皆さんこんばんは。
真相報道バンキシャ!です。
深刻な大気汚染。
収まる気配はありません。
こちらは、きのう昼間の中国・北京の映像です。
先日、最も重い大気汚染警報、赤色警報が出され、いったん解除されましたが、きのうから再びスモッグに覆われています。
その原因物質、PM2.5が、あす以降再び、日本にも飛来するという予測も。
本格的な冬を前に、日本国内に大量に飛来するPM2.5。
その訳とは。
きのう、バンキシャが訪ねたのは、佐賀県唐津市にある干物工場。
魚を干す場所を見せてもらうと。
あー、ビニールハウスのようになっています。
天日干しで干物を作る施設が、なぜか、透明の特殊なフィルムで一面、覆われていた。
外気が直接入らないような仕組みになっています。
この施設なら、天日干しをしてもPM2.5や黄砂などから干物を守ることができるという。
これはPM2.5などの大気汚染物質の飛さん状況を予測したもの。
中国・北京の周辺から拡散し、偏西風に乗って、日本列島に近づいてくることが分かる。
この先、最も近づくと予測されているのが、3日後、16日水曜日の朝方。
きのう、福岡市では、PM2.5に備えて、マスクを買う人も。
九州のほうにも来てるんじゃないかと、ちょっと心配になって買いました。
一方、北海道旭川市では、PM2.5が飛んでくるとの予測に。
なんかマスク、それ、二重にされてます?
そうです。
ただの普通のマスクですよ。
ほら、こういう感じ。
のどの調子が悪いという男性。
マスクを二枚重ねにしていた。
実はPM2.5は、冬に入るこの時期、一気に増える傾向にあるのだ。
冬には欠かせないあるものが関係しているという。
おー、すごいすごい、こんなに燃えてる。
きのう、中国・北京。
今、北京駅に来たんですけれども、きょうも結構、かすんでいまして、空気、向こうのほう、ホテル、ちょっと見づらいですね。
白くかすむ建物。
重度の大気汚染が4日以上続くと予測されたときに出される赤色警報。
木曜日に解除されたにもかかわらず、再び北京の空は灰色。
そこで暮らす人たちはどのような生活を送っているのか。
日本人の森田さんの家を訪ねた。
森田さんは、医療機器メーカーの現地駐在員として働く夫と、3人の息子の5人暮らし。
窓を見せてもらうと。
外側がほこりだらけになるので。
なので、これでもね、外の外壁掃除のときに、窓ガラスも掃除してもらうんですけど。
窓は泥をかけたように汚れていた。
家の中では、3台の空気清浄機を稼働させている。
窓を開けないというが、フィルターを見ると。
空気汚染で、結構真っ黒になったの分かります。
この辺、すごいですね。
はい。
こうした状況の中、体調にも異変が出ている。
別にかぜをひいているわけじゃないんですけど、鼻が詰まったりとか、子どもたちと私たちだけ、先に帰国しようかなっていうのも、もちろん考えます。
大気汚染の原因となっているPM2.5。
その大きさは、2.5マイクロメートル以下。
花粉の12分の1程度、髪の毛の太さの30分の1程度だ。
肺の奥に入り込みやすいといわれ、呼吸器系の健康被害や肺がんになるリスクを高めると指摘されている。
中国の環境保護省によると、PM2.5の主な原因は、車の排ガスや石炭を燃やすこと。
そこで北京では、排ガスを制限するため、市内を通行できる車を、ナンバーの末尾で規制するなど、対策を行ってきた。
しかし、それも一時的な規制で、大気汚染の抜本的な対策にはなっていないのだ。
冬になると、一気に増えるPM2.5。
その大きな原因の一つになっているのが。
暖房ですね、暖房ですね。
これは確かにね、これは触るとあったかい。
おー。
それはこの暖房。
パイプの中には、50度から60度のお湯が流れているという。
そのお湯は、各地域にある施設で沸かし、周辺の住宅に送られてくる仕組みだ。
冬は暖房がないとだめです。
しかし、この暖房がPM2.5の発生につながっているという。
バンキシャは、北京に隣接する河北省保定市に向かった。
灰色によどんだ空、いたるところから煙が立ち上っている。
そして、私たちは暖房用のお湯を供給する施設を取材した。
おー、すごいすごい、うわっ、すごい、こんなに燃えてる。
赤々と燃え上がる炎。
この施設では、石炭を燃料にして、ボイラーでお湯を沸かしているという。
外には、その石炭が山積みにされていた。
この施設では、1か月におよそ500トンの石炭を燃やし、1000戸の住宅にお湯を供給しているという。
煙突から立ち上る煙。
石炭を燃やすと大気汚染になるといわれていますよね?
もちろん、関係あると思います。
PM2.5を出さないための対策を取るよう指導されたが、ことしは間に合わなかったという。
保定市は、暖房で大量の石炭を燃やすことが、汚染を深刻にする原因だと発表。
北京では、石炭から天然ガスに切り換えが進んでいるという。
しかし専門家は、その周辺の地域が、天然ガスなどに切り替わるには時間がかかると話す。
やはりお金のかかる話ですし、
ではここで、こよいのご意見バンをご紹介いたします。
まずは中央大学法科大学院教授の、野村修也さんです。
こんばんは。
こんばんは。
よろしくお願いいたします。
そして陶芸家の岡崎裕子さんです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
よろしくお願いいたします。
さて、日本でもPM2.5による健康被害を心配する人は多く、ビデオにもマスクを二重にする人が出てきました。
こうした二重のマスク、効果があるのか、全国マスク工業会に聞いてみました。
一般的な花粉を防ぐマスクは、繊維の目がこのように大きいんですね。
そのため、二重にしてもあまり効果がないということでした。
またインフルエンザなどのウイルスは、PM2.5よりも小さいため、ウイルス単体では通過してしまうんですが、ウイルスが付着した飛まつを防ぐことができるので、1枚でも一定の効果があるということです。
岡崎さんは小さなお子さんのお母様でいらっしゃいますけどね、このPM2.5の問題、どのようにお感じになりますか?
そうですね。
私自身、実は1年前の春先に、すごく長引く深いせきに悩まされて、病院にかかったところ、PM2.5による症状だというふうに、医師から告げられたことがあるんですね。
それ以来、目に見えないものなので、分からないんですけど、なんかせきとか、鼻の症状があると、つい、こう、PM2.5を疑ってしまう日々が続いているんですけれども、今週に入ってからうちの娘も、すごい鼻水で、私も鼻が荒れてるので、季節的な部分も考えられるので、一概には言えないんですが、やはり隣国で起きていることなので、花粉の飛さん情報みたいに、もっと目に見える形で、分かりやすく、報道していただけると、ありがたいなと思います。
野村さんはいかがでしょうか?
私たちは恐らく、どこかで経済成長するためには、環境破壊は避けられないっていう、暗黙の前提を持っている部分があると思うんですけれどもね、しかし、その考え方自体が間違っているということを、まず考え直さきゃいけないと思うんです。
例えば、水素自動車みたいなものを開発していきますと、それが成長のエンジンになっていく可能性もありますから、まさに日本自身も中国に対する技術支援に、ビジネスチャンスがあるんだと思って支援していくということが必要なんじゃないかなというふうに思いますね。
偏西風が強く吹くこれから春先にかけて、しばらくは日本国内でも、このPM2.5に対する注意が必要になりそうです。
さあ、続いてはこちらです。
こちらは、2020年東京パラリンピックを目指すアスリートの皆さんです。
さまざまな障がいを乗り越え、たくさんの選手が活躍する一方で、実はその多くが、試合の遠征費などを自己負担しなくてはならず、厳しい環境に置かれています。
そうした中、所属する選手に対して、これまでになかったような手厚い支援をする企業も増えてきました。
障がい者アスリートを取り巻く環境を取材しました。
さいたま新都心の中心部。
自転車競技の大会に、世界から障がいのあるパラサイクリングの選手たちもゲスト参加。
大観衆の前で完走した藤井美穂選手には、ある悩みがあった。
それは乗っている自転車。
協会から借りているやつです。
そうですね、5、60万円ぐらいするから、まだちょっと買えない。
去年、競技を始めたばかりの藤井選手には、まだ手が届かない高価なもの。
同じような悩みは、北京パラリンピックの金メダリストにも。
作って15年たつんですよ。
長年使い込んで、愛着があるという自転車だが。
結構重量あります。
結構ありますね。
鉄パイプなんで。
現在の自転車の主流は、より軽量なカーボン素材。
これより重いスチール素材を使い続けるしかないという。
やっぱり自転車にかけられる額というのも、結構、決まってきちゃうんで。
滞在費とか食費っていうものも結構出ていっちゃうので。
対照的に、ことしのワールドチャンピオンは。
重さは7キロぐらいです。
可能なかぎり軽くしようとしています。
スピードが速くなるからね。
勝つためには、お金をかけないといけない。
石井選手のものより、およそ2キロ軽い自転車。
軽いほど、加速がしやすく、メダル争いの0.1秒の差にも影響してくるという。
2020年東京パラリンピックまで残された時間は5年足らず。
彼らの環境は変わっていくのだろうか。
オランダで行われたパラサイクリングの世界選手権。
当時、競技を始めてたった10か月の藤井美穂選手は、2人の選手が同時にスタートする個人追い抜きに出場。
距離は3キロ。
片脚でこぐには、踏み込みだけでなく、ペダルを引き上げる筋力が必要だ。
最後まで、最後まで。
およそ5分間、全力で走り抜いた。
30秒以上縮まった。
自己ベストを大幅に更新していた。
ここ最近、成長し続けている藤井選手。
その裏には、ある環境の変化があった。
社会人3年目の藤井選手は、ことし1月に転職。
現在は、楽天の関連企業で採用や経理を担当している。
ある日の午前11時半、荷物を持って向かったのは、社内ジム。
こんにちは。
お預かりします。
この職場には、アスリートにとって、恵まれた環境が整っていた。
時間も昼間に行っていいというふうに、調節してくれたりとか。
1日に合計7時間半の勤務をすれば、練習する時間帯は自由だという。
これまでは練習場までの移動が必要だったが、社内ジムを使用することで、移動時間はゼロになった。
さらにここには、特別な機材が導入されていた。
器具もやっぱりすごいそろってるので、自転車用にこのワットバイクを用意してくれたりとか。
負荷を調整できるトップアスリート向けの高価なトレーニング機材にも、毎日乗れるように。
その練習の成果は。
ことし3月の時点では、時速およそ26キロだったスピードが、7か月後には、時速およそ30キロにまでアップした。
すごいやりやすい環境にいるなとは思います。
もちろん、自己新記録は更新していきたいっていうのもあるんですけど、やっぱ大会で表彰台に乗れるようになりたいなって思ってて。
こういった企業の支援が、記録更新につながっているという。
企業側は、アスリートならではの精神力で、ビジネスに貢献してくれることを期待している。
ほかの社員も刺激を受けて、自分たちも何かに頑張ろうっていう気持ちが高くなる。
藤井選手以外にも、競技のために企業の支援を受けている障がい者アスリートがいる。
高橋勇市選手50歳。
アテネパラリンピックのフルマラソンで、金メダルを獲得した全盲のマラソンランナーだ。
競技をするうえで欠かせないのは、隣で走る伴奏者。
伴走者の確保が恐らくどの視覚障がい者ランナーにとっても、一番の課題じゃないかなと。
その伴走者の交通費や宿泊費などの、大会や合宿、練習にかかる実費は、ほとんどの場合、ランナーの負担だという。
そんな高橋選手も、ことし10月、三菱商事に転職した。
条件は、月1日から2日程度の出社と。
よーい!
会社が決めたスポーツイベントへの参加。
恵まれています。
これ以上の環境ってないと思いますね。
プロ契約に近い環境になり、マラソン大会が行われる昼間の時間帯に、実戦を見据えた練習が可能になったという。
大手企業にかぎらずね、地方の中小企業でも、どんな会社でもいいですので、障がい者をね、サポートしていってくれたらなと思います。
こういった支援は、大企業に限ったものではない。
ここは創業52年、従業員数66人の、眼鏡関連の卸しや販売を行う中小企業。
おはようございます。
2年前、初めて障がい者として雇用されたのが、パラ・パワーリフティングの大堂秀樹選手41歳。
今から3年前。
いけ、いけ、いけ!
よっしゃー!
ロンドンパラリンピックで6位入賞を果たした実力者だ。
現在、ネット通販用の写真の撮影や加工などを担当し、フルタイムで働いている。
そんな大堂選手を受け入れるために、企業側はどんな対応が必要だったのか。
準備したのは、トイレだけですね。
バリアフリーに改修したトイレ。
工事費用はおよそ100万円だったが、補助金によって、実際は30万円ほどで済んだという。
一方、競技面でのサポートはどうなっているのか。
強くなれないと思いますね、普通にやっていたら。
だから、普通でないことを認めてもらって。
実は、大会などへの遠征は出張扱いになり、遠征費用も負担してもらっているのだという。
そして、企業側にもある変化が生まれた。
パラリンピックに出る選手がいるんだよということを、自分たちの誇りとして、持ってくれているんじゃないかなというふうに思いますね。
大堂選手の存在は、障がい者への理解を深めた。
世の中には、まだまだ力を持ってたり、やりたいと思っているにもかかわらず、環境が整ってないんだなっていう。
もっとわれわれが理解をしなきゃいけないと思うし、できるだけのことを、無理をしない範囲でやれることをやると。
2020年東京パラリンピックまで5年足らず。
選手の競技環境をサポートするだけでなく、周りの人たちの理解や思いやりも育っていく。
そんな支援が広がり始めている。
こちらは、パラリンピックのバンクーバー冬季大会と、ロンドン大会に出場した日本人選手に、年間個人負担がいくらあったか、調査した結果をまとめたものです。
最も多かったのは、年間50万円から100万円で、全体の32.6%。
250万円以上自己負担した選手も11.9%いました。
その中には、500万円以上と答えた選手もいました。
さあ野村さん、こうしたアスリートの費用負担、どうご覧になりますか?
私は今、中央大学の陸上部の部長というのをしていますけれども、本当にこの競技スポーツにはお金がかかるんですよね。
企業としては、どうしても宣伝効果と言うのを考えがちになりますけれども、例えばパラリンピックを応援しますと、営業先でそのことを話題にするだけでも、企業の信用っていうのは高まるわけですよね。
さらには、VTRに出てきましたけど、従業員の誇りというのがありまして、それから、いろんな元気が出てくると、目に目えない経済効果っていうのがあるはずですから、ぜひ応援してあげてほしいなというふうに思いますよね。
そうですね。
岡崎さん、どうですか?
そうですね。
中小企業もそういう支援ができるっていうのは、すごくすてきな話だなというふうに思いまして、やっぱり社員の方も一緒に夢を追いかけられると思いますし、すごくいいモデルだなというふうに思いました。
国からの補助、随分あるんですね、これね。
そうですね。
やはり今、なんか出ていましたけれども、設備を設けるだけでも、ずいぶんいろんな支援があるみたいですから、そこを分からない中小企業があると思うんですよね。
ぜひそれを考えて、いろんな支援につなげてほしいなと思いますよね。
本当、金銭的な部分では、分からない、いろんなプラスメリットがあるんだということも、企業の皆さんにはご理解いただきたいと思いますが、さあ、こうした障がい者アスリートたちの活動を支援する機運が、今後、ますます高まることを願ってやみません。
さあ続いてはこちらです。
ノーベル賞のメダルを手にした大村智さんと梶田隆章さん。
大いに沸いたノーベルウイーク。
バンキシャは、元高校教師、美術愛好家など、異色の経歴を持つ大村さんを、授賞式出発前から独占取材。
バンキシャだけに見せた大村さんの素顔とは。
きょう午後3時ごろ、スウェーデンから帰国したノーベル生理学・医学賞の大村智特別栄誉教授。
改めて受賞の喜びを語った。
メダルと、それからなんていうんでしょうか、証書を渡されたとき、王様がぐっと握ってくださったんですね。
それでひと言、二言、ここにメダルと証書が入っていますよ。
それで私の顔をぱっと見てくれたときにね、本当にね、どきっとするぐらいうれしかったなと。
日本人2人が受賞したことしのノーベル賞。
大村さんを受賞に導いたのは、ゴルフ場の土の中から発見した微生物だ。
その微生物をもとに開発された特効薬。
失明のおそれがある感染症から、アフリカを中心に年間2億人以上を救い続けている。
人のために生きる。
その信念を貫いてきた大村さん。
授賞式の前、自宅でバンキシャだけにその素顔を見せた。
子どもが両親の言うことをすべて聞くようでは両親を超え、立派に成人することはできません。
これが私のことば。
おもしろいでしょ。
ノーベル賞へと導いた大村流の哲学とは。
授賞式をおよそ3週間後に控えた先月。
墨田工業高校電気科、クラス会会場と書かれていますね。
そこに現れたのは。
皆さん、こんばんは。
こんばんは、どうも。
おめでとうございます。
どうもどうも、握手してください。
久しぶりだね、本当。
何年ぶりだ?
再会したのは、今は70歳を超えた教え子たち。
52年前まで教師をしていた定時制高校の同窓会だ。
受賞が決まる前から、この日に開くと決まっていたという。
お忙しい時期だと思いますが。
忙しいよ。
だけど、約束は約束だから。
ありがたいですよね。
本当にありがたいですよ、先生。
いや、体でも動かないっていうならしかたないけどさ、約束しちゃってるから。
久しぶりの再会で、教え子たちが気になったのは。
帽子が…。
これはね、僕のもう。
トレードマーク。
僕だってことが分かるように、どこに行っても。
茶道の礎を築いた千の利休らが愛用したという利休帽。
茶碗集めの趣味が高じ、かぶり始めたという。
年があまり変わらないから、もう、先生らしくないんだよ、みんなにばかにされたり。
一緒に遊んでもらってるっていう感じで。
当時のあだ名は、コンちゃん。
名字が同じコメディアンの大村こんさんと眼鏡姿も似ていたためだ。
教え子たちが卒業を迎えたと同時に、大村さんも教師を辞め、研究者としての道を歩み始めた。
それから52年、最高の栄誉といわれるノーベル賞を受賞した。
教え子が恐る恐る差し出したのは、1枚の色紙。
娘への土産に、一筆書いてほしいという。
何を書いたらいいんだろう。
ただ名前だけじゃだめだね。
なんか書かなきゃいかんね。
そうですね。
ことし正月に書いたやつ。
書いたことばは、至誠そくだつ。
誠意を尽くし、人の痛みを知る心があれば、何事もうまくいくという意味だ。
そして、ノーベル賞へと導いた出会いについて、大村さんはこう語った。
ノーベル賞、来月取りますけども、そのターニングポイントとなった時期というのはやっぱり、夜間高校の?
この人たちとの出会いですよ。
おお、いいこと言った。
いいこと言ってくれるね。
試験はみんな一生懸命、なんとか取ろうという、あの姿は感動しましたよ。
研究者への道を決意させたのは、働きながら定時制高校に通う教え子たちの姿。
まだ服装なんか、着替える間もなく、そのまま飛び込んでくるのもいれば、そういう繰り返し、そういうものを見ながら、やはり、俺は遊んでたと、この人たちを見てね、やっぱり、考えを変えなきゃいかんなというところから始まったんですよ。
だから、みんな私の先生。
先生、はっきり言ってください。
それは俺だって。
多くの出会いが導いたノーベル賞への道。
授賞式の舞台、ストックホルム。
大村さんは、到着した翌朝、日が昇る前に利休帽をかぶって姿を見せた。
授賞式には、奥様のお写真を?
もちろん。
もちろん持っていきますよ。
それはちゃんと肌身離さず持ってくることにしてあったからね、準備しておいたから、よかった。
15年前、がんで他界した妻の文子さん。
胸にはいつも文子さんの写真を忍ばせていた。
亡き妻に代わり、今回、授賞式に同行したのが、長女の育代さんだ。
この日、カメラが捉えたのは、大村さんと娘の育代さん。
きょうはちょっと散歩に行こうっていってさ。
分刻みのスケジュールの合間を縫って、自由時間を楽しんでいた。
うちでは会話が少ないという2人。
手で合図を送り、育代さんをカメラに収める姿も。
さらに、授賞式前日には。
先生だ、先生。
バンキシャのカメラは、街の中で車に乗り込む大村さんを発見した。
向かった先は。
大村先生が今、降りてきましたね。
美術館に行かれるようです。
みずからの多くの絵画を収集し、故郷に美術館を作った大村さん。
およそ1時間にわたり、絵画を鑑賞。
画家でスウェーデン王室のユーゲン王子が描いたこの風景画を気に入っていたという。
鑑賞を終えると、大村さんは館内のショップへ。
そこでは。
先生が何か買われていますね。
手にしたのは、気に入ったあの風景画のポストカードだ。
なんか買われたものがありますけれども、どんなものを?
プレゼントで絵の写真を2、3枚。
実は、この美術館に行ったことで、晩さん会での会話に花が咲いたという。
そのときの様子を授賞式のあとのインタビューで、こう語った。
私がね、美術館へ行ったことを話したんですよ。
その話をしたら、すごく喜んでくれましてね。
ただ、後半は眠くなってしまってもう、話をしながら、もうとにかく、どうしようもなかった。
晩さん会の前に授与されたメダル。
賞金は、人材育成のため、寄付するという。
金を残す人間は下だとね。
仕事を残すのが中くらいの人間だと、そして人を残すのが上だと、こう言っているわけ。
本当に人材育成に使ってもらわなきゃ困ると思いますね。
亡き妻の名前が付けられた美術大学の基金。
実は大村さんは、芸術に携わる若者の支援にも取り組んでいる。
こうした信念を作り上げたものはなんなのか。
受賞決定のあと、バンキシャは大村さんの自宅を訪ねていた。
お祝いの花で埋め尽くされた玄関には。
大村さんが集めた絵画のコレクションが飾られていた。
これは鈴木信太郎。
文化功労者。
大好きです。
このコレクションは、恐らく日本で一番のコレクターだと思うよ。
科学も美術も、創造が不可欠で、根本は同じというのが持論だ。
そして2階から持ってきてくれたのは、3冊の分厚いノート。
背表紙には手書きで、腹中有書の文字。
自分を導く座右の名を持つということだ。
25年以上前から、本を読んで感銘を受けたことばを書き出しているという。
例えば。
石川流の家元で、創造なくして伝承なし、伝承なくして創造なしなんていうのは、読むと、早速こうやって書いておくんだ。
いいことば使っているでしょ。
これ、ご自身でこう、メモられるんですか?
そうです。
これみんなそうですね。
自分もそうありたいと思うことが書いてあるわけ。
さらに。
子どもが両親の言うことをすべて聞くようでは、両親を超え、立派に成人することはできません。
これは私のことば、これ、てつしと書いてあるけど、さとしって読むのね。
これが私のペンネームです。
実は大村さんには、もう1つの顔がある。
故郷の同人誌などに、名前の漢字を変えた哲史のペンネームで、日々、感じたことなどを寄稿しているのだ。
見せてくれたノートには、こんなことばも。
精いっぱい生きて、普通の人の倍も仕事をしてきたのだから、少なくとも100歳以上生きたことになる。
これからは天から頂く余命と思い、生きていきたい。
日付は2年半前。
きのう、帰国する空港へと向かう途中、大村さんはノーベルの墓に立ち寄った。
受賞者となった今、余命だという人生を、どう生きていくのか。
生ききる。
生ききるということばがある。
生きるじゃないよ、ただ生きるじゃないよ、生ききる、意味がえらい違うのね。
賞をもらってそれで終わりじゃなくて、まだ今度は、新しい出発があるんだよという、心構えにおいても、そういうことだと思いますよね。
野村さんは、教員として、教師として、同じように教壇に立たれているわけですけれども、どのようにご覧になりましたか?
教え子の方と一緒におられるとき、楽しそうだったですよね。
その中で、教え子が先生だって言っておられましたでしょ。
あのことば、やっぱり同じ教育をする者として非常に心にしみるものがあったんですよね。
恐らく、大村先生は、教育というのは、生き方を見せることだと考えているんじゃないかなと思うんですよね。
ですから、すべての人がすべての人の先生であって、みんながすべての人の生徒であるという考え方なんじゃないかなというふうに思うんですよ。
今回、こうやって初めて大村先生のお姿をいろいろと拝見してきて、私もこの大村先生の生き方から、たくさんのことを学ぶことができたので、私にとって、大村先生は、本当に先生だなというふうに思いましたね。
岡崎さんはいかがですか?
そうですね、やはり私、陶芸家としては、先生、どんなお茶碗をお好みなのかなっていうのを、すごく気になるところですけれども、利休帽を常にお召しになって、すごく文化的な造けいに深くていらっしゃるというのは、やはり、これだけ一流の研究者でありながら、文化人としても一流であられることって、考えていても、それを体現なさる方っていうのはなかなか容易ではないと思うんですよね。
だから、本当に先生、すばらしいなというふうに思いました。
なお、大村さんは今回、ストックホルム滞在中に日記を書かれていたそうなんですが、思い出話などを追加して、今後、紀行文にしたいということです。
消費税の軽減税率は、自民、
消費税の軽減税率。
きのう、自民、公明両党は、酒類と外食を除く食料品全般とすることで合意しました。
ここからは日本テレビの伊佐治政治部長に伺います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
改めてなんですが、対象が外食と酒類を除いた食料品全般ということは、飲料水やお菓子なども対象に含まれるということなんですね。
そのとおりですね。
では例えばなんですが、ファストフード店でハンバーガーを買いました。
テイクアウトします、家で食べますって場合は、外食扱いではなくて、軽減税率で買えるということなんでしょうか?
そこは、まだはっきりしないんですね。
ほかにもコンビニで買って、イートインコーナーで食べたら、それは外食になるのかとか、定義、これからの議論なんですね。
この軽減税率、適用されるのは、再来年4月の消費税率10%引き上げの際ということなんですが、伊佐治さん、これによって減る税収1兆円というのは、どうするつもりなんでしょうか?
実はこれも先送りされてしまったんですね。
こちらをご覧ください。
自公両党、今回、これだけ会合して議論してきました。
谷垣幹事長が、この公明党に対してメドがついている4000億円以上の減税はできないと、ずっと譲らなかったからなんですね。
しかし、先週になって、安倍総理大臣が譲歩を指示しました。
これは来年の選挙を控えて、この公明党の支持を確実にしておきたい思いと、安保関連法協力のお礼の意味もあったと見られますね。
その後、線引きでの混乱を避けるために、外食まで含む1.3兆案で、与党幹事長、一致したんですけれども、きのう、麻生大臣らが反対しまして、これ、覆りました。
すべてこういった議論、財源的な裏付けのあるというものではなくて、政治的な事情が優先したものなんですね。
与党の幹部は、細かい話は参議院選のあとだと話しています。
ひょっとすると、軽減税率の分、別のところで増税という可能性もあるんでしょうか?
今の段階では、景気が維持すれば、税収も増えていくから大丈夫であるとか、あるいはこの10年単位で考えれば、さらなる消費税で賄えるはずだという、楽観論もあるのが現状なんですね。
なるほどね。
選挙が終わったら、増税なんてことがないようにしてほしいものであります。
ここまで政治部の伊佐治政治部長でした。
ニュースをお伝えします。
地球温暖化対策の国連の会議、COP21は、途上国を含むすべての国が温室効果ガスの削減に取り組む枠組み、パリ協定を採択しました。
協定では、気温上昇を産業革命前に比べて、2度に抑えることを世界目標とし、より厳しい、1.5度未満を目指すことを明記しました。
今世紀後半には、温室効果ガスの排出量を、実質的にゼロにすることを目指します。
一方、途上国への資金支援については、協定には盛り込まず、法的拘束力のない別の文書で、年間最低1000億ドルとしました。
世界の温暖化対策を巡る歴史的な合意ですが、今後は個々の国の実効的な取り組みが求められます。
NNNがこの週末に行った世論調査によりますと、安倍内閣の支持率は、40.9%だった一方、不支持は42.3%と、再び逆転しました。
世論調査によりますと、安倍内閣を支持すると答えた人は、前の月より2.4ポイント下がって、40.9%、支持しないと答えた人は42.3%でした。
僅か1か月で再び不支持が上回りました。
消費税の軽減税率を巡り、自民党と公明党が加工食品も対象にすることで合意したことについては、支持するが54.2%に上りました。
一方、税収が減る分、社会保障などに充てる財源を探す必要があることについては、よいと思わないが、48.7%でした。
また、統一会派の結成で合意した民主党と維新の党が、今後1つの政党を2015/12/13(日) 18:00〜18:55
読売テレビ1
真相報道 バンキシャ![字]
バンキシャ!は毎週、注目を集めている事件・出来事について、他にない切り口で検証を加える番組です。今週もスタッフは各地に飛び、ただいま取材中。ご期待ください。
詳細情報
番組内容
真相報道バンキシャ!は福澤朗と夏目三久がお伝えする〈新型〉報道番組。日曜の夜、その1週間の起きた出来事について視聴者の方に「なるほど、そういうことだったのか」と言っていただける番組づくりを目指しています。取り上げるのは、事件・事故・政治・経済からスポーツまで、硬軟とりまぜ幅広く。ニュースの新しい見方をご提供いたします。番組への情報、ご意見は番組HPまでお寄せください。
出演者
【MC】
福澤朗
夏目三久
【ゲスト】
番組ホームページ
http://www.ntv.co.jp/bankisha/
おしらせ
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