと思いたい。
悪意を向けられれば報復せずに断ち切りたい。
無理かもしれない。
でも死ぬまでそう思い続けるのが人間だと思いたい。
俺は妻を失った苦しみを一生抱えて生きていく。
「痛みは私だ」そうだ。
それが生きていくということなんだ。
妻は人の最期というものを俺に見せてくれた。
決して美しいものじゃない。
つらく醜いものだ。
だがそこから目をそらしてはいけないんだ。
なぜなら…人とはそのような生き物だから。
痛みは人が生きているという証しだから。
目をそらせば人というものを否定することになる。
あなたはかわいそうな人だ。
残念です。
尊敬したかったのに。

(ドアの開閉音)イバラ君…。
大丈夫か!あっ…。
イバラ…。
よく戻ってくれた。
この病院は…。
素晴らしい病院です。
白神先生は…。
素晴らしい先生です。
イバラ…お前は俺の憧れだったんだ。
イバラ君…。
うっ…うっ…。
うっ…。
為頼先生…。
ありがとうございました。
先生早く!下へ行って応急処置を!先生!まあ気ままな旅もいいわよね。
ゆっくりしてきたら?うん。
ごちそうさまでした。
んっ。
あっいいいいわよ。
そのままで。
うんいいいい。
忘れ物ない?うん。
ハァ〜ごちそうさま。
それじゃ。
ごめんね〜見送れなくて。
いいよいいよ。
気を付けてね!うん。
カズさんも元気で。
ありがとう!・
(ドアの閉まる音)・
(菜見子)サトミちゃん。
行こっか。
はい。
犯因症は一生治ることはないんだろう。
1つ分かったことがある。
お前の犯因症はお前自身にも向けられてる。
えっ?犯因症を知ったお前は自分の中の犯罪に向けられる過剰なエネルギーをひどく憎み続けた。
その憎しみが自分自身に向いてしまったんだ。
自分で自分を殺したいほどに。
他人に殺意を向けるよりもそれは重くつらく痛い。
それを抱えてそれでも刑事として生きていくのか?それとも…。
決めるのはお前自身だ。
先生。
俺は…刑事を続けます。

(赤ん坊の泣き声)
(女性)泣かないで。
ほら泣かないで。
泣かないでね。
ほら。
あっすいません。
(赤ん坊の泣き声)どうしたのかな?泣かないで。
(赤ん坊の泣き声)
(赤ん坊の泣き声)
(赤ん坊の泣き声)
(岸)あんたバカなのか。
(岸)患者に会わなくて済むことが病理の特権なんだけど。
(岸)こんなに医者がたくさんいるのに誰もおかしいと思わないわけ?共犯になってやるよ。
(高坂)自分が何をしたのか分かってるのか!?懲戒解雇もんだぞ!
(岸)君たちが医者でいるかぎり僕の言葉は絶対だ。
僕の言葉は絶対だ。
僕の言葉は絶対だ。
よかったな人殺しにならないで。
奮ってご応募ください
『無痛〜診える眼〜』はFODで配信中
2015/12/16(水) 22:00〜22:54
関西テレビ1
[終]無痛〜診える眼〜 #10[字][デ]【西島秀俊主演】

「痛みとは」
今夜ついに最終回!すべての謎が明らかになった時、為頼(西島秀俊)が目にしたものは…?涙と衝撃のラストメッセージ…愛する者の死と生きること

詳細情報
番組内容
 診療所に戻った為頼英介(西島秀俊)は、早瀬順一郎(伊藤淳史)がイバラ(中村蒼)に拳銃で発砲したことを高島菜見子(石橋杏奈)、井上和枝(浅田美代子)に話す。イバラは川に転落したまま行方がわからない。和枝は発砲を焦った早瀬の方が危険ではないかと危惧。寝ていたはずの南サトミ(浜辺美波)が話を聞いてしまい、玄関から飛び出そうとするのを和枝は必死に抑えた。
 翌日も警察はイバラの捜索を続ける。一方、信用を
番組内容2
失った「白神メディカルクリニック」では患者の転院などの整理が進められていた。秘書の横井清美(宮本真希)は今後の相談をしようと院長室へ行くが、白神陽児(伊藤英明)の姿はなく、携帯電話もつながらない。
 為頼の診療所には早瀬が姿を現す。イバラを撃ったことを責める為頼に、早瀬は彼を殺害するしかないと口走る。その発言を聞き、為頼は早瀬に白神から言われたのではないかと問う。為頼は、白神が早瀬にイバラを
番組内容3
殺すようそそのかしたのでは、と思ったのだ。そして、為頼はイバラの治験データを早瀬に見せる。データはイバラが白神に処方された薬の影響で一家殺害時の記憶の喪失、薬による強暴性の増加を語っていた。早瀬は一家殺害に白神の関与がありそうなことに気づかされる。
出演者
為頼英介: 西島秀俊 

早瀬順一郎: 伊藤淳史 

高島菜見子: 石橋杏奈 

イバラ: 中村蒼 
南サトミ: 浜辺美波 

横井清美: 宮本真希 
仁川康男: 兵動大樹 
太田武司: 馬場徹 
橋本広子: 和泉佑三子 

久留米実: 津嘉山正種 

井上和枝: 浅田美代子

  ○  

白神陽児: 伊藤英明
スタッフ
【原作】
久坂部羊「無痛」(幻冬舎文庫) 

【脚本】
大久保ともみ 
香坂隆史 

【音楽】
塩谷哲 

【主題歌】
Superfly「黒い雫」(ワーナーミュージック・ジャパン) 

【挿入歌】
ミソッカス「闇夜のキャラバン」(avex trax) 

【編成企画】
清水一幸(フジテレビ) 

【プロデュース】
貸川聡子 

【アソシエイトプロデュース】
稲田秀樹 

【演出】
佐藤祐市
スタッフ2
木下高男 
山内大典 

【制作】
フジテレビ 

【制作著作】
共同テレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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