(テーマ音楽)東京の西部にある高尾山。
秋山は紅葉で染まります。
森では豊かな実りを求めて躍動する生き物たちの姿があります。
夜の森でもにぎやかな営みが繰り広げられます。
秋から冬へ。
大都会の近くにある高尾山でいのちの輝きを見つめます。
標高599mの高尾山。
信仰の山としてまた行楽地としても親しまれています。
11月下旬山頂から始まった紅葉が山全体を染めていきます。
鮮やかな黄色い葉はダンコウバイ。
赤はイロハモミジやメグスリノキです。
木の種類によって赤や黄色の深みが変わり豊かな色彩を放ちます。
紅葉の最盛期は2週間ほど。
つかの間の錦秋。
山頂からは一足早く雪を頂いた富士山を臨む事ができます。
この季節足下でも色とりどりの秋の草花が姿を見せます。
日当たりの良い斜面に咲いているのは…鮮やかな紫が目立ちます。
大きな緑の葉の下にひっそりと咲く花もあります。
落ち葉に埋もれるように2cmほどの花を咲かせます。
白く可憐な花をつけています。
紅葉の季節彩りあふれる20種余りの花が地面でも咲き競います。
森の草木は実りの季節を迎えています。
赤紫の実は…高尾山でもなかなか見られない貴重な植物です。
真っ赤に熟しているのは…木々の実りにいろいろな鳥が集まってきます。
ヤマガラです。
高尾山でよく見かける鳥です。
赤く色づいたイイギリの実。
食べに来たのは…独特の香りを持つカラスザンショウの実を盛んについばんでいます。
秋の高尾山は木々の梢から地面の草花まで豊かな実りであふれています。
(鳥の鳴き声)高尾山の木々はおよそ240種。
涼しい気候を好む樹木と温暖な気候を好む樹木が交ざり合っています。
ここは北の木々と南の木々の分布が重なっている土地なのです。
涼しい気候を好む木々で多く見られるのはブナやイヌブナ。
黄金色に色づいています。
このブナの巨木は樹齢200年を超えるといわれ幹回りは3m近くもあります。
秋でも青々とした葉をつける木々があります。
こちらの木よく見るとつるが絡みついています。
一年中緑の葉をつけています。
この時期キジョランは15cmほどの実が割れて中から種が現れます。
種には長い綿毛がついています。
風が吹くと種は飛ばされ山じゅうに運ばれます。
針葉樹の木立で幹をつついているのはキツツキの仲間…木の皮の下にいる昆虫などを探します。
秋に葉を落とす木々。
一年中緑の葉が茂る木々。
多様な森が多くの生き物を支えています。
高尾山の中腹にある寺院…境内を取り囲む巨木は大切に守られてきました。
ここに夜になると現れる生き物がいます。
高さ40mほどの杉の木。
幹の上の方にある穴に何かがいます。
ムササビです。
体の大きさは40cmほど。
高尾山の巨木を巧みに利用して暮らしています。
高い木から木へ滑空しながら森の中を移動していきます。
やって来たのはサクラの木。
お目当ては枝の先についた芽です。
この時期木の芽は大きく膨らみます。
発芽のための栄養分が蓄えられているのです。
この季節ならではのごちそうを頬張ります。
都心の夜景を見渡す山の上。
食べ物を求めて活動するのはムササビだけではありません。
小枝が激しく揺れ動いています。
額から鼻にかけて白い線が目立ちます。
体の大きさは40cmほど。
夜の森を歩き回って食べ頃の実を探します。
ヒサカキの実を夢中で食べています。
明け方近く。
ムササビが再び境内の巨木の近くに戻ってきました。
夜の間食べ物を探したムササビ。
昼間は巣穴で眠って過ごします。
高尾山では朝方まで豊かな実りを求めてたくさんの生き物たちが精力的に動き回っていました。
秋の気配は森だけでなく水の中にもあります。
ここは高尾山の山裾を流れる沢です。
流れが緩やかな淵でヤマメとアブラハヤが群れています。
ヒレの端が鮮やかな赤に染まっています。
秋の繁殖期の特徴です。
繁殖を終えても色はしばらく残ります。
水の中にも秋色が広がっています。
高尾山に雪が降りました。
小さな白い虫が飛んでいます。
ワタムシと呼ばれるアブラムシの仲間。
白い綿毛はまるで雪のようです。
珍しい霜柱を見つけました。
植物の根から吸い上げられた水分が枯れた茎の割れ目から染み出して凍りついたのです。
気温が零度近くまで下がる晩秋に咲く氷の花。
冬は確実に近づいています。
冬鳥のウソも現れました。
高尾山の恵みを受けながら冬を過ごしていきます。
大都会のそばにある高尾山。
秋から冬。
懸命に生きる生き物たちの営みがありました。
2015/12/13(日) 07:45〜08:00
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「高尾山 秋」[字]
錦秋の東京・高尾山。実りを求めてメジロやエナガが舞い、ムササビは夜の森を滑空する。彩り豊かな木々や花、氷の花のような霜柱。美しく移ろう風景と命の躍動を見つめる。
詳細情報
番組内容
標高599mの高尾山。秋、森は紅葉に染まり、地面ではリンドウの紫やイヌブナの白い花が彩りを添える。実りを求めて飛び交うヤマガラやメジロ、エナガ。一方、夜の森ではムササビが木から木へ滑空し、ハクビシンは木の実を夢中で食べる。水の中にも“秋の色”がある。渓流を泳ぐヤマメ、その背びれは赤く色づく。やがて雪が舞い“氷の花”のような霜柱が現れる。秋から冬、美しく移ろう風景と命の躍動を東京・高尾山で見つめる。
出演者
【語り】森山春香
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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