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 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場になる新国立競技場の建設で、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が14日にホームページで公開した業者2チームの「技術提案書」は、一定の操作をすればセキュリティーに関わる部分や事業者名などを、隠した「黒塗り」を外して見られる状態だったことが分かった。JSCが16日夕に修整を終え、公表した。池田貴城理事は「情報の保護管理に課題が生じ、遺憾に思う」と謝罪した。

 JSCによると、技術提案書は14日午後2時に公開。同日中に「黒塗りを外せる」との指摘が外部から複数、寄せられ、JSCは公開を継続したままで修整作業をしたという。

 池田理事は、判読可能になった場所や数、内容について明らかにしなかったが、「セキュリティーに関する面は関係各所に相談する」とし、さらに「事業者選定の競争性に問題はない」とした。修整中も公開したことには「関心を持って見てもらっていたためだが、中止する判断もあったかもしれない」と話した。(阿久津篤史)