（ナレーション）
秋に彩られた古社

全国におよそ１万２０００といわれる天満宮天神社の総本社である

境内の西に残る豊臣秀吉都市改造の面影…
秋にはおよそ２５０本の楓が色づき心を和ませる

今出川通から一の鳥居をくぐり境内へ
やがて神社の象徴ともいえる三光門が参拝者を迎える

三光門
三つの光は太陽と月と星である
大地に根を張るがごとくどっしりとした佇まいを見せる…

祭神は天神様と親しまれ学問の神と仰がれる菅原道真
承和１２年西暦８４５年道真は京都で生まれた
菅原家は朝廷に仕える官僚一家で道真も優秀な学者であった
（橘さん）１８歳で文章生という国家試験に合格されましてそして２６歳にはもう方略試という最高の国家試験…それに合格しておられましてそのあと政治の方へ入られまして右大臣まで一気に上り詰められるという大変な出世をなさったわけですね。
順風満帆な道真だったが藤原時平の讒言により大宰府に左遷され失意のうちにこの世を去った
死後…
清涼殿落雷
都には不吉な出来事が相次ぎ藤原時平も死亡
人々は口々に道真の祟りと恐れおののいた

時は流れ天暦元年西暦９４７年北野の地に社が築かれた
祭神としてられたのは菅原道真
怨霊と恐れられた道真は一転神とあがめられたのである

道真は殊の外梅を愛した

学業成就病気平癒
人々は願いがかなったお礼に神社に梅をささげてきた

北野天満宮は梅の社である
花や野菜で彩られた御輿
北野天満宮の秋は瑞祭から始まる
氏子地域の一つ…
神社創建より４２年早く地域の一角で道真をったという

古くから氏子たちが大切に育てている…
秋祭に欠かせない作物である

一本一本丁寧に収穫される

９月３０日
収穫したおよそ２００本の芋茎でずいき御輿が造られる

御輿に芋茎が用いられるようになったのは地域で盛んに栽培されていた芋茎を誰かが屋根に使うことを思いついたのが始まりと考えられている

（佐伯さん）最初のときは木の枠だけでそれがだんだんだんだん立派に出来ていくというその達成感というかそれがやっぱりこれの醍醐味ですね。
五色唐辛子と赤茄子で作られた野菜瓔珞
瑞神輿の起源は慶長年間と考えられている

１０月４日
瑞祭の還幸祭でずいき御輿が巡行する
五穀豊穣を感謝し翌年の豊作を祈願する
氏子地域を回り上七軒へ
翌日御輿は解体され芋茎などの作物は土に還る

天正１５年西暦１５８７年の秋
豊臣秀吉は北野天満宮で大規模な茶会を開いた
茶の湯をする者は身分を問わず茶道具をそろえ参加せよ
そんな触書を出し自らの名物も公開した

１１月２６日
宇治木幡といった京都の八つの茶所から碾茶が納められる
（囃子）
（囃子）
各地の碾茶を入れた茶壷が唐櫃から出され神にささげられる
毎年１２月１日には４家元２宗匠による献茶祭が行われる
この奉告祭で献上された碾茶はそのときに抹茶として使うためのものである
神事に続いて口切式である
木幡の茶壷の口が切られ中の碾茶が木箱に移される

そのあと各地の碾茶が同様に木箱に移された

このような御茶壷行事から献茶祭までの一連の献茶神事を行うのは全国的にも珍しいという

北野天満宮に冬の足音が近づいていた

「京ことばの今」をご紹介します
2015/12/13(日) 06:15〜06:30
ＭＢＳ毎日放送
美の京都遺産[字]

「北野天満宮の秋」

詳細情報
◎この番組は…
古都１２００年の歴史の中で守り続けられてきた寺社仏閣・祭り・伝統工芸などの中より「美の再発見」をテーマに、ハイビジョン撮影による高画質映像でお送りする「映像美術館」。
　
音楽
久石譲
　
公式ＨＰ
【番組ＨＰ】
http://www.mbs.jp/kyoto/
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。

ジャンル :
ドキュメンタリー／教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字（字幕）

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
サンプリングレート : 48kHz

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