ハートネットTV ブレイクスルー File.45「エアロビック選手 大村詠一」 2015.12.14


カラフルな刺しゅう糸の縫い目は思い切って見せちゃいましょう。
ちょっとくらい曲がっても味があってかわいいですよ。

エアロビクスから発展した…
激しい動きに加え芸術性を競うスポーツです
(歓声)
この競技で過去12回日本一に輝いた選手がいます
8歳の時に1型糖尿病を発症。
毎日インスリン注射をしないと命に関わる体で競技を続けてきました
1型糖尿病は生活習慣病ではなく突然発症する原因不明の病。
しかし糖尿病というだけで食生活が悪いと非難されたり就職を断られたりする人も多いといいます
同じ病気で苦しむ子どもたちの未来のために。
大村詠一さんのブレイクスルーです
こんにちは。
(取材者)よろしくお願いします。
どうぞ。
どうぞって。
どうぞ。
どうしたん?家では優しいお父さん。
夕食の時間。
この日のメニューは子どもたちの大好きなカレーライス。
食事の前に大村さんには欠かせない日課があります。
血糖値のチェックです。
およそ70から110の間が正常値。
食事に合わせてインスリンを打ち血糖値をコントロールします。
(取材者)別なんですね。
白米は血糖値が急速に上がるため速効性のインスリン。
カレールーは緩やかに上がるため効き目が遅いものを打ちます。
キャップをしてくれるのは長男の晃平君です。
あ〜今ですね…
(取材者)これ今の写真?今撮った写真を入れてあとは…青いのがさっきの青いやつ。
オレンジのがさっきのオレンジのやつ。
その量を入れて…1型糖尿病はすい臓で作られるインスリンというホルモンが分泌されなくなる病気です。
インスリンは血液中のブドウ糖を全身に取り込む手助けをします。
分泌されないと体にエネルギーが行き渡らず意識を失ったり最悪の場合死に至る事もあります。
妻あずささんは大学時代の同級生。
一番の理解者です。
今笑われたから絶対伝わってるよ。
そのツンツンぶりが。
よかったねよかったね。
うそ〜!そうだったんだ。
11月ワールドカップ出場が懸かった全国大会が開かれました。
3人で演技をするトリオ部門では上位2組が日本代表に選ばれます。
大村さんはこの日のために1年かけて練習を積んできました。
ウォーミングアップを始めた大村さん。
すぐに中断してしまいます。
ベストの体調に持っていくため血糖値の調整が続きます。
(場内アナウンス)「大村詠一矢野遥輝大村智美トリオです」。
(歓声)いよいよ本番。

(拍手)
(場内アナウンス)「得点は19.044でした」。
(拍手)結果は5位。
日本代表を逃してしまいました。
今日はスタジオに大村詠一さんにお越し頂きました。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
いや〜激しいですね。
そうですか?激しい。
すごいわもう本当に。
陸上のフィギュアと評される事が多い?そうですねはい。
氷じゃないだけっていう感じですかね。
やっぱり表現力も求められるしその技の美しさだったり難度点も求められるのでそういう中でフィギュアの陸上版って言われる事もあります。
そしてあれだけ激しい動きを1型糖尿病を患ってる体でやるというのはすごい事だと思うんですけど毎日欠かさず打たなければならないという事ですよね。
はい。
すごい大変ですよね。
注射打つのがこういうVTRにもあった超速効型っていって打ってすぐ効き始める。
2時間3時間効くものですね。
あとは寝る前だったり僕のは昼に打つんですけど病気じゃない人と同じような体の状態を作るためにこういう持効型って呼ばれる24時間以上効く注射を打ってます。
炭水化物はすぐ血糖値が上がって後から下がってくるんですけどたんぱく質や脂質は後から上がってくるので焼き肉いっぱい食べる時とかラーメン食べる時とかああいう油物があったりする時とかは違う注射を打ってます。
逆に少し多めに打ってしまうと逆に低血糖になってしまう…。
そうですね。
低血糖症と言ってすごい70より低くなってくるともう…。
まあ人によって症状が違うんですけど僕の場合はふらふらしたり力が入らなくなったりするのでその状態で演技を踊る事はちょっと厳しくなるので低血糖は起こしたくない。
1型糖尿病とつきあいながらトップレベルの活躍を続ける大村さん。
支えてくれるのは家族です。
チームの一員でもある…コーチは母親の利恵さん。
はい。
僕たちは頭の中で思ったのをやって…すぐ速攻。
すっごい自信満々で「これどう?」って言ったらプスップスッて。
「でっ?」って言われる。
「でっ?」って。
大村さんは4歳の時インストラクターをしていた母親に勧められエアロビックを始めました。
運動は苦手だったという大村さん。
ステージでスポットライトを浴びた時「世界が変わった」と言います。
体に異変が起きたのは8歳の時。
夜中に何度もトイレに行くようになり喉が異常に渇くようになりました。
病院に行くと1型糖尿病と診断。
不治の病でインスリン注射を一生打たなければならないと告げられます。
当時大村さんが何よりつらかったのは病気への偏見でした。
授業中に低血糖になるとお菓子を食べて糖分を補給しなければなりません。
それを同級生からよく注意されました。
更に周囲から子どもが糖尿病になったのは家庭の責任だと陰口をたたかれます。
そんな時大村さんに救いの手を差し伸べてくれた人がいました。
先生は1型糖尿病を知るための紙芝居を作ろうと呼びかけました。
クラスの仲間が大村さんに病気の事を聞いて作った紙芝居です。
大村さんを悪く言う人はいなくなりました。
それでも大村さんは学校で注射を打つ事が嫌でたまりませんでした。
ないしょでお昼の注射をやめてしまいます。
体にエネルギーが補給されず次第に痩せ細っていった大村さん。
エアロビックの練習も満足にできなくなりました。
異変に気付いた両親が病院に連れていくとその場で緊急入院となりました。
この時励ましてくれたのはクラスの仲間たち。
「早く元気になって」と何度もお見舞いに来てくれたのです。
そうじゃなくて…病気を受け入れて生きる。
息子の決意を母の利恵さんが支えました。
中学から毎日欠かさず厳しい練習を続けた大村さん。
23歳の時に念願の日本一に輝きました。
(実況)19.750。
大村詠一初優勝!いけるいけるいける!よかった!よかったよかった。
やっぱねお母様とあの場面で抱き合えるっていうのがね。
すごい全部をこう物語ってましたよね関係性から。
やっぱりご両親もおんなじように痛みを一緒にしているところが多いと思うのでやっぱり大村さんのお母様がきっとね注射を打つたんびに我が子が痛いって思ってる気持ちを同じようにウッとこうふんばって乗り越えてきたのかなと思うと…。
やっぱり当時は今より更に理解されてないですよね。
そうですね。
ぜいたくしてたからなるとかあの家呪われてるたたられてるとか親のしつけが悪いっていう事を言われていたっていうのを自分もやっぱり大人になってから母から聞いたのでまあそういうつらくても周りに言わない時期が親もあったんだなっていうのは感じます。
やっぱり子どもの頃にこの病気をみんなに話す事そして自分が受け入れる事って僕は相当な勇気が必要だったと思うんですけれども。
何で薬が飲み薬じゃなくて注射なの?そして一生このインスリン注射というものを一生続けなければならない。
そういった事にやっぱり絶望していたのは事実ですね。
それをどんどんまあ最初は…うちの恩師が…それを見た時に…苦しんでるあなたではなくて…「そうだな」と思う反面僕も病気の事は言いたくなかったので…きっと詠一にそこで…「嫌な事を言い合ってそれをみんなで解決し合ってから中学生になったらどうか」って言って下さってそれで僕は病気の事を発表したんですね。
何で僕はこんなにつらいのにみんなは分かってくれないんだろうって思っていた事がみんなが話してくれた悩み…体形だったりコンプレックスだったり家族の事だったりそういういろんな嫌な事はちっちゃい学校だったのに5年間ずっと一緒にいたのに自分も全く気付けてなかった事だったのでやっぱり自分の心って人にはちゃんと伝わってないんだって見えてないんだって事が分かったので一歩踏み出して自分から外に出すっていうのが大事だなって分かったのが本当にその恩師に出会えてよかった事だなと思ってます。
その先生はすごい…。
すごい怖かったですけど。
怖かったんだ。
あ〜やばい!1型糖尿病は自分さえ我慢すればいいと考えてきた大村さん。
しかし長女が生まれてから不安が募ってきました。
もし子どもたちが同じ病気を発症したとしたら。
本人も…子どもたちの未来のために自分にできる事はないか。
大村さんは1型糖尿病を正しく知ってもらうため患者の会に参加。
講演会を開いたり患者同士が交流する場作りに奔走します。
今年結成されたバンド1−GATA。
大村さんがきっかけを作りました。
メンバーの3人全員が1型糖尿病です。
ボーカルとキーボードの2人は子どもの頃から偏見に苦しんできました。
ベースの山川さん。
「島唄」で知られるTHEBOOMのメンバーです。
去年突然発症しました。
ライブの当日。
同じ悩みを抱える人たちがつながり声を伝えていく。
必ず何かが変わっていくと信じています。
やっぱり仲間というかほかの患者さんと出会って何かこう変わった事ってあります?まずはやっぱり自分一人だけがなったって思いがちになるのでその時に同じ病気の人と出会えただけで「あっ自分と同じつらい事を経験した人がいるんだ」。
話を聞いてみると「自分とは違った経験もあるんだ」っていう事でこの病気になってよかったと今言えるのもいろんな出会いがあったからかなと思ってます。
ほかにもそういう方いらっしゃる?国内だと阪神タイガースの岩田稔投手が1型糖尿病なんですけど彼は本当プロの一軍の中でそういう血糖コントロールをしながら登板されてるので彼が活躍すると自分も頑張ろうって思いますし彼が負けてるとすごい悔しくなるところもあるので本当にいい刺激をもらってますしどんどん彼みたいないろんなスポーツで挑戦する患者さんが増えてきてもほしいなっていうふうに思ってます。
この病気のつらいところは年齢関係なく子どもにもなるっていうのが…。
結構僕も最初はこの病気はまずしかたがないって。
打たなき2015/12/14(月) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルー File.45「エアロビック選手 大村詠一」[字]

世界の舞台で活躍するエアロビック選手・大村詠一さん(29)は、1型糖尿病を患う。競技の傍ら、偏見の多い自らの病気の啓発活動や患者同士の交流に作りに励む姿を追う。

詳細情報
番組内容
今回の主人公は、世界を舞台に活躍するエアロビック選手、大村詠一さん29歳。8歳の時、1型糖尿病と診断を受け、インスリンを注射しながら競技生活を続けている。生活習慣とは関係なく若い人でもかかる病気であるが、「ぜいたく病」との偏見も多く、病気を隠し苦しむ人が多い。大村さんは今、競技の傍ら、病気の啓発活動や患者同士のネットワーク作りに力を入れている。病とともに生きる、大村さんのブレイクスルーに迫る。
出演者
【出演】エアロビック選手…大村詠一,【司会】風間俊介,安藤桃子,【語り】Chiko

ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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