ここから本文です
最終更新:2015年12月17日(木) 19時46分

南海トラフ巨大地震、超高層ビル揺れ幅最大6mの恐れ

 静岡県沖から宮崎県沖にかけての南海トラフ沿いで巨大地震が発生した場合、大阪や東京の超高層ビルでは、揺れ幅が最大で6メートルにも及ぶ大きな揺れに見舞われる恐れがあることがわかりました。

 東日本大震災をもたらした巨大地震の発生直後、東京など各地で、超高層ビルが大きく揺さぶられました。その犯人は、「長周期地震動」と呼ばれる、周期の長い揺れです。

 政府・中央防災会議の検討会は、南海トラフ巨大地震が発生した場合、長周期地震動による揺れが、あわせて7つの府県で300秒=すなわち5分以上、神戸市と大阪市の沿岸部の一部では400秒以上も続く可能性があるとの計算結果を発表しました。

 揺れの長さは、首都圏・中部圏・近畿圏の三大都市圏で特に目立ちます。

 「大阪・名古屋・東京、こういう大きな平野は何千メートルもある厚い堆積層、柔らかい地盤に覆われている。そういうところでは長周期の地震動が共振・共鳴を起こして何倍にも増幅され、閉じ込められ$FD9$$;~4VB3$/!#$=$&$$$&FCD'$,$"$k!W!JEl5~Bg3XCO?L8&5f=j 古村孝志教授)

 さらに、超高層ビルそれぞれの揺れやすい周期と、長周期地震動の揺れの周期が近づけば、大きく揺れる「共振」が起きます。今回の報告では、高さ200メートルから300メートルの超高層ビルの最上階が、大阪市住之江区の埋め立て地では、最大6メートルの幅で揺れると予測しています。一方、18階建ての超高層ビルを想定した実験では、たとえ最大級の揺れに見舞われても、超高層ビルが倒壊する可能性は低いとの結果が導き出されました。

 とはいえ、安心はできません。たとえ建物が無事でも、室内は、家具や冷蔵庫などが転倒する可能性があり、特にキャスターの付いた家具類は、「極めて危険な凶器」になると報告書は指摘しています。

 「絶対に家具は固定しなければならない。だんだん家具はみんな集まって一緒に動くので、逃げ場を失う」(名古屋大学減災連携研究センター 福和伸夫教授)

 超高層ビルが建ち並ぶ三大都市圏にとって、南海トラフ巨大地震がもたらす長周期地震動は、東日本大震災を上回るかつてない脅威であり、備えが急務です。(17日17:27)

2015年12月18日(金)のニュース一覧

社会

政治

経済

国際

スポーツ

列島トピックス