アガサ・クリスティー トミーとタペンス(2)アンコール「秘密機関(2)」 2015.12.13


(タペンス)彼女訳ありなんだわ。
表情が普通じゃない。
(ドミニク)例の包みをロンドンまで運んでくれ。
(銃声と汽笛)
(ジェーン)ハァ…。
ジェーン・フィン失踪した女性。
彼女に関する手がかりをつかんだのよ。
(カーター)このブラウンがソ連から指令を受けたという情報をつかんだ。
暗殺ですって。
(トミー)彼が死ぬ前にジェーンにテープを渡したのかどうか。
(ジュリアス)私は間違いなく10日ほど前にブラウン警部に全て話したんだ。
(アルバート)カバンに付いてるイニシャルが読み取れる。
リタよ。
消えた女性を捜すためよ。
ブラウンの正体を暴くテープとね。
見失わないように尾行して。
(コンラッド)ちょっと待て!会員か?
(ラッキー)見たような顔だな。
(コンラッド)よそ者が紛れ込んだ。
ウン。
アァ…。
(タペンス・ベレスフォード)別のお宅にいた時すれ違ったかもしれません。
(ラッキー)そうかもしれねえな。
(呼び鈴の音)誰だ?一体。

(アネット)乱暴に扱うと後悔するから。
(コンラッド)理由を言え。
ドレナンさんだよ。
そうなのか?
(トミー・ベレスフォード)アアッ…。
そうでしょ?答えて。
アァ…ああん。
クレメント・ドレナンか?大したことじゃ。
何言ってる。
ハァ…。
金持ってきたんだろ?早く言えよ。
(呼び鈴の音)・
(ラッキー)見ろ!誰だ?・
(リタ・ヴァンデメイヤー)お友だちよ。
アッ!どんな友だちだ?
(リタ)判事さんよ。
いけない?判事?リタ。
正気かよ?彼オペラの愛好家で私のファンなの。
(ラッキー)ファンだと?
(リタ)教養があって趣味のいい人よ。
(ラッキー)邪魔するやつは殺すぞ。
(呼び鈴の音)・
(ジェームズ・ピール)ヴァンデメイヤーさん?いますか?ハァ…。
ブラウンさんからだ。
アメリカの友人が来たときに使うブツだ。
やつのコーヒーに入れろ。

(ピール)リタ?大丈夫かい?
(リタ)非常口から出て。

(ピール)リタ?今行くわ。
ジェームズ。
ハァ…ハッ…。
ハッ…。
(ドアを開ける音)
(ピール)リタ。
(リタ)いらっしゃい。
ああジェームズ。
(ピール)練習してると言ってたが何のためなのかぜひ知りたいな。
(リタ)秘密なの。
そう言ったでしょ。
言えないのかい?友だちなのに?一番いいカップでお願いね。
このレコードどこで見つけたの?ジェームズ。
私は第4幕でアリアを完璧に歌ったの。
すみません。
悪いね。
(リタ)序曲はテンポが速いんだけどしょうがないわね。
さあかけて。
(コンラッド)どうぞドレナンさん。
ありがとう。
(ウィティントン)クレメント・ドレナン。
これはこれは。
フフフッ。
ついに会えましたな。
(アネット)ん〜ん。
ブラウンさんはあんたをずっと隠してた。
(アネット)ん〜ん。
あ〜ん。
(女)アハッ。
(アネット)んん。
(ウィティントン)心配するなドレナンさん。
丁重にもてなすよ。

(テーマ音楽)
(女)さあ飲んで。
(女)おもてなししなきゃ。
あたしトリクシーよ。
遠慮しないで。
3人で楽しくやりましょう。
ちょっと失礼。
待って!
(女)あ〜あ。
あの子がお気に入りかしら。
みたいね。
どうする?30分コースとフルコースがあるけど。
ああ。
この人を見なかった?2週間前に失踪した。
助けたいんだ。
あんたドレナンじゃ…。
違う。
友人だ。
新しく来た子かも。
地下室に監禁されてるんだ。
見るんじゃないって殴られたんだよ。
ちょっと聞いただけで。

(ウィティントン)アネット!10号室。
9号室を抜けた先にあるから。

(ウィティントン)ドレナンさん!ああ見つけた。
フフフン。
捜しましたよ。
ドレナンさんは代理だ。
ソ連のお友達のブラウンさんのな。
だからフン…ビシッとしてる。
丁重にな。
アネット酒を用意しろ。

(マキューン)フン…。
どうぞよろしく。
ウンアアッ…。
(コンラッド)タバコは?ああもらおう。
ドレナンさんからよく学べ。
全員な。
ブラウンさんがイギリスで一二を争う悪党だと絶賛してる。
それは大げさだな。
何言ってる。
謙遜すんな。
暗殺は始まりに過ぎないと聞いてる。
そのあとに備えて準備しないとな。
おい酒はまだか?アァ…。
(ウィティントン)音楽をかけろ。
(アネット)人使い荒いんだから。
(ウィティントン)文句言わずにやれよ。
(アネット)あのねずっと休みなしよ。
(ウィティントン)ああだからその事はもう謝ったじゃねえか。
ウソよ。
ちゃんと謝ってない。
(ウィティントン)ウソじゃねえよ。
いいか?
(コンラッド)考えといてくれ。
(部屋に流れる音楽)
(マキューン)あんたのか?アッ…。
ハァ…。
あとで話そうぜ。
分かったな?どうぞ。
(部屋に流れる音楽)
(ウィティントン)カードでもやるか?お互いを知り合おう。
フフフン。
ジンラミーだ。
いいかい?2倍で。
ああいいよ。
(部屋に流れる音楽)おい酒はどうした?
(アネット)ウッフッ。
もう慌てないで。
(ウィティントン)始めるぞ。
(部屋に流れる音楽)
(コンラッド)どうです?ボス調子は?
(ウィティントン)ツイてるさ。
(コンラッド)アーチャー通りのほうの景気は?
(ウィティントン)相変わらずもうかってるよ。

(ウィティントン)いいか?
(コンラッド)どうぞ。
お手柔らかに頼みますよ。
(ウィティントン)フフン。
ちょっと失礼トイレに行ってくる。
おい!便所はこっちだ。
迷い込んだら人違いされて…。
ツイてたな。
ドレナンは今日の列車が取れなかったんであした来る。
出口はこっちかな。
どうする気だ?出て行く。
待てよ。
ハハァ…取り引きしようぜ。
どういう意味だ?俺は金しだいだ。
秘密を守りたきゃ金を出せ。
指輪はまずい。
ドレナンは独身だ。
まあ元気出せって。
ん?便所は地下だ。
(リタとピールの笑い声)
(リタの声)「私の代名詞になった役と運命の出会いを果たします。
それが『蝶々夫人』の舞台だったんです。
1941年に東京でオリジナルの舞台を見た瞬間に私は彼女の魅力にひきつけられてしまいました」。
(部屋に流れるレコードの曲)
(タイプライターを打つ音)
(部屋に流れるレコードの曲)
(猫の鳴き声)ハッ!驚いた。
こら!駄目。
ケリー?どうしたの?ちょっと猫が…。
(猫の鳴き声)
(鍵をかける音)ああ。
フン。
おおおお。
ウン。
(猫の鳴き声)ハァ…。
メイドの暮らしなんて惨めでしょうね。
将来の見通しもない。
いえ気に入ってます。
あなたの気持ちなんか聞いてないの。
あわれだって言っただけ。
あなた人生の落伍者なんだから私に感謝すべきよ。
感謝を?拾ってあげたじゃないの。
この仕事を与えて。
感謝します。
(猫の鳴き声)ジェームズ!・
(ピール)ああ来たか。
1939年のスカラ座を覚えてて?
(女)楽しんでる?ああ。
ハァ…。
(足音)ジェーン?
(ノック)ジェーン?ジェーン…ジェーン。
(ドアを開ける音)油断できないやつだな。
アァ…ここを開けてくれ。
聞いてなかったのか。
もう時間切れだ。
俺に秘密を守ってほしけりゃさっさと金をよこすんだな。
ん?念のために言っとくが連中はドレナンの金を当てにしてんだぞ。
金って?フフフン…。
他人になりすますんだったら少しは予習しとくべきだぞ。
彼はブラウンさんから大事な金を預かってくるんだよ。
ん?お〜!窮地に追い込まれたな。
何してる?ハッ。
あんたの代わりにちょっと問い詰めてやろうと思っただけだ。
もてなせと言ったんだぞ。
(マキューン)金はどこです?確かめたんですか?女がいると言って連れてこられた。
フッ…俺は言ってない。
この男どうも様子がおかしいな。
(ウィティントン)ああ俺たちも疑ってたんだ。
待ってくれよ。
禁止区域だぞ。
違う。
そんな目で見るな。
アッやめろ!調べろ。
逆だ。
俺はブラウンの手下だ!彼はそうは思ってない。
お前は小遣い稼ぎのためなら簡単に裏切るやつだと言ってる。
俺んじゃねえよ。
そいつんだ!ドレナンだってのもウソだぜ!いや見たこともない。
(マキューン)ウッ…ウソついてるのはそっちだ。
信じてくれ。
アァアッ…。
怪しいと思ってたんだマキューン。
ずっとな。
コンラッドやっちまえ。
ヘーヘッ。
アァ…アッ…アアッア〜。
ウッウーウッ。
アアアッ。
ア〜。
エッ。
イェー!
(マキューンが倒れる音)嫌なもん見せちまったな。
約束の1,000ポンドは?まず会えと言われた。
金はあしただ。
いいだろう。
ハハッ。
じゃ乾杯しよう。
俺たちの船は見てのとおりちっぽけだがそれでも油ささなきゃ進まないんでな。
(足音)
(リタの声)「私を見る彼のまなざしが忘れられません」。

(リタ)観客たちが私にくぎづけになるのが分かったわ。
・そして割れんばかりの拍手。
スターの気分よ。
(リタとピールの笑い声)・
(リタ)本当に胸がスカッとしたわ。
(リタとピールの笑い声)・
(ピール)君のほうがうまい。

(リタ)そのあと私に・またチャンスが来ると思って熱心に練習に打ち込んだの。

(ピール)そうだったのか。

(リタ)ええそれはもう必死だった。

(ピール)でその結果は?・
(リタ)主役の事?取り返したわよ。

(ピール)本当に?・
(リタ)アハハハッ!アッ!
(ジェームズ・ピール)心配しなくていい。
リタの世話をするなんて妙な感じだろうね。
嗅ぎ回ってるってバレないように。
えっ?ジェームズ・ピール。
弁護士だ。
私の名刺を渡しておこうか。
それとも合言葉を言ったほうがいいかな?「200オールアウト」。
じゃああなたカーターの…。
部署をあげてブラウンを探してる。
恐らくリタはカギになりうる人物だ。
リタは彼から包みを受け取ったんです。
どんな包みだい?あら!そこに居たの。
ああ。
彼女にタクシーを呼んでもらおうと思ったんでね。
ああそう。
ではすぐにお呼びします。
すまないがそろそろ帰らないと。

(男)これからかい?
(男)ああ例の裁判がまだ続いててね。

(足音)ああ!君かい。
ウッ…ええ。
驚いた?少しね。
裁判所に書類を取りにいくところなんだ。
一緒に来て。
カーターから何も聞いてないが君は何者?MIファイブ?違います。
そのことでお話をしたくて。
リタは気付いてないのか?今のところはまだ。
でもカーター少佐に知られたらやめろと言われます。
メイドなら家の中を探れるしいろいろな情報が耳に入ってくるわ。
確かにファンより身近にいられる。
オペラは苦手でね。
ブラウンはもう彼女に接触していて伝言の中で言ってたんです。
「アメリカの友人」って。
標的じゃないかしら?分かった。
もう一日やろう。
だが具体的な情報をつかんだらすぐカーターに話そう。
報告を待ってる。
もし身の危険を感じたら速やかに…。
ええもちろん。
ひとついいことを教えておこう。
リタは午後にジンを飲むと時々寝てしまうんだ。
ありがとうございます。

(コンラッド)つぐかい?ドレナンさん。
(ラッキー)いや無理だって。
(ウィティントン)ビビんなよ。
お前らしくねえぞ。
(アネット)フフフフッ。
(ラッキー)俺はやらねえよ。
絶対やらねえよ。
そもそも俺たちがやれるとは思われてねえ!引き金を引くのはブラウンさんだ。
(コンラッド)俺たちだってやれるぜ。
だがソ連はそう望んでるんだ。
(ラッキー)CIAが同郷人がやられたと知ったら?俺たちは遠くへ行ってる。
なあドレナン?そうだ。
潮時だ。
(コンラッド)俺がやる。
(アネット)これが10号室の鍵よ。
(ラッキー)いいや駄目だ。
俺の話聞けよ。
いいか。
お前が聞くんだよ。
(コンラッド)分かった。
(ラッキー)お前はないつも熱くなりすぎてしくじるんだ。
(足音)
(ドアを閉める音)もう十分か?いやただちょっと…。
俺は飲み過ぎた。
あんた想像と違ったぜフフン。
だが気に入った。
あしたな。
送るよ外まで。
(寝息)
(ドアを開ける音)おお!ウーン。
(ドアを閉める音)
(犬の吠え声)ハァ…。
(犬の吠え声)ししし〜っ!し〜っ。
(ライトのスイッチを入れる音)アッアァ…ああ。
今何時?ウン…もう遅い。
ウン…。
フーン…。
まず1つ目。
あなたはお酒を飲んだ。
仕事中は飲まないって約束したはずでしょ。
2つ目。
私すごく心配したのよ。
アッ…。
(寝息)信じられない。
(ため息)
(犬の吠え声)この椅子に座らせて。
(アルバート・ペンバートン)ああ。
ゆっくり。
うん。
ウッ。
アァ…。
プーッ。
(ため息)
(顔をたたく音)ああ。
ウン…。
次のプラン?それしかないわ。
(水をかける音)プッ!何するんだ?どうかしてるぞ!起きないからよ!ピンチに陥った気分。
僕ピンチに陥ってる?そんなことないわ。
襟に口紅が付いてるし香水の匂いがプンプンだ。
ちょっぴりピンチかもよ。
ハァ…。
口紅?どこに?いや違う。
待ってくれ。
待ってるわ。
実はあの手の場所だったんだよ。
どういう場所?ソーホーによくある類いの。
タペンス分かるだろ?分からないから考えてるんでしょ。
一生懸命考えて…。
(ため息)そう。
フン…。
ジェーンを働かせてるのか?いやそこはアジトだ。
鍵のかかった地下室に監禁されてる。
じゃあ見たの?背中だけね。
でも間違いない。
鍵がかかってたんだが鍵は…。
ほら。
どうやってそれを?ん…そのクラブの女の子が僕にすごく…優しくしてくれて。
あっそう。
ドレナンってやつと間違えられて…。
すまん。
タオル取って。
それで?収穫は?ウーン…。
テープはまだどこかにある。
でなきゃジェーンは殺されてる。
そりゃよかった。
で標的については?アメリカ人男性。
リタがブラウンから受け取ったメッセージでそう言ってた。
アメリカの男ね。
もっとなんかないの?リタは彼のコーヒーに入れるための何かを受け取った。
多分毒よ。
リタが実行するのか。
結婚指輪どうしたの?アァ…ドレナンは独身だから…。
まずい。
どこにしまったっけな。
ああ。
確かどっかに…。
まさか無くしたんじゃ…。
無くすわけないだろう…。
アァ…。
ウン…。
ウン…。
まだ隠してることがあるんじゃない?そこで何があったの?アァ…。
フーッ。
ウン。
横になって休んだら?僕たち深入りしすぎたかな。
どうしてそんなこと…。
あの連中はすごく危険で卑劣だ。
フン…。
何があったの?様子がおかしいわ。
何でもない。
ただ…ハァ…。
(はなをすする音)じゃあ勇気を持たなきゃ。
(ため息)国のためにブラウンを阻止するのよ。
ジェーンのためにもね。
ハァ…ああそうだな。
ふと思ったんだけど。
何?言って。
標的ってアメリカ人だろ?あさってアメリカの国務長官がイギリスを訪問する予定だって事を思い出した。
彼が標的じゃない?それよ!
(アンソニー・カーター)そのとおりなら非常に憂慮すべき事態だ。
イギリス滞在中に暗殺されたら対米関係にヒビが入る。
核開発はどうなる?国務長官は開発協力の協定に調印しに来るんだ。
ブラウンはこのタイミングを狙ってたのか。
最悪だ。
万一CIAが危険を察知したら訪問は中止になり協定も白紙だ。
ひょっとしてその件と「オペラ」って関係ありません?なぜ知ってる?秘密のはずだがそのとおり長官はオペラ好きだ。
来るたびに劇場に足を運んでる。
で歌うのはリタ・ヴァンデメイヤー?ソプラノ歌手の。
ああ確かにそれを予約してる。
ブラウンはそこで長官を狙うはずよ。
アァ…そそうか。
ご苦労。
ではその情報に基づいて動くとしよう。
だから…お前はもういい。
うちに帰りなさい。
トミーは行かないと。
ドレナンが着く前に。
君は正気か?絶対許さん!ジョージの父親なんだぞ。
君の夫だしな。
トミーがドレナンだと?連中に通用するはずない!でもしたんです。
もし地下室に監禁されてるのがジェーンなら…。
違ってたらどうする?これはプロがやるべき仕事なんだ。
でも急いで行かないと殺されてしまうかも。
力を貸して下さい!駄目に決まってる。
訓練を受けたスパイを送る。
そのころには彼女は死んでる!トミー!2人ともいいかげんにせんか!絶対行ってはならん!これで役目は終わりだ!ここからは我々が引き継ぐ。
ジェーンとテープは必ず見つけ出す。
なあ。
そういえばジョージがイートンとクリケットの試合をするんだって?あの学校にはいい選手が多い。
ええ。
見に行こうと思うんだが一緒に行かないか?よかったらピクニックがてら。
いいですね。
ドレナンは3階では有名らしいわ。
カーターおじさん隠してたのね。
行くなって言われちゃったけど…。
勝手にやりましょ。
彼ナイトクラブを経営してる。
犯罪歴はマネーロンダリング。
重犯罪から軽犯罪まで。
アルコール依存症。
恐喝と凶悪傷害で服役してる。
やっぱりちょっと心配。
鍵さえあれば部屋に入って助け出すだけだ。
ドレナンを足止めさせて1,000ポンド奪えればね。
そうだ。
アイデアある?任せて。
行きましょ。
列車が来ちゃうわ。
(汽笛)ハァ…1錠で効果が8時間続く。
2錠飲めば1日だ。
そのあとは元どおりになる?僕が知るかぎりはね。
まだ実験段階の薬だから。
そう。
来たぞ。
アルコール依存症の人が6時間列車に乗ったあとは?きっとパブに行くわ。
治療したのかも。
まだ分からない。
ちょっと待って。
お願い。
乗らないで。
よし!まだ治ってない。
幸運を祈る。

(ドレナン)べらぼうに高いな。
泥棒だぞ。
ああ!また会えてうれしいよ。
列車で後ろの席だったんだが北アフリカ戦線で一緒に戦ったよな?
(ドレナン)うせろ。
違うかい?いや間違いないよ。
隊の生存者が少ないから再会できたら…。
あのなどうしちまったのか知らないが俺は…。
アアアッ!何すんだ!ごめんなさい!ちきしょう!服にかかりませんでした?まったく!ウン。
この店はビールも落ち着いて飲めないのか。
ハァ…よくやったぞ!おやすみドレナンさん。
よい夢を。
ハァ…。
ほらほらほらほら持ちますよ。
ハァ…。
ああアッ!天使がいる。
あんた俺の天使だよ。
助けて!誰か!
(バーテンダー)どうしたんです?この人が触ったの!彼女は天使だ。
見ろ!妖精が飛んでる。
よしそこまでだ。
中に入れ!
(ドレナン)あんた天の使いだ。
本当に元に戻るのかな?どうかしら?アルバートに報告してあげなきゃ。
ドレナンは留置場行きね。
ウーン。
(キスの音)君は本当に機転が利くな。
まさに絶好調よ。
ん?ないぞ。
見せて。
どこにもない。
(ため息)妖精に気をつけろ。
(警官)歩け!ウッ。
アァ…。
(警官)ウン。
フゥ…ウゥ。
(バーテンダー)たまげたな!ポケットにこんな大金入れてた。
しまった。
あの1,000ポンドがなきゃ連中のとこに行けないよ。
分かってる。
今考えてるとこなの。
(車のドアを閉める音)ウン。
経費は出すって言ってたわ。
経費ってレベルじゃ…。
だけど自分のめいを助けるためだし億万長者なのよ。
じゃ僕が話す。
どうして?いやただこういうことは男がやるべきだと思ってね。
バカ言わないでよ。
正直に言う。
彼はちょっとなれなれしすぎるしアメリカ人的すぎる。
それはどういう意味?とぼけるなよ。
アメリカ人の男はきれいな女性を見ると…。
ソーホーのクラブで飲み明かしたくせに。
今それ関係ないだろ。
いいえ。
関係なくない。
(警備員)ちょっと!ここは駐車禁止ですよ。
(ため息)ハァ…。
(頬をたたく音)
(ジュリアス・ハーシャイマー)タペンス!何度も電話したんだよ。
進展は?いいえまだ。
でも安心してください。
解決は目の前に迫ってます。
ああ!だがそこにジェーンがいるなら…。
発砲しながら突入すれば台なしよ。
だが私のめいだ。
だからお願いするんです。
外で見張っている人が必要なんです。
ジェーンを連れ出すときには…。
私に外で立って待ってろと?トミーが金を持って中に入るのに?分かってます。
立場が逆なのは。
(ため息)でもトミーはプロです。
トミーが?プロだと?ウン。
フーッ。
トミー!お待たせ。
ああ。
さあこっちに来たら?いややめとく。
トミー。
ハァ…。
ジュリアス元気かい?ジュリアスが手を貸してくれることになったわ。
力を合わせてジェーンを助け出すのよ。
すてきでしょ?あんな事したやつは懲らしめなきゃ。
行きましょ。
どうして賛成したんだ?だって断れると思う?彼は1,000ポンドも出してくれるのよ。
自分のめいのためだ。
それに私たちのことプロだと思い込ませちゃった。
君のアイデアだろ。
アルバートを仲間に入れたわ。
同じことでしょ。
アルバートはいいやつだし見えっ張りじゃないぞ。
あなたをサポートする人が必要なのよ。
いけ好かないんだ。
いかにも成金のアメリカ人って感じで。
ああそういう事?ウン。
アァ…。
(車のドアを閉める音)イギリスじゃ何て言うのかな?出発進行!?
(2人の笑い声)
(ため息)ジュリアスが一緒にソーホーに行ってくれるから1時間後にリタの家で合流ね。
じゃあ私はここで待ってる。
10分でいいな?10分とは限らない。
10分と言ったろう。
別に僕はあなたと組みたいわけじゃない。
じゃ何分かかる?正確な時間を言ってくれ。
30分だ。
それで警察を呼ぶ。
じゃよろしく。
ハッキリさせておきますが僕は私立探偵であなたは依頼人ですから。
金を無くすな。
(呼び鈴の音)
(ドアの男)何だ?スペイン人のいとこに会いに来た。

(ドアを閉める音)
(コンラッド)金は?金は?ああこれだ。
確認してくれ。

(男)さあいらっしゃい!サービスしますよ。

(ドアを開ける音)アァ…。
ハァ…。
(ドアを開ける音)アァ…。
ハァ…アァ…。

(ウィティントン)おい!ウッ。
ここで何してる?アァ…。
鍵をどうした?ああこれは…。
ほう。
言い訳したいことがあるらしいな。
アァ…。

(リタ)ええもちろんいいわよ。
思いがけずうれしいわ。
(受話器を置く音)
(足音)ジンは要らない。
大切なお客様が見えるのよ。
あなたはその間邪魔しないようにしてちょうだい。
お茶のご用意は?もうできてるわ。
いいからテープ起こしを終わらせて。
集中するのよ。
タイプライターの音以外は聞きたくないわ。
(スイッチを入れる音)
(タイプライターを打つ音)
(ため息)ありがとうアルバート。
(タイプライターを打つ音)
(ドアの鍵を開ける音)
(ドアを開ける音)・
(タイプライターを打つ音)・
(テープが止まる音)
(足音)ケリー?休憩していいとは言ってないわよ。
はなをかんでるんです。
ヴァンデメイヤーさん。
駄目よ。
はなをかむのはあとにして。
はい。
もうかみません。
(スイッチを入れる音)
(タイプライターを打つ音)
(タイプライターを打つ音)・
(タイプライターを打つ音)ウン。

(タイプライターを打つ音)
(猫の鳴き声)ハーッ!憎らしい猫。
ウン。
(猫の鳴き声)おいで。
(猫の鳴き声)
(ドアの鍵をかける音)また休憩なの?猫が鳴いていたのでちょっと様子を見に来ただけです。
ああ!ヘンリー。
おなかがすいたのか不機嫌な声でした。
食べさせたばかりよ。
どうしてその鍵を持ってるの?
(猫の鳴き声)タイプライターが詰まったのでカバーを開けようと…。
(テープが伸びるような音)
(タイプライターを打つ音)
(リタ)メイドになりすましてずっと私を探ってたのね!アメリカの国務長官を殺す気?なんてバカげた事言い出すの!
(呼び鈴の音)・
(ラッキー)リタ!俺だ!あなたをブラウンに引き渡してやる。
全て吐くようにね。
じゃああなたが自分から秘密をベラベラしゃべってたって言ってやるわ!葉っぱのことも知ってる!はあ!この小娘!ここでおとなしくしてなさい!あとで片をつける。
どうするつもり?いるってバレたらひどい目に遭うわよ。
(鍵をかける音)俺はおかしなことに…お前を気に入ってたんだ。
ブラウンさんは…すごい人でな。
人がやろうとしてることを予知できる。
耳をかけって言うと耳がかゆくなってくる。
フッ。
クシャミって言えば…。
(つばを吐く音)ハァ…クシャミが出る。
分かるか?どうしてブラウンさんがこいつを送って…きたか?水道管か何かが壊れてるから修理しろって?本当は想像ついたはずだぞ。
一発で。

(ラッキー)リタ正気か?ブラウンさんはしゃべりすぎだと言ってるぞ。
(リタ)私何もしゃべってないわ。
判事が来てたろ。

(リタ)彼は友だちよ。

(ラッキー)オペラ好きのか?・
(リタ)もう監視されるのはウンザリよ。

(ラッキー)何で言われたとおりにできない!?ウフッ。
アッハァ…。
ハァ…ハッ…。
ハァ…これで清々する。
ウッ!
(窓ガラスが割れる音)
(タイプライターが落ちる音)・
(リタ)ケリー?ケリー!開けなさい!・何かつかえてる。
ケリー開けなさい!・
(リタ)早く開けなさい!・
(ラッキー)どいてろ。
ぶっ壊してやる!おい!アッハッ…。

(おびえた声)アッハッ…。
29分と31秒経過。
32秒経過。
33秒経過。
34秒経過。
もう待ってられん。
アァ…。
アァ…ああ警察ですか?アッ…ハァ…。
アァ…。
379。
379。
379。
379。
(ダイヤルを回す音)・
(呼び出し音)アッカーター少佐を。
アンソニー・カーターです。
ええ急ぎです。
ウン。
ウゥ…。

(ベルの音)
(ベルの音)
(警官)行くぞ!ここだ。
おいお前!警察だ!逮捕する!
(警官)おい!開けろ!
(警官)待て!こいつ。
(女)何すんのよ!
(女)ちょっと痛いよ!腕放して!
(ジュリアス)ジェーンはいたか?放してったら!
(警官)手を貸してくれ。
(警官)こっちに来るんだ!
(ジュリアス)ジェーンって名前の女性は?
(女)何で逮捕されんのよ。
何か証拠でもあるわけ?・
(女たちの叫び声)
(女たちの叫び声)・
(男)ほら放せよ!放せって!笑えるな。
笑えるな。
(男)放せ!
(ウィティントン)おい!笑えるなって言ってんだ。
サツに捕まるとズボンを下ろされるんだぜ。
(女)どうかしてんじゃないの!
(警官)ああすみません。
ここ立ち入り禁止ですから。
いや通報した者だ。
下がって!分かった分かった。
もういい。
(女)ちょっと!やめて!触らないでよ!
(ベルの音)フーッ。
サツどもは帰ったぞ。
さて続きをやろう。
ヘッ…アッ。
ウウッ…。
ハァ…。
ハハッ。
ジェーンに会わせてくれ。
駄目だ。
その前に質問に答えろ。
アァ…。
誰に聞いた?ハァ…。
リタか?内通者は。
それは教えない。
オホホ〜きっと吐くさ。
(殴る音)ウーッ…。
(車の止まる音)
(車のドアの開閉音)
(ため息)ブラウンがリタに送った毒草です。
まだ捜査が始まってもいないのに何をやっとるんだ!?分かってます少佐。
ただ少しでも早く…。
言い訳か。
本来なら君のケツをひっぱたくところだ。
失礼ジェームズ。
(足音)・
(部屋に流れるオペラ)代わろう。
ああ。
(呼び鈴の音)私が話すよ。
よかったら作戦も仕切るかい?一応友人ってことになってるから。
ヴァンデメイヤーさん?・
(ピール)ヴァンデメイヤーさん。
通りかかったので寄りました。
(呼び鈴の音)
(部屋に流れるオペラ)・
(ピール)ヴァンデメイヤーさん?
(ドアをたたく音)
(ピール)突破するかい?このドアはかなり頑丈だぞ。
待って。
ジェーン・フィンのヘアピンよ。
(鍵を開ける音)どこで覚えた?ガールスカウト。
みんな習うわ。
ここで待ってろ。
(足音)
(ピール)リタ?ハーッ…ハァ…。
ハァ…。
ハハッ。
ハハハッ…ハハッ。
(猫の鳴き声)ハハッ…。
(猫の鳴き声)
(悲鳴)
(足音)何てことだ。
クソっ!フッ…フーッ。
頼むよ。
(部下)はい。
(部下)運んでくれ。
あんなものを見せてすまない。
私が主婦だから?それとも不愉快なものだから?私はただ…。
ええごめんなさい。
君を平凡な主婦だなどとは思ってない。
この働きぶりでカーターが正式に雇わないのはどうかしてる。
でも捜査の役に立ってないわ。
ちっともね。
ここに手がかりがあるかもしれない。
リタがブラウンに接触していればだ。
手がかりなんて何も出ないわ。
ブラウンのことが分かってきたの。
痕跡を残すような男じゃない。
常に私たちの先を行ってる。
(ピール)今のところはそうだが…。
大変。
(ピール)どうした?トミー。
トミーとは?主人です。
ブラウンがリタを殺させたとしたらまさか…。
トミーがどうした?ソーホーの小屋に行ったんです。
私が絶対行くなとくぎを刺した場所に?ええそこです。
君たちは危険という言葉が理解できないのか!?アァ…ああ。
ウッアッアァ…。
ハーッ。
ウン。
アァ…。
(ドアを開ける音)誰だ?答えろ。
時間がないの。
屋上を伝っていけば隣のビルに逃げられる。
ジェーンはどこだ?ずっと「アナッサ」って言ってた。
待って。
「アナッサ」って?分からない。
何のことだか。
新聞広告に返事をくれたの君じゃないのか?時計と写真も。
そうだろう?ええ。
でももう無理。
私殺される。
(ため息)アァ…アッ…。
ジュリアス!ああ!トミーはどこ?私もそれが聞きたかった。
何があったの?訳が分からんよ。
言われたとおり警察を呼んだんだがトミーもジェーンも出てこなかった。
じゃあどこ行ったの?それが全く分からん。
アァ…ハァ。
アッアァ…。
ああ…アッ…。
(ドアを開ける音)アッ…。
思ったよりずっとバカだな。
えっ?
(アネットの叫び声)
(アネットのおびえた声)
(ウィティントン)ダチは1人か?
(警官)すみません。
いつもここで商売を?
(果物屋)そうだよ。
ちょっとそこののぞき部屋について調べてるんだが経営者がどんな人でどういった人たちが出入りしてたか知ってたら教えて…。

(カバンを置く音)ウハー。
(ジェーン・フィン)ああ!アアッ。
(ラッキー)おい見ろよ。
フン!ああアッ!ウン。
どうだ。
この女を助けたいか?
(ウィティントン)さっさと車に乗せろ!
(ラッキー)そいつは?始末してけって命令だ。
(ラッキー)ここでかい!?そうだ。
女を連れてけ!ああアッ…。
さあ来い!よし!そんじゃもう一遍質問をするぞ。
録音テープだ。
あれの事をどこまで知ってる?ハァ…ハッ…。
ハァ…。
ハーッ…フッ。
アァ…ハァ…。
ウウッ…ハァ…。
ウン。
フッ…。
(はなをすする音)ハァ…。
(キスの音)フーン…。
身長は?185か8か。
体格はガッシリはしてないが細くもない。
技がいるんだよこれも。
押さえてろ。
ハァハァ…アァ…。
やめろ!言い残すことは?うまい考え浮かんだか?頼む!妻と息子がいる。
ああ!みんないるだろう。
じっとしてろよ。
長さを間違えるとなかなか死ねないぞ。
・・誰だ?ハァ…ハァ…。
え〜いちきしょう!・・早く出ろ!集中できない。
(荒い息遣い)
(ドアを開ける音)・・
(受話器を取る音)はい。
ハァ…。
(受話器を置く音)ブラウンさんだ。
ハァ…ハァ…。
見張ってろ。
いいな?
(受話器を取る音)何です?
(ドアを開ける音)ハァ…ハァ…。
ハーハハッ…。
ハッ…ハァ…。
ハハッハ…。

(ウィティントン)分かりました。
そうします。
(受話器を置く音)ハァ…ハァ…。
あんたツイてるな。
ベレスフォードさん。
何だって?こいつを捜せ。
ああ。
ハハッ。
ハァ…ハァ…。
ハーッ。
ハハッ…。
ウン…。
フーン。
ウン…。
ハァ…。
フーン…。
ハァ…。
どうする気だ?ベレスフォードさんにやる気を起こさせようってんだ。
なぜだ?仕事を手伝ってもらいたいんだ。
ハァ…。
(ウィティントン)断れないぞ。
息子がかわいけりゃ。
ハーッ。
ハァ…ハハッ…ハァ…。
アナッサ…。

(男)機密扱いの極秘文書だ。
ファイルを盗み出すの?陸軍情報部から?ジョージを救うためだ。
(ブルドッグ)ブラウンの手先として働いているなら裏切り者ということになるんだ。
トミー!ごみ箱!
(非常ベル)おい何とかしろ!どうするの!?
(クラクション)私たち追い詰められてるのよ。
(アネット)来ないと思ってた。
息子が無事かどうか知りたい。
(アルバート)この文字が壁に書いてあったんだね?まさかそんな!
(ジュリアス)ウーッ!おお!国務長官の訪問と協定の調印の日って…。
今日だ。
おじさんに知らせよう。
2015/12/13(日) 15:05〜16:01
NHK総合1・神戸
アガサ・クリスティー トミーとタペンス(2)アンコール「秘密機関(2)」[二][字]

アガサ・クリスティー原作のおしどり夫婦が活躍する探偵ドラマ。日本初放送!失踪した女性、ジェーンの行方を調べ始めたトミーとタペンスはスパイ事件に巻き込まれて…。

詳細情報
番組内容
ジェーンの失踪にはソ連の工作員、ブラウンが関係していた。ブラウンはイギリスで重要人物の暗殺を企てている。タペンスはメイドになりすまし、ブラウンとつながりがあるオペラ歌手の自宅に潜入する。一方、トミーはブラウンの手下だと間違われたことで、ジェーンの居場所を突き止めることに成功するが、偽者だと気づかれてしまう。
出演者
【出演】デビッド・ウォリアムズ…大塚明夫,ジェシカ・レイン…世戸さおり,ジェームズ・フリート…浦山迅,マシュー・スティア…佐久田脩,アンドリュー・ヘイヴィル…田原アルノほか
原作・脚本
【原作】アガサ・クリスティー,【脚本】ジニー・ハリス
監督・演出
【演出】エドワード・ホール
制作
〜イギリス Endor Productions/Agatha Christie Productions制作〜

ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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英語
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