北京=斎藤徳彦
2015年12月17日05時07分
独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題に絡み、中国の環境NGO「中国生物多様性保護・グリーン発展基金会」(緑発会、本部・北京)がVWの中国販売子会社に対し、謝罪や賠償を求める訴訟を起こしたことを明らかにした。訴状では、VWが「低いコストで高い利潤を追い求め、故意に問題車を輸入して中国の大気汚染をひどくした」とし、謝罪や賠償、汚染した環境を復旧することなどを求めている。
訴えは16日までに、VW子会社がある天津の裁判所に受理された。VWは問題の車を中国では生産していないが、1950台を輸入した。中国での影響は軽微と見られるが、販売台数が世界で最も多い中国市場で訴訟が注目を集めれば、傷口はさらに広がる。VWの中国法人は訴状をまだ受け取っていないとする一方、「(訴訟を)重視している」とする。
中国では今年から、環境NGOが社会の利益が侵害されたことへの「公益訴訟」を起こすことができるようになった。緑発会はこの公益訴訟を多く手がけており、「証拠が揺るがないVWを相手にまず訴えを起こした。将来は国内外の他の自動車企業を相手取って訴訟を起こすこともある」(王文勇・法律部主任)としている。(北京=斎藤徳彦)
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朝日新聞国際報道部
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