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小選挙区「7増13減」 衆院調査会が答申案
比例は「1増5減」

2015/12/16 21:18
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 衆院議長の諮問機関である衆院選挙制度調査会(座長・佐々木毅元東大学長)は16日、衆院定数を現行の475から10減らす答申をまとめることを決めた。「1票の格差」を是正するため人口比がより忠実に反映される「アダムズ方式」を導入し、小選挙区は「7増13減」、比例代表は「1増5減」とする。ただ自民党には異論が多く、与野党協議は難航しそうだ。

 都道府県間の最大格差は現行の1.788倍から1.621倍に縮小する。定数の内訳は小選挙区が295から289、比例代表は180から176に減らす。来年1月14日に大島理森衆院議長に答申を提出する。

 1票の格差が2.13倍だった昨年12月の衆院選を「違憲状態」とした11月の最高裁判決を踏まえ、有識者による調査会が是正策の検討を進めていた。

 答申案が定数配分の方法として提案する「アダムズ方式」は、最高裁が問題視した各都道府県に最初に1議席を配分する現行の「1人別枠方式」に近い。しかし人口比がより忠実に反映され、現行方式よりも格差を縮められる。是正の影響を受ける都道府県を最小限に抑えられ、佐々木氏によると、今後の人口減少にも「ある程度対応できる」としている。

 主要政党のほとんどが衆院定数の削減を選挙公約で掲げたことを踏まえ、定数削減も明記する。答申案の通り削減すると衆院全体の定数は465議席で、戦後の衆院の議席数としては最少となる。佐々木氏は会合後の記者会見で「戦後一番少ない議席数を結果として提案した。かなり突っ込んだ提案だ」と強調した。

 答申提出後は法案化のための与野党の協議に焦点が移る。自民党幹部は16日、答申案について「このまま、まとめるのは難しい」と語った。同党は地方の議席減につながることから大幅な定数減に反対の構え。定数削減は小選挙区でなく比例代表で実現すべきだとの立場だ。

 公明党の北側一雄副代表は記者団に「答申を尊重するのが基本だ。自民党が答申を尊重しないと前に進まない」と話した。

 民主党の枝野幸男幹事長は「答申を軸として法改正すべきだ。自民党は真摯に受け止めた対応が求められる」と主張。定数3割削減を求める維新の党の今井雅人幹事長は「数は不十分だが定数削減に踏み込んだ点は評価したい。各党間の合意を見つけないといけない」と述べた。

 年明け以降の各党の意見集約が難航すれば法案化の作業がずれ込むのは必至だ。法案審議や法改正後の周知期間などを考慮すると、新たな制度での選挙は早くても2017年以降になる可能性が高い。

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