NHKスペシャル 私たちのこれから「#介護危機 あなたの老後を守るには」 2015.12.12


今、日本各地の介護の現場が危機的な状況に陥っています。
先日、放送された番組でも届け出が行われていない施設が行き場のない高齢者の受け皿となっている実態が明らかに。
厳しい介護の状況を私たちはどう乗り越えていけばいいのか。
日本の介護が大変。
そう。
さらに事態が深刻になるのはこれからなんだ。
これから?団塊の世代が75歳以上になる2025年。
後期高齢者の数は2200万人近くに膨れあがる。
介護を必要とする人は現在の600万人あまりから800万人以上に急増。
えー!介護にかかる費用も現在の10兆円から21兆円にまで膨れあがるとみられているんだ。
21兆円…。
想定を上回る事態に国は介護にかかる費用をなんとか抑えようとしている。
ことしから介護サービスを受ける際の…介護事業者に支払われる…大幅な制度改正に踏み切った。
この男性は妻が入所している施設の利用料が2倍に。
実際の金額の負担がそれが倍になるっていうと…それだけじゃない。
2025年には介護を担う人材も38万人不足するといわれているんだ。
えー!自宅でも施設でも介護を受けられない。
いわゆる介護難民がおよそ43万人に上るという衝撃的な試算も。
介護の危機に直面する日本。
私たちの老後はどうなるのか。
一人一人どう備えていけばいいのか。
みんなで考えていこう。
生字幕放送でお伝えします
テリーさんがいたのできょう、めちゃくちゃになっちゃうんじゃないかと思いますけど。
ただ、ちょっとこの問題はよく国がこういうふうにしていこうって指針を出してくれるけど結局、それは改正に向かっているというよりもむしろ、負担を正式にはい、こういう負担になりますよという提示ばかりでよくなっていくという空気は感じないですよね。
老後を支えてくれる介護保険制度の根幹が揺らいできてるんです。
介護難民の人たちも出てくるかもしれないって。
一体、老後をどう守っていくのか。
なんとかしないといけないですよ。
山里さんや私のような30代にとっても10年後なんてすぐきますから親や周りの人の介護すぐきますからね。
両親は、きょうのことを自分のことだと思ってちゃんとやってこいよっていってましたから。
ひと事じゃない若い世代にとっても大事なことですからね。
介護難民にならないための手だてきょうは徹底的に考えていきたいと思っています。
皆さん、番組にリモコンのdボタンを押して参加してください。
放送中、このような形で「気になるボタン」が画面の下に表示されます。
テレビをご覧になっていてそこのとこ、もっと知りたいとかそれ驚いた!というようなことがあって気にかかったときは緑のボタンを押してください。
画面のグラフに皆さんの反応が表れるようになっています。
後ほど集計して一番、気になった部分がどこだったのか後ほど、振り返っていきます。
そして、たくさんの声が届いています。
介護に関する質問や、ご意見ツイッターやメールでお寄せください。
お待ちしております。
皆さんからの質問にはこの方にお答えいただきます。
ケアマネージャーとして長く介護現場にいらっしゃいました東洋大学准教授の高野龍昭さんです。
介護の危機が迫る中国も、増え続けている介護の費用を抑えようと大きく、かじを切りました。
私たちの身の回りにもいろんな影響が出てきています。
国が介護にかかる費用を抑えるって、どういうこと?まず、一定以上の収入がある人は介護サービスを利用する際の自己負担が引き上げられることになったんだ。
これまでの自己負担の割合は原則1割。
それが、ことしから年金の収入が、独り暮らしで年間280万円以上2人以上の世帯では346万円以上の場合原則2割負担になった。
ほかに特別養護老人ホームなどの施設を利用する場合も国から補助を受けられる条件が見直されたんだ。
国は、今後さらなる自己負担の引き上げを検討していくとしている。
決して、ひと事ではないんだよ。
そうなんだ…。
金沢市に住む79歳の小林さんです。
小林さんの妻は認知症で特別養護老人ホームに入所しています。
夫婦の1か月の収入は2人の年金合わせておよそ20万円です。
これまで施設に払っていた費用は月およそ6万8000円。
ところが、ことしの8月からはおよそ13万7000円になりました。
小林さん夫婦は、これまで世帯を分けていた妻の年金4万円を基準に国から補助を受けていました。
8月からは小林さんの年金も合わせて判断されることになり補助が認められなくなったのです。
光熱費を除くと手元に残るのは、月およそ3万円。
生活費を切り詰めざるをえなくなりました。
それは介護保険制度が厳しい状況に置かれているからなんだ。
15年前それまで家族が支えていた介護を社会全体で支えようと始まったこの制度。
介護がどれくらい必要かに応じて7段階に分けられそれぞれに適したサービスを組み合わせて利用する。
利用者の自己負担は原則1割だったよね。
うんうん。
残りの費用は40歳以上が払う保険料や税金で賄われているんだ。
だけどその費用の推移を見てほしい。
制度が始まった当初年間3.6兆円だったのがいまや10兆円に。
えー!2025年には21兆円にまで膨れあがると推計されているんだ。
そんなに膨れあがっちゃうんだ!国の財政が厳しい中このままでは、制度そのものが立ち行かなくなるおそれがある。
そこで、ことし初めて自己負担が引き上げられたんだ。
そうだったんだね…。
例えば、全国で52万人が入所を希望し、待機している特別養護老人ホーム。
これまで要介護1から5までの人が入ることができたんだけれどことしから原則要介護3以上でないと入れなくなったんだ。
え?どうして?それは、より要介護度が重い人に重点的にサービスを提供しようという国の方針なんだ。
うーん…それも大事だね。
うーん…もしかしたら今までのようなサービスを受けられなくなるかもしれない。
そんな〜!実はことし、各地で介護事業所の閉鎖や倒産が相次いでいる。
東京だけでも10月までに、およそ500件。
その要因の一つが、ことし4月に事業所の収入となる介護報酬が引き下げられたことだとされている。
おはようございます。
寒いね。
比較的要介護度の軽い人が多く通う小規模デイサービス。
介護報酬が特に大きく引き下げられました。
このデイサービスでは人件費を抑えるため9人いる職員全員のボーナスをカット。
これまでどおりのサービスを続けられるか経営者は不安を感じています。
うーん…国の財政は厳しい。
でも、負担が増えたりサービスが受けられなくなるのは困っちゃうよね。
とりあえず日本だと思ってますけど。
テリーさん、団塊の世代でいらっしゃいますけど。
というのは、僕は結構こう見えても気遣い屋だから介護を受けるのも申し訳ないなと思っちゃうんで…これを皆さんそれぞれのお宅でやらなきゃいけないっていったら大変なことですよね。
まずね、ちょっと皆さんに素朴なことで伺いたいんですけど。
財源が足んないっていうことで介護自己負担増。
介護サービスが少なくなる。
(菊地)身勝手な話だと思いますよ。
(衛藤)全く使えないっていう話じゃないですよね。
こんなに増えたんだっていうのをすごく…。
小島さんは地域に根ざした介護の活動っていうのを目指して活動しておられるんですけど…本当に傾斜で少しずつ上がっていくなら分かりますが1000万、2000万の所得がある人も280万の年金しかない人でも同じになってしまうっていうのが非常に問題ですね。
こういう状況だから…結構、多いですね。
若い方が、どうですか?高齢者に負担がいってしまうのはよくないことだなとは思うんですが、やはり若者が…八代さん。
こんなことは分かってたのになぜ政府は、もっと早くから手を打たなかったのかと。
こちらにいらっしゃる中村秀一さんは厚生労働省のOBでいらっしゃいまして実は…私、先ほどの三宅さんの質問に…やむをえないかこの介護保険を守るのかとそういうことじゃなくて、私は…ここにいらっしゃる結城さんは社会保障のことに詳しくて介護の現場も詳しいんですが…もしかしたら政策を作った方はなかなか予想がつかなかったかもしれません。
そうなんだ。
介護保険制度が作られた目的の一つは高齢者を自宅で介護する家族の負担を補うことだった。
しかし、この15年で高齢の夫婦や独り暮らしの高齢者の世帯が増加。
夫婦共働きの世帯も増え家族を中心とした介護が難しくなってきているんだ。
結城さんはそうした社会の変化のスピードが国の想定を超えていたのではないかと言っているんだね。
(中村)そのご負担を皆さん、納得していただけるかと。
そのてんびんの話になるんですよ。
ここで、中村さんの指摘の背景となっているデータを見てみよう。
今年度の国の予算で介護の費用はおよそ2.8兆円。
医療や年金などと合わせた社会保障費は31.5兆円と全体の3分の1近くを占め国の財政を圧迫している。
中村さんは、介護サービスをさらに充実させるには保険料や税金の引き上げが必要になると言っているんだ。
この介護の状況を変えていくために…先ほどのVTRのような状況を目にすると…齋藤さん。
私、自宅で親の介護をしてるんですけれども…もうちょっと保険料だとか税金を負担してもいいんじゃないかなと僕は思ってます。
(橋本)でも、結局いつも消費税を上げるときに…いざ、それが通ると、なんか知らない間に減らされていて…例えば、オリンピックのときにエンブレムかなんかやるときにぼーんと何億円か捨ててるような状態じゃないですか。
私から見ると、国の予算の大きな枠からすると…結城さんどうなると思いますか?このままじゃ、みんな安心して老後を迎えられないよ。
さらに、深刻な問題がある。
介護を担う人材そのものが不足していることなんだ。
岐阜県にある特別養護老人ホームです。
現在入所しているのは79人。
さらに210人が入所を希望し待機しています。
去年、新たに増築してベッドの数を増やしましたが…。
人手が足りないためこれ以上、入所者を受け入れることができないのです。
ベッドが空いてるのにもったいない!その大きな理由の一つが賃金なんだ。
介護職員の平均月収はおよそ22万円。
全産業の平均月収と比べ10万円以上低い。
それに加え、介護の現場は重労働。
離職率は16.5%と以前よりは改善されたものの高いままだ。
実は日本には、ヘルパーなど介護の基礎的な資格を持つ人が380万人以上いるといわれている。
そんなにいるんだ!しかし、実際に訪問介護の現場で働いているのは30万人ほどにとどまっているんだ。
このままだと2025年にはおよそ38万人も介護人材が不足するといわれている。
そんな中、先月東京・六本木で行われたあるイベント。
多くのテレビカメラが集まる中登場したのは…。
若くて爽やかな男性たち。
介護の現場で働く介護男子です。
ことし9月には、こんな本も出版。
現場で、生き生きと働く自分たちの姿をまとめました。
その狙いは…。
介護男子、格好いい!実際、きょう、スタジオにはヘルパーの方いらっしゃるので…橋本さんは事業所?実は、この9月に2つ目をオープンしたんですが…若い人たちいらっしゃるんですがどうでしょう?介護っていう仕事。
普通に大学生活を送っている段階では…実際、つらそうとか夜勤があったりとかいうことを聞くと、どうしても…介護のイメージを少しでもよくしていきたいっていう活動がありましたね。
介護男子。
こちらにいらっしゃる岡さんもその一人。
僕、その前サラリーマンやってたんですけどめちゃくちゃつらくてそのあと、福祉業界に入って…それも含めて全部楽しかったんですよね、僕は。
くさかさんはですね介護の現場のことを漫画の作品にしてらっしゃるんですけど労働条件は厳しくても仕事自体は楽しい。
そういうことは?例えば、パックンさんはお笑い芸人ですよね。
楽しいですか?
(パックン)はい。
すごくそっくりなんです介護の仕事って、喜びは。
ドーンってウケたらもうやめられないでしょ。
例えば、本当に食えなくってもそこにしがみついてる芸人さんもいっぱいいるでしょ。
でも、それを誰も知らないんですよ、今。
今、お聞きしてもね、とにかく大変だからっていうイメージしか持ってないんですから。
パックン、もらってるんだ…。
それは、ちょっと驚きましたけど。
ただね、重労働に見合ったお金をもらえないだからそういう人たちは募集してもこないっていうのは全く納得が…。
じゃあ、お金を出してあげればいいと思うけど出すお金はどこにもない。
負担が増えるのも大変だっていうことありましたからね。
倍近くになっているって声もありましたし。
実際、高野さんはこの10年後、日本の介護ってどうなってると今、感じてますか?
討論の中でほぼ出尽くした感あるんですけど私が気になっているのは後期高齢者の増え方が地域によって違うそれによって地域によって起こる問題が違うので対処策を変えていかなきゃいけない。
具体的にどういったことなのかというと東京とか、埼玉とか、千葉とか神奈川とか、それから大阪とか都市部はこれから後期高齢者が2025年に向かって2倍以上となるのでそうすると介護サービスが全然足りなくて、まさに出てたように介護難民がたくさん出るということが心配です。
その対策、打たなきゃいけない。
一方で、私は実は島根県なんですけどもともと高齢化が進んでいた島根とか山形はこれから後期高齢者はあまり増えないんですね。
増えないどころか市町村単位で見たら減ってく自治体もある。
後期高齢者が減るということはお客さんが減っていくので今ある事業者の施設の経営がつらくなる。
うまいこと東京にいる人をとか…。
それも考えられていて議論が激しいんですよね。
それもよしあしです。
声でも、給料が少ないから人が増えない。
負のスパイラルだという声もきていていろいろ、不安の声ばかりきているんですけどただ、ちょっと討論の中で国の予算をもって介護に充ててほしいという話。
ただ財源が苦しいのでこのままでは、なかなか制度…。
財源が苦しいといっておいて先ほどおっしゃってたとおりロゴを作るのに数億円、ぽんって使った。
新しい競技場作るのに何千億使うってその感覚と、これを別の財布と考えてもいいのかと。
制度を維持するためにはいろいろ必要なこともある。
ここで、皆さんに聞きたいことがあります。
制度、維持するために増えるとなった場合介護保険を使う人の自己負担を引き上げるべきだと思うかそれとも保険料・税金を増やして幅広い世代で支えていくべきと思うかリモコンの青と赤のボタンから参加してください。
自己負担だという方は青。
保険料・税金だと思う方は赤。
では投票です。
世代別で見てみるとどうなんでしょうか…。
そんな世代の差はないですけどね。
赤でしょうか、青でしょうか。
投票締め切りました。
保険料・税金だという方は71%。
高野さんこの結果をどう見ますか?
その前に、この自己負担か保険料・税金どっちを増やすかというのはわれわれの業界で悪魔の質問といっています。
どっちも避けたいから。
結果はこう出たという話ですが自己負担を増やすというのは酷じゃないか。
小林さんのVTRでありましたね。
そこで、やっぱり、つらいからみんなで負担する保険料・税金でという意見が多かったんだろうと思います。
ただ、税金が上がるときにみんな、選挙のときに反対するじゃないですか。
なかなか上げるといい出しづらいし保険料も橋本さんや私のようなサラリーマンはサラリーマンは給料から天引きされているのは大きくなるのにあわせて社会保険料は会社も同じ額を出しているんです。
そうすると社長と会社が困るんですね。
そうすると会社の企業経営を圧迫するという要因もあるのでそこの合意を取り付けるのは結構大変なんです。
ここで「気になるボタン」がどうなったのか見てみたいと思います。
このような結果になりました。
介護職員の平均月収はおよそ22万円。
全産業の平均月収と比べ10万円以上低い。
それに加え介護の現場は重労働。
離職率は16.5%と以前よりは改善されたものの高いままだ。
賃金も低いし離職率も高いというところが皆さん、一番気になったようですけどもでは、このあとこの先38万人も不足するといわれる介護の人材をどう確保していくのかを考えていきます。
まずは、この問題に国がどう対応しようとしているのかご覧いただきましょう。
ことし9月政府は介護離職ゼロを掲げ施設の整備や人材の確保に力を入れる方針を打ち出しました。
それに先立って、ことし4月には新たな制度も導入されている。
要介護度の軽い要支援向けのサービスの一部が国から各地の自治体に任されることになった。
自治体みずからが地域の住民やボランティアなどを活用して人材を確保し、再来年度までに体制を整えなければならないんだ。
えー!そんなこと本当にできるの?いち早く動き始めた自治体がある。
その取り組みを見てみよう。
東京のベッドタウン千葉県流山市。
市の職員が自治会やボランティア団体を回り協力を呼びかけています。
流山市は、これまで資格を持ったヘルパーや介護福祉士などが行ってきた訪問介護のうち料理や掃除などの生活援助を住民に担ってもらうことにしました。
住民は2日間の研修を経て市の認定を受けます。
これまで流山市が介護の人材として認定したのは30人。
再来年度までに100人以上に増やしたいと考えています。
これとは、また別にね。
今の制度とかもそれがないとできないですよね。
なかなか急にね、全く今は例えばマンションですと…隣近所のそういう、つきあいという意味はいいと思うんですよ。
(堀)先ほどのVTRを見て思ったんですけど…担っている人々が…結城さん、どうしていくべきだと思いますか?忘れてならないのは…地域地域で担い手がいない人とか…中村さん、地域によって相当差が出てきてしまうんじゃないかって、そこのとこは。
まず、よい例をたくさん作って…そういうことも含めて考えていかないと…今、時代がそれだけ…プロの介護職員の処遇を改善し人材の確保につなげる方法があるという。
財源は不足する。
介護労働者の賃金は低い。
じゃあどうしようかでボランティアになってしまうわけですよね。
そうじゃなくて…注目したのは事業所の収入となる介護報酬。
介護職員の給料もここから出されている。
介護報酬はサービスごとに金額が決められていて例えば、デイサービスで要介護3の人を受け入れると1日およそ1万円。
訪問介護でヘルパーが着替えやおむつ交換などを行うと1回およそ4000円だ。
八代さんの提案では、例えば利用者がスキルの高いベテランのヘルパーを希望した場合追加で指名料を受け取れるようにする。
その分、職員の給料が上がり人材の確保につながるのではないかと言っているんだ。
指名料というのは一つの例ですがスキルの高い介護労働者には高い利用者がお金を払ってもらえる。
八代さんの考え方、いいなと。
もっと自由にできるようにしてそこから活力を生み出していく。
はい…若い人。
働くほうもモチベーションが湧く。
私の知り合いが、いい介護の方が付いたことによって認知が少しよくなってきたんです。
そういうことで…それに対して、どうでしょう?一定程度払えるすごく裕福な方はもっと上乗せして払ってもらおうっていうのは考え方としては非常に理解できます。
市場経済にしたら、どんどん消費者にとって悪くなると。
本当に、そう思いますか?だって、なんていうか…介護サービスに市場原理を導入すべきだという八代さん。
それに対し、結城さんは格差が生まれないよう制度の枠組みの中で考えるべきだと主張します。
八代先生のおっしゃるんであれば…高齢者同士でも、持ってる人と持ってない人がいるわけですから持ってる人は申し訳ないけど強制的にでもですね…それを強制的に2割とか3割で取るのか豊かな高齢者がじゃんじゃん介護のために使ってくれてですね…介護サービス産業の中でも再分配ができると。
根本的なことがこれ、問われてるんですけど中村さん。
今、先生のご提案はプラスアルファ分は全部自己負担でということなので相当、やっぱり…本当によくやってるのと自称よくやってるのとそういう話が出てくるんで…僕、一つだけ今の話だと気になるのは豊かな高齢者から取って再分配するっていうのはまあ、おおむね、たぶん国民が納得すると思うんですけど法律決める政治家はほとんど豊かな高齢者ですよ。
そこが、絶対うなずかないと思いますよ。
(テリー)でも、政治家ももちろん取られるよ。
最後のパックンの一石投じた感じしますね。
大体、法律決める人たちは裕福な方なんだから自分たちの不利になるような法案を通さないんじゃないかっていうことでしょ。
ちょっと怖い話になってきましたけどね。
「気になるボタン」を皆さん押していただきましたけどどこが気になったんでしょう。
八代さんの提案のところでした。
矢代さんはいいサービスにはそれに見合った報酬が与えられるべきだと言っているんだ。
注目したのは事業者の収入となる介護報酬。
介護職員の給料もここから出されている。
介護報酬はサービスごとに金額が決められていて例えば、デイサービスで要介護3の人を受け入れると1日およそ1万円。
ということなんですけど高野さんどうご覧になりました?
介護保険っていうのは同じ給料、同じ報酬なんですね。
山ちゃんのような一流芸人のギャラと駆け出しのすべりまくりのギャラが同じと。
なので、山ちゃんのような優秀な介護スタッフにはいいお金を出そう。
そうじゃない人たちには悪いお金を出すと。
そうすると同じ仕事をしている人の中でも上を目指せば給料は上がるというこういうご提案なんですね。
ところが、2つ問題があって一つは結城先生がおっしゃっていたとおりに低所得者がそういうきちんとしたサービスを使えなくなると。
VTRに最初に出てきた小林さんのような世帯で使いたいと思っても使えないわけです。
平等性がなくなるんです。
もう一つは実際、介護サービス何がいいか分からないんですよね。
山ちゃんでアイドルオタクだからアイドルのような若い女の子が介護をしてくれたらいくらでも指名料を払うじゃないですか。
指名をした職員がそういう見立てで指名をしたときにいい介護をしてくれるか分からないでしょ。
それなのに高いお金を出すというのはちょっとおかしなことなんですよね。
質の見極めを第三者などにしてもらい保障する仕組みを作らなきゃいけない。
実はアメリカやイギリスではそういう仕組みを国が導入していていいサービスを提供するところは日本でいう介護報酬を高く出す。
こういう一連もあります。
なかなか、見ていると解決の手だてが見つかりませんけども介護事業者の中には介護報酬だけに頼るのではなくて新たな発想で利益を上げて人材の確保につなげようというところも出てきています。
ことし8月さいたま市にオープンしたコンビニエンスストア。
この店長実は介護事業者の職員です。
こちらの女性たちも事業者に雇われたパートの従業員。
棚には…手軽に調理できる…民間の介護事業者が大手コンビニチェーンと提携してみずから経営に乗り出した…コンビニの売り上げは事業者の収益となり職員の給与にも反映される仕組みです。
さらに店の一角には…。
事業者が設けた相談所があります。
ケアマネージャーや相談員が365日、介護に関する相談を受け付けています。
いかがだったでしょうか。
実はうちの母、15年ぐらい前に脳内出血で沖縄で倒れてその時期に…例えば介護士さんは足りないって言っていましたけどバーンアウトした方もいるわけですよ。
くさかさんが言っているのはどういうこと?そうだね。
ヘルパーの資格を持つ380万人のうち介護の現場で働いているのは30万人しかいないという話があったよね。
つまり残りの300万人以上は介護の知識や能力を生かせていないともいえる。
くさかさんは例えば、こうした人たちが介護の現場だけでなく町の至る所で力を発揮できればと考えているんだ。
そのイメージに近い取り組みがオランダで行われている。
アムステルダム郊外にある一見、普通の住宅街。
実は、ここ巨大な介護施設です。
介護が必要な150人の高齢者が自宅にいるのと変わらない環境で暮らしています。
敷地内は自由に移動でき美容院へ行ったりスーパーで買い物をすることができます。
店員は、すべて介護の教育を受けた…どこへ行っても介護の支えがあります。
なるほどー。
こういう取り組みがいろんなところで広がっていけばお年寄りも安心して暮らせるね。
スーパーがですね介護士さんを例えば雇う。
雇ってる人に介護のスキルを勉強してもらうとか身につけてもらうとか…私たちヘルパーって出来高払いで働いているんでスーパーで働いている人多いんですよ。
ただ今みたいにですね本当に介護の領域の…そういうのっていうのは確かに広がりが持てるっていうふうに思いましたね。
実はバブルのころにリゾートマンションがどーんと建って、例えば5000万ぐらいだったやつ、今もう200万ぐらいで買えますよ。
ああいうところを購入してですねそういうやり方みたいのもっと本気になって考えていくっていうことも…。
はい、岡さん。
入所者は、いつでもスタジオでバシバシ、楽器をできるとかそういうフリースタイルな居場所。
要は何が言いたいかっていうと利用者さんもうれしいんですけどそういう…
(くさか)もう、いろんなものを議論してもしても答えは出なくてでも自分たちは間違いなくその時代を生きていかなきゃいけないんだから、そこをじゃあどうやって楽しむの?ってどうやったら、みんながおいしいの?っていうことを…2025年は、もうすぐ。
これから一人一人どう向き合っていけばいいんだろう…。
皆さんはどう生きていこうとされているか。
いつまでも寝たきりにもなりたくない。
だからそのための努力はしてます。
例えばジムに行ったりゴルフ行ったり、あと毎日歩くと。
若い人はどういうふうに思われたか。
テリーさん。
今、それこそ施設と税金と家族だけという、これだけだと僕は無理だと思いますね。
今まで上ってこなかったわけじゃなくて、たぶん…介護保険で、みんながサービスを使えるようにしていくためにそれを守るために、やることをやっていかなくちゃならない。
あらゆることをやっていかなければならないっていうのが私、思ってることです。
パックン…うーん…。
問題解決は思ったよりもありうるかなと。
ここに集まってる皆さんも見てる皆さんも、僕と一緒に…とりあえず、ここでストップ。
ありがとうございました。
ちょっと最後パックン何、言っているか分かりませんでしたね。
年をとらないことにしよう…。
高野さんどうでしょうここまで見てきて。
人手の問題、それからお金の問題。
介護に関する意識を国民全員で盛り上げて誰がお金を出すかしっかりと考えないとどうしても解決は程遠いと思うんですよね。
今、介護に直面していなくてもみんなの問題だと。
いろいろ声がきてます。
豊かな高齢者なら自分で出そうよという声。
どんなものなんだろうとか人材が足らないっていうところが抜けているんじゃないかとかいろいろありますけども先ほど押していただいた「気になるボタン」皆さん、どこが気になったのか。
前半の部分です。
さらに店の一角には…。
こんにちは。
事業者が設けた相談所があります。
ケアマネージャーや相談員が365日介護に関する相談を受け付けています。
身近なところにあるというところだったんですね。
介護コンビニ結構、注目されてるんですね。
それだけ身近な地域で少し介護が必要な高齢者がたくさんになってきた。
従来は、介護の相談とか眼中になかったそういう事業者が乗り出さなきゃいけなくなった。
あるいは、乗り出すことで多少、いろいろな収益につながる部分も出てくると思います。
私の教え子なんかでも介護福祉士の資格を取って一流ホテルに勤めたりとか警察官になってるとか住宅機器メーカーに勤めているとかまた介護に関する知識を若干、生かしつつ仕事をしているというそういう実態もあります。
議論に立ち会った三宅さんどんなこと感じましたか?
国のレベルの議論は地域でどうしていくかということも問われて私たち一人一人もいろんなレベルで議論をして、知恵を出してそれを実行していくことかなと。
いいものは、それを評価してそれが広まっていくようにしないと全体がよくなるっていうのは難しいかもしれないと思いました。
とにかく、時間がないですよね。
2025年まで10年ですよ。
あと10年ですからね。
まだ全然解決の糸口ちらっと見えたぐらいですかね。
2015/12/12(土) 21:00〜22:00
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル 私たちのこれから「#介護危機 あなたの老後を守るには」[字][双]

介護保険制度の開始から15年。介護の現場は、深刻な人材不足と財源の問題に直面している。私たちの老後はどうなるのか?「介護危機」をテーマに市民と専門家が徹底討論。

詳細情報
番組内容
団塊の世代が75歳以上となる2025年…。介護を必要とする人は現在の600万から800万以上に激増し、介護にかかる費用は21兆円に膨れあがると見られている。介護人材は38万人不足し、在宅でも施設でも十分な介護を受けられない“介護難民”が43万人に上るという試算もある。私たちの老後はどうなるのか?迫る危機にどう備えればいいのか。シリーズ第三回は「介護危機」をテーマに、市民と専門家を交え徹底討論する。
出演者
【出演】テリー伊藤,パトリック・ハーラン,結城康博,山里亮太,中村秀一,八代尚宏,小島美里,くさか里樹,高野龍昭,【キャスター】三宅民夫,橋本奈穂子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 高齢者
ニュース/報道 – 報道特番

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