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【社会】

女性再婚禁止100日超は違憲

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 再婚禁止期間では、最高裁は「父子関係を早期に確定し、子の身分の法的安定を図る重要性から、百日の禁止期間は合理的」とした上で、それを超える部分は、医療や科学技術の発達、社会状況の変化などから「過剰な制約だ」とした。

 判決を受け、岩城光英法相は十六日に記者会見し、離婚から百日を経過していれば婚姻届を受理するよう、全国の自治体に通知したことを明らかにした。

 判決は裁判官十五人全員一致の意見。離婚が増えて再婚の制約を減らす要請が高まっていることや、世界的に禁止期間を設けない国が増えていることを踏まえ、「遅くとも原告の女性が離婚した二〇〇八年当時は違憲だった」と結論づけた。賠償請求は「〇八年時点で、百日を超える部分が違憲であるとは明確ではなかった」と退けた。

 鬼丸かおる裁判官は「百日未満であってもすべての再婚禁止期間が憲法違反だ」と指摘。山浦善樹裁判官は禁止期間を設けること自体が違憲だとし、「国会が法改正を怠った違法がある」と賠償を認めるべきだとの反対意見を付けた。

 民法は出産時期が「離婚後三百日以内は前夫の子」「結婚から二百日経過後は現夫の子」と推定すると規定。重複期間が生じないよう、女性のみ離婚後六カ月間、再婚を禁じてきた。

 原告は岡山県総社(そうじゃ)市の三十代女性。〇八年三月に家庭内暴力を振るう前夫との離婚が成立。現在の夫と六カ月余り再婚できなかったのは国が法改正を怠ったためとし、精神的苦痛に対し約百六十五万円の損害賠償を求めていた。

◆夫婦別姓訴訟の判決骨子

▼民法の規定に形式的な男女不平等は存在しない

▼夫婦が同じ姓を名乗るのは日本社会に定着。家族の呼び名を一つにするのは合理的

▼改姓した女性はアイデンティティー喪失など不利益を受ける場合が多いが、通称使用が広まれば緩和できる

◆再婚禁止訴訟の判決骨子

▼女性にだけ再婚を6カ月禁じた民法の規定は違憲

▼100日を超える禁止は、子の父の推定が重複するのを避けるために必要ではなく、過剰な制約

▼国会が法改正しなかったことは明らかな違法ではなく、賠償請求は認められない

 

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