一気に端末料金が跳ね上がってしまうかというとそういうことではなくて時間をかけて料金体系がだんだん適正化されていくのではないかと思います。
竹田忠解説委員でした。
人類が後世に語り継ぐべき貴重な宝世界遺産。
日本では現在19か所が世界遺産に登録されています。
豊かな自然や文化そして歴史を物語る貴重な証言者たち。
その建造物や風景を旅してみると日本の歴史を読み解く事ができます。
世界遺産は日本史のタイムカプセル。
世界遺産を巡る旅は日本の歴史の再発見の旅。
さあ出かけましょう!今回は源平の二人のヒーローが生きた時代を旅します。
その舞台は…広島県の瀬戸内海に面した朱塗りの社殿が色鮮やかです。
そして「みちのく」と呼ばれる東北岩手県の平泉。
中尊寺の金色堂はその名のとおり黄金で覆われています。
この二つの世界遺産をつなぐ源平二人の武将の生きざまに迫ります。
その悲劇の結末とは?世界遺産検定マイスターの本村健太郎です。
さあ今日はもう3回目ですね!トラベラーのお二人どうですか?その世界遺産のそのものと更にそこに至るまでのヒストリーそれから背景が分かって家に帰ってから父との会話が増えました。
今まで会話してなかったの?違います違います。
今までは歴史の話なんて全然しなかったんですよ。
ところがここで覚えた事を「ねえねえこれ知ってた?」「あれ知ってた?」って話せるようになったので。
大木さんどうですか?詳しくなればなるほどやっぱ行きたくなりますね。
自分でその場へ。
今日もよろしくお願いします。
(大木高橋)お願いします。
今日訪れる世界遺産は嚴島神社。
ああ〜。
もう一つ平泉です。
時代はですね平安末期なんですね。
いわゆる源平の時代という。
さて!ここで問題です!出た。
もう毎回びっくりする〜。
誰がいますかね?もうそれは一人しかいないですよね。
義経。
義経!出ました。
こちら…。
こちらってそれはタッキーの大河ドラマねこれは。
びっくりしました。
知らない人は義経写真があると思っちゃうから!2005年の大河ドラマ。
見てた見てた!滝沢秀明さんが主演でね。
義経を演じてたんですね。
カリスマってイメージありますよね義経。
義経はそういうイメージですよね。
じゃあ平氏のヒーローっていますかね?これはもう清盛ですよね。
出ました!清盛。
この方も当然「大河」になってますから。
2012年の大河ドラマの。
松山ケンイチさんが主演ですね。
清盛のイメージどうですかね?僕確かに大河ドラマまではちょっと怖いイメージありました。
どっちかと言うと悪役というかね。
なんか目つけられたら最後って思ってました。
アハハハハ!ヒーローはヒーローでもアンチヒーローという位置づけでしたよね。
でもこの大河ドラマでちょっとイメージが変わったっていう人も多いですよね。
というわけでこの平清盛と源義経。
この二人の伝説のヒーローが実はこの二つの世界遺産を結んでくれるんですね。
ええ〜?ではまずはこの嚴島神社から。
日本史…。
(3人)タイムカプセル!瀬戸内海広島湾にある宮島。
島の入り江に見えてきたのが…海の上に浮かぶような朱塗りの建物が印象的ですね。
床の高さは潮の満ち引きを計算して造られたまさに海上の社殿。
満潮時の姿はまるで竜宮城のようです。
美しい回廊を巡って本殿に向かいましょう。
祭られているのは海を守る女神たちです。
神社の創建は飛鳥時代の初めとされています。
しかし今からおよそ850年前神社は一人の人物によって改装され壮大な海上の社殿に生まれ変わりました。
その人物こそ今日の1人目の主人公平清盛。
平安時代末期に登場し武士として初めて太政大臣に上り詰め強大な権力を手に入れた平氏の棟梁です。
清盛は50代になってから海を舞台にした大事業に乗り出します。
中国
(宋)との海外貿易です。
清盛は交通路としての瀬戸内海を整備し宋から来る大型船の出はいりを容易にしました。
それにより日宋貿易は拡大しばく大な富を手にしたのです。
陶器や香料などを積んだ船がこの嚴島神社の前を盛んに往来。
日宋貿易を成功させるために海の安全祈願は何よりも重要な事でした。
清盛は瀬戸内海を守る嚴島神社に財を投じ社殿を造営しました。
「海の平家」その栄光のシンボルが嚴島神社だったのです。
行った事とかはありますか?私は修学旅行で行った事があるんですけど当時はあまり興味がなかったのでちょっと覚えてなくて。
今こうやってVTRで見ると「もうちょっとちゃんと見ておけばよかった」とか今行きたいってすごく思います。
僕も大好きなんですよね。
船で行くっていうのがいいですよね。
10分くらいなんですねフェリーで。
だんだんあの大鳥居が見えてくる感じがすごくいいんですよね。
「海の平家」ですよやっぱりね。
平清盛はこうやって中国宋との貿易で財力を得たという人なんですね。
だからやり手のビジネスマンという見方もあるんですよね。
でもちろん清盛自身もそれでだいぶもうかったんですよ。
貿易で得た財力と平家の軍事力と自身の巧みな政治力。
これでだんだんと強力な力を持つようになったんですね。
すごいな。
すごい。
でもその一方でそのころ義経はどうしてたんですか?1159年。
もうだいぶ力を持ってた頃だったんですね。
で義経が生まれてすぐ平治の乱という乱が起きます。
そこで義経の父親源義朝は平清盛に敗れてしまいます。
で逃げる途中で殺されてしまいます。
お父さんは。
お父さんは殺されてしまう。
義経はまだ赤ん坊でした。
で清盛から命だけは助けてもらったんです。
だけど出家をする事が条件。
だから義経は京都の鞍馬寺というお寺に預けられてしまいます。
出家を嫌ったと言われてますけどね。
向かった先がどこだったか。
それが平泉だったんですよ。
ここが今日のもう一つの世界遺産という事ですか。
じゃあこの平泉どんなとこだったんでしょうね。
では平泉…日本史タイムカプセル!義経が逃げ込んだ奥州平泉は岩手県北上盆地の南部にあります。
かつて京の都に匹敵するほどの財力文化を誇り10万もの人々が暮らしていたといいます。
平安時代の雰囲気をよく残す毛越寺の浄土庭園。
都にしかないと思われがちな貴族風の文化がここにも息づいていた事がうかがえます。
平泉の一角小高い丘に建てられた中尊寺。
境内に平安時代の末に造られた建物がありました。
堂の内外を埋め尽くす金箔はなんと3万枚。
華麗な装飾が輝いています。
黄金の阿弥陀堂です。
4本の柱には漆の上に輝く夜光貝を貼り付けた螺鈿細工。
惜しげもなく金箔を使い工芸技術の粋を集めて現世に極楽浄土を表しました。
この金色堂を造営したのが北方の王者奥州藤原氏。
初代・清衡から基衡秀衡と続き100年にわたって平泉を拠点にほぼ現在の東北地方全域を支配した豪族です。
当時東北地方は日本で最も多くの金を産出していた地域でした。
奥州藤原氏は東北の平和と独立を実現するために東北でとれる金や馬などを朝廷や中央の権力者に送りました。
これによって奥州の自治を認めさせ独自の繁栄を築いていました。
中尊寺金色堂は奥州の平和を願うシンボルなのです。
金色堂に詣でたに違いない義経はその時何を願ったのでしょうか。
じゃあもうもともとツテがあったんですか?頼って行くっていうのは。
いろいろな説があるんですがこの奥州藤原氏というのは源氏ともともと深いつながりがあったとは言われてるんですね。
ちょうどこのタッキーの大河の時に父が藤原秀衡を演じておりました。
本人だ本人だ!すごい!じゃあそのころ平清盛はどうしてたんですかね?この平泉で…そのころ平清盛は自分の娘を天皇に嫁がせます。
また更なる権力の掛け算が。
そこに男の子が生まれます。
これが安徳天皇になるんですね。
だから清盛は天皇のおじいちゃんとしてまた政治の実権を握るわけですね。
もうますます平家が強くなっていくという。
だからそのころ言われたのが…「平家でなければ人間ではない」とまで言われたと。
恐ろしい時代があったんですね。
ここで登場。
歴史ってどうしても平安時代っていうと平安京がある京都の話しか知らないですよね。
でもそうではなくて歴史って一つの視点でしかなくて。
例えばこの嚴島神社なんて京都からずっと離れていて平家にとってこんな重要な場所だったってあまり知られてないですよね。
一方じゃあ奥州藤原氏ってどんな所でどんな文化があったのかってなかなか知られてなかったんですね。
それが世界遺産に登録される事によって日本の歴史の中にいろんなのがあるんだなってのが分かる…。
なので世界にはいろんな歴史があるしいろんな文化があるしいろんな人が住んでますよねっていうのを守り伝えていきましょうっていうのがすごくいいとこだと思うんですよね。
先生というわけでですねこの嚴島神社と平泉とが一見関係なさそうに思いますけどね実は同じ時代に栄えていてつながりが出てくるわけですね。
世界遺産検定でも試験に「二つの世界遺産を比較して論じなさい」とかそういう論文問題が出る事がありますよね。
まさにマイスターの問題ですよね。
マイスターってそういう試験をクリアしてきてるんですよ。
(大木)難しいんですね。
ねえ。
さて!平泉に行った源義経。
22歳の時にある情報が入ります。
へえ〜!というわけで…。
きたきたきた!という事はこれは…。
これからが源平の戦いになるんですね!そういう事だ!これから!
(大木高橋)日本史タイムカプセル!僕のセリフなの!それ。
1181年武士の世を切り開き平家全盛の時代を築き上げた…一族の頭をなくした平家は急速に衰えます。
その機を狙って動きだしたのが源氏です。
源氏の棟梁は源頼朝。
義経の12歳年上の異母兄弟の兄でした。
そして奥州平泉から義経が駆けつけます。
平家打倒に向け戦いに加わりました。
義経は一気に主役に躍り出ます。
断崖絶壁を僅か70騎の手勢と共に駆け下り敵の背後をついた…暴風の中僅かな手勢で海を渡り奇襲をかけ平家を蹴散らした…そして最後の決戦の舞台は壇ノ浦。
義経の奇襲戦法に平家の公達は敗北。
次から次へと海に身を投げ自害。
平清盛の妻も安徳天皇を抱いて海の藻くずと消えました。
義経の活躍で平家は源氏に敗れ嚴島神社が守ってきた瀬戸内の海で滅んだのです。
清盛の死から僅か4年後の事でした。
まさにこの栄枯盛衰って事ですよね。
いつかは滅びるという。
これが「平家物語」の世界ですよね。
どんなに強い人でもいつかは滅びてしまうっていうね。
永遠には続かないんだという事ですよ。
なるほどね〜。
そんなうまい話はないって事ですねやっぱね。
一方平家を打ち破り時のヒーローとなった源義経。
しかし血を分けた兄頼朝にとって疎ましい存在になっていました。
義経の勝手な振る舞いや許可なく官位を受けた事をきっかけに頼朝は義経討伐の命を下します。
英雄から一転義経は敵となって追われる立場になってしまいました。
義経が最後に救いを求めてたどりついたのはあの奥州平泉でした。
義経はかつて身を寄せていた藤原秀衡に再び迎え入れられます。
それまで中央政権から距離をおき中立を保っていた秀衡は義経を奥州藤原一族の主君としてあおぎその力で東北の自立を守ろうと考えました。
息子たちには……と遺言を残して亡くなります。
しかし跡を継いだ息子泰衡は頼朝に屈して義経を襲撃するのです。
味方と思っていた藤原氏の軍勢に囲まれた義経。
もはやこれまでと…栄光と悲劇の短い生涯でした。
そして奥州藤原氏もまた短い命でした。
源頼朝はこの一件を口実に奥州に踏み込んで100年にわたって東北の自立を守ってきた奥州藤原氏を滅ぼします。
しかし金色堂は焼かれずに残りました。
阿弥陀如来を祭った須弥壇。
その下に東北の自立を掲げた奥州藤原氏4代が眠っています。
平泉の地には義経と奥州藤原氏の悲劇の物語が今も語り継がれています。
不思議だな歴史は。
この義経がいたせいで平家は滅び義経をかくまった奥州藤原氏も滅ぼされたというね。
悲劇の展開ですよ。
あの奥州が栄えたまま少しでも残ってたら…。
なんか見たかったですよもっとね。
でこの感覚っていうのが日本人の…そのあとの時代の人たちみんなに受け継がれていってんですね。
松尾芭蕉なんかも平泉を「おくのほそ道」で訪れて一句詠んでますよね。
これは今は夏草しか生い茂っていないけどもここで昔源平の時代に義経が戦ったんだと。
その名残が今はあると。
今はでも何もないと。
いや〜それを聞いてその句をまた聞くと深いなって思いますね。
だからこういうのが無常観。
無常観?「無常」…常ならず。
永遠には続かないと。
いつかは滅びるという。
でも日本人はむしろそういうのが好きですよね。
はかないものとか命の短いものの方にむしろ心が惹かれるというか。
うんうんうん。
確かに日本人は頼朝より義経の方に…判官びいきってありますもんね。
ちょっとはかない方が好き…。
日本人はそっちが好きなんですよね。
さあ今日はそういう二人の歴史的なヒーローの人生から二つの世界遺産を見てみました。
いかがでしたか?今日は。
ドラマとかそれから特集で扱われている方に気持ちが入ってしまってどちらかと言うと今まで平清盛って悪者だったイメージだったんですよ。
それが全部それぞれの立場に立ってものを今日考えられてそれぞれの気持ちでそれぞれの世界遺産を見たいなって思いました。
いいですね。
やっぱ義経の人生をもう一回考えると…。
いや〜なんかおやじの敵とか一族の敵をとった後にもう一度その兄貴に自分が追いやられるとかね。
その31年間のこの濃密な人生。
そうですねギュッとね。
まさに伝説ですよね。
伝説のヒーロー。
でもどうなのかって想像できるからより楽しいですよね歴史は。
というわけで「開け!世界遺産日本史タイムカプセルの旅」また次回!
(テーマ音楽)2015/12/17(木) 10:15〜10:40
NHK総合1・神戸
趣味どきっ! 開け!世界遺産 第3回「厳島神社・平泉 中尊寺」[解][字]
今回は源平のヒーロー、平清盛と源義経。歴史ファンの心を揺さぶる二人の武将の生き様と、悲劇的な結末に迫る。舞台となるのは二つの世界遺産、厳島神社と平泉の中尊寺だ。
詳細情報
番組内容
世界遺産から日本史の物語をひも解くシリーズ第3回。今回は、源平の時代の二人の武将にまつわる世界遺産・厳島神社と平泉中尊寺を紹介。瀬戸内海の厳島神社は「海の平家」のシンボル。絶大な権力を手にした平清盛が日宋貿易の成功を祈り壮大な社殿に改築した。一方、源氏のヒーロー源義経は平氏に追われ、奥州藤原氏にかくまわれる。黄金の金色堂で有名な中尊寺との関係は?世界遺産にまつわる二人の武将の悲劇のドラマとは?
出演者
【出演】本村健太郎,高橋真麻,ビビる大木,世界遺産アカデミー研究員…宮澤光,【語り】河野多紀
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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