白い巨塔 #17【舞台は控訴審へ…財前教授を待ち受ける運命とは!?】 2015.12.16


でも、その前に高校時代とかに友達に対して
(アナウンス)「財前教授の総回診です」
(裁判長)主文。
原告らの請求を棄却する。
(又一)ほんまありがとうございます!
(よし江)これが医療裁判ってものですか。
(庸一)お願いします。
もう一回財前を訴えてください。
(鵜飼)君には山陰大学に行ってもらうことにしたよ。
(財前)新しい出発を祝おうじゃないか。
(里見)俺は教授にはならないよ。
(鵜飼)人事を拒否することは許されんよ。
(里見)承知しております。
(ケイ子)五郎ちゃんは勝ったの?
(財前)当たり前じゃないか。
俺は勝ったんだ。
(関口)お願いします。
(事務員)控訴状ですね。
(関口)国と浪速大学医学部財前教授に対して控訴いたします。
(佃)控訴された!?
(佃)いいかげんにしてくれよ。
まだ懲りないのかよ。
(金井)控訴しても勝ち目はないはずなのに。
(国平)まったくもって意外です。
意外?あなたは法律のプロでしょう?意外などという言葉を使ってほしくありませんね。
人間相手の仕事には常に計算外のことが起こるものです。
医師と同じですよ。
あなたは分かっておられるんですか?ガンセンターの設立を控えた今裁判が長引くことがわたしにとってどれほどの負担になるか。
なら示談にしますか?示談?過失を認め謝罪をしていくばくかの慰謝料を支払うんです。
条件が折り合えば早期に解決します。
冗談じゃない。
なぜわたしが謝罪などしなければならないんだ。
では受けて立つしかありませんね。
今度はどう闘うつもりです?闘う必要などありませんよ。
あなたに過失なしとした鑑定報告を覆す新しい証拠か新しい証人が出てこない限り裁判は維持できません。
しかし向こうの弁護士も侮れない。
勝算があるから控訴したということも考えられるんでは?努力や熱意で事実を変えることはできません。
あなたが正しいという事実は一審で認められているんですから。
なら今度こそ徹底的にやってください。
わたしは示談にする気など一切ない。
慰謝料なら名誉棄損でこちらがもらいたいくらいです。
(村山)ほかを当たってください。
わたしの研究は医学のためであって裁判などに用立てられるのは迷惑です。
先生は肺ガンの専門家でいらっしゃいます。
一審の鑑定は完全に医師の立場に立ったものであって…。
(村山)鑑定をした唐木教授は第一人者です。
唐木教授以上の意見はございません。
(三知代)車に気を付けるのよ。
(好彦)はーい。
いってきます。
(三知代)いってらっしゃい。
勤務先が決まるまで当直のアルバイトに出るよ。
えっ?救急病院はどこでも人手不足に困ってるからいくらでも仕事はある。
そんな…。
当直のアルバイトなんかしなくても少しぐらいなら蓄えもあるわ。
金のためだけじゃないんだ。
(好彦)お父さん!お客さん。
はい。
はい。
大河内先生。
(大河内)突然すまない。
近くまで来たので顔を見に寄った。
お世話になっております。
どうぞ。
いえ急な訪問です。
お構いなく。
あっこちら掛けておきます。
ああ。
よくウチがお分かりになりましたね。
以前に君に聞いたのを思い出した。
千成病院は知ってると思うが?千成病院?うん。
規模は大きくないが総合医療を理念に掲げ患者対応に熱心な医師が集まっている。
あっはい。
確か抗ガン剤の粘膜障害対策で成果を上げたと聞いています。
行ってみんかね?里見君。
(大河内)院長はわたしの旧友で清潔な人間だ。
君のことを話したら是非にと言ってくれた。
先生。
大学病院ではないが化学療法専門の病棟を持ち緩和ケアチームも確立されている。
臨床の面から君のやってきた研究にアプローチできると思うが。
いやしかしわたしは…。
君が浪速大学を辞めた経緯を知った上でのことだ。
すぐに返事をしろとは言わない。
一生のことだ。
よく考えてその気があるならここへ電話をしなさい。
大河内先生。
ありがとうございます。
診察する場を失って身に染みました。
わたしは患者を救っていたのではなく患者によって救われていたのだと。
お話謹んでお受けいたします。
医師にとって最も大事なものは患者を敬う心だ。
君はまたとない経験をした。
(財前)ここが正面玄関であっちが外科病棟だ。
(ケイ子)オペ室は?
(財前)あの辺りだ。
2階には移植用の無菌手術室地下3階には大型加速装置をそろえた術中放射線治療室を造る。
恐らく世界でも有数のオペ施設になるだろう。
それだけのお金を集めるのは大変なことね。
金は集まるさ。
いや集めてみせる。
裁判などにかまけてる時間はないよ。
おい見ろよ。
うまくいけばあの南側の最上階が俺の部屋になる。
(ケイ子)アッハハハ。
気が早いわね。
まだ何にも見えないわよ。
俺には見えるね。
理想の病院を造り上げた俺の姿が。
理想の病院?おかしいか?俺が理想なんて言葉を口にしたら。
いいえ。
聞かせて。
わたしもあそこに座ってる五郎ちゃんが見たいわ。
(好彦)お母さん。
(三知代)うん?
(好彦)ガムテープあった。
(三知代)はいありがとう。
じゃあねこれをね大切にくるまなくちゃいけないから。
(引っ越し屋)こちらいいですか?
(里見)あっ手伝います。
(引っ越し屋)すいません。
せーのよいしょ。
(里見)はい。
はいすいません。
(引っ越し屋)ああどうも。
千成病院へ行くそうだな。
ああ。
患者の数ばかり多くてろくな研究施設もない民間病院じゃないか。
ああ。
まあ3年間我慢するんだな。
3年後に浪速大のガンセンターが出来たら君を内科部長に呼ぶよ。
正気で言ってんのか?君とは性格的に相いれない面が多いが内科的技術は認めている。
君の腕が必要なんだよ。
各分野のエキスパートを集め遺伝子解析に基づくテーラーメード医療も積極的に導入していく。
そして症例集積度を高め臨床研究の両面から世界をリードしていく。
現在考えうる最高の病院だよ。
俺にはそれが最高の病院だと思えない。
フッ。
やせ我慢するなよ。
日本のガン治療のガイドラインはこの病院から発せられることになる。
医師なら誰だって行きたくなるさ。
失礼する。
(財前)しっぽを巻いて逃げるわけか?逃げるつもりはないよ財前。
君とはいずれじっくり話すことになるだろう。
まだ解決しなければならないことが残ってるからな。
(財前)待ってるよ里見。
君は必ず僕に泣きついてくる。
なぜなら君は医者だからだ。
(テーマソング)〜
(鵜飼)我が浪速大学附属高度ガン医療センターは大阪地方自治体だけではなく企業との連携を密に図ることで国立大学法人化後の附属病院運営の新たなモデルに成りえるものでございます。
これはすなわちもはや国全体として現実的に直面していかなければならない国立大学の経済的自立という課題を我々浪速大学では…。
えらいことになったな。
(佃)どうしてですか?うん?
(佃)すごいじゃないですか。
日本一の施設ですよ。
(安西)でもこれで財前先生はガンセンターの設立に掛かりきりになりますよね。
僕たちの仕事は間違いなく増えますよね。
しょうがないだろう。
財前先生はセンター長になられるんだから医局あげて応援すんだよ。
(柳原)あのホントにセンター長になられるんですか?なるに決まってんだろう。
ほとんどの金策と根回しは財前先生がやったって話だからな。
どうしたんだよ?もっと喜べよ。
裁判以来暗いんだよな。
(佃)ビクビクすんのはやめろ。
患者に訴えられたぐらいじゃ何も変わらないんだよ。
鵜飼先生は学長になられたし財前先生もセンター長になられるんだ。
強い者は勝つんだよ。
(安西)先生。
これなんですけど…。
(金井)ああ佃君。
この…。
(佃)はい。
(里見)おはようございます。
(患者たち)おはようございます。
(山田)いやいやちょっと里見先生。
まだどすか?ああもうしばらくお待ちください。
(山田)はあそうですか。
(山田)うっ…。
はぁ。
何度もすいませんね。
(山田)いいえ。
念のため外科の先生にも診てもらいますから。
(外科医)失礼しますね。
(山田)あっああ…。
CTの壁肥厚像に一致して少しデファンスがあるでしょう。
里見先生の見立てどおり憩室炎ね。
外科で入院して保存的に診ましょう。
いや外科ですか?大丈夫です。
恐らく手術せずに治るでしょう。
念のための入院ですから。
はあ。
(外科医)今ご案内しますね。
よろしゅうお願いいたします。
(里見)お大事に。
どうもありがとうございました。
じゃお願いします。
あっはい。
次の方。
(看護師)大丈夫ですか?
(関口)すいません。
診察が終わるのを待っていたら気分が悪くなってしまって。
過労ですね。
栄養状態もよくなさそうですが。
(関口)この1年間あらゆるつてを頼って日本中の病院を歩きました。
ですが浪速大学側の圧力がものすごくて協力してくださる先生は一人もいませんでした。
すいません。
グチを言うつもりではなかったんですが。
ああいえ。
(関口)先生にどなたか心当たりはないかと思いまして。
わたしは肺の専門ではありません。
それに大学を辞めたわたしの紹介ではかえって皆警戒するでしょう。
そうですね。
分かってはいたんですが。
東先生にご相談されたんでしょうか?東先生?佐枝子さんのお父さんですか?はい。
いえ。
財前さんは東先生の教え子ですし協力してくださるはずもないと思っていましたから。
いやしかし東先生はそれこそ肺の専門家です。
佐々木さんの症例にも詳しいでしょう。
証言台に立つのは無理でも何らかのご協力をお願いできるかもしれません。
なるほど。
東先生と財前さんの間には確執があったとも言いますし案外立ち上がってくれるかもしれませんね。
あっいやそういう意味で言ったのではないんですが…。
頼んでみます。
「灯台下暗し」だったかもしれません。
(秘書)来週は泉南証券の三島会長のオペをお受けしましたがよろしかったでしょうか?
(東)ああいいよ。
問題ない。
浪速大学にいたころには週4、5人のオペなどざらだったからね。
(秘書)こちらは三島会長からの差し入れでございます。
(秘書)一度はお断りしたのですが…。
(東)いずこも同じか。
院長回診へ行ってくるよ。
(君子)覚えておられませんか?浪速大の第一外科病棟におりました亀山君子です。
ああ。
いやいつからここへ?今月から外科でお世話になっております。
昨年浪速大を辞めてからはのんびりしてたんですけどまた働こうと思って。
先生が院長をしておられるのは入るまで知りませんでした。
うんそうかね。
いや君のようなベテランが入ってくれれば外科は助かるよ。
失礼します。
あっ君。
(君子)はい?君はなぜ浪速大辞めたんだね?大学病院が嫌になったからです。
(佐枝子)もしもし?
(里見)もしもしあの…。
(佐枝子)もしもし里見先生ですか?
(里見)お久しぶりです。
お元気ですか?はい。
里見先生もお元気だそうで。
あっあの関口さんから新しい病院でご活躍だと聞きました。
(里見)そのことでお電話したんですが…。
東先生に裁判のご協力をお願いしてはどうかと関口さんに勧めたのですがもしそれで東先生にご迷惑が掛かってはと気になりまして。
いえ里見先生。
わたしからも父に頼んでみます。
いやしかし東先生には現在の立場があるでしょう。
わたしやれることは何でもやりたいと思っています。
それに父にはこの裁判に協力する義務があると思います。
財前さんを指導したのはほかならぬ父なのですから。
里見先生。
父は教授という地位に縛られて生きて参りました。
大学病院にいる多くの医師がそうであるように。
わたしは父に医師として信念を持ってもらいたいのです。
里見先生のように。
(里見)待ってください。
東先生には東先生の信念があると思います。
娘のあなたがそれを信じなくてどうするんです。
(里見)わたしは裁判が正しく行われることを望んでいますがうかつな提案をしたのなら謝ります。
どうかお父さんを貶めるようなことは言わないでください。
勝手な電話ですいません。
失礼します。

(佃)胆のう炎の急患入院です。
昨夜経皮ドレナージを行いました。
午後にCTの予定です。
順調ですね。
お大事に。
(患者)はあ。
(金井)中部食道のCAで検査入院中です。
本日MRIの予定です。
自己血はもう採ったのか?リセクタビリティーを確認してからと。
それでは時間がかかりすぎる。
ムダに入院期間を延ばすな!すいません。
ご心配ですね。
検査の結果はすぐに出ますから。
(安田)ありがとうございます。
(庸平)《あのわしいつごろ退院できまっしゃろか?早う店出なあ商売上がったりでして》
(柳原)《佐々木さん。
回診中です》
(金井)安田さん。
ご存じのとおり中部食道にガンが診られるのですが詳しく検査した結果幸い早期発見の段階です。
(安田)はあそうですか。
ですから手術できれいに取り切ることができると思います。
(安田)手術?やっぱり手術せなあかんやろか?
(金井)ご不安なのは分かりますが。
(安田)抗ガン剤とか放射線で治りませんか?手術は怖うてな。
(金井)確かに最近では一部そういう治療法も注目されつつありますが確率的に言って手術のほうが…。
(安田)そやけど手術で食道取ってしまうんのやろ?飲んだり食べたり普通の生活できますやろか?
(金井)いや確かに…。
安田さん。
端的に申し上げます。
(財前)《では端的に申し上げます。
助かりたいのなら手術をするしかないということです》
(安田・庸平)ほな教授先生。
切ってくれはりますか?教授先生は有名な先生でっしゃろ?どうせやったら先生に切ってもらいたいですわ。
(佃)執刀は金井助教授が行います。
財前教授はご多忙で1か月先まで手術のスケジュール埋まっております。
(安田)どないしても無理だすか?
(安田・庸平)教授先生に切ってもらえるんやったら嫁はんも息子も安心するんやけど。
安田さん。
大丈夫です。
わたしが責任を持ってやりますので。
僕が切ろう。
(金井)はっ?僕が執刀しよう。
来週の金曜なら空いてるはずだ。
(安田)ほんまでっか!いや果報者やわし。
オペ室への連絡を頼むよ。
(安田)ありがとうございます。
柳原君。
ちょっといいか?あっはい。
先生。
あの人…。
君に話があるんだが今度の休みにウチに来てもらえないか?あっ先生のお宅へ?どういったご用でしょうか?大事な話だよ。
そのときに話す。
(東)わたしに裁判に協力してくれと?一審での鑑定報告は患者側にとってあまりに不公平なものでした。
控訴審では公平な立場から医学的な証言をお願いしたいんです。
(関口)我々に有利な証言をしていただきたいと思ってるわけではありません。
しかし皆浪速大学ににらまれることを恐れてる。
(政子)要するにあちこちで断られたので佐枝子を利用して主人に頼むことを思いつかれたわけですのね。
お母さま。
関口さんはそんな方ではないわ。
わたし自身もお父さまにお願いしたいと思っているの。
佐枝子は黙っていなさい。
どうかお引き取りください。
私は浪速大学の前教授です。
財前君はわたしの教え子です。
お話することはありません。
財前さんの過失によって一人の患者が命を落としたとしてもですか?公の法廷で財前君には過失がないという判決が出ています。
どうしてお父さまは傍観者でいられるの?もとはといえばお父さまが立派な後継者を育てなかったからあんな見苦しい教授選が行われあげくに財前さんのような方が教授になってそのおごりが患者さんの命を奪ったんじゃないの。
佐枝子さん。
お父さまに何てこと言うの。
財前さんの人間性に問題があるのはお父さまのせいじゃありませんよ。
そうかしら。
お父さまが教授という地位にのみこだわっていなければ財前さんはもっと立派な医師になっていたのでは…。
財前君は一流の外科医だよ。
彼は私が育てた。
財前君は立派な医師です。
その彼がそんな無責任な治療を行うはずがない。
協力はお断りします。
(三知代)わたしこっちに来てよかったわ。
(里見)うん?好彦は元気になったしあなたもこうやって早く帰ってきてくれるようになったもん。
俺もそう思ってるよ。
そう?うん。
研究設備は前と比べようもないが医者同士の手柄争いやいがみ合いがない。
この年になって人が人を治すってことを教わってるよ。
ハハッ。
大学を辞めたのも悪いことばかりじゃなかったわね。
ああ。
控訴審が進展してくれればいいんだが。
佐枝子さんはまだ弁護士さんのお手伝いを?うん。
できることは何でもやりたいと言ってらしたよ。
会ったの?佐枝子さんに。
いや。
電話で話したんだ。
そう。
あなたはこれ以上深入りするのはやめてね。
うん?わたし今ホントに幸せなの。
結婚していちばん幸せかもしれない。
だから…。
何か用かね?佐枝子。
お父さま。
さっきはごめんなさい。
勝手なこと言って。
フッ。
どうしたんだ?さっきの勢いは?わたし何とか佐々木さんの力になりたくて。
なぜそこまでこだわるんだね?この裁判に。
里見先生が…。
里見先生が?里見先生が真実をお話になったからよ。
里見先生は自分の研究を捨ててまで患者さんのために証言したわ。
わたし里見先生によって強く生きることを教えられたの。
里見先生こそ本当の医師だわ。
佐枝子。
まさかお前…。
忘れてはいけないよ。
わたしは今もねお前が裁判を手伝ってることに賛成してるわけではないんだよ。
(ドアチャイム)さあ入れ入れ。
お邪魔いたします。
(又一)アハハハハ。
やあ柳原先生。
やあよう来たよう来た。
アハハハハ。
何してはんの。
早う座んなさい。
失礼いたします。
早う早う早う。
アハハ。
おーい!未来の大先生がお見えになったで!
(杏子)はーい。
(又一)おお!アハハハ!
(又一の歌声)
(又一)てなもんやな。
えっ。
(又一の笑い声)
(又一)この柳原先生ねあの婿の財前五郎君が特別に目かけてる有望株でんねんええ。
ヘヘヘヘ。
まあ野田家との縁組みやったらもうドンピシャの人材ですわ。
えっ縁組み!?
(又一)ええこちら野田華子さんや。
あの心斎橋で手広うやってはる野田薬局のお嬢さんでなお父上から医者との縁談頼まれとってん。
ヘヘヘ。
あっあっ…。
(杏子)アハハ。
わたしの女子大のときの後輩でもあるのよ。
かわいいでしょう?座ってると分からないけどスタイルも抜群なの。
(柳原)あっでもあの…。
てれることないじゃないか。
医者は忙しくて嫁さんを探してる暇がないから見合いは当たり前のことだよ。
わたしたちだってお見合いなのよ。
フフフ。
お見合いのほうがね飽きがこなくて長続きするの。
(又一)フフフ。
(華子)華子です。
よろしくお願いします。
あっあの柳原です。
よっしゃ!これで決まりや!パンパカパーンちゅうなもんや。
ハハハハ!さあこっち行こう。
さあさあ…。
(杏子)さあどうぞ。
ちょっとあのあの…。
あらこんなかわいい人が不満?ぜいたく言うたらあかんで。
産婦人科のわしから見てもやな最高のお嬢さんやがな。
えっ。
ちょっと待ってください。
僕はまだ未熟です。
とても結婚なんて。
柳原。
未熟だから結婚するんだよ。
男は守るものができると強くなるからな。
僕は心配なんだ。
裁判以来君が元気をなくしているのが。
君はまじめだからいろいろ悩んでいるようだが家庭を持って安定すれば裁判なんて怖くも何ともない。
一審どおりに間違いのない証言をすればいいだけなんだから。
(又一)アハハハ。
すんまへんなあ。
ハハハハ。
この柳原先生ねあの婿が今巻き込まれてる裁判にかかわっとってねまあそら堂々としたもんでねええ国立大学の医師にふさわしゅう対処してくれまんのや立派に。
まあ10年後は間違いのうもう婿の後継者ですわ。
(杏子)あんもう。
はい。
お会いできてよかったです。
(又一)あらかわいらしい声やね。
えっ?かわいいなあ。
エーッヘヘ。
なあ杏子。
外科のお医者さまってもっと怖い感じかと思ってました。
あっそうそうですか。
あのまた会っていただけますか?えっ。
送っていただいてありがとうございました。
(財前)《家庭を持って安定すれば裁判なんて怖くも何ともない。
一審どおりに間違いのない証言をすればいいだけなんだから》
(よし江)《お父ちゃん。
わたしら置いて先に死なないで!》《カルテの改ざんなどしていません!》
(関口)力及ばずに申し訳ありません。
東先生にも断られました。
(よし江)もう無理なのかもしれませんね。
医者同士がつるみやがって。
控訴を取り下げますか?僕はまだあきらめたくはありませんが依頼人はあなた方です。
あきらめません。
ここであきらめたら最初から裁判なんてやらなければよかったってことになってしまいます。
だったら頑張りましょう。
僕ももう一度証人探しから始めてみます。
はい。
とにかくお二人が元気でないとご主人も悲しまれますよ。
それでは。
柳原先生。
どうされました?佐々木さんに何かご用ですか?何でもありません。
(関口)待ってください。
柳原さん。
(関口)柳原さん!どうして逃げるんですか?逃げてません。
あなたは本当のことを話さなければいけないと悩んでた。
だからこうしてここに来た。
違いますか?だったら言うべきです。
裁判が終わってから真実を話しても何の意味もありません。
一生後悔しますよ。
やめてください!
(一同)おはようございます。
(財前)これより食道切除再建術を始める。
(一同)はい。
(財前)メス。
(看護師)はい。
(金井)コッヘル。
(看護師)はい。
(佃・安西)ガーゼ。
はい結構ですよ。
(患者)ありがとうございました。
はいお大事に。
(看護師)午前は終わりです。
はい。
おっ。
はいお疲れさま。
(看護師)お疲れさまでした。

(佐枝子)「里見先生。
先日のお電話では失礼いたしました。
父は裁判への協力をきっぱりと断りました。
そして財前さんのことを自分の育てた一流の外科医だと申しました。
さまざまな思いがありながらそう言い切った父の胸中を思うとわたしは自分の浅はかさを痛感しております。
里見先生のおっしゃったとおり父は父なりの信念を持って生きてきたのだと思います。
裁判は長い道のりですがわたしはいつも里見先生に恥ずかしくない生き方をしたいと思っております」
(カーテンの開く音)
(看護師)里見先生。
ご面会の方ですが。
はい。
どうぞ。
東先生。
ごぶさたしたね里見君。
元気そうで何よりだ。
あっあの。
君に聞きたいことがあって来たんだよ。
少し時間をもらえないかな?例の裁判のことなんだがね。
(財前)電メス。
(佃)はい。
(金井)結紮。
(安西)4−0弓。
(財前)メッツェン。
(看護師)はい。
(庸平)《先生。
肺の転移見落としてはるん違います?》
(佃)先生。
それ鎖骨下静脈!
(財前)うん?
(佃)あっガーゼ!
(看護師)はい!
(金井)ヤナ!取れ!
(柳原)はい!
(東)それではやはり財前君の診断ミスだったのか?いえ。
ミスとは言えませんが肺に転移の可能性があったことに気づきながらオペに踏み切ったことは外科医として問題があったと思います。
なぜそのような強引なことを…。
あれほど慎重だった男が。
恐らく財前はオペを急いでいたからでしょう。
急いでいた?どういうことだね?佐々木庸平という患者のオペはいつだったんだね?一昨年の12月26日です。
12月26日!
(東)《では最後のお勤めに行ってくるよ》
(政子)《せめて最後に財前さんの慢心をおいさめして退官なさいませね》《いやわたしは今日彼に手を差し出すつもりだ。
いがみ合ったまま別れるというのは悲しいことだからね》《財前君は?》
(医局員)《今日はオペがありまして》
(アナウンス)《「東教授の総回診です」》
(鵜飼)《東先生は浪速大の功労者ですから》
(東)《その功労者の最後の総回診というのがこれですよ》
(鵜飼)《そういえば財前君はオペだそうですな》そんなことのために…!そんなことのために患者一人死なせてしまったのか!
(佃)ガーゼもっと!
(看護師・柳原)はい!
(財前)ケリー。
(看護師)はい!
(財前)いやいいやモスキート!
(看護師)はい!
(財前)ああいやケリーだ!
(看護師)はい!
(財前)きちんと渡せ!
(看護師)はいすいません!
(金井)財前先生。
わたしもそちらに行きましょうか?
(佃)先生。
ご気分でも?
(財前)何でもない。
急いで吸引しろ。
(佃)はい。
サクション!
(金井)ヤナ。
代われ。
(柳原)はい。
(佃)もっと伸びないの!
(看護師)すいません!首にもサクション用意してください!
(看護師)はい!
(柳原)ガーゼ!
(看護師)はい!
(佃)急いで!
(柳原)ガーゼ!
(看護師)はい!はい!
(柳原)もっとちょうだい!
(財前)輸血を開始しろ!
(上村)はい!
(モニターの警告音)『アメイジング・グレイス』〜〜〜〜2015/12/16(水) 14:55〜15:50
関西テレビ1
白い巨塔 #17[再][字]【舞台は控訴審へ…財前教授を待ち受ける運命とは!?】

「一年後」

詳細情報
番組内容
よし江(かたせ梨乃)らは財前(唐沢寿明)を相手に控訴したが、時はいたずらに過ぎていった。1年後、財前はがんセンターの着工式に堂々と立ち会い、里見(江口洋介)は大河内(品川徹)の紹介で患者本位の民間病院に働いていた。関口(上川隆也)は、最後の頼みと東(石坂浩二)に証言を請う。
出演者
唐沢寿明 
江口洋介 
黒木瞳 
矢田亜希子 
水野真紀 
沢村一樹 
片岡孝太郎 
伊武雅刀 
若村麻由美 
西田尚美 
野川由美子 
池内淳子 
かたせ梨乃 
伊藤英明 
石坂浩二 
西田敏行 ほか
原作・脚本
【原作】
山崎豊子

【脚本】
井上由美子
監督・演出
【企画】
和田行

【プロデューサー】
高橋萬彦 
川上一夫

【演出】
河野圭太

【音楽】
加古隆

【主題歌】
ヘイリー「アメイジンググレイス」

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:38030(0x948E)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: