(最終回)新・科捜研の女1 2015.12.16


(土門美貴)マリコさーん!マリコさんマリコさんマリコさーん!あっマリコさんこれ見ました?これ!もう私さっきこの記事見つけてビックリしちゃって!
(日野和正)あのねそれならここにもあるよ。
えっ?あー!
(小向光子)ウチが許可した取材に決まってんじゃない。
なんだー…。
あっでもほらっ綺麗に写ってると思いません?
(榊マリコ)なんせ元がいいから。
(光子)え?
(宮前守)しかしなんで榊くんの写真だけなんだろうね。
(乾健児)そう!この事件で銃の鑑定したの俺なんですよ!これでファンレターとかきたらどうします!?結婚相手が見つかるかもな!見つからなくて結構!ゆっくりだ!
(一同)はい。
(サイレン)あっあった!これだここ!ネオン変圧器がショートしてる。
(杉内亮)しかし感電させて殺すなんて…。
(土門薫)ひどい殺し方だな…。
殺人かどうかまだわからないでしょ。
どう見ても殺人だろこれは!解剖するまではっきりしたことは言えないわ。
(寺原智則)被害者の身元がわかった。
洛北医大の法医学教室教授で戸根貝進一53歳。
ああいつもウチが解剖を依頼してる洛北医大だ。
(米倉助教授)びっくりしたでホンマに…。
運ばれてきたホトケさんがまさかな…。
初めての経験やこんなこと…。
大丈夫?解剖できる?
(足音)里香先生…。
(楠木里香)ホントに…ホントに戸根貝先生なの?ご遺体は?解剖室?あっちょっと待ち!あんたは見んほうがええって…。
えっ…じゃやっぱり…。
関係者の方ですか?
(米倉)楠木里香助教授戸根貝先生の教え子です。
お話聞かせてもらえますか?あちらで…。
ショックよね同じ大学の先生が亡くなるなんて…。
特に里香先生は戸根貝先生を慕っとったしな…。
あの…慕ってたっていうと?いや変な意味はないで。
徹夜で研究を手伝ったり学会用の資料を揃えたりそらぁ献身的やった。
先生の下で仕事を続けるために教授になる話も断わり続けとったしな…。
そこまで…でも優秀なのね里香先生って。
先生解剖の準備できました。
肺に出血があるわね。
死体が見つかった時の状況からして呼吸筋麻痺による感電死の所見やな。
でも感電死につきものの電流斑がないわね。
感電してもな電流斑は出んこともあるんやで。
ねぇここにうっすら見えるの死斑かしら?
(米倉)あっホンマやな…。
押しても動かない…これ死斑じゃないわ。
ちゅうことは皮下出血か?これはもしかしたら感電死じゃなくて窒息死。
そのネオンご存知のようですね。
戸根貝先生が開発した実験用酵素の看板です。
実験に使う酵素ですか?ええ先生が誇る研究成果の1つで特許も取りました。
戸根貝先生の栄光の証ってことですか…。
このネオンが何か?昨夜先生はそのネオンで感電して亡くなったんです。
えっじゃ事故だったんですか?断定はできませんが多分殺人だと思います。
そんな…どうして先生が殺されるんですか?
(寺原)土門さん!被害者は感電死じゃないかもしれないって!え!何だこれは?扼殺痕よ。
扼殺痕って…。
首を絞めた指の跡か?じゃ被害者は絞め殺されたんですか?そう死因は扼殺による窒息死。
一番強く残ってる親指の跡から見て犯人は左利き。
指の大きさから見て男ね。
犯人は左利きの男ってことですね。
これで殺人事件だってはっきりしたな。
でもこの扼殺痕には防御創がないのよ。
ボウギョソウ?首を絞められたら逃れようとして自分の首そうやって引っ掻くだろ。
ああ…それが防御創…。
それくらい覚えとけ!ちゅうことはつまり先生は防御する間もなく殺されたっちゅうことやねんな。
犯人はかなりの腕力の持ち主かもしれないわね。
うーん…これ見てよく扼殺による窒息死だってわかったねー。
遺体に電流斑がないのがひっかかって…。
電流斑?ああ感電した場所にできるヤケドのようなものですよ。
殺人事件だと断定されたから忙しくなるわよ。
あっ!君が何かすると必ず忙しくなるね。
ハンコお願いします。
あ?戸根貝!?どうしたの?殺された人って戸根貝さんなの!えっ知り合いなの?ご近所さんなのよ!大学の先生だって言ってたけど…。
洛北医大の法医学の教授よ。
やだぁ奥さんかわいそう…。
(戸根貝数子)じゃぁ主人は殺されたんですか?ええ何者かに首を絞められて…。
心中お察しいたします。
かなりの怨恨かまたは異常者による犯行か今のところ我々はその線で…。
バチが当たったのよ…。
はっ?バチが当たったのよ。
いつかこんなことになると思ってたわ。
ほぅ…。
あの被害者の首から取ったこの指紋なんですけど…。
前科はなしか。
ええ犯人は左利きの男ってことはわかってるのに…。
よしガイシャの関係者から怨恨の線探れ!はい!おう。
どうします奥さん。
家に帰しますか?引き止める口実はないか…。
ですよね…でもあの奥さんちょっと…。
彼女の身辺ちょっと調べてみろ。
あれ?ねぇこれって電流斑じゃない?ええ!先生ちゃんと調べなかったの?いやしかし教授は亡くなった時靴履いとったんやで!まさか電流斑が足の裏に出るとは…。
奥さん先生のご遺体をもう一度解剖させてください。
ええ!どうだガイシャの怨恨の線は?今のところまだ…。
土門さんあの奥さんの周辺突付いたかいありましたよ。
何かわかったのか?最近夫と別居状態で原因は夫の浮気です。
浮気の相手は?それはまだ…でも奥さんなら知ってると思いますよ。
奥さんは今洛北医大です。
遺体を引き取りに…。
洛北医大だなわかった。
あっはい…洛北医大ですよ!ご主人と別居をなさっていたそうですね。
ご主人の浮気が原因だとか…。
ホントにみっともない。
ちなみに相手の女性は…?奥さん?言わないんですよ。
フッあの人私に浮気がバレた時土下座したんですよ。
なのに女の名前は言わないの。
そこまでして相手の女をかばうなんて…。
しかもとうとうそれを墓場まで。
許せない。
しかしご主人はもう亡くなって…。
死んだって許せないものは許せないんです。
そんな主人でも世間の目がありますから葬儀はしなきゃなりません。
遺体早く返してくださいよ!やっぱり電流の熱によって壊疽が生じてます。
おう!電流斑が見つかったって本当なの!榊先生これを見てどう思います?これは確かに電流斑です。
でもどうして…。
いやわしは戸根貝先生は靴履いてるっていう先入観で足の裏までよう調べんかったんや榊くんもそうやろ?そんな…。
窒息死じゃなくてやっぱり感電死だった?死体に電流斑があった以上間違いありません。
おいそうなのか?死因が感電死だとすると…。
これは一体…。
この指の痕左利きの男性だって言いましたよね?ええそれは間違いないと思います。
思いますってなんだ!だとすると…。
何か?この痕をつけたのは戸根貝先生自身かもしれない。
えっ?戸根貝先生左利きなんです。
(サイレン)ガイシャは感電死による自殺だ。
里香先生の言ったとおりだ。
ガイシャの首にあったのはガイシャ自身の指紋だった。
えじゃ自分で自分の首を絞めて死のうとしたっていうこと?それじゃとても死ねないでしょ。
とまり首のこの跡はためらい痕だ。
ためらい痕?自殺未遂の結果残る傷跡のことよ。
うーんしかしどうして感電死なんか選ぶかね…。
あのネオン看板はガイシャの研究成果だったんだ。
ああー死ぬ時に過去のプライドにしがみついたか…。
まぁそう考えると少し哀れだね。
でもたかが浮気がバレたくらいですよ。
地位のある人間はスキャンダルに弱いんだよ。
近くに住んでて何か気づかなかったの?うーん時々外に聞こえるような声で怒鳴ってたけど奥さん…。
「この恥知らず!」とか何とか…。
別居したあとも旦那は時々家に帰っては奥さんに土下座して謝っていたようだ。
そりゃー追い詰められるわ…。
染色しなきゃわからないほど薄かったのはためらい痕だったからね。
だから防御創もなかった。
しかしたいしたもんだなあの女先生は。
そうね。
それをためらい痕だと見破った上にお前が見落とした電流斑も見つけた。
電流斑か…何であったんだろう?あったらおかしいのか?電流斑は電気の入った場所と出た場所に出るの。
被害者はゴム底の靴を履いてたでしょ?その場合電流は入らないの。
じゃぁ出たんだろ。
でもそれはとても珍しい所見よ。
納得がいかないのか?あの刑事部長が呼んでます。
(拍手)あのなさっき京都府警から正式にお礼の電話があったで。
やはり君は教授になるべき人材だな。
学部長…。
この法医学教室で教授にならないか?えっ…私が戸根貝先生の席に?君が最も適任だと思うがね。
待ってください!先生が亡くなったばかりで私まだそんなことは考えられません。
(学部長)言うと思ったよ。
でもこれから考えてはくれるね。
(佐久間誠)洛北医大の先生に助けられたようだな。
彼女がいなかったら今でも殺人としての捜査が続いていた。
で被害者が自殺というのは確かかね?ええ彼女の鑑定はほぼ完璧でした。
ほぼ?含みのある言い方だな。
実は私はまだ少し気になっていることが…。
こういう雑誌に載って少しいい気になってんじゃないのかね。
それとも彼女に対抗意識を燃やしているのかな?私はただ真実が知りたいだけです。
だからその自殺という鑑定結果が真実じゃないかと聞いているんだ。
今はその可能性が高いということしか言えません。
随分曖昧なんだな!科学者らしくもない。
白黒はっきりつけるのが科学だろ。
気になることがあるなら調べりゃいいだろ!職域を侵してもとことん調べるのがお前じゃないか。
あたしの何を知ってるのよ…。
お前は科学者だろ?だから何?科学から真実をつかみ出せるのはお前だけだ。
わかってるわよわかってるけど…。
怖いのかまた鑑定を間違えるのが…だからいつものように踏み出せないのか?図星か…無様なもんだ。
いつも俺に偉そうな口きいてた女がこの程度だったとはな…。
俺はそんな奴の背中を押す気はないからな。
ちょっとーまた残業?言っとくけど残業代付かないわよ!今だってその件で総務ともめてきたんだから。
やだ!もうこんな時間。
毎晩こんなに帰りが遅いともういい加減夫婦関係冷めちゃうじゃない…。
じゃお先に。
夫婦関係が冷めてたのよね。
えっ?戸根貝先生と奥さん。
あっうーん確かに奥さん近所に聞こえるような声で旦那さんを怒鳴ってたわ。
そうよねそれが事実よね。
普通そんなに怒れないわよホントに夫婦関係冷めてたら。
えっ?フフ…夫婦なんてそんなもんよ。
まだ好きだから怒るのよ。
そして好きな旦那を死ぬまで追い詰める妻はいない。
光子さん自殺だと思ってないのね。
私はそう信じたいだけ。
でも今回は残念ながら光子さんの思いが当てはまらないかも知れない。
そうね…それは私の独りよがりかもしれないわね。
ありがとう光子さん。
えっ?そんな可能性があるんだって教えてくれて。
でも可能性はどこまで行っても可能性だし。
だから科学があるのよきっと。
あとは私に任せて。
科学で真実をつかみ出すのが私の仕事だから。
お疲れ様。
コーヒーいれるわねうんと濃いやつ。
待ってください!あなた!もう一度ご遺体を鑑定させてください。
何言ってるんですか非常識ですこんなところで!非常識は重々承知しています。
鑑定はもう済んだはずじゃないですか。
科学的には何の問題もなかったはずですよ。
いえまだ疑問は残っています。
何ですって?何故電流斑が靴を履いた足から出たのか。
まだそんなことを…。
そういう可能性だってあるわ。
ええ極わずかに。
いずれにしても些細なことよ。
些細なことでも調べて明らかにしたいの。
どうしてそこまで…。
私は科学者だから。
あなたはそうして自殺を殺人と鑑定し間違ったのよ。
それがホントに間違いだったのか確かめたいの。
何言ってるの私の鑑定で間違いだったって…。
それを自分の鑑定で納得したいの。
随分傲慢なのね。
傲慢?そうやって何時までも死んだ人を成仏させない気?そうよ大体葬儀が済んでからまた解剖なんて。
それを許していただけないなら…。
ここで遺体を押収させてもらうことになります。
死因に疑問が残ってる以上法律で認められてるんですよ。
ウエに睨まれるあんなことして。
それは承知の上です。
土門さんにも叱られるかもよ。
土門さんも承知してますよ。
まさか土門さんに頼まれたの?だからってしたわけじゃないですけど。
俺だってしたくてしたことですから。
あなたたち土門さんみたいになっちゃうわよ。
それも承知してます。
俺は…それはちょっと。
終わった鑑定をやり直そうとしてるってのはホントかね?はい。
それでお前のとこの若い刑事が葬儀場で遺体を押収したってのはまさかホントじゃないよな。
俺が命令しました。
今度はかばえないぞ。
今までかばってくれていたんですか?再鑑定などしないですみやかにご遺体を遺族に戻して君たちがやってきた非礼を遺族や関係者に詫びて…。
言っても無駄のようだな。
はい。
鑑定は絶対にします。
本件にはまだ捜査が必要です。
君たちはいいコンビなんだ。
こいつと一緒にしないでください。
それは私のセリフです。
とにかく何度も言うが今度はかばえないぞ。
よくわかっています。
火の粉が降りかかるようだったら容赦なくお前らを切る。
よくわかっています。
思う存分やれ。
さぁこの再鑑定で何も出なかったらきっと大変よ。
へっ俺もお前もただじゃすまんな。
あなたまで巻き込んじゃったわね。
ふざけるな巻き込んだのは俺だ。
ええか必ず科学で真実をつかみ出せ。
わかってるそれができるのは私だけなんやから。
ホンマに葬儀場から連れて帰ってきたんや…。
それにしても何度も鑑定やり直すなんて…前代未聞だね。
これって科捜研全体の責任になりません?もうなれたよ!榊くんと長く仕事してるとね…。
そんなことより何か気になるとこないの?あーやっぱり何回見てもこの足裏の電流斑は確かやな。
しっかしよくこの電流斑見つけたよな。
まぁそれだけあの先生が優秀だってことでしょね。
あっ別に君と比べてるわけじゃないからね。
気を使ってもらわなくて結構です。
やっぱこれどう見ても死因は感電死ですよ。
となるとどうしても気になるのがこの扼殺痕ね。
だからそれはためらい痕なわけでしょ。
(乾)それに首についた指紋は本人のものだったし。
所長。
はい。
うちにワンギーソン染色に使う薬ありましたよね。
あああるけど…ってまさか!やってみる価値あると思いません?
(美貴)また勝手な捜査してるみたいね。
ああいつものことだ。
でも今回はマリコさんが勝手な鑑定をしてお兄ちゃんがその後押しをしてるって噂よ。
俺はただ真実が知りたいだけだ。
マリコさんがつかみそうな真実を?ああ俺もそれが見たくなった。
やっぱりお兄ちゃんマリコさんのこと…。
何だ?馬鹿にしてたのにな…。
え?科学なんて…。
事件は足で調べて解決する。
口癖だったもんね。
だがあの女見てるとどうもな…。
ねぇお兄ちゃんにとってマリコさんって何なの?戦友だな…うん。
古臭ー!俺はどうせ古臭いんだよ。
再婚できないわけだ。
ほっとけよ!わっちょっと!わっ臭い!汚いな!もう!でもそれ聞いて安心したな!あっ?でもちょっと残念かな…。
(携帯電話)はい。
ガイシャが自分で絞めたためらい痕だろ?ためらい痕じゃなく偽装扼痕だった。
(2人)偽装扼痕?つまりこれは死んだあとにつけられたのよ。
多分第三者が被害者を殺したあとその首に被害者自身の指を巻いてその上から絞めたの。
じゃ自殺じゃなかったんですね。
そう彼はやっぱり殺されたのよ。
何故これが死後つけられた痕だってわかった?絞められた首の弾性線維を調べたの。
生きてる時に首を絞めると必ずその弾性線維が乱れるんです。
でも弾性線維に乱れはみられなかった。
犯人はためらい痕を作ることでガイシャが自殺したんだという先入観を持たせたかったのかもしれんな。
それも左手の親指の痕が一番強く残ってたから犯人は被害者が左利きだと知ってる人物。
戸根貝教授の奥さんを取り調べ室に呼べ。
はい。
奥さん?被害者を殺す動機がある。
奥さんは被害者と別居してたのよね?ああ旦那が1人でマンションを借りてな。
そこには浮気相手の女性が出入りしてたの?たぶんな奥さんも旦那に女の影を感じてたから何度か抜き打ちで行ったことがあるらしい。
そこの住所教えて!あ?もし被害者が靴を履いてなかったら足の裏に電流斑が出る可能性は高くなる。
靴は履いてたろ。
それが偽装だったら?殺害場所が別だったらってことか。
家の中なら靴は脱いでるわ。
ここに愛人を呼んでたんですね被害者は。
部屋引き払うみたいね。
まぁ住んでた人死んじゃいましたからね。
さぁ感電しそうなもの片っ端から調べるわよ。
奥さんは強い人だ。
はい?ご主人の死後我々にまだ一度も涙を見せていない。
何が言いたいんですか?いやご立派だと思いましてね。
主人の遺体は何時返してくれるの。
明日にでもお返しできますよ今度こそ。
やっぱり調べ直しても何もでなかったのね。
いやお陰さまで殺人の疑いが出ました。
主人は自殺でしょ?ご主人の首に絞められた痕がありましたよね。
ええ自分で絞めたっていう…。
あっそれ無理だったんです。
無理?死んだあとに絞められたことがわかりましてね。
さぁ一体誰がそんなことをしたんでしょうか。
これじゃ浮気がバレるわけね。
榊さん!榊さん!ここあきらかにショートしてます。
あとこれ!何か高温で焦げたような痕が。
このコードから漏電してそれで焦げたのね。
じゃこのドライヤーがここに。
被害者はこのバスタブに浸かってる最中に…。
何者かに電源の入ったドライヤーを投げ入れられそれで感電死したのよ。
つまり犯人はここに自由に出入りできる人間。
奥さんか愛人ですね。
(日野)よくこの電流斑を見つけたよな。
それだけあの先生が優秀だってことでしょ。
榊さん!何されてるんですか?ちょっとした引越し。
教授部屋に移ることになってね。
教授に出世されるんですか?色々考えてね戸根貝先生の意志を継げるのは私だけだと思って。
そうですか。
で何?電話で相談したいことがあるって。
はい今回の事件のことです。
教授の首の絞め痕死後ついたものなんですってね。
ええ。
犯人は何故こんな回りくどいことをしたんでしょう。
さぁ私プロファイリングは専門外だから。
絞め殺すなら単純にそうすればいいのに随分頭の悪い犯人ですよね。
逆かもしれないわよ。
どういうことですか?人を絞め殺すのは簡単だけどそれを自殺に見せかけるのはとても難しい。
確かに自分で首を絞めたのと人に首を絞められたのでは顔や目のうっ血に著しい差が出ますからね。
そう犯人は意外に頭がいいかもしれないわ。
だから犯人は自殺でも他殺でもほとんど差のない感電死を選んだんですね。
かもしれないわね。
しかもあとあと自殺を匂わせるため被害者の首にためらい痕まで残した。
そして犯人は被害者が自殺するのに相応しい場所としてあのネオンサインを選んだ。
かもしれないわね。
犯人は被害者をよく知ってる人物ですね。
そして法医学の知識も持っている。
でも被害者の足の裏を見て電流斑を疑ったのはやりすぎでしたね里香先生。
なっ何を…。
何を注射したか教えて欲しい?筋弛緩剤。
わかるわよねあなた優秀だもの。
薬の量は計算してあるから自発呼吸が止まって心臓が止まるまであと10分程かかるわ。
その間あなたの意識はちゃんとあるはず。
だからそのまま私の話をゆっくり聞いてね。
戸根貝先生が不倫してたのは知ってるわよね。
その相手はね私なの。
勘違いしないでね彼が好きだったわけじゃないわ。
騙されたのよ。
私を教授に推薦してくれるってね。
でも彼にそんな気はなかった。
関係はズルズル続いたわ。
バレたら大学にいられなくなるって脅されてね。
だから死んでもらうしかなかった。
あなたにうった注射は針の跡が残らないタイプよ。
解剖しても普通血液検査まではしないでしょ。
だから誰も筋弛緩剤をうたれたなんて思わない。
あと1分ほどであなたの心臓は停止するわ。
心臓が止まる前に地面に落ちれば転落死。
心臓が止まってから地面に落ちれば転落によるショック死。
いずれにしてもあなたは今回の鑑定ミスで自信を失って自殺した。
私がそう鑑定してあげる。

(里香)「どんぐりコロコロどんぐりこお池にはまってさぁ大変ドジョウが出てきてこんにちはぼっちゃん一緒に遊びましょう」
(心臓の音)おいおいっ!
(咳込む音)榊くん呼吸はな深くゆっくり。
深くゆっくりやで。
大丈夫か?何とか言え!どうしたんだしっかりしろ!遅いやんか!勝手な行動とるからやアホ!あのな法医学教室になこんなもんが捨ててあったんや。
いやーもしか思うて拮抗剤用意してきたよかったわ。
そやすぐに精密検査!あっ救急車や救急車。
待って!教室に里香先生は?いやおらんかったけど…。
すぐ探してまだ学内にいるはずです。
どういうことだ?犯人は里香先生よ。
こいつ頼みます。

(急ブレーキ)私が戸根貝先生のために教授の話を断わってたなんて嘘。
断わったのは彼。
私を手放したくなかったのよ。
わかるでしょ?彼を殺すしかなかったのよ。
あの特許を取った実験用酵素だってホントは私の発明だったのに…。
それだけ戸根貝教授に尽くしてきたということか?そうよ私はずっと戸根貝先生の陰で耐えてきたの。
それなのに彼は…。
おいっ取り調べ中だぞ。
あなたは名誉のために科学をしてるの?あなただってそうでしょ?人に認められたいからしてる仕事でしょ?私は…。
雑誌に自分の顔が載った時はどう思った?自分が誇らしくなかった?私だって私だってもっといいめを見てもいいはずじゃない!私は私はそんな風には思えない。
科学の先にあるのは名誉なんかじゃなく真実なのよ。
綺麗ごとよ。
真実を捻じ曲げた人に科学者である資格はない。
科学を弄ぶ者はいつか科学に追い詰められるのよ。
さすがに復活が早いなアホの証拠や!アホに言われたないわ!何よそれ!お前に関係ないやろ。
行けおのれの職場へ行け!おはようございます!おー!すいません遅れました。
どうだった精密検査。
全く異常なし。
今日からまた元気に働きます。
あっそう…。
丈夫すぎるのもどうかと思うけどな。
またこき使われますね。
うん?何か言った?あっそうだそれからね今回の事件を解決したことでまた君に取材の依頼がきてるんだけど新聞社と雑誌社から。
それ断わっといてください。
えっどうして?どうせ警察発表以上のこと話せないもの。
でもせっかく取材してくれるって言うんだからさ…。
私たちは表に出る仕事じゃないでしょ。
せっかく俺も雑誌に出れると思ったのに…。
何で君が出られると思うかね…。
私たちは出れないの。
下京区で爆発事故です。
爆発原因は?まだわかりません。
乾くん現場で発火物を探して!はい。
じゃ私は焼け残った文書でも採取してくるかな。
じゃ私は現場に燃焼促進剤でもないか見てくるかな。
それで死亡者は?います。
みんな行くわよ!はい。
日野さん早く!はいはいはいはい。
逐一領収書貰ってくんのよ!
おしゃべりあるき目です
今週は大阪市中央卸売市場の裏側に密着!
2015/12/16(水) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
[終]新・科捜研の女1[再][字]

「まさかの検死ミス!もうひとりのマリコの完全犯罪」

詳細情報
◇番組内容
あの榊マリコが帰ってくる!沢口靖子主演の“科捜研の女”シリーズがリニューアル!現場に残された微細証拠から事件解決。科学捜査で死体が語る真実を追う!
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、戸田恵子 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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