2015-12-13 比嘉照夫『地球を救う大変革』を再読した
比嘉照夫『地球を救う大変革』サンマーク出版1993を再読した。
本書は古書店で入手。宛先は俺ではないが著者のサイン入りw。
最初から凄い。日本の米の平均収穫量は10アールあたり9俵。EMを使うと数年後に14〜15俵。実験栽培では最高27.6俵。このぶんだと30俵の可能性だという。ちょっとEM農法の農場へ問い合わせをしてみよう。
農家の若手の会で講演したときEM菌という言葉を知っていたのはチラホラだった(1,2割か)。EMの農業利用は、1990年代2000年代初頭頃までがピークだったのかな。
北朝鮮で国家的にEM農法に取り組んで失敗が大きかったか。
本当に収穫量が何倍にもなるなら飛びつくと思う。
EM農法では、数年で除草の手間はほとんど無視できるレベルになるというがEM農法をやっている人が「田植えの翌日、ボカシにした除草ぺレットを反当り60?を水口から注ぎます。でも、雑草は生えてきます。「田圃に腰をかがめて手で抜きます」といいます。以降は、田圃の中でひろい草をしています。」の述べる。
スイスの会社(オルファーテクノロジー)が開発した廃棄物処理機械にEMを使うと紙でもプラスチックでも、新品同様の高品質になるっていう。
これ、どこか自治体で導入しているのかな?
→学生のレポートあり http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/4588/em.html
… 琉大?
この学生のレポートだと再生紙はその機械で肥料になってしまうんだな。再生紙でなければ新品同様の紙に再生?EM菌は再生紙とそうじゃない紙を区別できるのか。凄いなあ。
自動車関係のEMの応用。EMでつくった抗酸化剤をガソリンに一定量混ぜると燃費が3割がた向上だっていう。世界のオイル会社が放っておかないなあ。もちろんすでに使われているんだろうね。
医療は本来構造不況業種で医師は失業の危機にさらされる性質のものだという。
EMはいろんな病気に劇的に効くという。人間だけではなくニワトリのコクシジウム、ニューカッスル、ウシの口蹄疫や乳牛のリュウマチ症などの難病や豚の各種伝染病など種々の病気がウソのように治ったっていう。
ゼミで居眠りする学生、宿題を忘れたり、理解力に劣る学生に抗酸化物質を飲ませてやると、居眠りしなくなり、よく勉強するようになって理解力が高まってきたという。
病気の人が飲むと不思議に治ってしまったという無数の事例があちことに出ているという。
比嘉氏はEMの生菌をできるだけ飲むようにしているという。農業用に使うものを活性炭やゼオライト(沸石)で濾過し、異臭を取り除き、雑菌のいない状態にして…っていう。
ゼオライトで濾過すると雑菌がいなくなるのか。それなら細菌の集合体のEM菌もいなくなるのではないか。
濾過しなくちゃいけないのか、異臭があるのか、雑菌がいるのか…ということを、EMを飲んでいる人は知っているのか?
実際に糖尿病や肝臓病、パーキソン病、膠原病などが劇的に治るということは、EMに病気の種類にかかわらず、人間を健康に引き戻す効力があるということ…だという。
ホメオパシー治療はクラスターの小さい水が電磁気的に他の物質の波動を記録する力があるからと肯定的だ。
抗酸化力の強化はもとより。除霊を含めた多様な波動の応用が、薬漬け医療からの脱皮に重要な課題だという。
除霊!!!
本当に科学の波動ではなく、インチキ・オカルト「波動」の土台にたったEMだことよ。凄すぎる。
さて最後の言葉は、「お金が好きな人はこれからは医学部より農学部」!
学生に酒を飲ませ夢を語り、なだめたりすかしたり、ときには脅したりといろいろやって、農業へと追い込んだという。公務員試験に合格した3人に辞退させたこともあるって。凄い教育者!
当時は学生を農業へだったが、その後EM研究機構ができると、「比嘉研究室からは…みんな強制収容所みたいにEM研究機構へ入社して貰う(笑)。」と語っている(『比嘉照夫のすべて』)。俺は人の未来をそんなふうにしていいのかなと疑問。
ニセ科学に出会って、嵌まってしまっためにお金と時間と心を奪われた人がたくさんいるのではないだろうか。当時ベストセラーになった比嘉照夫氏の本を読みながら思った。本書では未だ故関英男氏の「重力波」の話は出てこない。