オイコノミア「ほんとに喜ばれるプレゼントの選び方」 2015.12.14


紙袋の四角いベースや折り目をうまく利用し箱に仕立てて活用して下さい。

(テーマ音楽)
(又吉)「クリスマスなんでこのプレゼント受け取って下さい」。
(女の子)「えっ!ありがとう。
あっ!このバッグ…なんかガチっぽくてヤバくない!?」。
又吉さん今日は何の人形劇ですか?
(女の子)「ちょっとこんな高級なバッグこんなの重いよ」。
(又吉)「僕が選んだプレゼントどうでしょうか?」。
(女の子)「うわっ!ごめんなさい。
要りません!」。
(又吉)「あっ待って…」。
また駄目か…。
難しいなぁ。
声がちょっと小っさいからかなぁ。
(安藤)又吉さんどうしたんですか?いやあのう好きな女の子にプレゼントしようと何度もシミュレーションしてるんですけどどうもうまくいかないんですよ。
それだったら僕に任せて下さい。
えっ!又吉さん経済学で考えると大丈夫です。
ホントですか?はい。
いやいやいまいち説得力に欠けますがほんとに喜ばれるプレゼントの選び方経済学にお任せください。
トゥフ。
いや安藤先生今年もクリスマスが近づいてきましたけど。
はい。
どんなプレゼントをあげたら女性が喜んでくれるのかってのがなかなか僕らわからないじゃないですか。
女心が。
今日はですねすてきな女性をお招きしていろいろ聞いてみたいと思います。
あっいらっしゃいましたね。
すみません。
(いとう)あっどうも。
中山美穂と同い年いとうあさこです。
(笑い声)中山美穂さんではないんですね?ではないんです同い年です。
でもねえあの〜経験はもういろいろ恋愛経験なさってるでしょうから。
そうですね。
やっぱ今までつきあった方がこうヒモヒモヒモ割り勘だったみたいな。
いろいろいろんな体験はしてるんで。
ちょっと偏ってるかもしれないですけど。
かもしれないですね。
今日のゲストはタレントのいとうあさこさん。
アラフォーの今日までつきあった男性には自分がお金を出してばかりだったそうで…。
いとうさんこれまでプレゼントをもらうのもあげるのもいろいろ経験されてるって聞いてるんですけど。
あら又吉さん。
それは誤報です。
えっ!?あげる一方…。
ええ。
あんまり頂いて…。
殿方ですよね?そうです。
あああんまり。
ええ。
いきなりそんなさみしい話から入ります?もしできたらお酒置いて頂けると話しやすいんすけど。
(笑い声)主にあげるほうですか?そうですね。
基本働いてない方だったので。
だから誕生日に土下座して「お金出すから一緒に旅行行ってくれ」って言ったことあります。
ハハハッ。
逆に又吉先生はどういうものをあげられたんですか?僕は…。
女性とつきあった事は?あります。
ああごめんなさい。
基本的な確認からごめんなさい。
僕はだからそのういとうさんのおつきあいしてきた人と近いというかお金がやっぱりずっと無かったんで。
まあまあしょうがないんですよ。
でも僕はちゃんとあのう自分なりに買える範囲でプレゼントしたりしてました。
どんなもの?ゲーム機を僕は彼女のために買ったんですけど…。
えっ?それは彼女がすごい大好きだったんですか?いや上限決めて5,000円以内で買えるものでそういう雑貨屋とか見てて一番…。
絶対自分がやりたかったでしょ?最終的には僕ばっかりやってましたけど。
男の人のこれ系ありますよね。
えっ?彼女の反応はちなみにどうでした?「おお〜!?」って言ってました。
でしょ?はい。
ハハハッ。
でも一緒に楽しみたいっていう純粋な気持ちやったんですけど。
うん。
でも多分女性側からしたらそれ駄目なんでしょうね。
でしょうね。
先生はどうなんすか?なんかプレゼントされた事あります?まあ無難なベタなアクセサリーとか。
これお店に行って選ぶのが緊張するわけですよ。
意外にちゃんとしてる方なんですね。
いやだって大学の先生ですもん。
いや女性にアクセサリーっていうのちょっとドキドキしたんですよ。
すてきだなと思って。
ありがとうございます。
やっぱりプレゼントはホントに考えちゃいますよね。
これで喜んでもらえるのか?いやなかなかね難しいですよね。
ですね。
ではここで実験です!又吉さんといとうさんには1万円を上限に相手が喜びそうなモノを購入しプレゼント交換してもらいま〜す。
うん。
楽しみ。
それじゃどうぞ。
はい。
うわっ!えっ?制限時間あります?いやとりあえず納得がいくものをちゃんと見つけてください。
ホントですか?はい。
どうしましょかねぇ。
又吉さん女性が喜ぶようなものわかるんでしょうか?アハッ。
こういうのもいいすけどね。
真剣に探してますねぇ。
一方いとうさんは又吉さんにピッタリなものを見つけたようです。
何?9000番鉛筆って。
(店員)シャープナーも中に入っている。
えっ!?鉛筆削りも中に入っているのでこの中で。
すっごい!えっ!?この鉛筆1本で3,240円?そうですねはい。
面白い。
これがいい。
じゃあ新しいものありますかね。
これと…。
これだったらいけんのか。
実はこのあと自分が受け取ったプレゼントの価格をそれぞれ当ててもらうことになっています。
1万超しちゃうんかな。
これ。
あっ!いけるか。
2,000円でしょ。
3,500円。
あっ!飛び出しちゃうか。
見ないでくださいねこっち今。
(いとう)は〜い。
何かイチャイチャしてる感じで。
「絶対見ない!」。
ハハハハッ!ちょっとカップルの感じ出すのやめてください。
ハハハッ!バレた。
すぐバレるよ。
2人とも支払いが終わったようですねぇ。
いよいよプレゼント交換!それではプレゼント交換をしてください。
うわっ!すっげえうれしい!ありがとうございます。
メリークリスマス!メリークリスマス!なんか名刺交換みたいな渡し方しちゃった。
うわっ!重い!ああ何だろ?これ。
何だろう?うわっ何だろう?人が開けるのを見るのも。
えっ!?初めて見る。
でしょ。
普通…普通にのはずなんだけどな。
いとうさんからのプレゼントはドイツ製のエンピツ。
キャップに鉛筆削りが内蔵されています。
おしゃれ!そしてこちらの小瓶。
コルク栓にUSBメモリーが取り付けられています。
更にオルゴール。
こうですね。
そうだよ。

(オルゴール)フフフッ。

(オルゴール)いや泣いてしまいますもん。
(笑い声)どうしよう。
私が…泣き笑いしそうになっちゃった。
これ書けなくて1人で聴いてたら泣いてしまいますよ。
いや生まれるじゃん。

(オルゴール)うわ〜!でもええわ。
あっやった!うれしいな。
あっこういう向き?うわ〜!うわっすっごいきれい!きれいですよね。
すごいきれい!何?このグリーン。
あっあっ!何か入ってた。
あっえっ?これなにお茶?はい。
又吉さんからのプレゼントは…モスグリーンの色が美しいですね!又吉さんみたい。
あのお酒を飲んだあとにお茶を飲むとかたまに休む日を作るっていう。
うわ〜!ありがとう。
すっごいカッコいい!これ。
もうじゃあひらめいた。
2人には自分が受け取ったプレゼントの価格がいくらだと感じたのか書いてもらいます。
そして交換。
実際の購入価格とどれくらいギャップがあるのでしょうか?見ていいのね。
はい。
ご覧ください。
(笑い声)なるほど。
なるほどなるほど。
ここで自分が支払った価格をそれぞれ記入。
はい。
それではまず又吉さんから見せていただけますか?はい。
僕はこちらです。
はい。
おっ!いとうさんは又吉さんのプレゼントを9,800円だと予想。
実際は8,856円。
いとうさんはおよそ1,000円高く感じたようですね。
フフッ。
うれしかったんですね。
いとうさんは9,800円の価値を認めてくださったと。
お店の空気感も…。
そうですね。
ありますね。
でもかなり近いですよね。
近いね。
いい線いってますね。
はい。
やっぱいいやつなんだな。
じゃあいとうさんは?はい。
私はこちらです。
ハハハッ!
(笑い声)あれ!?いとうさんが9,363円を支払ったのに対し又吉さんは6,000円とかなり低く予想しました。
3,500円近くギャップがあったということになります。
うん。
僕は僕の読みはこれが3,000円です。
はい。
これが1,500円。
はい。
でこれが1,500円なんですけど確かにこれもうちょっとするか。
近代的な。
3,000円1,500円1,500円で6,000円。
6,000円やったんですけど。
だとしたらねビックリするぐらい全部違うわ。
全然違います?アハハハハッ!え〜とねUSBメモリーが3,500円の…中のランプが500円ね。
あっこれ別なんですか?あっ別です。
1個入れました。
これで4,000円か。
でオルゴール1,350円。
えっ?やっす。
(笑い声)マジっすか?この鉛筆が3,000いくらなんですよ。
そうなんや。
へぇ〜!それが私の中ではちょっとビックリだけど粋だしモノ書く人だったら。
いやこれはうれしい。
じゃ僕は意外と読み違えてたか。
いやこれは読めないですよね。
でもね。
難しいですね。
難しい。
又吉さんの場合実際の金額が9,363円だったのにそれを大体6,000円ぐらいかなと考えたわけですね。
(2人)はい。
これはだから…かなり受け取った側としては…そんな言い方しないでくださいよ。
そう言っちゃうとさ!でもこれがやはりプレゼントの本当に難しいとこなんですよ。
これは有名な経済学の実験で大学生にですねこういうプレゼント交換をしてもらってそれを実際の金額とまさにこういう受け取った側の価値を比較するっていう実験をやったときにおおよそ平均を取ると…つまり本当の金額よりももっと価値を低くみんな見積もってしまうって事が。
(2人)はぁ〜。
知られてるんですね。
その研究論文が出てからいろんな経済学者がなんでだろうと言っていろんな実験を繰り返したりしてこの問題は結構経済学では熱いんですね。
僕洋服あげんの好きなんですよ。
ああでもセンスいいじゃん。
まあでもお金が…無いんでね。
その範囲で買ってそん時は喜んでくれるんですけどまあ着てるとこ見たことないですね。
えっ?それはなんすか?何か変なキャラクターのTシャツとかですか?なんかそういうやつとか安めのワンピースとか。
安めのワンピース気になるな。
彼女の家行って全然着いひんからトイレ行ってるときに1回クローゼットをバッて開けたらあああるわと思って閉めたことが…。
一応捨ててはなかった。
アハハハッ。
そんな不安だったんだね。
おるおると思って。
ああでも結局その…。
それは見ることなく?着てるとこは見なかったですね。
このプレゼント交換で難しいのはやっぱり相手の好みがどのくらいわかるかなんですよね。
これって納得ずくで取り替えっこしたら実現する満足度の上昇分これ「余剰」っていうんですけども経済学用語で。
余剰。
はい。
それが実現しなくなってしまう。
反対に取り替えっこをすると例えばプレゼント交換をすると前よりも満足度が下がってしまう可能性さえあるわけですよ。
はい。
ああ要らなくて?はい相手にとってあんまりうれしくないものだったりすると。
その損失の部分のことを経済学で「死荷重」と言います。
しかじゅう?これですね。
嫌な字。
ものすごい怖い字ですね。
英語でもやっぱり「DEAD」って入ってるからやっぱ本当に死荷重なんですね。
相手のプレゼントの場合には実は自分がもし同じ金額出すんだったら別の物を買ったよねというのとのやっぱりギャップがあってその分だけ損失は発生してる可能性はあるわけですね。
まあまあまあ。
うん。
日本ではなかなかない習慣なんですが…
(2人)えっ!?そうなんですよ。
信じられない。
アメリカ社会ではプレゼントには「死荷重」が発生しがちだと織り込み済み。
人々もお店も返品・交換を想定しているためクリスマスが終わってからも売り場が人であふれるそうなのです。
その要素ありますよね。
うん。
物だけで見てるって事ですよね。
割り切ってるんですねそこは。
文化的な違いもあるかもしれないですけども。
そうでしょうね。
で下手なプレゼントをするとまさにこの死荷重が生まれてしまう。
例えば…あ〜。
もらって困らないものとか取っておけるもの。
ハムの人。
とかタオルとか。
生活で絶対使うもの。
ああ!消耗品とかは多いかもしれないですね。
せっけんとか昔だと。
(2人)はいはい。
でもタオルだったら複数かぶっても取っておいて順番に使えるしビールとか。
ビールありがたい!ありがたいですよね。
うん。
確かにその辺のものもらうとうれしいですよね。
でなんかサボってるって思わないすよね別に。
お歳暮とかそういう時は。
うん。
清酒券とかいうのもあるじゃん。
お酒。
何とか券って。
ビール券とか。
酒屋さん行ったらとかで2〜3年お財布入ってたりしますもんね。
すぐ使うやつもあるけど。
はい。
ちゃんとお買いものをすれば商品券の場合この死荷重発生しないんですね。
しかし…まさにいとうさんの財布の中とか僕も家の引き出しの中に。
はい。
消費者側がその商品券をちゃんと使わない場合にはその分だけ損失が発生してしまうと。
プレゼントはホントに難しいんです。
なるほどね。
死荷重が発生しない一番のプレゼントといえば「現金」ですがどうしたらうまく贈れるのでしょうか?こんにちは〜。
(橋)いらっしゃいませ。
ここはどういう商品を扱ってるんですか?こちらは江戸千代紙っていう手刷りの版画ですとかいろんな色鮮やかな千代紙を扱ってるお店になります。
お邪魔したのは江戸末期創業の千代紙の専門店です。
ここにヒントがありました。
ポチ袋こんな種類あるの初めて見ましたね。
はい。
千代紙の柄の数だけいろいろあるんですね。
へぇ〜!ポチとは「ちょっと」や「少し」という意味。
古くから小額の現金を贈るのに使われてきました。
うん。
かわいい!であのこちらがこういう真四角の物なんですけど。
これもポチ袋ですか?はいそれは硬貨を入れる専用のポチ袋でしてあのこういうふうに手に隠してさっと渡すように。
へぇ〜!使ってる。
あくまでさっと。
はい。
あんまり仰々しくほらって渡すものではないんですよね。
でこちらが印刷したものでこちらがもっといい手刷りのいいポチ袋になります。
手刷り。
はい。
これいくらぐらいするんですか?これはもう1枚で300円ぐらい。
下手したら中身よりだんだん高くなっちゃうっていう。
ねえやっぱり色が全然違いますしやっぱり手触りもちゃんと和紙を使ってるので。
それもわざわざ言わないであくまでこうすっと渡して。
なるほど。
今度はポチ袋と変わりましてこちらが祝儀袋。
あっ祝儀袋。
はい。
鯛やカブをあしらった縁起柄には江戸の遊び心が表れています。
これがまたひとつ面白いシャレがかかっていますけど。
これ何だ?め・で・た・い?そうなんです!めでたいことが…。
大入り?あ〜!なるほど。
だからもう役者さんとかに差し上げるとすごく喜ばれてこれも中に隠し絵があってこれも開けると招き猫。
へぇ〜!たくさんお客さんが入るようにという。
なるほど。
まあいいことがたくさん来るようにっていうそういう祝儀袋ですね。
シャレてますねぇ!これでもなぜ現金を紙で包むんですかね?1つはやっぱり…そういう役割がありますね。
敬う。
はい。
「これやるわ」ということではないんですよね。
あくまで相手があってのものですから…確かにそのままもらうよりもここまでいろいろねなんかオシャレな包みに入れてもらえると気持ちも伝わってきますよね。
やっぱりもらった人も全然記憶の残り方が違うと思いますね。
日本には室町時代から現金を紙で包んで贈る文化があったといわれています。
それにならって又吉さんもポチ袋作りに挑戦です!
(橋)でもやっぱり切り方とか見てると。
性格がわかるんすか?フフッ…。
僕の性格はどうですか?いや大変やっぱりきちょうめんにされてるなっていうふうには。
で最後そこですね。
2のほうから…ここをキューッと。
はい。
(2人)出来ました。
あ〜!出来ましたね。
ほんのささいなことですけどねやっぱり自分で気持ち込めたもの人に贈るっていうだけで全然相手も違うと思いますね。
確かにあげたくなりますね。
ウフフッ…。
ここで又吉さんが見せてもらったのは幼い頃にもらったという古いポチ袋の数々。
これはあれですか?お正月とか?ですね。
へぇ〜!ここに「ヒロセ」ってサインが入ってますけど。
そういう気持ちの入ったものだとなかなか捨てられないというか。
もうそれだけで……って思いますね。
なるほど。
こんなオシャレなポチ袋でもらったことないですから僕は。
そうですね。
やっぱりそのこういう……というのがあるんですよね。
その場でこうお金で…包むっていうのはすごいなんか渡すほうもうれしいしもらうほうもうれしいという。
ああ。
いい文化ですね。
はい。
じゃあこれまで異性からもらってうれしかったもの。
なんか例えば貧しいなりにお金が無い彼が一生懸命ためて一緒に好きな飲み屋さんに行こうとか必ず私がおごってるわけなんですけど。
なんかその気持ちがすごいうれしかったのを思い出しますね。
又吉先生は?僕はでも洋服とかCDとかですか?好きなアーティストの?本とか。
はい。
そのうれしかった理由というか。
やっぱり気持ち。
相手が準備してくれてたっていう気持ちですかね。
そうですね。
物をあげるということだけじゃなくてまさにお二人が今おっしゃったみたいにその選ぶ瞬間とか…「知ってます」も結構ありますね。
それぞれ好きなミュージシャンとか好きな作家とかわかってるから好きやけどお金が次たまったらあれ買おうって思ってるのを共通でもうわかってるからそれをちょっと先に買ってくれるみたいな。
うん。
あの僕はねその日常のプレゼントみたいな感じで僕が買おうと思ってて「うわ〜!どうしようかな?」と思っていやもう我慢できへんって買ってほんならその時つきあってた彼女がその同じ本出してそん時はもう彼女の善意なわけですよね。
うん。
でもかぶってそこからちょっと言い争いになるというか。
アハハハッ!善意やからわかってるんすよ。
でも言ってやみたいな。
そのあまりにも1,000円ぐらいするわけですよ。
1,200円ぐらい。
どうすんねん。
2冊なってっていう。
言ってやって。
ほら言っちゃうとさ。
だから本当ね駄目ですよ。
その時の僕が。
そうだね。
反省?偉かったな〜!その時の女性はやっぱり。
でもその瞬間同じこと考えてたのがうれしいみたいなことを言うんです。
いやあんたはいい女性とつきあってきたんだね。
でも僕の怒りは収まらなかったんですよ。
なんで。
怒らないでよ。
怒らないでよ。
同じやつ2冊も内容一緒やからこれっていう。
今じゃ言わないでしょ?絶対言わないです。
「お前のを読んでこっちは売ってそのお金で御飯行こうぜ」ってウイットに富んだ会話を。
そうっすね。
返品しに行けばよかったんですよその時。
そうそうそう。
そっか。
うん。
ハハハッ!そこまでの余裕も無かったんですけど。
ハハハハッ。
ここでひとつ物語を紹介したいんですけれどもアメリカの有名な作家O・ヘンリーの「賢者の贈り物」という話がありますよね。
有名ですね。
貧しいながらも仲むつまじい夫婦デラとジムのお話です。
夫ジムにクリスマスプレゼントを買おうとした妻デラ。
(髪を切る音)彼女はお金を工面するために自慢の長い髪を売りました。
デラが買ったのはジムが大切にしている懐中時計に合う「チェーン」。
一方ジムがデラに贈ったプレゼントは彼女の長い髪に合う「べっ甲の櫛」でした。
ジムはほほ笑んで言いました。
「僕は櫛を買うお金を作るためにあの時計を売ったんだ。
プレゼントはお互いにしばらくの間しまっておこう」。
なんて気持ちの豊かな話でしょう。
ハハッ。
泣こうと思ったら泣けますね。
泣けるね。
ほら見て。
幸せそう。
よかったねぇ。
アハハハハッ!愛深まったね。
優しい彼でよかったね。
どっちも思ってますもんね。
そうですね。
なんてすてきなんだろう。
ええ。
さっきの僕のなんか本かぶって怒った話忘れてもらっていいですか?
(笑い声)どうする?全カットしてもらう?
(笑い声)情けないですよね。
いや〜これだから……というので理解し合ってるってことですよね。
まさにそこがポイントですね。
価値がすごいことですもんね。
お互い大切なものを売って買ってるって思うと。
それこそ値段じゃないプレゼントになりますよね。
これはすごいっすね。
はい。
うん。
これ結果的にプレゼントとしてはまあ短期的には失敗してるわけですよね。
だって今現代のアメリカだったらこれデパート持ってって売っちゃうんでしょ?そうですよね。
ってことになりますもんね?そうですね。
絶対駄目だよね。
でもこの話では少し待てばまた髪の毛は伸びるしまた頑張って働いて懐中時計を買い戻して。
そしたらチェーンが付けられますもんね。
この本気を示すために本気じゃなきゃ絶対出来ないような事をあえてやってみせるということを経済学では「シグナリング効果」と言います。
へぇ〜!シグナル?お知らせするってことですか?はいそうですね。
自分の一番大切なものを売ってプレゼント代にする行為は本気度を伝えるシグナルというわけ。
口で例えば相手のことを好きだよって言うのはいくらでも言えちゃうかもしれない。
そうなの?ハハッ。
遊び人の男の人だったらね。
あっちの女性にもこっちの女性にも「君だけだから」と言って回っていても。
言ってるんですか?いやいやいやこれ説明ですから。
今急に色男の顔しましたけど。
言ってないですか?はい。
動揺するのでちょっとやめてください。
嫌な汗かいてくるんで。
すみません失礼しました。
言葉で言うだけだと相手もどこまで信じていいかってわからなかったりするじゃないですか。
うん。
じゃどうすれば相手が自分の事本当に好きだって信じられるのか。
手間や時間をかける。
例えばそれこそ…男性が女性に本気を示すのでも…はぁ〜!これがシグナリングなんですね。
なるほど。
僕やった事ないんですけど前からそんな事を思ってたのは写真館に行って一緒に写真を撮るっていうのはどうですか?ああ!いいですね。
時間もお金もかかって。
そうですよね。
どうしよう。
こっち側でこっそり眉間にしわ寄せちゃった。
(笑い声)でもこれはおじいちゃんとおばあちゃんとか昔の家族写真とか夫婦で撮ってる写真とか何かあるじゃないですか。
でも自分って無いじゃないですか。
今までおつきあいした人とも撮ってないんです。
そういう写真。
…って考えたときに結婚したあととかにもこれが何歳の時の2人ってのがちゃんと残せるじゃないですか。
あっ結婚その後するならいいね。
はい。
もちろんですよ。
しなかったらもうただただ重いよね。
ハハハッ。
そうですね。
隠し場所もないし実家に置いとくのもあれやし。
捨てにくいもんね。
盾とかになってたら。
もう燃やすしかないんでしょうね。
アハハハハッ!ねえまあ結婚を考えてつきあっててその歴史が残っていくのは楽しいよね。
いいですよね。
うん。
確かに確かに。
何がうれしいですか?え〜!?でも私ホントに時間を使ってもらえることに異常な感謝をするので。
じゃあ旅行とか。
旅行まで行かなくても別に2人でぶらっと何か桜見に行くでもいいし。
そう。
割と多くを望まない女なんです。
フフッ私。
高額なプレゼントをあげるっていうのは効果があるんですかね?高額なプレゼントにどういう意味があるのか?もちろんねえさっきのシグナリングっていう考え方からは高いプレゼントをする。
まあ遊びじゃできないと。
相手の事を真剣にということだと理解することもできるんですが。
でもあれですよね。
高額っていうのは例えばブランドバッグ欲しいわとかそういう事?そういう事ですね。
そっち系ですよねきっとね。
又吉さんがつきあってる女性からあの指輪欲しいとかこのカバン欲しいとか。
いや〜。
1回頑張ってプレゼントしたらそのあとにもらえるんだ〜って思われちゃっても何かちょっと。
それってもしかしたらちゃんとやってればうまく人間関係築いていけば恋人とか将来結婚する相手になったかもしれないのに1回自分がプレゼントしたがためにそっち側の違う流れになっていく事もあるかもしれないですよね。
変わるかもね関係が。
うまくプレゼントをしてればよかったものを…それは悲しいですよね。
何かもうわからんようになるんじゃないですか?値段高すぎて日常のささいな事とかをどういうふうに喜んでいけばいいのかとか。
じゃ別の時のプレゼントがそれを下回った時にどんな反応をするかとか難しいですよね。
ですね。
そうだね。
上上上になってっちゃうかもね。
それやっちゃうと。
じゃあここでまたもう一回別の経済学的な実験をしてみましょう。
(2人)はい。
まず今いとうさんの目の前に2人同じぐらい魅力的なイケメンがいるとします。
あらもったいない。
又吉さんの前には同じぐらい魅力的な美女が2人。
2人いる。
はい。
で両方から口説かれるんですね。
その時…。
えっ?夢みたいだね。
はい。
1人は「ちょっとお金払うからつきあって」と言われる。
ハハハハッ!逆に面白いけどね。
お金払うからデートして。
つきあって。
もう一人の人は「あなたのこと好きだからつきあってほしい。
デートしてほしい」。
こう言ってきたとします。
どちらとつきあいたいですか?これな〜。
これなって!だってお金払うからつきあってってすごいいい女っぽくないすか?お金払わないと僕なんかにあさこ様来て下さらないですよねみたいなことですもんね。
1の女の子はでも僕純粋なんちゃうかなと思いますね。
だからここが多分そこまでモテてこなかったからそういうことになるんですよ。
勝手に2人の経済状況が一緒ぐらいやのにむしろ1の方がちょっと少ないのに自分の自己評価低くてこう言ってるって思っちゃってますけど。
これはもうちょっとだから金に物を言わすっていう…。
そういう感じだと思ったほうがいいかも。
だとしたら2ですね。
じゃあ2。
2です。
はい。
アハハッ。
時間かかって2。
はい。
これについては多くの人は好きだからつきあってほしいと言われたほうがうれしいって感じると思うんですね。
うん。
ここで仮にお金払うからデートしてくれとかこういう話になった時にやっぱり好きだからつきあってと言うの何かが違うはずなんですよ。
う〜ん。
このことを経済学では「市場規範」と「社会規範」こういう2つの考え方を使い分けるんですね。
(2人)うん。
まさにお金をやり取りして…お金が発生する関係。
はい。
この社会規範こちらの世界ではお金とか数字に換算するものではなく…私たちこの2つの世界を…両方あって行ったり来たりしながら生活してると。
他にもこういうのの例としてこんな研究事例があるんですね。
アメリカの「全米退職者協会」が弁護士たちに困っている退職者の相談に乗ってほしいと呼びかけた時の事。
ふだんの報酬を下回る時給30ドルを提示したところほとんどの弁護士に断られてしまいました。
その後改めて無報酬で相談に乗ってくれないかと依頼したところ多数の弁護士に快く引き受けてもらえたといいます。
これはでもわかりますね。
うん。
これはわかるな。
うん。
ここで大事なのは無報酬。
これだったらやってもらえるのに中途半端な金額を提示するっていうのだとうまくいかないってことなんですね。
なるほど。
だからお願いする側としてはちゃんと…うん。
これなんでそうなったのか?これはまさに…なるほど。
でも…この事はよく考えておかないといけないですね。
わかる。
友達の引っ越しとか先輩の引っ越しとか引っ越しのバイト1日8,000円としてちょっと5,000円でやってくれと言われたら確かにもらいたくないというのもあるしちょっと微妙な感じになるかもしれないですね。
あっ最初から言われたら嫌かも。
何でも。
お金あげるからこれやってとかお金あげるから何しては最初から嫌かも。
例えば友達から結婚式のビデオレターみたいなの1万円あげるからこれ撮っといてって言われたら感じ悪い?ちょっと何かね距離感を感じちゃうかもしれないですね。
だったらお金のこと話なくて友達だからメッセージが欲しいって言われたほうがうれしい?全然やる。
はい。
使い方間違えると例えば…ああ。
気持ちじゃないですもんね。
それだとね。
最後に改めて「プレゼントを贈るなら誰に何をあげたいか」を考えてもらいました。
見せてください。
はい。
ドン。
僕はこれからまあ出会う人にパジャマを。
ほう。
おそろい?いえいえあのパジャマって僕のイメージですよ。
なんかみんな学生時代のジャージとか寝にくそうなもので寝てるイメージがあるんで。
アハハハッなるほど。
でも確かにこないだね女性同士で話になって島崎和歌子さん以外誰も着てなかった。
(笑い声)そうでしょ?僕もホント最近パジャマってあったよなと思って買って着るとすごい楽でいいんですよ。
着心地いいよね。
いいんでしょ?はい。
これは僕なりにいろいろ今日話聞いてきてあまり高額すぎる物を買うと向こうもこっちに贈り物をするときにいや何を買えばいいかわからへんみたいな事になるんで。
だからその常識の範ちゅうでなおかつ相手のことをちゃんと思って。
しかも使ってるとこを見れるのはホントに限られたもし恋人同士やったら見れるかもしれないっていう。
これが20代の頃は思いつかなかったかなっていう。
うん。
これいいですね。
寝る時間って1日6時間寝るとしたら1日の4分の1…。
さてはおめえ使おうとしてんな。
この技を。
アハハハッ!うれしそうな顔して。
いいですよね。
いとうさんは?私はやっぱりなんか今日話し合ってきてやっぱ心だなって思ったときに最初に出てくるのがどこの大久保さんかは言いませんけどなんか引っ越してフローリングのとこはだしで歩いてたからこれから寒くなるしと思って。
なるほど。
ちょっとふわふわした優しい気持ちになるあったかいスリッパをあげようって。
あ〜!これはいいですね。
もう一緒です。
一緒だよね。
ええ。
一緒です。
ですよね。
家に帰ってきて…そして…いやお二人ともいいですね。
アハハハッ!ちょっとこれは参考にさせていただきます。
そのなんて言うんですか?自分があげたものよりも相手が喜んでくれない場合があるっていうのがあるじゃないですか。
何でも喜んでもらえるわけじゃないとか。
うん。
時間なくて選んでまあこれでもそんな喜んでくれへんよなみたいな時もあるじゃないですか。
だからこそたまに渾身のプレゼントが決まって相手もムチャクチャうれしいっていうのがたまにありますよね。
たまにあるその奇跡の1発を。
会心の一撃が来るわけですね。
会心の一撃があんなにもうれしいのはもしかしたらそういうのあるんすかね?片手間のもんじゃないね。
プレゼントってね。
2015/12/14(月) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「ほんとに喜ばれるプレゼントの選び方」[字]

一生懸命選んだのに、あまり喜んでもらえないことも。贈り物をめぐる心理を、経済学で徹底分析。女心の伝道師・いとうあさこさんと喜ばれる選び方を探ります。

詳細情報
番組内容
一生懸命選んだはずなのに、相手にあまり喜んでもらえない?現金だと嫌がられる?女心に疎い又吉さんだけでなく、多くの人にとってプレゼント選びは悩みの種。それもそのはず、経済学でも、贈る側と贈られる側の感じる価値のギャップが研究対象になっているほど。それでも、プレゼントには他にはないメッセージがあるのだとか。相手に本当に喜ばれる贈り方とは?女心の伝道師・いとうあさこさんも交え、経済学で考えます。
出演者
【ゲスト】いとうあさこ,【出演】又吉直樹,【解説】日本大学大学院総合科学研究所准教授…安藤至大,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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