「きょうの健康」今週は「骨を強くしよう」です。
今日と明日の2日間は女優の高橋ひとみさんがご一緒です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
高橋さん骨は元気ですか?一応毎年調べていますので。
骨密度という事ですか?人間ドック。
人間ドックで。
「若い」と一応言われてますけど。
そうなんですか。
骨粗しょう症という言葉は…。
知っていますけども。
骨が…密度がスカスカというか年齢が上がるとそういう症状になって病気しやすくなったり骨折しやすくなったりというイメージです。
今日はいろいろ詳しく伺っていくんですけどもラインナップご紹介しましょう。
ご覧のような4日間でして今日は1日目になります。
「骨粗しょう症とは?」という事でお話を伺います。
お話は…整形外科特に転倒と骨折の予防やリハビリテーションがご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
骨粗しょう症というのは骨の強度が低下して骨折しやすくなる病気ですね。
これは背骨を構成する椎骨という骨の断面を見たものです。
左の正常な人の骨に比べて右側の骨粗しょう症の方の骨を見て頂きますと骨がスカスカになっているんですね。
本当にこれだけ違うんだと思うとちょっと怖いですね。
心配ですよね。
この先本当に。
どのぐらいこの骨粗しょう症の方が日本におられるかというのを調べてみますと推計で1,280万人なんです。
女性が3倍ぐらいも多いんです。
どうして女性の方が多いんですかね?もともといろんな原因があって女性の方が多くなる。
これはまた後でお話し致します。
心配です。
じゃあね高橋さん骨粗しょう症はねお年寄りの方に多いというイメージがあるじゃないですか。
じゃあ50代の女性の場合何人に1人が骨粗しょう症だと思われますか?50代ですよねまだ。
ええまだ50代ですからね。
100…200〜300人に1人?200〜300人に1人。
答えは20人に1人なんです。
これは太ももの骨の骨密度を調べた結果の大規模な統計から推計した値なんですが50歳代ですと20人に1人。
20人に1人ですか?そして更に60代の女性になるともっと進んで5人に1人。
70代の方では5人にお2人が骨粗しょう症になります。
男性でも70代になりますと5人に1人という割合になります。
ショックですね。
20人に1人ですか?さて今日お話ししたい骨を強くするポイントはこちらです。
ではまずポイント1骨の成り立ちですが骨を建物に例えますとカルシウムを主としたものはミネラル。
コンクリートですね建物で言いますと。
このカルシウムなどの密度を示すのが骨密度なんです。
この骨密度がある程度あっても骨密度がよくても骨折しちゃう人がおられるんです。
実際にはあるんです。
どうしてだと思われますか?えっ何でだろう…。
それはコラーゲンなんですよ。
コラーゲン建物で言うとちょうどこの鉄筋になるものです。
このコラーゲンの鉄筋のしなやかさこれを骨質といってこの骨質も非常に重要な骨の強度骨の強さを保つ要因である事が最近分かってきたんです。
コラーゲン。
女性にとっては必要なコラーゲンですよね。
コラーゲンっていうと普通お肌のね…。
お肌のっていう感じがしますけど骨の骨格…鉄筋の所になるんですか。
そうですね。
骨にもコラーゲンがあるんです。
そしてコラーゲンというのはこれを作っているのは実はタンパク質なんですね。
そしてまたビタミン類もこのコラーゲンを作るのに必要なんです。
骨密度は検査をされたと。
じゃあその骨質ですかその検査というのは…。
してないですね。
聞いた事ないですね。
できるんですか?そうなんですね。
骨質をどう調べるかはまだ研究途上でありまして現段階では尿に含まれる特定の物質を調べると分かるとも考えられています。
近い将来こういった尿の検査などで骨質が調べられるようになるかもしれません。
そうするとやっぱり予防もできますし早くそれが調べられるようになるといいですね。
それのキーワードはタンパク質という事なんですね。
そうですね。
コラーゲンはタンパク質でできていますのでタンパク質をとって頂く事も大事になります。
実は髪の毛が抜け替わって入れ代わるようにですね骨も作り替えられているんですよ。
骨というのは常にこの破骨細胞といいます。
これ骨を壊す細胞が破骨細胞といいますけどもこの細胞が骨を壊していって孔を作っていってるんですね。
そしてこの孔を作ったとこに今度は骨芽細胞という骨がやって参ります。
この骨芽細胞というのは骨の開いた孔を埋めて骨を作っていく事をしている細胞でございます。
この2つの働きのバランスがきちんととれていれば骨粗しょう症にならない丈夫な骨になるんですよ。
これはマウスの骨の表面を拡大した映像です。
緑が破骨細胞で青が骨の組織です。
今まさに破骨細胞が古い骨を壊しているとこなんですね。
骨を吸収して骨を壊して溶かしてるとこです。
うわ〜溶かしてるんだ。
はい。
続いてこちらの映像は骨を作る骨芽細胞です。
破骨細胞が壊した所に骨芽細胞が新しい骨を作っているんです。
絶えず作ってますね。
すごい。
人の破骨細胞骨芽細胞もこれらと同じ動きや働きをしているんです。
「骨粗しょう症はなぜ起こる?」ですが高橋さんはどんな事が骨粗しょう症の原因になると思われますか?やっぱり栄養とか…老化?すばらしいですね。
そのとおりです。
まずは加齢ですね。
お年を取られますとカルシウムの吸収が悪くなります。
腸の細胞が栄養を吸収するという機能が少し落ちていきますので例えば若い頃と同じだけのカルシウムをとっても体の中に入っていく量が少ないのでカルシウム不足になりやすいんです。
そして原因のもう一つは閉経ですね。
閉経すると女性ホルモンのエストロゲンというものの分泌が急激に低下するために女性は50歳を過ぎると骨粗しょう症の人が増えてくるんです。
先ほど高橋さんがご質問になった「女性にどうして多いんですか?」というのはこれが大きな原因となっています。
でも男性はそれがあるんですか?そうですね。
その事も含めてこのグラフでご説明したいと思います。
こちらのグラフは右の横軸がこれが年齢ですね。
縦軸が骨密度。
骨の量の全体と思って頂いて結構です。
それを示しております。
そしてエストロゲンが増えてこの成長期20歳ぐらいで骨の量は一番多くなります。
そしてこの閉経を迎えてエストロゲンの分泌が低下致しますと急激に骨の量が減ってくるんですね。
そのためにこの骨粗しょう症が起こりやすくなると考えられています。
男性というのは男性ホルモンというのが働きますので男性ホルモンはやはり加齢とともに少しずつ下がっていくんですがあまり急激な低下がない。
ですから男性の場合は急激に骨量が減る事はなく主に骨粗しょう症と問題となるのはかなりご高齢になってからこういった問題が出てくる。
こういった男性と女性の違いがあるんです。
もう一つあるのがこのダイエットですね。
カルシウムなどが必要な栄養が不足しやすいために起こります。
特に女性の場合10代での過度なダイエットをすると問題です。
この赤い線が一般の平均的な骨量。
そしてこちらがその成長期に十分骨の量が多くできなかった方。
そしてこの最大骨量と呼ばれる20歳から40歳ぐらいの骨量のもともと低い方ですね。
そうなると閉経を迎えたあとに早く骨粗しょう症になってしまうという事になるんです。
つまり20歳の頃の骨の強度骨密度や骨質に合わせたこの最大骨量というのが低いとその後また骨粗しょう症になりやすいという事なんです。
成長期にちゃんと骨を育てないとそのあと後々大変な事になると。
そうなんですよ。
骨粗しょう症にはほかにもさまざまな危険因子があります。
これらに当てはまる人は注意が必要です。
高橋さんはいかがでしょう。
この危険因子になるものありますか?飲酒がちょっと…。
過度ですか?少々…。
今は少し抑えております。
飲酒は少々だったら構いません。
たくさん飲み過ぎるのが問題です。
喫煙は一本の喫煙でも危険性が上がるといわれていますので喫煙はゼロにして頂かなければいけません。
運動は適度に大型犬がいますので朝晩1時間ずつ散歩しています。
ず〜っと犬がいるので。
それぐらいなんですけどね。
でも非常にいい事なんですね。
とてもいい事だと思います。
運動というのは続けて頂くのが大事ですよね。
1日とか2日やるだけではなく定期的に続けて頂くのが大事ですよ桜井さん。
(笑い声)私は運動全くしていないんですよね。
じゃあどうぞ。
はい。
考えてみたいと思います。
「骨折しやすい場所」ですね。
多いのは高齢者では転倒した時に骨折してしまうケースです。
その際多いのはこの太ももの股の付け根の部分の骨折です。
これが実際に折れた方の図でこちらは正常な骨の折れてない方の股の付け根のレントゲンです。
こちらは股の付け根折れた方ここ頭がおじぎしたようになってるのがこの細い部分が折れてしまっておじぎしたようになってます。
これが大たい骨の頚部骨折と呼ばれる股の付け根の部分の骨折です。
こんなふうになりますとほとんどの方で骨をつなぎ合わせる手術あるいは人工の骨を入れるといった手術が必要となります。
そしてこういった方々は筋力がだんだん落ちてきます。
そうする事で歩行が困難になりますのでその末に寝たきりになったりしてしまう事があるんですね。
寝たきりになりますとその後さまざまな病気になり命にも関わってくる事も多いんです。
太ももの付け根の骨折はその後の人生や寿命に関わりますのでできるだけ防いで頂きたいと思っています。
それから地面に手をついて倒れた時に起こってくるのはこの手首の骨折。
あるいは腕の付け根の骨折。
こういった所も骨折しやすい所なんです。
実は私…骨折した事があるんですけども。
いつごろですか?4年ほど前…。
じゃあ最近じゃないですか。
それで足首なんですけどボルトとプレートが今も入ってるんですけどもギプスしてるとほんの少しで筋肉が全く無くなってしまうんですよね。
だから筋肉って本当に日々鍛えてないとすぐに無くなっちゃうんだなと思ってそれもびっくりしました。
実は転倒しなくても骨折しやすい場所というのがあるんですよ。
どこだと思いますか?よくくしゃみしても何か…ないですかくしゃみ。
いいですよどこでしょう。
背骨?そうですさすがですね〜。
背骨が折れちゃうって大変じゃないですか?答えは背骨です。
背骨は骨が縦にいくつも積み重なって構成されているんですけれども前かがみになった時などに起こる圧迫骨折ですね。
こういう骨折が起こると滑るようにして骨折します。
高橋さんがおっしゃったようにくしゃみをしただけでも骨折する事があるんです。
骨粗しょう症では圧迫骨折がいつどのタイミングで起きるか分からないんですよ。
背骨の骨折の場合はいくつものこういった骨がつながって負荷が分散されていますので1つとか2つ折れても痛みがなかなか感じられないで気付かない事もあるんですよ。
そのために骨粗しょう症の発見が遅くなってしまいます。
くしゃみはじゃあ「はくしょん」ってやる方よりは「くしゅ」ってやった方がいいですね。
そうですね。
それよりもまず骨の方の丈夫かどうかを調べてきちっと対処をして頂いた方がいいと思います。
今日は「骨粗しょう症とは?」という事で伺いましたけれどもいかがでいらっしゃいました?たくさん勉強になりました。
食べ物もねコラーゲンタンパク質もたくさんとって日々運動をして気を付けたいと思います。
改めて今日のポイントお願いできますか?閉経後は骨量の減少を検査で早く発見する事がとても大事です。
それからご高齢の方においては骨の量を維持するとともに転倒を予防するという事もとても大事になってまいります。
ありがとうございました。
また次回もよろしくお願い致します。
どうもありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2015/12/14(月) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 骨を強くしよう「骨粗しょう症とは?」[解][字]
骨粗しょう症の人は推計1280万人。高齢女性に多い。若い頃の過度のダイエットは骨の成長を妨げて将来、骨粗しょう症になりやすくなる。骨を強くする実用情報を伝える。
詳細情報
番組内容
骨粗しょう症の人は推計1280万人。特に高齢女性に多い。若い頃に過度のダイエットをすると骨の成長が不十分になり、将来、骨粗しょう症になりやすい。骨を強くする上で必要な栄養素はカルシウムだけではない。実はたんぱく質が重要な役割を果たしていることがわかってきた。転倒で骨折しやすいのは大たい骨付け根の骨、手首や腕の付け根の骨だ。背骨の椎骨は圧迫骨折しやすい。今週は骨を強く保つための実用情報をお伝えする。
出演者
【ゲスト】高橋ひとみ,【講師】鳥取大学教授…萩野浩,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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