新・科捜研の女1 2015.12.14


(銃声)
(伊勢本隆)まさか…今になって…復讐…。

(銃声)
(住人)おい!何やお前…。

(杉内亮)被害者はこの部屋の住人伊勢本隆45歳です。
(寺原智則)近くのスーパーに勤めている男性です。
(土門薫)銃で撃たれてるって!?
(榊マリコ)2発も撃たれてるわ。
皮膚の変色血痕の乾き具合からみて死後そう経ってないわね。
うん…。
弾は…胸を撃ったやつは貫通。
お腹を撃ったやつは体内にまだ残ってるわね。
(乾健児)現場に薬きょうは?いや鑑識が探したが見つからなかった。
ってことは使った銃はリボルバーか…。
犯人が拾ってったのかもしれないだろ?それだったら弾丸持っていくだろう。
この部屋にある銃全部モデルガンでした。
ガンマニアが銃で撃たれたってわけか…。
それにしても…何だこの散らかりようは!?
(杉内)被害者は一人暮らしなんですがこの部屋には本人以外の指紋が多数発見されています。
その指紋の前科調べろ。
鑑識にさせてます。
よし。
…やっぱり変ねぇ。
どうした?出血の量からみて胸が最初に撃たれた傷だと思うけどにしてもお腹の傷からの出血が少ないのよ。
どういうことだ?これ…かなりの怨恨かもしれないわよ。
科捜研が根拠もなく勝手な推理をするな!根拠はあるの!
(米倉)これは2発目の弾やな。
やはり胸が1発目ですか?ああ。
胸に受けた1発目が致命傷。
で腹に受けた2発目には生活反応があらへんなあ。
つまり2発目は死んだ後に撃たれたってこと。
…確かにかなりの怨恨だな。
弾丸の鑑定急いで。
はい。

(ノック)
(寺原)マリコさん例のものを持って来ましたけど。
ありがとう。
(小向光子)何このゴミ?ちょっと触らないでくださいよ。
だから何なのよこれ?殺害現場にあった紙全部持ってこいってマリコさんが…。
えっ?日野さんこれお願いします。
(日野和正)えっこれどうしろって?被害者本人の筆跡かどうか全部調べて。
全部って…まさかこれ全部!?よろしくね。
そんなちょ…。
これ一人ってちょっとなあ…。
あー窓窓。
あー仕事仕事。
ねぇ!
(宮前守)ああそうだ。
乾君この間の実験結果わかった?みんな冷た!
(日野)うん本人ね。
ガイシャはここで働いてたのか?ええ。
野菜売り場の主任だったそうです。
とりあえず店長に話を聞くことになってますが…。
地下駐車場に行くぞ。
えっ?
(乾)使用された弾丸から拳銃の種類が特定できました。
このリボルバーに前科は?ありました。
この事件に使われた銃と線条痕が一致しました。
えっ!?15年も前の事件?このスーパーでパートをしていた菅久美子という主婦が…ここで射殺された。
(銃声)2発の銃弾を浴びて…。
もう…15年も前のことだ。

(乾)撃たれた被害者の指に残ってた毛髪です。
被害者が握ってたってことか?この毛髪DNA鑑定したの?いえできなかったみたいです。
(光子)できなかった?そうか…15年前まではまだDNA鑑定が未熟よね。
でも当時の鑑定で年齢は30歳から35歳の男性血液型はB型であることがわかりました。
それで犯人は特定されたの?該当する男の中から吉沢明夫という男が浮かび上がった。
ヨシザワアキオ?うん。
当時事件現場を中心に銃の売買をしていた男だ。
事件の後奴の家を捜索したら被害者を殺したのと同じ形の銃が何丁も見つかった。
凶器自体は見つからなかったがこれが決め手となって吉沢は指名手配され俺が逮捕した。
交番勤務の側ら奴を追っててな。
えっ?その頃お巡りさんだったんですか!?それで捜査本部に入れてもらえなくてな…。
刑事になろうって思った。
えっ逮捕したのは土門さんなの!?ええ。
当時の記録によると。
吉沢は一切の犯行を否認した。
だが他の売人からあの夜スーパーの駐車場で吉沢が銃を売買していたという供述が取れて起訴された。
(杉内)ということは殺された主婦っていうのは…?菅久美子はパート先のスーパーに忘れ物を取りに行き銃の売買を目撃してしまったために…吉沢に殺された。
その吉沢が昨日刑期を終えて出所していた。
ということは吉沢が…。
理由はわからんが吉沢なら伊勢本を殺せる。
確かに殺せるけど…でもどうして彼がまた殺人を?
(宮前)そうだよね。
やっと出所できたのに…。
でも吉沢なら15年前に使った銃を持ってても不思議じゃないんですよ。
確かに今回の被害者15年前の事件があったスーパーに勤めてるし…偶然にしてはちょっとねえ…。
(光子)15年前と同じ拳銃でまた人殺すなんて…。
15年前の犯人って当時30歳から35歳のB型の男性だったのよね?それで吉沢が逮捕されたんです。
私この毛髪鑑定してみたいんだけど。
(一同)えーっ!?当時はできなかったDNA鑑定を。
でも15年前の犯人はもうわかってるんですよ。
(光子)そうよ。
捕まって服役も済んでるって今ちゃんと…。
乾君洛北大学に行って被害者の毛髪採取してきて。
はい!?ちょっと…ちょっと!?榊さんもらってきましたよ。
ありがとう。
でもなんで被害者の毛髪なんて?ん?調べてみなきゃ気が済まないの!これは…確かなのか?ええ。
DNA鑑定の結果よ。
まさか殺害された伊勢本と15年前の毛髪のDNAが合致するなんて…。
じゃあ俺が15年前に逮捕した吉沢は…?冤罪だったってこと!?吉沢が復讐のために伊勢本を殺した。
間違いないな。
…ええ。
奴はきっと伊勢本が15年前の真犯人だって知ったんでしょうね。
(寺原)それで出所した日に伊勢本の銃で…。
(銃声)
(杉内)15年前と同じ銃で復讐した…。
(銃声)現場で銃が発見されなかったということは…吉沢が持ち去った!?…うん。
あの銃は全弾5発だから…残り1発。
うん…これも本人ね。
やはり土門さんの睨んだとおりでした。
被害者の部屋にあった指紋のいくつかと吉沢のものが一致しました。
じゃあ奴が部屋に入ったってことだな。
はい。
目撃者に吉沢の写真を見せたところ現場から逃げたのは吉沢だと。
…ダメです。
吉沢は一昨日出所してから行方不明です。
行方不明…。
はい。
まだ1発弾が残っているだけに不安ですね。
次は俺かもしれんな。
え?奴はその残りの1発で俺を撃ちたいのかもしれん。
まさか…。
15年前奴を逮捕したのは俺だからな。
俺もう一度吉沢が出所してからの足取り洗います。
(杉内)俺も。
(佐久間誠)土門…お前はちょっと待て。
(佐久間)今回の殺人事件…被害者が15年前の事件の犯人だと聞いたが?お前しゃべったのか!?黙ってるわけにはいかないわ。
…間違いないのか?DNA鑑定の結果間違いありません。
そりゃお手柄だな…。
だが京都府警にとっては大不祥事だ。
15年前に逮捕された犯人が冤罪だった。
しかも一昨日その真犯人が殺された。
時効まで4日を残して…。
時効前に俺の手で捕まえたかったですよ。
お前何をのん気なこと言ってる!15年前に逮捕した吉沢は既に刑の執行を終えて出所してるんだぞ!それが吉沢が伊勢本を殺した動機です!土門この件に関して他言無用だ。
俺はマスコミにネタを売ったりはしませんよ。
菅さんにもだ!…菅さん?15年前に殺された被害者の夫だ。
遺族にはこのまま黙ってるわけにはいきません。
それは刑事としての判断か?それとも個人的な感情か?…個人的感情?菅さんは土門の友人だ。
えっ?…ええあの事件が起こるまでは。

(菅勝)…なぜだ土門!?久美子はただの主婦じゃないか!?それがなぜ銃で…銃で撃たれて死ななきゃならないんだ!
(佐久間)いいか2人とも。
この件に関しては緘口令を敷く。
でもいつまでも隠しとおせることじゃ…。
わかってる!だがせめてこの事件の犯人を逮捕し警察の面目が立つように…。
警察のメンツより情報を公開して今逃げてる吉沢に指名手配をかけるべきじゃ…。
お前は捜査から外す!15年前の事件とのつながりがわかった以上その被害者遺族の友人に捜査させるわけにはいかん!部長!俺に責任を取るチャンスをください!!責任?全ては15年前俺が吉沢を誤認逮捕したために…。
言葉には気をつけろ!あの時警察は吉沢に指名手配をかけてた。
見つければ逮捕する!当然の処置だ。
伊勢本殺しの犯人はこっちで上げる。
部長当時のことを一番よく知ってるのは土門さんです。
この事件の捜査には土門さんが必要なんじゃ…。
以上だ!君もこいつと一緒になって勝手な行動しないように。
くれぐれも十分に!慎重にやってくれ。
…失礼します。
これからどうする気?どうするもこうするも俺は捜査を外されちまった。
だからって諦める人じゃないわよね。
…これから菅に会いに行く。
根っからの刑事なのね。
他の刑事に根掘り葉掘り探られる前に行くだけだ。
じゃあ私も行くわ。
お前の仕事じゃない!捜査を外された人の仕事でもないはずよ!いいのか俺と一緒に行動して?私乗りかかった船は降りない主義なの。
好きにしろ!こんな船でよけりゃな。
ほんとひどい泥舟だけどね。
アホ!俺の船はタイタニック級やぞ!ちょっと…それって沈没船よ。
(菅)土門適当にくつろいでいてくれな。
おう。
仕事順調そうだな。
ああ…。
何とか食べてるって状態だよ。
きれいな花ですね。
アヤメですか?カキツバタです。
妻が好きな花でした。
…いやというより私の好きな花です。
城南宮ご存知ですか?ええ市内にある神社ですよね?そこで久美子と出会ったんです。
カキツバタの季節にね。
(鈴)手を合わせてもよろしいですか?どうぞ。

(鈴)で?で?俺に仕事の斡旋をしに来てくれたわけじゃないだろ?…事件があってな。
それがお前の仕事だからな。
同じ銃が使われた。
…久美子を撃った銃か?お前のところに刑事が聞き込みに来ると思う。
もう来てるじゃないか。
それで当時を思い出させてしまうかもしれんが…。
そんなことは毎日思い出す。
毎日のように夢に見るよ。
銃に撃たれる久美子の夢を…。
久美子を思い出すと一緒に銃も思い出すんだよ。
この15年俺にとって久美子の思い出は拳銃なんだ…。
嘘みたいだな15年経ったなんて。
明後日は…久美子の命日なんだ。
今でもわからないことがある。
ん?あの日久美子は一度家に帰ってきたんだよ。
それでご馳走を作って…。
ご馳走を?あの日は私たちの結婚記念日でした。

(菅久美子)お待たせ。
(菅)だからあいつはご馳走作って俺にネクタイのプレゼントもくれてそれで十分だったのに…。
どう?似合う!よかった。
ありがとう。
あーっ忘れ物しちゃった。
食べないで待ってて。
すぐ戻ってくるから。
おい明日でいいだろ?今日は結婚記念日だぞ。
今日じゃなきゃダメなの。
何だよ忘れ物って?ナイショ!その忘れ物って一体何だったのか…。
15年間そんなことばっかり考えてるんだよ土門。
こっちが被害者の筆跡。
こっちがそれ以外…以外の筆跡。
ご苦労さま。
日野さんちょっとやつれたね?2日寝てないんで…。
若くないんだから無理はダメよ。
好きで無理したわけじゃないんだけど…。
あと2日無理すればダイエットになりますね。
…面白くないんだけど。
すいません。
ねぇこれって被害者の家の住所よね?誰の筆跡かしら?そこまでは知りません。
あと…ここに何か字を書いた跡が見えない?あらほんとだ。
何か見えるわね。
多分消しゴムで消した文字かこの上に重ねた紙に何か書いた時に圧力でついた筆跡だね。
これ何て書いてあるかわからないかな?まあやり方は色々あるんだけどね…。
じゃお願いね。
2日寝てないんだけど…。
オッケー!今コーヒーいれてあげるね。
頑張ってね!寝かせる気ないんだ…。
吉沢の行方何か手がかりあったか?
(杉内)どうすりゃいいんだよ。
土門さんもいないし…。
結局俺たち今まで土門さんの指示で動いてたんだな。
土門さんのとこ行くか?いやまずいだろう?今捜査本部外されて休暇中だぞ。
好きで休んでるわけじゃねえよ。
捜査したいはずだ!大体なんで土門さんが捜査外されたんだよ!?そりゃ…この事件の被害者の関係者だし15年前違う犯人を逮捕しちゃったわけだし…。
だったらなおさら捜査したいはずだ!そうだけど…。
デカなら…デカなら誰だってそう思うはずだ!
(ため息)俺は土門さんとその気持ちに乗るぞ!おいっ!
(ため息)単純な奴だな…。
「P.Sラーメンで」?
(あくび)わざわざ鑑定してこれが浮かんできた時にはズッコケたよ。
筆跡は住所の文字と同じ?そ。
同一人物の筆跡。
でも「P.Sラーメンで」ってどういう意味だろ?どういう意味って…見たままの意味でしょ?「P.S」ってのは手紙の「追伸」みたいな意味で使うよね?「追伸昼飯はラーメンで」みたいな意味すかね?そんなことわざわざ追伸で書いたりする?「P.S」には何か別の意味があるのかも…。
あるかしら?「ラーメン」にも別の意味があるのかも。
「ラーメン」はラーメンでしかないでしょ?ねぇ。
一応調べてみてよ。
…いや!もう寝る。
絶対寝る!!おいおい…。
どうしてこのメモにそこまでこだわる?被害者以外の筆跡で書かれた被害者の家の住所よ。
だから?誰かが訪ねて来た時に落とした可能性が高いわ。
それが犯人だっていうのか?それはわからない。
でもとことん調べてみるべきだと思うの。
だからみんなお願い。
ネットで調べれば簡単だし…何かわかるかも。
(土門美貴)やっぱり!家にいないと思ったら。
佐久間部長に俺のお目付役頼まれたのか?そうよ!だからあんまり迷惑かけないで。
私にも仕事があるんだから。
だったら俺のことはほっとけ!勝手なことすると休暇が謹慎になるわよ!…お前仕事柄パソコン得意だったな?だから何?ちょうどいいところに来た。
お前も手伝え!ん?何だと思うこれ?みんなに仕事させてお前らどうする気だ?榊さんが被害者の死体の傷を調べるって…。
ガイシャの死体なら見ただろ?何度だって見るわ。
死体には必ず犯人に関する情報があるんだから。
根っからの科学者なんだな。
よし俺も一緒に行く。
刑事の仕事じゃないわよ。
残念ながら俺は今捜査を外されて自由の身なんでね。
(杉内)土門さん!捜査してんすよね吉沢の行方。
一緒にさせてください。
俺に関わると上に睨まれるぞ。
土門さん見てると…何かそれもいいかなって。
やっぱり刑事は刑事の仕事をして。
あ?その間に必ず私たち科学者が何かを見つけるから。
銃創の入口と出口の角度を計って。
被害者は立ったまま撃たれた可能性が高いのよね?室内の壁に残っていた血痕からみるとそうですね。
それで近距離で撃ってこの角度ってことは…。
犯人の身長は175センチ以上はあるわね。
やっぱりここで吉沢の足取り消えてますね。
出所した日奴はここでビールとカツ丼を食った。
何度足を運んで客に訊いてもわかるのはそれだけだ…。
缶コーヒーでも買ってきますね。
おう。
あっ…あったらブラック頼む。
今夜寝ない気ですか?15年前の殺人事件明日時効が成立する。
でもその犯人…もう殺されてるじゃないですか?だからこそ時効までに吉沢は捕まえたい。
…そうですね。

(吉沢明夫)おのれのせいで俺は15年も臭い飯食わされたんじゃー!
(吉沢)土門放せ!放せー!!
(叫び声)土門さん!?俺はな…やってないんじゃー!
(杉内)やめろー!土門さん!?マリコさん!刺されたってどんなふうに?腹刺されたんですけどとにかく出血がひどくて。
大きな血管が刺されたのかもしれないわね。
血圧は?ここに運びこまれた時は70なかったそうです。
出血性ショックね。
かなり危険な状態だわ。
美貴さん!どうなんだよ?ひどい状態なのか?
(美貴)お兄ちゃん!お兄ちゃん…!ほんとにこいつは運がいい奴だな。
きっとこのことはマスコミが嗅ぎつけますね。
そしたら土門さんは刺された理由が問題になります。
15年前の事件が浮かび上がるな。
これでもまだ隠しとおすおつもりですか?じゃ私はこれで失礼するよ。
部長!これから記者会見の準備をしなきゃならん。
しかし偶然だな。
15年前の事件の時効が今日成立する。
謝罪会見で忙しくなりそうだ。
私ももう行きます。
え?マリコさんに頼まれてた調べものがあるし。
いいわよこんな時に。
他の人がするし。
ううん私がしたいの。
お兄ちゃんが捜査していた事件私も捜査したいんです。
さぼってないで仕事!はい。
お願いしますよ。
やはり動機は15年前に逮捕された恨み…。
だから土門さんを刺したと供述しました。
でもどうして銃で撃たなかったんだろう?ああ。
銃にはまだ1発残ってたんだよね。
ああそれが…吉沢は銃を持ってませんでした。
伊勢本を殺したのは自分じゃないと言ってます。
え?15年前の恨みで伊勢本を撃ったんじゃないの?今まで行方をくらませていたのは殺害現場から出るところを見られ怖くなったからだと。
冤罪の怖さを一番知ってる人だもんね。
でもそれって殺害現場にはいたってことだよね?ええ。
伊勢本が15年前の真犯人だと知ってムショを出た日に訪ねたらしいです。
その吉沢って人身長は175センチ以上?いいえ。
160もなかったですけど。
一応ネットで調べたけど。
「P.Sラーメンで」。
「P.S」は手紙の場合は「追伸」。
文学の世界では「あとがき」。
教会の世界では「賛美歌」。
官公庁では公立学校などの「パブリック・スクール」の略で建築の世界では「プレストレス」という工法の略で使われています。
建築…。
「ラーメン」はこの食べるラーメンぐらいしかなかったんですけどまれに建築用語なんかで…。
何か別の意味が?「ラーメン工法」という言葉があるらしいんです。
プレストレスとラーメン工法で…。
《建築…?》《身長は175センチ以上…》
(玄関のチャイム)
(ノック)菅さん!菅さーん!
(菅)明後日は久美子の命日なんだ。
菅さん。
報告ですか?奥さんを殺害した真犯人を殺したって…。
これが殺害現場に落ちていました。
あなたの筆跡ですね?調べればわかることですよ。
来ないでください!そんなことして奥さんが喜ぶとでも?あんたに何がわかるんだ!結局警察は何もしてくれなかった。
俺が本当のことを知ったのはあの男からだった…。
犯人は買い手のほうにおったんや!買い手?真犯人は今ものうのうとスーパーで働いておる。
あんたの奥さんが働いていたスーパーでな。
顔見知りやから殺しおったんや。
とにかくおうてくれ。
(菅)とても信じられなかった。
しかしそれからはもういてもたってもいられなくなって…。
その夜吉沢から聞いたその男を訪ねて…。
帰れ!そんな話信じて来るなんてどうかしてるよ!
(菅)こいつが犯人だって直感したよ。
だったら警察に調べてもらいますよ。
警察が今さらそんな話信じるはずないだろう。
私はね警察に知り合いがいましてね。
失礼します。
ちょっと待てよ!困るんだよ。
今になってそんなことされると。
時効まであと4日なんだ。
それは…。
ああ…。
15年前に買った銃だ。
あんたの奥さんを撃った銃だよ。

(銃声)まさか…今になって…復讐…。
(銃声)どうして警察に通報してくれなかったんですか?今さら警察なんか信用できるか。
土門さんもですか?…ああ。
よかったよ。
1発残っていて。
お願い。
奥さんを悲しませないで!土門に伝えてくれ。
俺は久美子のところへ行ったって。
やめてっ!
(銃声)寺原くん!土門さんがきっとここだろうって。
土門さん意識戻ったの?はい。
伊勢本隆殺害の容疑で逮捕する。
あいつを殺したことは後悔しちゃいないさ。
菅さん…奥さんを殺された憎しみだけで15年間生きてきたんですか?憎しみがあったからこそ俺は今まで生きてこれたんだ。
俺のせいだ…。
15年前俺が間違った犯人を逮捕したために被害者遺族を犯罪者にしてしまった。
しかも…俺はそれを止められなかった。
友人としても…デカとしても…。
土門さん…。
もう奴に詫びる方法は一つしかない。
まさか警察を辞めるつもりじゃ?辞めたところで詫びにもならんことはわかっている。
だが他に思いつかん。
見損なったわ!マリコさん…。
あの…土門さんは…。
菅さんが持ってた銃を鑑定させて。
え?それで何がわかるんですか?それはわからない。
でも犯人が残したものにはきっと犯人や被害者の思いがあるはず。
火薬残渣以外も見逃さないようにね。
わかってまーす。
ストップ!これ…何かしら?火薬じゃないですね。
採取して。
ではここに署名と捺印を。
(ノック)菅さんまだ死にたいですか?生きていれば思い出しますからね。
奥さんのことですが…。
もう思い出したくないんですよ。
久美子の思い出にはいつもあの拳銃がこびりついていて…はなれなくて。
その拳銃からこんなものが検出されました。
何ですかこれ?花粉よ。
花粉?銃は発砲した瞬間銃口の周りが真空状態になるの。
だから一瞬だけ銃の中に空気が逆流するのよ。
すると近くに舞っていたほこりや銃を向けられてた人の毛髪などが一緒に吸い込まれることがあるの。
この銃を撃った時花粉が舞ってたってことですか?この花粉はね風で飛ばされるタイプじゃなくて虫に運ばれるの。
つまり撃たれた被害者が何かの花を持っていたとしか思えないの。
被害者って?この花粉は火薬でかなり汚染されていました。
つまり花粉が銃の中に入ってから何度も弾が発射されたということです。
そう。
花を持っていたのは菅さんあなたの奥さんです。
久美子が…?そしてその花粉は…。
この花のものでした。
カキツバタ…。
久美子…。
奥さんはあなたとの結婚記念日のためにカキツバタの花を取りにスーパーに戻って…。
(物音)ああ…!キャー!このヤロー!
(銃声)
(銃声)現場に落ちていたはずの花はどういう理由か犯人が持ち去ったんでしょう。
それじゃ…あの時の忘れ物ってのは…。
忘れ物しちゃった。
食べないで待っててよ。
すぐ戻ってくるから。
明日でいいだろう?今日は結婚記念日だぞ。
今日じゃなきゃダメなの。
何だよ忘れ物って?ナイショ。
早く戻ってこいよ!もちろんよ。
奥さんはあなたのために戻ったんです。
あなたが好きだったカキツバタの花を取りに。
15年前確かにあなたは愛されていたんですね。
憎しみがあったから生きてこられた…。
そう言いましたよね?それを支えに生きてきたって。
確かに死んだ人は生きる人の支えになります。
でも奥さんが残したもの…それは決して憎しみなんかじゃない。
今度奥さんを思い出す時は拳銃なんかじゃなくこの花を思い出してください。
あなたと奥さんが愛したこの花を…。
菅さんまだ死にたいですか?そうですよね。
あなたがいなくなったらこの花を奥さんのお墓に供える人がいなくなっちゃう。
(嗚咽)驚いたよ。
科学ってのは死んだ人間の気持ちまでわかるのか。
そうね…。
もしかしたらそれを知りたくて私は亡くなった人の残したものを調べているのかもしれない。
ありがとう…。
え?これで奴の思い出から拳銃が消えるだろう。
奥さんの思い出がカキツバタの花になるだろう。
帰るわよ病院に。
ところで警察はいつ辞めるの?そんなこと言ったか?あなたが警察辞めるはずないか。
根っからのデカだからな。
奴がいない間は俺が墓に花を供えんとあかんな。
アヤメとちゃうで。
カキツバタやで。
間違えんといてな。
わかってるで。
あがったやないのきれいな…2015/12/14(月) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
新・科捜研の女1[再][字]

「時効直前!妻が見た〜DNA銃弾の謎!」

詳細情報
◇番組内容
あの榊マリコが帰ってくる!沢口靖子主演の“科捜研の女”シリーズがリニューアル!現場に残された微細証拠から事件解決。科学捜査で死体が語る真実を追う!
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、加藤貴子、田中健 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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