府中に「ほまれミュージアム」設置へ 地元後援者動く

2015年12月17日9時30分  スポーツ報知

 サッカー女子日本代表なでしこジャパンの中心選手だった澤穂希(37)の突然の引退発表。地元の東京都府中市や所属チームのある神戸市などにも衝撃が広がった。府中市で澤を支援するサポータークラブ事務局長・堀江一男さん(45)は16日、「突然のニュースに驚きました」と動揺を隠せない様子。地元が生んだスーパーヒロインの偉業をたたえるため、市内に「ほまれミュージアム」を設置する案の実現に向け動くという。

 寝耳に水だった。午後2時ごろ、堀江さんはサポータークラブ会長から電話を受け、澤の引退を知った。「会長も知らなかったようで『テレビでテロップが流れていた』と慌ただしく話していた」。澤の母・満壽子(まいこ)さんにメールで確認すると「1日早まった。今日になってしまいました」などと、引退会見を翌日に控えての報道に困惑するような返信があったという。

 日本女子サッカーをけん引し、6大会連続でW杯出場の金字塔を打ち立てた澤。4年前、なでしこジャパンで劇的なW杯初優勝を果たした。これまで国民栄誉賞、バロンドール(FIFA最優秀選手)など賞を総なめにした。今年のW杯で連覇こそ逃したが、前人未到の活躍だった。

 しかし、地元に「澤穂希」の名を冠したモニュメントは造られていない。「これだけ子供に夢を与え、市に貢献した人はいない。後世に語り継がれるような物を残したい」。今夏、堀江さんは、澤の実家に近い市道を「ほまれロード」と名付けようと、市などに訴えてきた。しかし、いまだ実現にいたらず、膠着(こうちゃく)状態が続いている。

 そうした状況に、堀江さんは新たに「ほまれミュージアム」の設置をぶちあげた。市内の「郷土の森博物館」の一部スペースを増設し、優勝トロフィー、盾、メダルだけでなく澤のユニホーム、スパイクなども展示したい考えだ。満壽子さんも「いいわね」とうれしそうに話しているという。今後、市議会議員や市長にも働きかけていく。

 4年前に地元の自治体、商店街などの約100人の有志で構成されたサポータークラブの活動は今後も続ける。堀江さんは「残念ですが、結婚してこれから穂希ちゃんの新しい人生が始まる。もし出産を考えているのであれば楽しみ」と、「第2の穂希」誕生を心待ちにしていた。

(江畑 康二郎)

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