【コラム】IOCのリップサービス、平昌はどう受け止めるか

 

 ところが、外交的な間接話法が巧みなリンドバーグ調整委員長でさえ、最近は韓国に来ると「遅れているひまはない(There is no time to lose)」という言葉を頻繁に口にするという。平昌五輪の準備に残された時間は秒単位と言っていいほどギリギリだということだ。特に、来年2月に模擬試験的な性格を持つテストイベントを行う江原道旌善と平昌の競技場工事現場では、招致後3年余りを無駄にしたツケで「一夜漬け」「徹夜」など試験直前の受験生のような状況になっている。



 リンドバーグ調整委員長はこのほど、「来年2月に世界各国の選手たちが江原道で最高の試合をできることを期待する」と言った。「確信」ではなく「期待」という単語を使い、テストイベントができなくなる懸念を暗にほのめかしたのではないだろうか。



 トーマス・バッハ現IOC会長はソチ冬季五輪後、「ロシアは約束したことをすべて守った。他国では数十年かかることを7年で成し遂げた」と言った。驚きよりも無事に五輪を終えた安堵(あんど)感が強い表現だ。残念ながら、どんなにうまくやっても2018年開催の平昌五輪の評価はこれとあまり変わらなさそうだ。

スポーツ部=姜鎬哲(カン・ホチョル)次長
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