にっぽん紀行「大分 中津江村 ぬくもりに つつまれて」 2015.12.14


いや〜新聞紙もこんだけたまってしまうと収集所に持っていかなくちゃいけないのが大変なんですよね。
伸び放題の枝もほんとに困るんですけどどうする事もできないんですよね。
特にお年寄りにとっては自分にできない事いっぱいありますからひとり暮らしだったりすると困りますね。
ここ大分県の山あいにある中津江村ではそんなお年寄りたちを手助けしてくれる心強い人たちがいます。
彼らがやってくれるのは…その「チョイてご」がつなぐ人と人。
今日はその不思議な縁を見つめる物語です。
こんにちは。
お世話になります。
いいですか。
わ〜やっぱさすが若い。
今日も無事に終わりました。
ありがとうございました。
落ち着いてしまって。
こんにちは。
こんにちは。
いらっしゃいませ。
大分県の北西部にある日田市中津江村です。
村にはかつて東洋一と言われた金山がありました。
全国から労働者が集まり多い時には7,500人以上が暮らしていたといいます。
今や人口はかつての10分の1。
2人に1人が高齢者です。
「チョイてご」を毎週のように頼まれている河井昌猛さんです。
やって来たのは食品や生活雑貨を扱う商店。
こんにちは。
はい来たよ。
待ってたの?ちょいと消そうかと思ったら。
今もこの店を一人で切り盛りしています。
どれ消すの?消えんばい。
頼んだのは枯れ葉が詰まった雨どいの掃除。
力仕事や高い所での作業は河井さんが頼りです。
1時間ですっかりきれいに。
こんにちは。
あら今日はお客さんがみえてる。
タケ子さんのお店は年中無休。
いいえどういたしまして。
あんたえらい元気になったね。
これいくらかな。
320円。
えっ?320円。
ああ320円。
はい。
耳が遠いかの?遠いもん同士やきしょうがない。
お互い遠いからね。
タケ子さんがお店を開いたのは45年前です。
長年の夢だった自分たちの店。
夫の一義さんと2人で大切に守ってきました。
一義さんが亡くなり今は一人。
何かおいしいもの持ってあがろう。
よいしょ。
ちょっと見ますね時計だけ。
そんなタケ子さんを支えるのがチョイてごです。
商売を始めた頃夫と奮発して買った柱時計。
ねじ巻きも河井さんがやってくれます。
(時計の音)一服?ああそう。
そしたら優秀ね。
うん。
前すぎて覚えてないよね。
うんもう長い。
また来ますね。
お世話でございました。
遅くなったね帰るのが。
(時計の音)もう12時よ。
河井さんは空き家だった民家を借りて一人で暮らしています。
この村にやって来るまで大阪で小さな運送会社を営んでいました。
しかし4年前過労で体を壊してしまいます。
今までの生活から抜け出したい。
その思いで3年前中津江村が募集していた地域おこしの仕事に就きました。
こんにちは。
村の事をもっと知りたいと休みの日に始めたのがチョイてごでした。
運営するのはNPO「つえ絆くらぶ」。
メンバーは地元の人や移住者合わせて30人です。
そこの小枝やらは切ってもらって。
それ1本全然切って頂いて。
ここから?うんそっから。
はいはい。
行政には頼めない困りごとを住民の手で解決しようと始めました。
せ〜の…。
上下げるよ。
はい。
お手伝いのあとに受け取る「チョイてご券」。
1枚300円です。
ありがとうございます。
じゃあまたちょっとね時期見て裏の倉庫片づけしましょうか。
いいえどういたしまして。
河井さんがこれまで受けた依頼は100件を超えました。

(河井)斜めなんでもうそのままの方がいいかなと思って。
あそこがぶらぶらしてるからヒナが落ちそうで怖いし巣かけに戻ってくるから下に何かしてって言われて。
この箱に入るか。
お利口さんしててよ。
警戒してる警戒してる。
ほな預かっていきますね。
すいませんね。
びっくりして鳴くんで。
またね。
お願いします。
河井さんにチョイてごを月1回必ず頼んでいる人がいます。
ひとり暮らしの阪田ユミ子さん80歳です。
(取材者)歩いてる時はどんな事を考えてるんですか?・「思い出す春の日一人ぼっちの夜」今日も無事に終わりました。
ありがとうございました。
ユミ子さんは親の代からずっとこの村で暮らし続けてきました。
左官職人だった夫の恒夫さん。
9年前に亡くなりました。
(りんの音)都会にいる子供たちから一緒に住もうと言われますが家族の思い出が残る我が家を離れる気にはなれません。
それでも年々寂しさは募ります。
一人の時間。
ほとんどテレビを見て過ごしています。
そんなユミ子さんの心の支えが河井さんです。
こんにちは。
こんにちは。
いらっしゃいませ。
どうも。
少ないですか。
はい。
分かりました。
そしたら先向こう見にいってあとこっちしましょうか。
ユミ子さんに頼まれたのは裏山にある水路の掃除です。
山の湧き水を家に引き入れるために作られました。
水路には枯れ葉や泥が詰まっていました。
河井さんが丁寧に取り除いていきます。
ユミ子さんが新鮮な水で料理ができるように。
夫の恒夫さんからの贈り物でした。
風呂場も出るしここも出るし。
うわ〜。
いつもこんないっぱい炊く事ないきですね。
炊かんと足りんじゃろと思って…。
早速山の湧き水を使って御飯を炊きました。
この日は8合も。
1合か2合ぐらいしか普通は炊かんきですね。
あるもんで食べて下さい。
ありがとうございます。
いただきます。
いやだんご後でいいですよ。
いいですか。
はい。
河井さんには何でも包み隠さず話します。
動悸みたいな?はあ。
神経使いすぎ。
これがデザートやったんですけど。
すいません。
頂いて帰ります。
また用事の時は連絡下さい。
ありがとうございました。
すいません。
ごちそうさまでした。
河井さんとの時間はあっという間に過ぎていきました。
キュウリを持って帰らんですか?100歳になった今もお店を続けているタケ子さんです。
毎朝丁寧に身支度をしてから店に立ちます。
タケ子さんは最近腰を痛め歩く事が一層難しくなりました。
あやっぱり痛い。
ハハハハ…。
この日河井さんが頼んでもいないのに突然やって来ました。
おはようございま〜す。
タケ子さん。
あがるいうても台所だけね。
いいいい台所だけ。
そこにおるき。
おる?そこを見よると?何ね?桜の木をね持ってきた。
桜の木。
桜の木?ああ植えようと思って?うん。
やって来たのは台所の裏手。
(タケ子)見える見える。
(河井)桜。
タケ子さんは腰を痛めてから外に一歩も出ていません。
せめて窓から外の景色を楽しんでもらおうというのです。
毎年1本ずつ増やしていくから。
記念になるばい。
来年春タケ子さんは101歳になります。
またね。
もう行きます。
今から上津江に行くと?うん行きます。
また寄ってね。
はいまたね。
支え支えられてあったかくなるちょっとしたお手伝いです。
2015/12/14(月) 19:30〜19:55
NHK総合1・神戸
にっぽん紀行「大分 中津江村 ぬくもりに つつまれて」[字]

深刻な高齢化に直面する大分県日田市中津江村。新たな対策がお年寄りへの“チョイてご”、地元の言葉で「ちょっとしたお手伝い」。限界集落の高齢者支援の模索を見つめる。

詳細情報
番組内容
高齢化率50%、深刻な過疎・高齢化に直面する限界集落、大分県日田市中津江村。お年寄りを支えるため、地域のNPOが始めたのが、地元の言葉で“チョイてご”「ちょっとしたお手伝い」だ。チョイてごは、家具の移動や庭の草刈りなど、多岐にわたる。暮らしの中の困り事を解決することが、お年寄りたちの活力になっている。NPOの若者と一人暮らしを続けるお年寄りとの交流を通して、限界集落での高齢者支援のあり方を考える。
出演者
【語り】加藤登紀子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 高齢者

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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