(実穂理陽僕蔵)・「この夜星はひかり」商店街のクリスマスパーティー楽しかったね!ねっ本当に。
僕蔵さんのサンタ姿も決まってたよ。
あっそうかい?アハハハ。
ちょっとお茶でも飲んでく?
(実穂)うん!ねえどうしてクリスマスツリーっててっぺんに星があるんだろう?確かに。
(実穂)ねっ。
星が付いてるのが多いよね。
(実穂)うん。
何か意味でもあるのかな?はい!えっ!?この星はねベツレヘムの星っていって「聖書」によればイエス・キリストが生まれた時ピカ〜っと明るく輝いてその誕生を遠い国の学者たちに知らせたんだって。
(実穂)へえ〜誕生を知らせる星だったんだ。
ウフフフフ…まあ「聖書」の中の話だけではなくてねその昔星はね身の回りの出来事を予知したり将来を占ったりするのに利用されてたんだ。
(実穂理陽)ふ〜ん。
天文学者の中にはね星で占う占星術をなりわいにする人も多かったんだって。
昔の人たちにとって星って今の僕たちよりも身近で大きな存在だったのかもしれないね。
うんそうかもしれない。
今の私たちは星や宇宙と何かつながりがあるかな?ん〜…僕は星とはあまり関係なく生活してると思うな。
果たして本当につながりがないのかな〜?じゃあさ僕たちに昼と夜を与えてくれているのは?
(2人)太陽!そう!太陽は夜空に輝く星座の星と同じ仲間で恒星の一つ。
恒星っていうのは…あぁ確かに。
太陽は僕たちにとっていろんな恵みを与えてくれている星だね。
そうだね。
熱とか…光とか?それだけじゃないよ。
太陽のおかげで僕たちは時間の経過を世界共通で認識できてるんだ。
(実穂)んっ?
(実穂理陽)どういう事?太陽は朝東から昇り南の空を通って夕方西に沈んでいく。
これを観測する私たちを中心として描いた半径が無限大の球面天球で考えてみよう。
太陽はこんなふうに私たちの周りを1周しているように見える。
これを…1周にかかる時間は24時間つまり1日だ。
しかし実は太陽が動いているのではなく地球が自転自ら回っているのだ。
実際の地球の自転周期はおよそ23時間56分と1日よりも少し短い。
このずれは……ために起こる。
つまり私たちが1日と決めている時間は地球の自転周期ではなく地上から見た太陽の日周運動を基準としているのだ。
そっか1日の長さは地球から見た太陽の動きで決まってたんだね。
そう。
じゃあさ1年の長さはどうやって決まったんだと思う?1年は…もともと365日だと思ってたから考えた事もなかったな。
(実穂僕蔵)フフフフフフ…。
これもね地球と太陽の関係によって決まったんだな。
ふ〜ん。
うん。
はい。
地球ね月太陽。
地球は太陽の周りをこんなふうに公転しているんだけど…。
(実穂)すごい。
この地球から見て太陽が元の位置に戻るまでにかかる時間は365.2422日なんだ。
点?細かい数字だね。
365日より少し長いじゃん。
うん。
そう。
そこで365日を1年として4年に1回366日あるうるう年を作る事で暦と天体の動きにずれがないように調整しているって訳。
4年に1回うるう年を入れると1年が365.25日になるって事だよね?これってやっぱりずれちゃうんじゃないの?実穂ちゃん…計算速い!うんうん。
そのとおり。
それでも少しずれが生じるから400年の間に100回うるう年を入れるところを97回にするっていう細かいルールがあるんだな。
これが今世界中で使われているグレゴリオ暦って呼ばれる暦の考え方なんだ。
おぉよく考えたね。
ねえ。
挑戦するのは三井理陽。
岡山県備前市にやって来た。
はい!こんなに空気の澄んでるのどかな所にやって来ました。
え〜僕は星の写真を撮るのは今回が初めてなんですが写真集に載っているような美しい写真を撮れるように頑張りたいと思います。
行ってきま〜す。
ここは標高およそ400mにある…星がきれいに見える場所として知られている。
(理陽)こんにちは〜。
吉田さんですか?はい吉田です。
写真撮影のコツを教えてくれるのは星の写真を撮るプロ吉田隆行さん。
吉田さんの作品は国内のさまざまなコンテストで入選しているほか海外でも高く評価されている。
今回はデジタル一眼レフカメラを使って撮影する。
これはレリーズと呼ばれるカメラのシャッターを遠隔操作できる装置。
レンズは…まだ明るいうちに撮影場所の下見をしておく。
(吉田)まずですね…星の動きを予測するためには方角の確認が欠かせない。
北はこっちっていう事ですね。
はいそうです。
次に撮りたい写真をイメージする。
あっカシオペア座ですね。
はい。
(吉田)もうちょっと後ろ下がったあの辺りに三脚を置いてみましょうか。
(理陽)はい。
撮りたい方角や構図に合わせて撮影場所を決めておく。
準備はオーケーです。
めっちゃきれい!
(吉田)晴れてきましたね。
(理陽)晴れてきましたね。
夜7時。
撮影スタート。
星の写真を撮るには自分でカメラの設定をする必要がある。
特に重要な設定項目は3つ。
光を感じる感度を示すISO感度。
絞りの開き具合を示すF値。
そしてシャッター速度だ。
まずピントを合わしてテスト撮影してみましょう。
はい。
きれいな写真を撮るにはピント合わせが重要。
一番明るい星をファインダーの中に入れてピントを合わせレンズが動かないようにテープで固定する。
(吉田)…でシャッターを切ってみて下さい。
(理陽)押します。
(吉田)はい。
星見えてきましたね。
さっきよりずっと広がってきました。
待つ事20秒。
(吉田)画像が表示されました。
(理陽)うわぁ!
(吉田)星写ってますね。
(理陽)すっごい写ってますね。
この星がピント合わせに使ったこと座のベガ。
小さな星まできれいに写ってる!いよいよ本番の撮影。
狙うのはカシオペア座と北極星の競演だ。
(吉田)ちょっと難しいですよね。
(理陽)これが建物だから…。
はい。
シャッター速度は10分に設定した。
うわぁ〜。
(吉田)わぁ写ってますね。
すげえ!北極星を中心に星が動いている様子が写し出されていた。
(理陽)いや〜でもこんなに短時間で星が動いてるのを見れるなんて思わなかったですね。
(吉田)そうですね。
10分ぐらいで星が動いてる実感ってあんまりないと思うんですよね。
(理陽)うん…たったこの10分で。
(吉田)そうそうそう。
もっと20分とか30分とかたったら更にどれぐらい動くのかっていうのがすっごい気になるんで…。
(吉田)はい。
…という訳でシャッター速度30分の撮影にチャレンジ!やってみましょう。
はい。
何か寒さとか時間とか忘れられますね。
ネットを検索すれば何でも分かるっていう世の中ですけれどもこうやって星空を見るとその隣の星すらどうなってるのかって分からないんですよね。
(理陽)うん。
遠すぎでね。
そうするとまだまだこう…自分で調べてみたいという好奇心が湧くのが面白いかなと個人的には思いますけどね。
さて…果たして…?おぉっ。
やばいです!やば…やぁすごい。
(吉田)すごいですね。
(吉田)ねえ。
理陽君こん身の1枚。
カシオペア座が動いた軌跡もちゃんと分かる。
お見事!よしっじゃあ今日は休日だしまだ時間あるから星を見せてあげるよ!えっ星を見せてあげるったってまだ外明るいよ?それにここら辺は夜でも明るいから星はあんまり見えないと思うよ。
大丈夫!私が君たちを星の世界へお連れ致しましょう!
(理陽)よしっおぉ〜!
(実穂理陽)すご〜い!ハハハッ。
はい着きました!ようこそ星の世界へ〜。
えっ何これ!?フフフフ。
ここはね僕の取って置きの実験室。
今から君たちにいろんな星の姿をお見せしましょう!まず見せたいのは同じ時間に同じ方角の星空を毎日1年見続けるとどうなるかっていう事。
いきますよ〜。
321…スタート!
(実穂理陽)うわぁ〜!
(実穂)きれい!
(理陽)すっごい。
(実穂)あっあの星何か変な動きしてない?スローモーションで見てみよう。
確かにほかの星とは違う方向にフラフラと変な動きをする星があるのが分かる。
どうして動き方が違う星があるの?うん。
実は奇妙に動く星は恒星ではなくて惑星なんだ。
漢字でね惑う星と書いて惑星。
その字のとおりフラフラと戸惑った動きをしていたでしょ?惑星って土星とか木星の事?そう!太陽の周りを公転している星は惑星なんだけど地球も惑星の一つだし火星とか木星土星なんかも惑星の仲間。
アハッ。
古代ギリシャの時代哲学者アリストテレスは「地球は宇宙の中心で静止しており地球の周りを太陽をはじめとする全ての天体が回っている」という天動説を唱えた。
しかしこれでは惑星の奇妙な動きを説明できない。
2世紀に活躍したプトレマイオスは著書「アルマゲスト」の中で新しい説を唱えた。
それは……という考え。
これなら惑星の動きも説明できるというのだ。
プトレマイオスの天動説は千数百年にわたって人々に受け入れられた。
一方ポーランドのコペルニクスは天動説を否定。
地球やほかの惑星も太陽を中心とした同心円の軌道上を公転しているという考え方。
地動説を主張した。
その後観測技術が発達するにつれて具体的な証拠が挙げられ地動説が受け入れられるようになったのだ。
(実穂)今度は…。
(実穂理陽)宇宙旅行!まずは足元をご覧下さ〜い。
(実穂理陽)うわぁ!
(理陽)地球がどんどん遠ざかってってる。
(実穂)ねっ。
バイバ〜イ!月の軌道も越えてさまざまな星が見えてまいりま〜す。
(理陽)すっごい広いね。
(実穂)ねっきれ〜い。
(理陽)どこまでも続いてるみたい。
(実穂)うんうん。
あっ見て!たっくさん星が集まってるよ。
(理陽)あっ。
(実穂)すご〜い。
火星と木星の軌道の間に見えますこのたくさんの星は小惑星と呼ばれる星です。
今見つかっているだけでなんと数十万個もあるんだ。
(実穂理陽)えっ…。
うん。
地球にたまに落ちてくる隕石のほとんどがこの小惑星のかけらなんだよ。
(実穂)こんな所から地球まで飛んでくるんだね。
フフフフフフ。
ではせっかくなので地球のお隣の惑星火星に近づいてみましょう。
(実穂)うわぁ〜。
(理陽)だんだん近づいてきた!
(実穂)あれ?赤い星なんだね。
(理陽)うん。
こちらが火星でございます。
1960年代以降多くの探査機が向かっており詳しいデータが集められておりま〜す。
これは2012年探査機が撮影した火星の大地。
赤く見えるのは酸化鉄を多く含んでいるためだ。
富士山をはるかにしのぐ高さ5,500mの巨大な山もある。
岩盤が割れた写真。
その割れ目を拡大して見ると直径数センチほどの丸みを帯びた石がたくさん埋め込まれていた。
科学者は「この丸い石は流れる水が作り出したものだ」と結論づけた。
つまり火星にはかつて生命に欠かせない水があった。
将来生き物の痕跡が見つかるかもしれない。
(理陽)うわぁ。
(実穂)うわぁ近づいてきてる!接近してまいりましたのは木星でございま〜す。
(理陽)あれっ木星って火星と見た目が全然違うんだね。
(実穂)ねっ。
あっ層になってる!層になって見えますのは大気の流れによって出来た雲の模様でございま〜す!木星の半径は地球の11倍。
太陽系最大の大きさだがほとんど水素やヘリウムなどのガスで出来ているガス惑星だ。
太陽の周りを回る惑星は大きく2つのグループに分ける事ができる。
水星金星地球火星は表面が固体で出来ていて直径が小さく密度が大きいのが特徴。
こうした惑星を地球型惑星という。
木星土星天王星海王星は表面が厚いガスで覆われていて直径が大きく密度が小さいのが特徴。
これを木星型惑星という。
海王星の外側にも太陽系外縁天体と呼ばれる1,000個以上の天体が発見されている。
1930年に発見された冥王星も太陽系外縁天体の一つだ。
太陽の周りを公転するこうしたさまざまな天体から成り立っているのが…そして太陽系の外側に私たちが星座でよく知っている恒星がありこれら2,000億個ともいわれる天体の集まりを…ふぅ〜宇宙旅行どうだった?いや〜とにかく宇宙は広いって事が分かったよ。
(実穂)ねっ。
そうだね〜。
科学技術の進歩ってすごいよね。
木星とか火星とかの事とか結構分かってて…。
ねっ。
もしかしたら近いうちに宇宙人が見つかるかもしれないね。
(実穂)ねっ。
生き物がね生まれるためには海が不可欠なんだけども太陽系の中に海がある星が見つかってんの。
(実穂)えぇ!?そうなの?うん。
じゃあもう生き物が住んでるかもしれないって事?かもしれないね〜。
じゃあ宇宙人いるじゃん絶対。
地上から見た太陽の動きを基に日周運動を一日とすると年周運動は365.2422日となる。
このため私たちはうるう年を作り日付と季節がずれないように工夫している。
「地球が宇宙の中心にあり地球の周りを全ての天体が回っている」とする天動説では惑星の動きは説明できない。
現在では地球や惑星が太陽の周りを回っているとする地動説が受け入れられている。
太陽系には8つの惑星のほか火星と木星の軌道の間に40万個以上ある小惑星海王星の外側に1,000個以上ある太陽系外縁天体などがある。
2015/12/17(木) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 科学と人間生活「人と星の対話」[字]
科学技術の発展は、どのようなところに生かされているのだろう? 私たちの身の回りにある自然や道具を糸口に、科学の世界を楽しく解き明かしていく。
詳細情報
番組内容
昔の人々は、天体の動きを観察することで時や季節の変化を知った。今回は、天体の動きと人間生活がどのように関わっているのかを考えよう! 「人と星の対話」(1)天体の運動と暦 (2)惑星の動きと天動説・地動説 (3)太陽系の仲間
出演者
【出演】正名僕蔵,三井理陽,泉川実穂,【語り】渡辺真砂子
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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