少女と人魚 第2話「リトルマーメイド」 2015.12.15


(少女)そういえばさあんたのそういう話聞いた事なかったよね。
何年だっけ?
(人魚)えっ?何でしょう?オッサンがうちに来て何年?ああ。
え〜多分…3年でしょうか。
3年か〜!はい。
いや〜!まんまとだまされたわ。
えっ?これ。
ああ〜…。
あれはそう…3年…3年前の事でございました。
そりゃあ暑い日でございました。
そう。
ちょうど今日みたいに…
暑い…。
お嬢さん。
えっ!?そこのかわいいお嬢さん。
これどうです?かわいい人魚の赤ちゃんですよ。
人魚?これが?うっそ〜!まさか〜!正真正銘人魚の赤ちゃん。
ほらかわいいでしょう?ハハハ!人にもよく懐きます。
本当の本当に人魚?もちろん!今ならたったの500円。
こんなにもかわいらしい人魚の赤ちゃんがたったの1コイン。
あっ!笑った!
金魚鉢でゆがんでいてもその美しさは十分に分かりました。
この世にこんなにもきれいな生き物が存在するのかと…私はそう思いました
はい!はい!私人魚の赤ちゃん買います!買いま〜す!
その言葉を聞いた時の私の胸の高鳴りといったらもう!
ああ〜!かわいい〜!あっ笑ってる!クリクリした目に小さな愛らしい姿!一目ぼれした私はその場でその子を買った。
お父さんとお母さんが離婚したあとお母さんは毎日働きに出ちゃってたから一人っ子で鍵っ子の私はいつもうちに帰っても独りで…。
だから人魚の赤ちゃんを買ったの!それなのにさ〜!もう〜!…すいません。
オスだし〜!ええ〜?そこですか?どうしてこうなっちゃった?あ…それは…ですね…。
大体さよ〜く考えてみい?うら若き少女がだよ?赤の他人のオッサンとこんな小さな部屋で3年も一緒に暮らしてんだよ!?ありえないでしょ!?仮にお父さんでもないからね!しかも人魚って!もう本当ありえない!もう絶対ない!今更ですか〜?何故半魚人?半魚人って…一応人魚って言ってもらえませんかねえ?やっぱ犬にすればよかった〜!
(犬のまねで)ヘッヘッヘッヘッ…。
この際ヘビでもトカゲでもいいわ。
(ため息)…であんたはどうしてあんなとこで売られてたの?あ…それはですねいろいろとありましてまだ生まれたばかりの私がその…。
あっ!えっ?餌。
餌?何で?何で食べてないの?ああ…あの…今ちょっと…。
今ちょっと何よ?ああ…え〜…。
ああ!?あんたの大好きな「金魚まっしぐら」の半生タイプだよ!?わざわざ1駅先の駅で降りて遠回りして買ってきてんだよ!分かってる!?はい恐縮です。
そりゃもう感謝に堪えません。
それよりその…私の半生…じゃなくて半生の話の方は?ああ〜もうイライラする〜!もうそんな話どうでもいいよ!ええ〜…。
美しいものには棘があるという事をあの時の純真無垢な私は知る由もありませんでした
大体さ…あんたが餌の銘柄とか選べる立場?カメの餌は臭い。
熱帯魚の餌は体質的に合わない。
私の身の上は語るほどのものでもありません。
彼女の身の上も決して理想どおりとは言えません。
でもきっと彼女は自分を不幸だなんて思っていないと思います。
私もそうです。
すこぶる幸せであります。
そしてこんな時間がこんな日々がいつまでも続けばいいとそう願っていた小生でありました
(くしゃみ)…失敬。
(ため息)
(くしゃみ)2015/12/15(火) 00:55〜01:00
NHKEテレ1大阪
少女と人魚 第2話「リトルマーメイド」[字]

クスッと笑えて、ホロッと泣ける。ツンデレ少女とオッサン人魚のグッとくる日常おとぎ話。第2話では少女(清水くるみ)と人魚(田中要次)の出会いを描く。

詳細情報
番組内容
学校帰りに通りかかったちょっと怪しい出店でかわいい人魚の赤ちゃんを買ったひとりっこの少女。しかし3年が経とうとする頃、ソレは立派なオッサン人魚に成長してしまった!第2話・リトルマーメイド。3年前の少女(清水くるみ)と人魚(田中要次)との出逢いとは?その人魚はワンコインで売られていた…。
出演者
【出演】田中要次,清水くるみ

ジャンル :
バラエティ – その他
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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