くらし☆解説「できるの? スマホ5,000円プラン」 2015.12.17


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」です。
きょうのテーマはこちらです。
大きな注目を集めている携帯電話料金引き下げの検討。
政府の有識者会議はきのう報告書をまとめました。
スマートフォンで月額5000円以下の低料金プランを新たに作ることなどを求めました。
携帯料金は本当に引き下げられるのか。
担当は竹田忠解説委員です。
まず最初に結論から聞きたいんですけれど、携帯料金はいつごろどれぐらい下がるんでしょうか。
竹田⇒まずちょっと確認しなくてはいけないのは携帯電話の料金というのは完全に自由化されていますので政府といえども、料金をいくら下げなさいということは言えないんです。
ただ携帯の料金それから販売方法を巡っては以前から不透明だ公平だ分かりづらいといろんな批判が出されていました。
それで携帯各社もこれを機に見直すところは見直すそういう姿勢で取り組んでいまして新たな料金プランを例えば来月にも公表して今年度末、つまり来年2月の春商戦から新たな料金プランを反映させたいとしています。
どれだけ下がるのかといいますとこれも企業の判断によりますけれども1つの大きな焦点となっているのが異例のことなんですけれども今回報告書は5000円以下の新たな低料金プランを作るように求めています。
なんで5000円以下という話が出てくるかといいますと実は今、スマホを利用している人は通信料金と通話料全部合わせますとどんなに節約しても、ひとつきに6200円はかかるという計算になります。
ですからこれはスマホを利用するときの最低額ということになります。
ところが携帯各社はもっと低い5000円以下の料金プランというものを高齢者の方とか一部の機種に限定して提供しているんです。
ですから報告書はそういったプランを目安に同じようなものをより多くの人が利用できるようにしてほしいと求めています。
実際にこれがどこまで広がるのかそれが1つの焦点です。
報告書は携帯料金のどこが問題だとしているんでしょうか。
大きく3つあります。
1つ目のライトユーザー向けの料金プランとはどういうことなんでしょうか。
まずスマホの料金、通信料金です。
海外と比較しますと最も高いのはニューヨークでひとつき1万円を超えています。
いちばん安いのはストックホルムでひとつき4500円を切っています。
日本は7000円ちょっとということでちょうど真ん中辺りです。
これを見るかぎりは日本は特に高いわけではありません。
しかしこれには大変大きなからくりがあってあくまでもデータ通信料がひとつき2GBまでの人を比べています。
海外には2GBよりももっと下のプラン、例えば1GBとか0.5GBとか、そういった料金プランを持っているところがあります。
日本は2GBがいちばん下でこれより低いプランはないんです。
ところが総務省は日本のユーザーの場合、多くの人が使っているデータ通信の量は1GBにも満たない。
それで済んでいるとみています。
ということは日本のユーザーの多くは、実際自分が使っているデータ通信料よりも高いお金を払わされている選択させられているということになるわけです。
低料金のプラン具体的には1GB以下の新たなプランがきちんとできるかどうかということが1つ焦点になります。
最初に触れました月額5000円以下の料金プランを新たに作るを求めているのは同じことなんです。
2つ目、実質ゼロ円の見直しこれはどういうことでしょうか。
実質ゼロ円というのは今、スマホを使っている人は電話会社をかえて新たな電話会社に乗り換えてスマホを購入したとします。
新しい端末は大体8万円から10万円します。
そのお金は実は電話会社が月々分割して負担をするという形にして利用者は事実上、端末をただで手に入れることができるんです。
キャッシュバックとは何ですか。
同じような仕組みで電話会社を乗り換えればお金がもらえたり最近は商品券とかポイントがもらえたりということなんです。
キャッシュバックというのは多額のキャッシュバックは以前から批判がありまして一時期業界は自粛して沈静化していました。
最近またキャッシュバック商戦ということが激しくなってきているという指摘があります。
家族で乗り換えれば何十万円ももらえるとかそういう看板が復活しています。
駆け込み的にやっているのではないかということもあります。
そのお金がどこから出ているかということですよね。
実は携帯各社が販売奨励金という形で代理店におろしてそれがキャッシュバックなどに使われています。
販売奨励金はもともとどこから来ているかというと結局は同じ端末を長く使ったり同じ電話会社をずっと長く使い続けている、長期ユーザーの人たちが払っている通信料金がキャッシュバックの元手になっています。
長く使っていた人が損をするんですね。
そういうことになりますと不公平だし不透明ではないかという批判がかねてからありまして今回、報告書でも著しく不公平という表現をしています。
どのように見直すんですか。
実は高市総務大臣は当初、法律を作ってこうした過剰な販売奨励金の使い方を規制できないかという問題提起をしていました。
実際に韓国で法律を作ってこういうことを規制しました。
ただ日本では民間のビジネスに法律を作って介入するということはなかなか難しいということで今回総務省はもっと緩やかなガイドラインを作ってこれに基づいて過剰な値引き合戦、販売奨励金の使い方については是正を求めていくということになりました。
すでにドコモは過剰な販売奨励金の使い方については見直していくということを表明しています。
これから下がっていく可能性があります。
最後、格安スマホこれはどうですか。
携帯大手3社が横並びの料金体系を取っています。
高止まりの背景ともいわれています。
それに対し格安スマホは大手から通信回線を借りて別の業者が電話サービスを行っているというものです。
設備が限られていますのでデータ通信の量がある程度制限されるとかアフターサービスがちょっと手薄という課題はあります。
格安スマホの最大の特色はなんといっても料金が安い。
端末代込みで大手と比べると半額以下で収まるというケースが多いんです。
ですから報告書も格安スマホをもっともっと使いやすくできるように、国が後押しをするべきだということを求めています。
どこまでさらに便利になるかも焦点となっています。
利用者の側からすると、料金はどのように変わるんでしょうか。
パターンごとに見てみます。
長期ユーザーの方にとっては通信料金が下がっていけば負担が軽くなります。
ライトユーザーの方は低料金プランができれば負担が軽くなります。
それから格安スマホも今よりもより便利になる。
ところが端末を頻繁に買い替える人たちにとっては結局販売奨励金が縮小していけばその分端末料金が事実上値上げという形になってきます。
負担が重くなってきます。
一気に端末料金が跳ね上がってしまうかというとそういうことではなくて時間をかけて料金体系がだんだん適正化されていくのではないかと思います。
竹田忠解説委員でした。
2015/12/17(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「できるの? スマホ5,000円プラン」[字]

NHK解説委員…竹田忠,【司会】岩渕梢

詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…竹田忠,【司会】岩渕梢

ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:27360(0x6AE0)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: