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法規制へ…利用者保護を徹底・金融審案

 金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会は17日、ビットコインなどインターネット上の仮想通貨の規制案をまとめた。仮想通貨の取引所を登録制にして金融庁の検査対象とするほか、口座開設時の本人確認などを義務化して利用者保護を徹底することが柱。これを受けて、金融庁は来年の通常国会へ関連法案を提出する方針だ。

     規制案は、取引所に「登録制を導入し規制の対象とすべきだ」と明記。個人情報などの管理義務に加え、最低資本金などの財務規制も課し、財務書類は外部監査を受けるのが適当とした。金融庁による検査や業務改善・停止命令などの対象とすることも求めた。

     さらに、マネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐため、警察庁が所管する犯罪収益移転防止法の対象事業者に加えるよう要請。これにより、事業者は口座開設時の本人確認や取引記録の作成・保存などが義務付けられる。

     仮想通貨の時価総額は世界で約52億ドル(約6300億円)に上り、国内でも1日数億円が取引されているとの試算もある。最新のITを使った金融サービス「フィンテック」が広がる中、各国で利用が拡大している。

     一方、国内では仮想通貨の規制がない。世界最大の取引所運営会社だった「マウントゴックス」が昨年、経営破綻して経営者が逮捕されたことや、金融当局の多国間組織が今年6月、資金洗浄やテロ資金対策のため取引所規制を各国に呼びかけたことを受け、日本でも規制導入を検討していた。【和田憲二】

    仮想通貨◇

     コインや紙幣などの形を持たず、インターネット上で「お金」として流通するデータ。「ビットコイン」を筆頭に600種類以上が存在している。世界中で「送金」や「決済」が瞬時に行えるほか、手数料も割安なため、国境をまたぐ取引などに向くとされる。

     ネット上の取引所で米ドルや日本円など実際の通貨と交換して入手できる。交換レートは日々変動し、投機目的で売買される。日本国内でも仮想通貨に対応し、物やサービスを購入できる店がある。

     ただ、政府や中央銀行による信用の裏付けがないほか、匿名性が高く違法薬物の売買やマネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金など不正なお金の流れを隠す目的で使われる恐れも指摘される。

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