今年19年ぶりに「紅白歌合戦」への出場が決まった近藤真彦51歳。
ジャニーズ事務所の先頭を走り続けデビュー35周年を迎えました。
トライアスロン日本代表として今年世界選手権にも出場。
アイドルを超えた活躍を見せています。
そんな近藤さんをデビュー以来35年間見つめてきたのが直木賞作家伊集院静さん。
近年は大人のあるべき姿を説いた「大人の流儀」がベストセラー。
今彼の言葉に注目が集まっています。
また伊達歩の名前で「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」など近藤さんの代表作の作詞を手がけてきました。
でも本当によく頑張ったよ。
ありがとうございます。
「SONGS」近藤真彦。
尊敬してやまない伊集院静と大人の男の生き方を語ります。
ほんとに35年間で初めてコンサート行ったのが申し訳ないんだけど何か感激しましたね。
仙台から皮切りで今年ライブをずっとやってきたんですけれどその仙台に伊集院さんが来るってみんな大騒ぎして最初から最後までいてくれたっていうだけで奇跡だとかみんな言ってですね…。
近藤さんは1980年16歳の時「スニーカーぶる〜す」でレコードデビュー。
いきなりミリオンヒットを飛ばします。
そのデビューシングルのB面が「ホンモク・ラット」。
この曲の作詞をしたのが伊集院さん。
作詞家とアイドル2人の関係はここから始まりました。
僕は鮮明に覚えてるんですけど伊集院さんと初めてお会いした時にがたいが大きい人が現れたなとスタジオに。
何かこう影みたいなものを感じたんですよ。
大きな黒い影みたいなものを感じて。
今も言われますけどね。
ああそうですか。
最初スタジオでお会いした時どこのヤンキーが来てるのかなと思ったもんね。
それで声を…それが私が最初に見に行った時だからああこれは人の話はあんまり聞かないなっていう感じでもう少しアイドルの人っていうのは何か愛嬌みたいなものがねあったんだけど…そうですか?こんなにとんがってて…ただねスタジオでねディレクターの人たちだとかミキサーの人たちが指示をしていた時に何かうまくいかない事があってねその時に「どうしたらいいですかね」とかそういうんじゃなくてあなたが「俺は一生懸命やってんだよ」っていう顔をした時にああもしかしたら生き残る可能性はその辺にあるなと思ってね。
ハハハ…そうでしたか。
伊集院さんは80年代CMディレクターとして活躍。
ユーミンのコンサート演出も行うなどクリエーターとして注目を集める存在でした。
甘いだけのアイドルの歌ではなく近藤さんから感じた男気が伝わるような力のある歌を作りたい。
伊集院さんは勝負を懸けます。
4枚目のシングル「ギンギラギンにさりげなく」。
強烈なタイトルと男の思いがストレートに描かれた歌詞で近藤さんの硬派な魅力を引き出し見事レコード大賞最優秀新人賞を獲得。
その年の新人賞を総なめにし「紅白歌合戦」にも初出場しました。
僕は「ギンギラギン」の前に何曲か歌ってたんですけど「ギンギラギン」をやっぱり歌ったあとからは小学生中学生おじいさんおばあさんから「マッチ」って言われるようになりましたね。
私もそれまで100曲近く詞を作っていたんですけどねでも「ギンギラギンにさりげなく」という詞を書いた事で何というかもちろん仕事のね注文とかも増えるんですけどそれ以上にあっこの人は…いやいや本当にそうなんですよ。
17歳でアイドルとしてトップに上り詰めた近藤さん。
二十歳を越えた頃からアイドルとしてこの先どう生きていけばよいか悩み始めます。
そんなさなか母親が交通事故で亡くなりました。
試練の時を迎えた近藤さん。
同じ頃伊集院さんは新たに挑んだ小説の世界で納得のいく作品を生みだそうと格闘する日々でした。
人生の転機を迎えていた2人。
そのころ伊集院さんが近藤さんに書いたのが「愚か者」です。
今近藤さんに必要なのは大人への階段を上る歌だ。
伊集院さんはあえて酸いも甘いも噛み分けた大人の男が歌うような歌詞を書き上げました。
アイドルの曲からまあその大人の曲もちょっとざっくり言うとちょっと酔っ払いの…。
そうだね。
酒飲みの…その歌を歌わせてくれたっていうのは非常にうれしかったですね。
そういうのはねある時期必要だと思うね。
「愚か者」は22の僕にはちょっと早いけども背伸びしてもう少し遠くを見てみなよというようなメッセージですよね。
それともう4年目ぐらいで「アイドルずっと続けるの?」というところがあってところがすごくいい答えあなたもスタッフもね…私もちょうど少し小説の方へシフトをね置かなきゃいけないっていう時で自分が変化しなきゃいけないっていうか…伊集院さんご本人が?私は突破したかったんで。
ハハハ…。
だけどあの「愚か者」とか「酒の器で街を走る」というのは私そのものだから。
そうですね。
世の中には間違いなくお酒で救われている人たちがいて人間が懸命に生きていくんだけれども報われないとか何かこの納得いかないとかねそういう事をある時全部消せてしまう瞬間というのがお酒の中にあってっていうね。
ちょうど僕あの…人生で一番辛いとか寂しくなった時期と重なったんですね。
「愚か者」を頂いた時期が。
だからう〜んそう…何かこう励まされたというか。
時々酒場で会ったりしてたからその時は詩人である自分とアイドルであるあなたっていう事は度外視してあなたのプライベートなとこね今こういう事が家族にあって辛い目に遭ってるとかいう事は他の人よりも少し分かっていたから。
私は随分近しい家族を若い時に亡くしてたからでもこれは耐えるしかないしそれで同時に家族が亡くなったりするっていう事は実は隣の家にも誰にでもあるっていう事が亡くしてみて初めて分かるからね。
亡くすと初めて人は「実は僕も…」って話でね実はそういう事はねみんな人間はいろんな悲しみ抱えてるんだけど平気な顔して口に出したりねしないからそういう意味ではあなたも必要以上にねいや〜って事を泣き言言わなかったと思う。
お酒飲みながらでも飲まなくてもちょっと僕に何か問題が起きて寂しくなった悲しくなったっていうタイミングで伊集院さんと会う機会がたまたま何回かあって…。
そうだね不思議だね。
そこでお酒かわしながら直接その話をするわけではないんですけど家に帰った時に何かこう楽になれたっていうのは本当にありました。
まあ私でもほとんど酔ってましたからね。
やっぱり最近「愚か者」をいろんな場面で歌わせてもらうと何かこうやっとしっくりくるようになったかなっていう。
ああそうですか。
それまでは一生懸命歌って歌詞を理解しようしようと思って自分なりに理解して歌ってるんだっていうふうに言い聞かせて歌ってるんですけど今思えば2223の「愚か者」はちょっとな…。
最近「愚か者」を歌っててああ50過ぎてやっとやっぱすごいな歌の力っていうのが分かってきたような気がするんですけど。
近藤さんは今51歳。
大人の男性として更に輝きを増しています。
44歳でトライアスロンを始め今年ついに日本代表として世界選手権に出場しました。
ジャニーズの後輩たちからは頼れる長男的な存在として慕われています。
また二十歳でカーレースの世界にも飛び込み現在は監督として着実に実績を挙げています。
まあ伊集院さんもファンの方もスタッフも近藤真彦がすごく上手に器用にそういうふうに聞こえるように努力をして頑張る姿ってあまり期待されてないような気がするんですよ。
わりと正面から…それは歌でもお芝居でも例えば後輩たちと出るテレビ番組でもそこで笑われようがこけようが「ほんとに51歳になったんですか?」って言われようが今の俺はこれなんだっていう…しかも今ねこの年になってトライアスロンやり始めてそれでプロの連中でも大変な時に50歳以上で日本代表に選ばれて…そういうのはいないの。
山のようにアイドル出てきたんだよ。
その中であなたのように自分がこうだって決めてまだこういうふうに走り続けてるっていう事は関わったスタッフとしては誇りだし今からもっとあなたがどんどん進んでほしいっていうね。
今年35周年を迎えた近藤さんに伊集院さんは新たな詞を書き下ろしました。
タイトルは「大人の流儀」。
大人はどう生きていくべきなのか本物の大人とは。
このテーマを著書で追究してきた伊集院さんに近藤さん自らが依頼してこの曲が生まれました。
もっと「流儀」っていう言葉を理解したい理解したいなんて思いながらもあっ伊集院さんに「大人の流儀」っていうテーマで僕に曲を書いて頂きたいと。
大人という事で説明をするとね大人にはやっていい事とやっていけない事があるという事を決めるかどうかっていう事が大事でじゃあ何を基準に決めるかというとこれは2つしかなくてそれは卑しくないかとつまり品格があるかと。
もう一つはそれはそうした時にあとで自己嫌悪になったり…だから品格と誇りというものを基準にものを判断してどうするかという事を選択していくと…だから安い事をしちゃ駄目だから。
僕たちが子供の時に見ていた大人っていうのはもう少しちゃんとしてたような気がするんだけどそれは繰り返してる事かも分からないけれども今日本の男の人たちとかねそういうのがちょっと軟弱だって言われるのは…本当は軟弱じゃないんだけどもねだけどそれはねまあ本当に切ない事なんだけど…いや〜いい話だ。
いやいやそんな事ないよ。
ほんとにいい話ですね。
なるほど〜そうか〜。
ありがとうございます。
分かりました。
2015/12/12(土) 23:40〜00:10
NHK総合1・神戸
SONGS「近藤真彦〜伊集院静と語る“大人の流儀”〜」[字]
今年デビュー35周年の近藤真彦が初登場。今回、「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」など、多くの近藤作品の作詞を手掛けてきた作家・伊集院静と豪華対談が実現。
詳細情報
番組内容
今年デビュー35周年の近藤真彦が初登場。今回、「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」など、多くの近藤作品の作詞を手掛けてきた作家・伊集院静と対談。近藤が「伊集院と、その詞から学んできた男の生き方」、逆に伊集院が「近藤への作品の中で描きたかった世界、『男』近藤真彦の魅力」を語る。そして、代表曲2曲とともに、今年、伊集院が近藤のために新たに書き下ろした「大人の流儀」を届ける。
出演者
【出演】近藤真彦,作家…伊集院静
ジャンル :
音楽 – 国内ロック・ポップス
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー
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