おはようございます!六代桂文枝でございます。
さて今朝の川柳は…パソコンやってるとですねまああの〜メールもそうですけども電話のね本当に変換してますと忘れるもんですね。
ほれで間違うた字変換そのままにしとったりなんかしまして。
ですから私はですねいつも麒麟と薔薇と檸檬は必ず書くようにしてるんですよ。
思い出してね。
書けるようにしといた方がいいですよ。
この間も私…「君麒麟書ける?」。
「いや書けないですね」。
「麒麟はこう…」。
あれ鹿偏なんですけどね私馬偏に書いてましてね結局忘れてたんですよ。
今日の出演者ですよ。
コント山口君と竹田君。
そして落語は三遊亭金馬さんです。
(拍手)
(拍手)竹田高利40歳…ぐらい。
(笑い)今日は部長の息子さんが就職が内定したというのでお祝いにやって来ました。
それにかこつけて目いっぱいただ酒を飲みたいと思います。
ごめんください!・はい!ごめんください!・はいはいはい。
ごめんください!はいはい…おっ何だ竹田君じゃないか!おはようございます!「おはようございます」じゃないよ。
何だ何だ?お前日曜日だっていうのに縁起でもない。
そんな言い方ないじゃないですか。
ん?君何の用だ?部長息子さん就職内定本当におめでとうございます!ああ何だ。
わざわざそれを言いに来てくれたのか?そうなんです。
ありがとう。
そうなんだよ。
思ったより早く内定が決まってな家族でみんな喜んでるんだよ。
親孝行だわ〜。
ああ。
う〜んと用事はそれだけかな?はい。
それじゃあな。
えっえっ…。
部長。
何?もうお別れですか?あれ?ほかに何か御用ございました?私びっくりしました。
まさかあんな息子さんがこんなに早く内定が決まると思いませんでした。
びっくり。
あんな息子さん?あっ違う。
違う違う違う!私が言いたかったのはあんな息子さんでさえよく就職ができたなと。
(笑い)竹田君君は何だわざわざ日曜日に嫌みを言いに来たのか?いえそうじゃないんです。
私が言いたかったのは部長の息子さんだからこそ就職ができたと。
いいよもう。
遅いんだよ!最初に本音言ってなあとから建て前言われて誰が喜ぶんだばか野郎!日本語は難しいですね。
君がな難しくしてんだよ。
まあとにかくなせがれにはなちゃんと竹田君がお祝いに来たって言っとくから。
じゃあ。
駄目ですよ!何で?ちゃんと息子さんにお会いしてお祝いのひと言も言いたいじゃないですか。
あのな今悪いけど接客中なんだよ。
え?お客さん?そうそう。
だから後日改めてって事にしてくんないかな?誰が来てんですか?そんな事いちいち君に言う必要ないだろ。
部長の…全てを…知りたい。
気持ち悪いんだ君は。
何だそのネッチリとした雰囲気はもう。
誰が来てんですか?本当しかし君は無駄な好奇心だけは旺盛だね。
すいません。
あのな君の後輩のヨシダとナカムラだ。
タナカとスズキが?聞く気がねぇだろばか野郎。
はい?お前聞きたい割には何一つ聞いてないじゃないか。
誰が来てんですか?ヨシダとナカムラだよ。
ヨシダとナカムラ?そう。
僕の後輩じゃないですか!それもさっき説明してます。
ああ。
仕事のできない人間っつうのはな何も人の話を聞かないよな。
部長。
何だ?あいつら何しに来たんですか?だからなどっかから聞きつけてうちのせがれが就職が内定したって事を聞いてそれでわざわざ日曜日だっていうのにお祝いに来てくれたんだよ。
あいつらも粋な事しますね。
もうそれでなうちの女房もなえらく喜んで今手料理となそれから新潟からおいしいお酒が届いたんだよ。
酒。
それでみんなでうわ〜っと盛り上がってる最中なんだ。
このいい流れを壊したくないから。
それじゃあ。
部長!私もご一緒に。
駄目駄目。
奥様にご挨拶だけでも…。
その女房からきつく言われてるんだ。
「犬と竹田君は座敷に上げちゃいかん」って。
なっ。
とにかくな帰ってくれ。
何でヨシダとナカムラが家の中に入れて僕は中に入れないんでしょうか?竹田君。
はい。
そんな事を私の口から言わせるつもりか?納得できません!君も水くさい男だね。
いや私はあの…「汗臭い」って言われた事ありますけど「水くさい」って言われたの初めてです。
はあ面白かった面白かった。
うん。
世間の反応がどうであれ私は今腹から笑ったよ。
腹筋が痛いぐらいだ。
笑いをありがとう。
別に私は笑いを求めてんじゃないんですよ!求めなさいよ!「演芸図鑑」なんだから!何言ってんだお前は。
そういう事何で…話をはぐらかさないで下さいよ!何でヨシダとナカムラが家の中に入れて僕は家の中に入れないんでしょうか?竹田君。
はい。
君酒癖悪いだろ。
え?私酒癖悪くない。
うそつくんじゃないよ!こないだの会社の飲み会の時に君がな酔っ払って女子社員を中心に絡んでる…私はこの目で見てんだよ!部長!それ誰かと勘違いしてます!いいや。
うちの会社でなゴリラのシャバーニに似てんのは君しかいないんだよ!分かるか?こっちはな酔っ払って人に絡むのなんか大嫌いなんだ!いや私ね酒飲んで人に絡んだ事一回も…。
いいや。
私がこの目で見てんです!本当信じて下さいよ!いいや。
私が見てる…。
僕はね人に絡んだ事…。
俺がよいつ人に絡んだっつってんだよ!ばか野郎!今絡んでんじゃねえかばか野郎!お前酔っ払ってんのか?シラフです!お前シラフでも人に絡むようなやつはな…帰れ!しまった!このままだとただ酒が飲めなくなる。
そうだ。
いい考えがある。
これで部長をだまそう。
部長。
だまされないぞ。
先を読まれてる。
先を読まれてんじゃないんだよ。
全部私の目の前ででっかい声でしゃべってんだよ。
隠し事のできない男だね。
部長こういうのはどうでしょうか?今日はお酒を飲まずにおつきあいします!何?酒を飲まずにつきあう?はい!あ〜それだったら上げてやってもいいかな。
よろしいですか?そのかわりだぞ1滴たりとも酒飲んじゃいかんぞ。
金輪際酒は飲みません!よし分かった。
じゃあその前に一杯どうだ?ありがとうございます。
何だ飲む気満々じゃないかばか野郎。
お前はね酒っていう言葉…ほらだから酒っていう言葉…だからな敏感に反応するから。
じゃあこうしよう。
お前がそんなにな座敷に上がりたいんだったら何だお前は。
お前座敷に上がった途端に手出しそうだな。
本当に。
手出しませんって。
大丈夫か?大丈夫です。
じゃあこうしよう。
あのな耳を塞げ。
え…耳?そう。
耳を塞いで全て遮断する。
後輩のヨシダとかナカムラがなお前に勧めるかもしれないからそういうのを全部遮断するために耳押さえてもう何も聞こえないようにすんだ。
はい。
いいな。
言ってる意味分かるか?分かります。
耳を塞いだらもう何も聞こえないんだ。
はい。
いや「はい」じゃない。
へい。
「へい」じゃない。
ふう。
「ふう」じゃなんだばか野郎。
耳塞いだら聞こえないんだから!はい。
いや「はい」じゃない。
聞こえないんだから返事しなくていいんだ。
ええ。
「ええ」じゃないんだだから。
分かんねえ。
聞こえちゃってるだろ。
だから耳塞いだら聞こえないんだから何も返事しなくていいの。
それでいい。
はい。
駄目。
お前言ってる意味分かってねえじゃねえかよ!耳塞いだら聞こえないんだ。
聞こえないんだよ。
そうだ。
だから「そうだ」じゃないんだ。
な?分かるか?はい。
だから…。
お前意味を把握しろよ。
もう1回頭たたかれれば理解できますって。
お前3回以上たたいてるからな。
あっそう。
「あっそう」じゃねえだろばか野郎。
ここで会話が成立しちゃってるじゃねえかお前。
耳を塞いだら聞こえないんだからな。
絶対返事すんな。
今うなずかなかったか?いいえ。
聞こえてんじゃねえかばか野郎!訳分かんねえよ!訳分かんなくないよ。
聞こえないんだから反応すんな。
分かるな?だからうなずくな!はい。
うなずくなって言ってんだよ!あらららら…。
「あらら」じゃないんだばか野郎。
大丈夫か?はい。
駄目じゃないかよ!すいませんすいません。
大丈夫か?はい。
な。
聞こえる?聞こえない?聞こえないの?大丈夫だな?やっと物事を把握できるようになったな。
よし。
それだけ集中力がありゃ大丈夫だ。
よし。
その前に一杯どうだ?ああありがとうございます。
いいわもう。
(笑い)
(拍手)
(拍手)え〜どうもようこそのお越しで。
何しろなんですね噺家になって今年で75年目でございましてね。
(拍手)いや恐れ入ります。
こんな年になっても相変わらずばかばかしいお話ばっかり申し上げておりますがどうぞ一席おつきあい願いますがね。
今の時代はもう東京にあった事がすぐ世界中の事をみんなすぐ分かっちゃう。
いい時代ですけどね昔は大変だったらしいですな。
江戸にあった事が大阪へ知れるまで半年ぐらいかかったっていうんですよね。
ですからもうちょっとした山の奥なんか行った日にゃものの分からない所ってのは随分あったそうですね。
昔の小ばなしでございますけどもおまんじゅうを知らない村ってのがあったんですってね。
おまんじゅうを知らない村の道路にですね大きなおまんじゅうが落っこってたんですよ。
「お〜う。
あにしてっだよ?あにしてんだって」。
「ちょっけえ来って。
ちょっくらこけえ来って」。
「あんだって?」。
「これ見てみろこれ」。
「え?あら。
色の生白げな真ん丸け目も口もねえもんだなこれ。
あんだ?」。
「分かんねえだよ。
さっきから見てるけどちっとも動かねえだ」。
「ふ〜ん。
これ一体あんだべ?」ってんでね鍬の先でもってまんじゅう動かしたんですよ。
まんじゅうが弾みでポコッと動いた。
「これ生きてるぞこれ。
え?虫に違えねえなこらあ。
ぶち殺してくれべえ」ってんでね鍬でもってパチンとたたいたらば割れて中からあんこが出てきたんですよ。
「ワッハッハッ!虫だ。
昨年小豆の出来が悪いと思ったらこの虫がみんな食いやがった」って。
もうこう話が分かんなくちゃしょうがありませんがね。
「どうなさいましたな?村中の方お集まりで」。
「先生様にお願いがあって参ったんでごぜえやすがほかの事じゃごぜえませんがこの間庄屋さんとこへ嫁御が参りましてで皆でもってお祝いを届けたらば『その返礼だで今晩ごちそうするから来てくんろ』という。
先生もおいでになる?話は早いこんでね庄屋様のごちそうだ。
芋の煮転がしでも食わしてくれんのかと思ったら本膳の総振る舞えだっちゅうですよ。
本膳なんちゅうのは俺見た事も食べた事もねえもんだから誰かと思ってうちのばあさんに聞いたらばあさんも『1度城下に奉公してる時見た事はある』って。
『食べ方だの行儀作法が難しいからよく知ってる人に聞いた方がよかんべ』ってこう言うで。
ああそれから村中36軒集めて『本膳の食べ方知ってるか?』っちゅったら『おら知らねえ』『我も知らねえ』。
みんなでわあわあ騒いで『どうすんべ』『ああすんべ』『こうすんべ』中には『夜逃げすべ』なんちゅう…。
でまあ『これは寺子屋の先生様に伺った方がよかんべ』っちゅう訳でお訪ねした訳ですが先生ひとつ本膳の食べ方っつうのを教えてもらいてえもんで」。
「ああそうですか。
はいはい。
食べ方ってそんなに難しくありませんがなでもこれ一人一人に教えてては今日の間に合いませんね。
こう致しましょうか。
今晩私のご一緒に行ってまことに失礼ながら私が上座へ座らして頂く。
後皆さん方続いて頂いて私のする事なす事皆まねをなすったらいかがなもんでございましょうな?」。
「まねならできねえ事ねえな?みんなできるそうでごぜえます。
よろしくお願え致します」。
「はいはい。
じゃあそういう事ですから皆さんまちまちに行くとどうも都合が悪いので一度うちへ集まって頂いてご一緒に」。
「かしこまりましてごぜえますで。
『今晩は紋服を着て』?ああさようでごぜえますか。
ではよろしくお願い致します。
お邪魔致しました。
ごめんくだせえまし」。
「ごめんくだせえまし」。
「ごめんくだせえ」。
「ごめんくだせえ」。
「ごめん…」。
「ごめん…」なんてんで。
36人みんなうちへ帰りましてね夕方になると紋付きの羽織袴で先生のお宅へ集まってくる。
先生と一緒に庄屋さんのお宅へ。
奥へ通されますと先生はもう慣れた方ですからね床の間を背にして一番上座に座った。
そのあとね村の連中がドカドカドカドカドカドカドっと座りましてねそのうち先生が恭しく一礼に及ぶと「ほれほれ先生のまねするだ。
おじぎするだおじぎ。
どたま下げろ〜」。
下げた。
「下げたか?みんな。
え?何だ?4体目に出っ張ってるやつがいるな。
どんどろ坂の茂十か?おめえ後ろへすされ。
頭が出てっからすされって。
え?『後ろに壁があって下がれねえ』?はあ〜おめえの頭人並みすぎれて長えかな?今更切る訳にいかねえし。
どたま上げろ。
上げたれば手を膝の上つっけえとくだ。
手を膝の上へ載っけとけっていうの!何だって鼻の穴へ指突っ込んでかき回してるでねえよ。
下へ置い…。
え?何だ?鼻の中から変なもの引っ張り出して。
指先でこねってやら。
ばか。
じっとしてろって。
え?こねたのどうすんの?それ。
『そこら辺へ吹っ転がす』?人が踏んづけたら汚えでねえかよ。
どっか始末しろって。
しまえって。
座布団の下なんか入れるでねえよ。
懐なんて入れていかねえ。
たもとへじかに入れたら汚えって。
ったくまあ。
そういうものはなちり紙にこうくるんでたもとへ入れといて後でふてるだ。
うん。
え?『ちり紙持ってねえ』?ばかだおめえは。
こういう時にちり紙持ってくるのは常識っつうもんだよ。
おらが持ってる訳ねえでねえかよ」。
(笑い)「その丸めたものどうすんだ?汚い。
また元の鼻の穴入れてるよ。
じっとしてろってほら。
え?本膳が出た出た。
俺の前も来た。
みんな行き渡ったか?え?今度は先生のする事間違いねえようにな。
先生…あっ左手伸ばした。
わんの蓋を取る。
わん…わんの蓋吸い付いて取れねえなこれ。
先生は頭いいな。
わんの縁さキュッとつかむだよ。
蓋がポコッと持ち上がるだ。
な。
これをこうキュッと。
わんを握り潰すやつがあるかよ。
ちっとっべ力入ればいいのよ全く。
野良仕事してる訳でねえから。
でおわんを持っておわんを持ったればヘヘヘ。
吸うで。
吸うで」。
「一吸い吸ったら下置くだ。
え?何?二吸い吸った?そんだ吸っちゃ駄目だ。
え?一口でみんな入っちゃった?半分戻せ〜!」。
大変な騒ぎですがね。
そのうち先生がお平のお芋を挟んで食べようとした。
箸が塗り箸なんですよね。
で挟むものがいけなかったですね。
里芋だったんですよ。
あれ挟みにくいもんですな。
これをこう挟んでちょっとやるとツルッと滑ったんですよ。
これは挟むよりつっついた方がいいだろうというのは先生のとんちでございますよね。
お芋の真ん中目がけてイヨッてやった。
芋がツルッと滑ったんです。
「見たか?」。
(笑い)「本膳がこれは難しいとこだおめえ。
え?芋さ芋こうやってつっつく…もう挟むでつっつく…繰り返してつっついてなこれこれこれこれ…こうやってこうやってん?お?」。
「突けねえもんだなこれ。
片手では駄目だな。
両手でいけ両手で。
この芋の真ん中目がけて…おいおいおい…。
膳から飛び出しちまったなこれは。
誰も突けねえ?誰も突けねえ?じゃあなおらが音頭とっからよ誰が一番先突けるか競争すべ。
じゃいくぞほら。
ひいのふうのみい!」。
36人いっぺんにやったんですからね。
まああまりにもばかばかしくなっちゃった先生何やったってもまねするからね早いとこごはんを頂いてお開きにしちゃおうと思いましてお茶わんを取り上げてごはんを食べようとするとほら田舎の事ですからごはんが山盛りなんですよ。
食べようとした途端に鼻の頭へごはん粒が3粒ついたんですわ。
「見たか?おい。
本膳って難しいもんだなお前。
鼻の頭へごはん粒3粒つけるだよ。
こんな事なかなか教わったってできるもんでねえなこれはな。
あ…あ…。
おらの脂があってつかねえなこれな。
あ…。
ん?つかねえ?おめえなベットベトになってるここんとこ。
つき過ぎだ。
俺は指でやる指。
指でもってこうやってほら。
ここへくっつける。
どうだ?おら3粒ついたか?」。
「おらのどうだろうな?」。
「おめえのは2粒ばかり多い」。
「じゃあもったいねえから食うべ」。
「そだな事するでねえって!」。
先生横見るとね36人みんな鼻の頭へごはん粒がついてる。
これにはあきれ返っちゃってね先生ももうまねもいい加減にしろっていうつもりなんですね。
横にいた男を肘でもって軽くドンと突いたんですよ。
これが弾みで…。
「あっ痛っ…」。
「お〜痛え。
本膳って痛くなってくんのかなこれは。
そんだりば野郎こん畜生。
この!」。
「痛え!」。
「ばか!ばか!おら事たたくやつがあるか!礼式だ。
脇にもらったら次に回すだ」。
「礼式か?これ。
お〜痛え。
これ息が止まるかと思った。
隣に回すのか?よし分かった。
おいおい。
キタゾウ」。
「え?何だ?」。
「『何だ?』でねえ。
俺がこうやってつっつくからおめえこの脇の下で受け止めろ」。
「んなものいら…いらねえ」。
「『いらねえ』でねえよ。
これは礼式だ。
もらったら次に回すだ」。
「れ…礼式か。
そうか。
じゃあまあか〜るく…」。
「そうはいかねえ!」。
(笑い)「今隣から目ん玉飛び出るほどやられたからな。
それにおらおめえに恨みもあるからよ〜。
いくぞほれ!ひいのふうのみい!」。
「うわ〜っ!」って大変な騒ぎですよね。
順に順にやってきましてね36番目のドン。
「今度こそ俺の番だから思い切り打つったよ!」ってグ〜ッと身構えると横が壁で誰もいないんですよ。
「先生この礼式はどこへ持ってくで?」って。
「本膳」っていうばかばかしいお話で。
(拍手)今朝のお客様でございますけども大阪は河内平野が生んだ世界の歌姫天童よしみさんでございます。
どうぞ。
あっ。
おはようございます!おはようございます。
おはようございます。
どうぞよろしくお願い致します。
うわ〜うれしいです。
お久しぶりでございますね。
お久しぶりでございます。
ありがとうございます。
何かねいろいろ会ってるんですけどもお久しぶりだと思うんですけども天童さんは顔があんまり変わらないから何かしょっちゅう会うてるような。
いつ会うても子どもさんみたいなね。
いや〜でも本当にあの…。
年取りまへんな。
ああそれはうれしいですね。
年を重ねるごとにそういうふうに言って頂けるのは非常に私自身もうれしいですね。
まああのデビューの当時は華々しかったですよね?そうですね。
いろんな話題もありましたしすごく…。
とにかく天才少女いうか…子どもだった訳じゃないですか。
今でこそ15〜16で何かみんなずらっと並んでたくさん歌ってますけどあんまなかったですもんね。
そうです。
もう本当に私ぐらいじゃなかったでしょうか。
10代でデビュー。
どっちかというと大人の歌でしたよね?もちろんそうです。
演歌です。
どんな演歌でしたですかね?「風が吹く」という曲で。
「風が吹く」。
「オレが生まれたあの村は海山千里に風が吹く」っていう…。
十何歳で歌ってました?14歳頃です。
15歳ですかね。
15歳で?15歳になった時に。
「オレが生まれた」…。
はいそうなんです。
でもねずっとこうして歌ってきて文枝師匠が私が住んでる八尾市…大阪府八尾市なんですよ。
八尾市のどっかに会館かどっかに文枝師匠が来られてそれで文枝師匠が「この辺に確か八尾出身のよしみちゃんっていてたやんなあ?」って何かお知り合いの方に聞かれたそうですわ。
その時そのお知り合いの方が私のとこに連絡あって「文枝師匠が来られてるよ」っていう事で私会いに行って一緒に写真を撮らしてもらったんですよ。
はあ!すごく思い出深い写真がですね今あるんですよ。
持ってきてるんです。
あっすいません。
お願いします。
実はですねこの中にですね…師匠これです。
あら!はい。
文枝師匠と私です。
もうこれすごい大事な私の宝物なんですよ。
これよしみさん?はい。
私です。
これデビューして間もない…間もない事はないんですけど何年かたってますね。
はい。
きれいですやん。
ありがとうございます。
これ僕でっか?ほんまにそうですって。
文枝師匠ですって。
ねえ。
まだ若かったですねえ。
いや〜僕パッと見た時ねジャニーズかな〜…。
どちら側ですか?あの…文枝師匠…。
いやジャニーズに女はいてないやろ。
こういうロン毛のいませんか?このころにまあ変な話ね「結婚してくれ」とか「一緒になりたい」とかいう男の人寄ってくる人多かったんちゃいまんの?このころですか?ええ。
このころどうでしょう…。
今思い出してもあんまりそんなにいらっしゃらなかったように思いますね。
あえて来てもものすごくバリケードっていうかねうち一人娘なので。
私一人っ子なんですよ。
でね前に本当にこれも昔の話なんですけどデビューした頃に寝台車ありますね…列車。
その時にちょうど文枝師匠の番組が終わって私らも一緒に大阪にその列車に乗ってね帰らなければならなかったんですよ。
はい。
ほかにゲストの方たちもいっぱい…女性の方でいらっしゃって私だけが文枝師匠と寝台特急に乗ったんですよ。
はい。
その時に私も乗ってたんで。
へ?何か言われるかなと思ったんですけどひと言こう言わはったんですよ。
「ほかのゲストはみんな何で乗ってないねん」って言わはったんですね。
ほんで私は「知らん」言うたんです。
本当につくづく…。
もう懐かしいですねとっても。
懐かしいですね。
でもね本当に私がデビューしてねずっと…まあ行ったり来たり…東京と大阪行ったり来たりの生活。
そしてまた全国にも行かなきゃならないっていうふうになって。
やっぱりでも八尾から電車の駅に東京へ行く時に父が出迎えてくれて「お帰り」って言ってくれたりそしてまた私が東京に行く時も父が「行け」っていうねそういう言葉を…大阪弁の本当に「行ってこい」「行け」っていうねこれがものすごい私にもう何か強くなれっていうふうに父の思い出はものすごいんですよね。
だから私八尾っていう所はもう捨てられへんし忘れられない所ですね。
あそこはちょっとおもろいとこでんな。
河内いうのはね。
あの…特別ですね。
特別ですねあそこはね。
特別なんですよね。
私あの〜師匠コンサートねよく八尾のホールでやるんですよ。
毎年やってまんの?ええ。
一年に1回ぐらいは必ずやってるんですけどそれが面白い事にファンの方って東京の方やら東北の方やら北海道の方やらいらっしゃるんですけど私が八尾に帰るとそのまんま自然にトークなんかもおしゃべりなんかもするもんやからそれを聞きに全国からほとんど集まってきてくれるんですよ。
全国から八尾に来るいうたらすごいですよね八尾の経済効果もね。
そうですね。
ほれで司会…普通昔の歌手はね司会者がいてとか…もうみんなお一人で司会もやるいうかしゃべりもやって?そうです。
曲の進め方も。
だから難しくなりました。
やっぱり曲が…おしゃべりしたあとですからそれによって歌が影響しないかとかそれがすごくありますけど。
でも自然にもうしゃべらせてもらってます。
どんな事しゃべって…どんな感じでね八尾のコンサートいうのは…?あの〜えっとですね八尾であった出来事とかそういう事を普通にお話ししてるんですけど八尾の人って作らんでも本当に面白いんですよ。
何かもうあちこちにいっぱい面白いお話があって。
一番面白いって言ったらあれですけど病院ですね。
健診に私行った時の話なんですけど待合室でね順番どおりに待ってたんですよ私も。
で血液検査してそして待ってたんですよ。
前にご夫婦いてはって今診察終わってきたばっかりのご夫婦やったと思うんですよ。
ちょうど前座りはってそれでご夫婦が…ご主人さんの方ですかね「おかあちゃんさっき先生何て言いよったんや?」言うて。
で「何言うてんの?」。
大阪弁やね。
「何言うてんの?」。
「何か言うとったやんか」。
「何?あんたの病気の事?」って言うたら「せやで」。
「聞こえへんかったんかいな」って言うてるんですよ奥さんが「聞こえへんかったんかいな」。
「そやねん。
わし聞こえへんかってん。
はっきり分かれへんかった」って言うたら「何て言いよったんよ?」。
「いや〜あんた重病やて」言うて。
「もう治れへんねんて」。
「え?」言うて言うてるんですよ。
「何やて?何て?聞こえへん。
それも聞こえへん」。
「重病やねんて。
治れへんねんて。
一生もんやて」。
「ほんま笑わしよんな!」って言うたんですよ。
ご主人が「笑わしよんな!」って言うたそのひと言で全部こう包み込んでしまったんですよ笑いに。
しかし「笑わしよんな」いうのは大阪の言葉でよう昔から言いますけど最近あんまり聞けへんかったけどそれおもろいでんな。
そこへ持ってきたんでね。
「笑わしよんなほんまに」。
「笑わしよんなほんまに」。
「重病やて」。
せやけどあなたのしゃべり方もほんまにおもろいでんな。
そうですか?落語家みたいやね。
いやいや…とんでもない…。
ちゃんと言葉を使い分けてまんな。
おとうさんとおかあさんの言葉をね。
うまい!いや〜!うれしいです。
素質がありますわ。
本当ですか?ええ。
すごいうれしいです。
もうちょっと聞かして…。
もうちょっと…。
もうちょっと…。
2015/12/13(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
桂文枝の演芸図鑑「コント山口君と竹田君、三遊亭金馬、天童よしみ」[字]
落語家・桂文枝が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸はコント山口君と竹田君のコント、三遊亭金馬の落語。対談のゲストは天童よしみ
詳細情報
番組内容
【出演】コント山口君と竹田君,三遊亭金馬,天童よしみ,【ナビゲーター】桂文枝
出演者
【出演】コント山口君と竹田君,三遊亭金馬,天童よしみ,【ナビゲーター】桂文枝
ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他
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