ひるブラ「師走のタコ加工場は大忙し!〜茨城・ひたちなか市〜」 2015.12.15


生字幕放送でお伝えします≫真っ赤に仕上がった酢ダコ。
くるんとしていてかわいくてタコさんって感じですよね。
私の顔と比べても本当に立派な大きさです。
敦士さん、いかがですか?≫大きいですね、タコ。
タコさんですか。
かわいらしい言い方ですね。
タコさんって俺呼んだことないです。
≫こちら、いい歯応えでかんでいくと、お酢の酸味がたまらないんですよ。
≫食べてみたい!≫これ、裏返してみますと…。
ほら、この吸盤のプチプチした感じが。
いいですよね。
≫グラデーションといいますかコントラストがいいですね同じ赤でも。
≫このきれいな赤に切っていくと中の白い部分が出てきて白と赤、めでたい縁起のいい紅白ということでお正月、おせち料理に欠かせないこの酢ダコ。
今、加工の最盛期を迎えています。
≫今、一番忙しい時期ですね。
≫今日は酢ダコの美しい形と絶妙な歯応えを生み出す秘密をお伝えします。
≫ここ茨城県ひたちなか市はタコの加工生産量が日本一。
もともと、タコ漁が盛んな地域なんです。
≫ひたちなかの沖合いで冬を迎えると最盛期を迎えるのがタコ漁。
使うのは餌をつけた、この仕掛け。
そこに、浮き代わりのたるをつけて流します。
伝統的なタコたる流し漁です。
たるを引き上げると…。
2kg以上の立派なタコがかかりました。
身はしっかりとした歯応えで生きたまま東京に出荷されます。
この日は60kg以上のタコがとれました。
漁は来年1月まで続きます。
≫こんなふうにタコをとるんですね。
太平洋に面したひたちなか市。
この海で、今のようにタコをとるだけではなくて見えてきましたのはタコ専門の加工場がひたちなかには10社もあるんです。
タコ専門ですよ。
≫タコしか加工しないってことですか?≫というところもあるんですよね。
ここのひたちなかの加工場多くのタコを美しく加工できる技術が開発されて年間8000トン以上全国に出荷して日本一の生産量になったんですね。
≫ひと言でタコといっても種類はさまざまですよ。
高い加工技術を持つひたちなかには各地のタコが集まってきているんですよ。
こちら、ご覧ください。
コンテナにタコが山積み。
こちらはタコの産地兵庫から送られてきたマダコです。
≫これ全部下までタコですよね。
≫そうです、全部入っています。
約500kgぐらい入っています。
そしてこのお隣。
こんなにも長いんですよ。
これは、北海道産のミズダコ。
敦士さん、これ脚だと思ってませんか?≫いや、脚でしょう?≫実はこれ、タコの腕にあたるところなんです。
≫腕?タコは脚がないってことですか?≫そうです。
ここはタコの腕にあたるところで北海道で頭の部分は消費されるので、この脚の部分をここひたちなかで加工しているということです。
≫普通は脚って言いますけどね。
正確には腕なんです。
そして、そのお隣こちらはなんとアフリカからきています。
アフリカのマダコです。
実は私たちが食べているタコの7割は海外のものなんですね。
≫こうしたさまざまな種類のタコを美しく、おいしい酢ダコにできる技術がここには詰まっているんです。
では、タコの加工を見ていきましょう。
最初から美しいタコ作りに欠かせない作業、こちらです。
ここで何をしているのかというと…。
≫こちらは今タコに切れ目を入れています。
≫適当に包丁を入れているわけではないんです。
実は、切る場所が決まっているんです。
タコ1匹見せていただいていいですか?≫敦士さん、ここでまた突然ですが質問です。
こちらの丸い部分。
これは人間の体のどこにあたる部分でしょうか。
≫どこにあたる部分?頭じゃないの?≫と、思うじゃないですか。
実は、こちらの丸い部分胴体なんですね。
この中に内臓が入っているんです。
≫ということは、ちなみちゃんさっき、下の部分を腕って言ってたでしょ。
ということは逆立ちしているってこと?≫でも、頭がここに入っているんですよ。
ここに目があってここが頭になっています。
≫この目と目の間を目安に裏返して腕の間に包丁を入れます。
この切れ目を入れないと美しい形には最終的にならないんですね。
これがどんな仕上がりになるのか後ほど、お伝えしますね。
今、切る作業をご覧いただきました。
さらに美しい形へのこだわりがあります。
あちらに行きましょう。
≫本当に工場も広いんです。
ぐるぐる回っているのが見えると思いますが敦士さん、これ何かに似ていませんか?見覚え、ないでしょうか。
≫この形です、形。
形から想像してください。
≫洗濯機!≫正解です!コインランドリーにある、大型の洗濯機のようなものなんです。
≫この中に先ほど切れ目を入れたタコをわらわらと入れてぐるんぐるん回していくんです。
≫海水に浸しながらタコを洗うタコ専用の巨大洗濯機なんですね。
これですね、海水の中でおよそ1時間回して1つのドラム、この中におよそ500匹のタコが入っています。
≫これ、塩もみという作業なんですね。
昔、塩もみをどういうふうにやっていたかというと木のおけを使って手作業でぐるぐる回していたんです。
≫先端が、このようになっているもので回して。
原理はこのドラム缶と一緒ですけどやっぱり腰も疲れるし。
≫これ、昭和30年代に今のドラム式の方法がここひたちなかで開発されました。
これが開発されたことで一度に多くのタコを加工できるようになって今、日本一の生産量を誇るようになったということです。
≫手作業だと500匹一気にいけませんもんね。
≫いけないですね。
≫この塩もみというのはタコを洗うだけではないんです。
≫こちらにいくとその答えがあります。
ご覧ください、タコがドラム缶の中から次々と出てきていますよ。
≫ゆだってますね。
違う?≫これ、まだゆでてはないんです。
もう見ていただくと分かるんですが腕がきれいに丸まっていますよね。
≫これ、1時間ぐらい塩もみしただけです。
≫ゆでたり蒸したりするとこういう形になるわけではなくて塩もみでこういったくりんとした形になるんです。
≫ゆでるからくりんとなるんだと思ってました。
塩もみでくりんとなるんですね。
≫塩水で洗うとタコの水分が抜けて身が縮まってきます。
洗濯機の先ほどの回転と合わさって丸まっていくんですね。
そこで、先ほどの切れ目。
ここに切れ目があることで腕が広がりやすくなってうまく丸まってくれるんです。
≫そこに入れないとうまくいかないわけだ。
≫そしてタコでもう1つ大事なのは歯応え食感です。
もう一度、こちらのドラム缶を見ていただきたいんですが手前がアフリカのモーリタニア産のドラム。
こちらは、2つを比べると気付くことありませんか?≫スピードが違いますよね。
回るスピードが。
≫正解です。
ドラム缶の回るスピードがタコの産地によって違っているんですよ。
≫なんで違うのか工場長の勝村さんに来ていただきました。
≫お願いします。
どうしてスピードが違うんですか?≫モーリタニア産のマダコより明石産のマダコのほうが身が硬くなりやすいのでゆっくり回しています。
理想の食感になるように産地や種類によって回転数を変えています。
≫本当にこんなに違っても食感の仕上がりは…。
≫最終の仕上がりの食感を求めて。
≫回転数とか見つけるの大変ですよね?≫そうなんですけど研究を重ねてこの速度を見つけ出したということですよね。
≫このスピードは教えてもらえないんですか?≫ないしょです。
企業秘密で。
≫このスピードの時速は企業秘密だそうです。
本当に細かく調節することで理想の歯応えを生み出しているんですよ。
≫実は、このタコの塩もみ洗濯ですけどもタコどころひたちなか市ならでは。
こんなところでも活躍しています。
≫こちらのご家庭ではなんと洗濯機でタコを洗っちゃうんですよ。
ひたちなかではこうしてタコ専用の洗濯機を持っているお宅も多いんです。
洗うこと30分。
こんなに丸々としてタコらしい形に仕上がりましたよ。
このようにご家庭でもタコ専用の洗濯機でひたちなかの方はタコを。
≫普通の洗濯機で洗うわけですからね。
なかなかないと思います。
そして、丸まったタコ今度は蒸す作業です。
≫形の整ったタコが次々に並べられています。
≫ちょっと敦士さん、この色をよく覚えておいてくださいね。
≫ちょっとピンクがかった桜色というかね。
≫ここからベルトコンベヤーに載ってゆっくりと蒸していきます。
ちょっと先に行きますね。
≫これ、7mあるんですがこの中はやわらかいミストで蒸されているそうです。
大体温度は95度くらいだそうです。
≫7mを7分。
ここから先はマスクを着用して…。
≫ミストサウナみたいになっているんですね。
≫そんな感じですね。
やわらかい、こまやかなミストがかかったタコが出てきているのでそれを見にいきたいと思います。
それがこちらです。
蒸し上がったタコが出てきました。
≫いい色だ!≫タコらしい赤い色ですよね。
しかも吸盤の白のコントラストがまたすてきじゃないですか?≫なんで吸盤って白いままなの?初めて気付いた。
≫吸盤はそのままの白なのでこういう感じなんですけれどもゆっくりゆっくり蒸されたタコが次々に出てきています。
≫ゆでるのではなくて蒸すことでうまみを逃がさずにきれいな赤い色に仕上がるんですね。
≫そしてこちらの蒸しあがったタコ。
出来たてほかほかです。
ちょっと、持たせていただいて…。
温かいです。
≫だいぶ色が変わりましたね。
ちょっと高貴な色になりましたね。
≫ちょっと紫っぽいというかそんな感じかも。
≫先ほど入れた切れ目がここですね。
この切れ目があることによってタコの脚がきれいに開いています。
このあとまたさらに工程が残っているんですよ。
≫酢ダコにしていく作業があるんですが鈴木さんには先回りをして、最終工程を。
≫私は最後の大事な最終工程を見るためにちょっといってきますのでまた、後ほどです。
≫こんなにきれいになったタコですけれどもさらにあえて色をつけるんです。
十分きれいなはずなんですがここを見てください。
ここ、水です。
水が張ってあって、そのあとそこに食紅を使って色をつけていくんです。
これで、さらに明るさが増してくる感じが。
≫変わりましたね。
赤さの度合いが変わったというか…。
≫そうですね。
でもこれ、さっきので十分きれいだったと思うんですが。
こちらの加工場の鯉沼弘之さんです。
なんで、あえてまた色をつけるんですか?≫これは、蒸しダコと酢ダコを区別するためなんですね。
それと、お正月、赤白ですごくいい色じゃないですか。
縁起がいいということで赤く染めます。
また、昔は流通が悪かったので蒸しダコがいかない山間部には酢ダコがいったんですね。
≫日持ちがしないから蒸しダコは送れなかったというわけですね。
≫それで、酢ダコは普通のほうに行っています。
それが今でも残っているんですよね。
山のほうの部分では赤く染めたものが蒸しダコの代わりに、今でも。
≫なるほど。
昔からの慣わしというか風習で。
それが今でも続いているんですね。
色も鮮やかになりましたね。
≫切るともっとタコの白いのが出ますよ。
≫いよいよ、最後お酢に漬けていきます。
≫赤いお酢じゃないですもんね。
食紅ですもんね。
≫最後は、ここ袋の中に、どんどんお酢を詰めていく作業ですね。
かつてはかなりすっぱいお酢を使っていたんですよね。
≫昔はすっぱかったですね。
今は、時代の流れで昆布だしを入れたりちょっと甘め甘めというのが今の傾向です。
≫若い人は特にまろやかなほうが食べやすいということもあってちょっと、角の取れたお酢を使うということなんですね。
これはここでお酢を入れて4日間ほど寝かせてじっくりしみ込ませて、そこから出荷していくということになります。
≫酢が入った状態で出荷されるということですか?≫そうです。
ここで、ひとまず酢ダコにはなりました。
≫敦士さん、敦士さん!私は加工場の食堂に来ました。
皆さんお昼ごはん真っただ中なんですがそちらにお邪魔しています。
失礼します。
実は、ここでは加工場で働く方々が出荷する前に最終確認をしている場所なんですよ。
というのもこちらの酢ダコを自分の舌でチェックしているんです。
自分たちで作ったものをお客さんに届ける前にここでチェックするのが重要なんですよね。
どうですか?今回の酢ダコは。
≫とってもおいしいです。
≫今年の酢ダコは原料がいいので最高です。
≫ここで、工場の方にお墨付きをもらってやっと出荷できるということになっていますね。
こうやって自分たちで最終チェックをして美しい形で絶妙な歯応えのタコを出荷しているんですよ。
≫安心ですね僕たち食べるほうもそうですし。
≫本当に、シーズンが始まるとこれは皆さんの恒例行事だそうでチェックをしてから出荷するという、すごいですよね。
ちょっと私もここで1つチェックに加わりたいと思います。
いただきます。
かむほど本当に酸味がにじみ出てきています。
ずっとかんでいたいぐらいそういうおいしい味です。
タコの絶妙な歯応えですね。
≫おいしそうだよ。
きれいだしね。
≫また紅白の色合いがいいですよね。
≫ちょっと、お酢のいい香りが…。
お待たせしました、合流しました。
色合いもいいですし。
おいしかったですか?≫おいしいです。
まだ酸味が口の中に残っています。
タコはいなくなったんですけど。
≫皆さん周りの人もでしょ?って顔をしています。
当たり前だろっていう顔してますね。
ここ、ひたちなかではタコを町おこしにも使っていまして100以上のタコレシピが開発されています。
地元の方々にとっておきのタコ料理を今日、用意していただきました。
皆さんこんにちは。
お邪魔します。
≫まずは、タコのお刺身。
地ダコを使ったものなんですよ。
普通はしょうゆにわさびですが七味で食べるのがひたちなか流です。
というのも、漁で冷えた体を温めるためだそうですよ。
そしてそのお隣にあるのがタコのやわらか煮。
竹の皮に包んで一昼夜煮込むと非常にやわらかくなるんです。
そして、これがこのように地元の駅弁として売られているんです。
≫これ、お年寄りになっても長くタコを楽しんでもらおうということでやわらかく煮てお出ししているんだそうです。
≫タコが真ん中に鎮座していますからね。
そしてそのお隣にあるのがタコの入ったタコロッケです。
ぶつ切りのタコが豪快に入っていますよ。
≫これは食べてみたい!ゴロゴロ入っていますね。
≫断面だけでも分かりますよね?タコの感じが。
≫タコとショウガも入っているんだそうです。
タコ焼きのイメージでお作りになったそうでタコとショウガのすっぱさがちょうど合うんだそうですよ。
≫コロッケのいい香りが会場に立ち込めています。
そしてそのお隣にあるのが一見するとこちらタコ焼きのように見えるんですが洋風のタコ料理ライスボールです。
タコが真ん中に入っていて周りがリゾットですね。
チーズ、お米、そしておだしもちょっと入っているそうです。
≫ゴロッと大きいタコが入っているぜいたくさがいいですね。
≫本当ですよね。
ちょっと私このタコライスボール、1ついただいてみたいと思います。
いただきます。
≫今、大きなタコが入っているの選びましたよ。
≫タコの食感が効いています。
おいしいです。
≫タコって幸せなんだよな本当に。
≫こうして丁寧に作って美しく、きれいでそしておいしいタコがこんなふうにして出来上がるんですね。
2015/12/15(火) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「師走のタコ加工場は大忙し!〜茨城・ひたちなか市〜」[字]

茨城ひたちなか市のタコ加工場は、正月に向けて大忙し!タコのほど良い弾力を生み出す工夫や、形のよい蒸しダコに仕上げる秘密。地域で変わる酢ダコの味もご紹介します!

詳細情報
番組内容
【ゲスト】鈴木ちなみ,【コメンテーター】敦士,【司会】杉岡英樹 〜茨城県ひたちなか市から中継〜
出演者
【ゲスト】鈴木ちなみ,【コメンテーター】敦士,【司会】杉岡英樹

ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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