カンブリア宮殿【今夜は空を見上げたくなる!星のプロ集団“客感動戦略”】 2015.12.10


長野県南部の山里…
人口6,700人ほどの小さな温泉地だが実はうらやましいある日本一を持っている
ここはまだ雪のないスキー場
夜8時。
その山頂に楽しそうな顔をした人たちが続々とやってきた
そしてシートを広げ…。
寝転び始めたぞ
あっという間にご覧の状態に。
何が始まると思います?
(一同)ゼロ!
(歓声)
頭上に現れたのはこんな星空
これが阿智村の日本一。
2006年環境省から星が最も輝く場所に選ばれたのだ
ここで行われていたのは
この日だけで3,000人がやってきた
いつまでも見ていたい美しい星空は今や立派な観光資源となっている
一方東京の夜空の下にもこんな女性たちの一団が
夜の公園でワインに手料理。
まるでお花見気分だが…
彼女たちのお目当ては桜ではなくお星さま
すばるとはこんな星の集まり
感度を上げて撮影すると青白いガスをまとっている
彼女たちは星好き仲間。
毎月のように星を見る会を開いているという
幹事役はOLの
彼女たちのような星好きの女性を最近は宙ガールと呼ぶ
宙ガールの定番アイテムが
天体観測の入門機としてかわいい双眼鏡が人気となっている
この双眼鏡を作ったのはビクセンというメーカー
持ち込んでいた天体望遠鏡もビクセン!この会社が今夜の主役だ
家電量販店の天体望遠鏡売り場をのぞいてみると…
半分以上をビクセンの商品が占めている
ちなみにいちばんの売れ筋はこちらのタイプ
ネジを締めなくても見たい角度でピタリと止められ正確に星を狙えると人気になっている
ナンバーワン企業なのだ
天体望遠鏡の他にも顕微鏡などを作っている
社内の奥に進むと…
こちらの部屋は?ん?すいせんの間?こっちは…つばきの間?どういうこと?
工場の隣にあった温泉施設を買い取って本社にしたのでこんなことに!
工場のスタッフは総勢16人
こんなふうに手作業で組み立てている
天体望遠鏡の要となるのが
これがはるかかなたの星を間近に映し出す
組み立ての最終工程がレンズの調整。
担当するのは入社7年目の
防寒具を着込んで向かったのはレンズの調整室
寒いなかエアコンもつけずに何かを見つめ始めた平井。
その30m先にあったのは…
丸い玉が並んだ板
直径5ミリの鉄球を星に見立てレンズの調整を行うのだ。
調整前の望遠鏡から見た映像がこちら。
玉に当たった光がボケている
すると平井は…
レンズを留めているネジを締め始めた
こうしてレンズに入る光の角度がまっすぐになるようにする
調整後再び30m先の鉄球の光を見てみると
前に比べて光がくっきり。
レンズが光をまっすぐに通した証しだ
こんな根を詰める作業をずっと続ける平井
自宅についていってみた
このアパートで一人暮らし
通してくれた部屋には…
え!?6畳間が天体望遠鏡だらけ!何これ?
中には会社の先輩からもらったという40年前の稀少品も
平井のような天体マニアは他にも多いという
北山の作品がこちら!
北山の写真はオリンパスのカメラカタログに採用されたこともあるほど
ここには指折りのマニアが集まっているのだ
退社時刻の
女子社員が帰る準備を始めた
大きな荷物ですね
おぉこっちの人も
何でみんなこんな荷物を持っているんだ?
彼女たちが向かった先には…
なにやら巨大な車が待っていた
実はこれビクセンが所有するキャンピングカー
車体には星がちりばめられホイールカバーには月の写真が
彼女たちはこれから泊まりがけの野外イベント
こうしたイベントが毎週末のようにあるのでこんな車を買ったという
運転手さんも乗り込みいよいよ出発だ!
え?社長?運転手は社長さん?そうこの男こそ…
しかしなんでまた社長が運転しているんですか?
社長の運転で夜の高速を疾走したキャンピングカーは…
目的地
そこで行われるのは
今回は100人を超える人たちが参加した
この夜は残念ながら曇りで星は見えなかったが野外イベントではよくあること。
参加者には手作りのスープがふるまわれ星談議を楽しんだ。
ビクセンではこうしたイベントを年間200件近く実施している
あの日本一の星空の里
ビクセンは40台の天体望遠鏡を納入。
それだけでなくスタッフを現地に送り込み美しい星空の案内役をかってでていた
これ回すとちょっと動くから。
真ん中にして。
見えた!うん。
見えたのはこと座で最も明るい星ベガ。
七夕の織姫星としても知られている
なんか明るいの。
うんそれそれ。
ビクセンのスタッフは望遠鏡のセールストークをせずひたすら星の美しさを体験してもらう
(2人)ありがとうございました。
とんでもないです。
またぜひお願いしますどうも。
更に東京の新名所スカイツリーでも感動体験の仕掛けが
月の右半分が輝く
ここでビクセンが仕掛けたのはスマホを使った天体写真の撮影会
望遠鏡ののぞき窓にレンズを向けるだけでこんなにきれいな月の写真が撮れる
感動体験のお持ち帰りを提案したのだ
結構自分あのこういう機会がないと…。
なかなかないんで…。
天体望遠鏡はいい物を作ってもほうっておいたら売れない。
お客は実際に自分の目で見て感動し初めて欲しくなるのだ
どんな営業よりも1回の心揺さぶる体験を。
今夜は星のプロ集団が仕掛ける感動戦略に迫る!
新妻さん東京でも星っていうのはどのくらいの数が見えるものなんですか?えっと上を…真上を見上げていただくと二等星とか三等星が見えると思うんですね。
星探すのはそんなに簡単ではないんですか?月なんかは大きいので簡単に見つけられますが…。
へぇ〜。
なるほど。
難しいもんね月以外。
北斗七星わかる?わかります。
北斗七星が1つなくなるんだとか欠けるんだみたいな話最近ありませんでした?すみません関係者の皆さんすみません。
似てる似てるもん。
そんな話で…。
北斗七星とオリオン座って似てるじゃない。
私が星に詳しくないのが今わかりましたね。
似てるからしようがない。
それで今映像情報っていうのがすごく多くてですねドキュメンタリーテレビで番組でやるような星空とか星とか天体の映像もありますよね。
そういった…生ではない星とか月と実際に天体望遠鏡で見る星とか月っていうのは何が違うんでしょう?確かにこうやって見られないですもんね。
なるほど星を今探すとおっしゃいましたけど自分と星があってなんか対話してるような感じにならないですか?そうですね例えば…。
七夕様みたいな感じ。
ロマンだな。
イベントも年間180回やられてるっていうのは大変な量ですけども。
そうですね。
宣伝はあんまり積極的にはされないんですか?まず価値を知っていただくということですね。
そうですね。
生で見てうわっきれいって実感したらやっぱり欲しくなるんでしょうね。
映像で見ているのとは違って。
そうですね。
でもそれは何ていうんですかね今の時代にあってはちょっと遠回りみたいな感じもしますけど。
それしかたぶんないんでしょうね。
このあと2人もビクセン初体験
すっごいきれいですよ。
小池さんずれてません?
その山頂は富士山の絶景ポイントとして知られる
登ってきたのは新妻だ
登山が趣味だというがその目が向けられた先は…
指差したのはどこにでもありそうなコケ。
しかしレンズで覗けば自分の知らない世界がここにある
だいぶ登ってきましたね。
山登りも星空観察も根っこにあるのは未知の世界を知る楽しさ。
そう語る新妻の原点はレンズを覗くことだった
埼玉県に生まれた新妻。
小さな頃天体望遠鏡で土星の輪を見てあそこまで行けると本気で思っていたという。
星が見えない昼間は顕微鏡が友達。
ミドリムシを夢中になって観察した
父親はビクセンに勤務し後に社長になるだから家にはビクセンの望遠鏡や顕微鏡がたくさんあったのだ
大学を卒業後は会計事務所で働いていたが社長だった父に請われ38歳でビクセンの社外取締役となった
2年後には社長に就任。
しかしこのとき強い危機感を抱いたという
日常的に星を見る
だから購買層も限られていた
業界が活気づくのは
(歓声)
日本中が夜空を見上げた
天文ショーが話題になった年だけだったのだ
大手企業も望遠鏡を作っていたがこの市場に見切りをつけしだいに撤退。
そんな厳しい状況のなかで新妻は社長に就任したのだ
ビクセンから天体望遠鏡を差し上げます!
新妻は新しい購買層の開拓に動き出す。
狙ったのは…
それも天体望遠鏡に興味を示さなかった若い女性たちだ
そこで新妻は意外なものにスポットを当てる。
それがスポーツやコンサートを見る道具として販売していた
実は天体観測の専門家は星を探すのに双眼鏡を普通に使う。
これなら天体望遠鏡よりもハードルが低い。
手軽に使ってもらえるかもしれないと新妻は考えたのだ。
そこで乗り込んだのが野外音楽イベント
と呼びかけた
そして女性客に双眼鏡を貸し出すと…
すご〜いこんなふうに星を見るの初めて!双眼鏡でも見えるんだ。
ライブを観に来ていた若い女性たちが星にも夢中になってくれたのだ
女性が欲しくなる双眼鏡を作れば売れる!新妻は確信した
そしてできあがったのがこの…
1万円を切る価格にし女性好みのカラフルな5色で展開。
手のひらに乗るコンパクトなボディーは2か所で折れて更に小さくなる。
付属品に星の位置がわかるかわいいクロスやボディーとおそろいのカラーのストラップやポーチも用意。
これが若い女性たちの心を捉えた。
今年2月に発売したこの双眼鏡セットは大ヒット
女性の天文ファンは着実に増え続けている
9月に京都で行われた星のイベント宙フェス
ポーズ!
おしゃれも女性ファンならでは。
こちらのワンピースは宇宙柄。
こっちの女性は星柄のタイツにリュックも星柄だ
女性層に続きビクセンは新たな客層の開拓にも動き出している
ビクセンのスタッフ重信がやってきた。
キャンプ好きな人たちに狙いを絞った理由は?
せっかく美しい星空があるのに気づいていない人が多いと考えたのだ。
夜になると重信はキャンプに来ていた人たちに集まってもらいなにやら始めた。
どうやって星空のファンに引き込むのか?お手並み拝見
まずは…。
テントをスクリーン代わりに星空を映し出した。
そして映像を見せながらこんな解説
重信が映し出したのは冬の星すばると妙な写真
なんとなく見えません?
この形が…。
ほ〜らすばるにそっくり!こんなふうに説明されればふだんからシェラカップを使っている子供たちは食いつく。
そこで双眼鏡を貸し出し実物のすばるを見てもらうのだ
すると…
見えた?見えた?グチャグチャってなってる星。
グチャグチャってなってたでしょ。
なってる!なってたでしょ。
子供たちが双眼鏡で見たのはこんな星空。
シェラカップを見つけ興奮したんだ
すばるどうだった?
こうしてビクセンは星の感動を広げていく
こちらが宙ガールシリーズの双眼鏡です。
龍さんも…私紫好き。
覚えてる?ピントの合わせ方。
まずこっち左だけで…。
左目で合わせる。
左目に合わせてから1つの輪になるようにして真ん中でピントを合わせる。
まず目の幅を合わせていただいて。
3キャメの人が見える。
そうなのよ…。
3キャメ。
カンペがはっきり見えます文字が。
カンペがはっきり見える。
はい。
すっごいきれいですよ。
あっモニターが見えた。
これで星見られるんですもんね?そうですねはい。
これはいいですよ。
いいですよ。
あのですねある社会とかある組織が閉鎖的であったり閉塞的であったりってことを気づくのは外部の視点だと思うんですけど新妻さんはどうやってそういうマーケットから離れたような視点を持てたのかなと思って。
自分がそれに対して…。
なるほど。
女性客も新しいターゲットとして開拓していくわけですけども実感としてもやはり女性客が増えていってる感じっていうのはおありですか?ありますね。
男ってダメなんですかね?最近。
要するに女性のほうが好奇心が死んでないっていうか…。
どう思われますか?乱暴な質問ですけど。
なんでも女性じゃない?他に興味持って何か参加したりさ子供からおばあさんまで。
どうしても夜夜中に写真を撮りに行ったりとか家を出かけていくわけで…。
なるほど。
空けますもんね。
続いての舞台は埼玉県立上尾高校。
日没後の校舎では生徒たちが天体望遠鏡を運び出していた。
向かった先は真っ暗な屋上。
彼らは天文部の部員たち。
創立から50年以上の歴史を持ち伝統を引き継ぐクラブだ
この日は月に一度の合宿だというが…
えっ?みんな屋上で寝っ転がりだしたぞ。
何これ?
ちょっとお話うかがってもいいですか?大丈夫ですよ。

(川のせせらぎ鳥のさえずり)
(女性)≪自然のおいしさを
(魚を焼く音)何倍にも引き出す≫≪研ぎ澄まされた技術と主人の想いがお皿の上に生きていました≫≪「ひとのときを、想う。
JT」≫
(子ども達の歓声)
(歓声)
上尾高校天文部の校内合宿をのぞくと屋上でみんな一緒に寝っ転がってる。
何してるんです?
校内合宿ではこうして一晩中寝転がって観測することもよくあるという。
みんな星一筋の天文ファンかと思ったら!?
純粋そうな子ばかりだねぇ。
ところが顧問の林先生には悩みが
そこで頼ったのがビクセン。
「機材があっても活かしきれない」と相談した
校内合宿のこの日上尾高校に現れたのは
(一同)こんにちは。
(一同)こんにちは。
お願いします。
よろしくお願いします。
天体望遠鏡の使い方や天文知識などを草の根的に広げているのだ。
この日は天体写真の撮り方もアドバイス
できれば
早速屋上では元剣道部の西村君が撮影を始めた
天体写真はこの日が2回目
狙ったのは月だ
これが西村君の作品
クレーターのデコボコがくっきりと撮れた
西村君天文部の活動を通して将来の夢もできたという
新妻さんビクセンは学校の天文部の応援もされていると。
僕思うんだけど子供って誰でもしぜんに育つと好奇心って持ってると思うんですよね。
何かに自分が興味を持つものに対して近づいていって何かアクションを起こしたり何かをするっていうのが好奇心っていうもののパワーだと思うんですよ。
今その好奇心がですねよくないかたちで摩耗してるような気がするんですけどいかがですか?本当はわからないことは…。
星っていうのは宇宙ですけどももちろんわからないってことにとどまらずになんとかしてわかるようになりたいとか何を見ればわかるだろうとかどんな本を読めばわかるだろうとかっていうのも好奇心の力だと思うんですよね。
そういったことのきっかけにもなりますもんね。
星とかいうのは。
そうですね。
今まさに
このあとは道行く人にお願い
あ〜あった!これすごいな。
夜の
こんなことを聞いてみた
そんなこと言わずにちょっとだけ見てみません?これ使ってみてください
わかります。
ここじゃなくてこうだよなみたいな。
そうですよねわかりますわかります。
続いては若い男性2人組
これでですか?はい。
うわすげえ。
どうでしょう?
見えますね。
すごい。
この双眼鏡すごいっすね。
これすごいっすよ。
見えますよ。
見えます見えます…。
相当。
ほんとに。
なるべくそうですね。
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2015/12/10(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【今夜は空を見上げたくなる!星のプロ集団“客感動戦略”】[字]

女性をターゲットにした双眼鏡“宙ガール”が異例の大ヒット!天体望遠鏡メーカーのビクセンは商品を作る傍ら、年200近くの天体イベントに参加している。その理由とは…

詳細情報
番組内容
最近、月や星を見るイベントが各地で開かれ、女性向けイベントも人気だ。もともと天体望遠鏡市場は、男性ユーザーが多かった。そこで天体望遠鏡メーカーのビクセンが目をつけたのが、女性。手軽に星を見る入門機として、カラフルな双眼鏡を発売。そして年200以上の天体イベントに望遠鏡を持って出かけ実際に星を見せる。「星の感動体験」で新たな天文ファンを開拓することが狙いだ。星好き社員揃いのビクセンの感動戦略に迫る。
出演者
【ゲスト】株式会社ビクセン 社長 新妻和重
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
【公式Facebook】
http://www.facebook.com/cambrian.palace
【公式Twitter】
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