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米利上げ決定 日本経済への影響注視 政府12月17日 4時17分
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が利上げを決めたことについて政府は、新興国経済の減速を招くリスクがあり、その場合輸出の減少などを通じて日本の景気を押し下げかねないとして、影響を慎重に見極めていくことにしています。
政府は今回の利上げについて、アメリカの景気が着実に回復していることを受けたものだとして、世界経済は今後も緩やかな回復を続けていくと分析しています。また、1990年代のアジア通貨危機を教訓に万が一の場合、多国間で外貨準備を融通する枠組みができていることなどから危機の発生を防ぐ備えも整っているとしています。
ただ、中国経済の減速の影響で成長が鈍化している新興国や資源国は多く、なかには、保有する外貨準備が十分でなかったり、金融政策や財政政策の余地が少なかったりして、利上げを機に資金が流出して景気が減速するリスクを抱えている国もあります。
もし、そうしたリスクが現実になれば、金融市場の混乱や輸出の減少などを通じて日本の景気が下ぶれする事態も生じかねないだけに、政府は今後、市場の動向や実体経済に及ぶ影響を慎重に見極めていくことにしています。
ただ、中国経済の減速の影響で成長が鈍化している新興国や資源国は多く、なかには、保有する外貨準備が十分でなかったり、金融政策や財政政策の余地が少なかったりして、利上げを機に資金が流出して景気が減速するリスクを抱えている国もあります。
もし、そうしたリスクが現実になれば、金融市場の混乱や輸出の減少などを通じて日本の景気が下ぶれする事態も生じかねないだけに、政府は今後、市場の動向や実体経済に及ぶ影響を慎重に見極めていくことにしています。
難しい対応迫られる日銀
世界経済が減速傾向にあるなかで今回、アメリカのFRBが利上げに踏み切ったことは金融市場の波乱要因になるという懸念もあります。
特に今回のアメリカの利上げは、ヨーロッパ中央銀行が追加の金融緩和を決めた直後で、中国経済も減速するなど世界経済の不透明感が強まる局面で実施されるため、金融市場の資金の流れを大きく変える可能性があり、すでに原油市場では原油価格の下落が続いています。
また外国為替市場では、FRBが来年以降も段階的に利上げを実施すると予想されているため、金利が上がっていくドルに資金が集まり、一段の円安ドル高が進むのではないかという見方があります。その一方で、利上げによって新興国から資金が流出し新興国経済が不安定になれば、国際的な金融市場も不安定になりかねず、当面は、リスクを避けようと比較的安全だとされる円に資金が集まって、逆に円高ドル安が進むのではないかという見方もあります。
こうした状況のなかで、日銀はアメリカの利上げ自体は、アメリカ経済の強さを反映するものだと評価していますが、利上げによって新興国の成長が鈍ったり、金融市場に波乱が起きたりすれば日本の景気や物価の動向にも変化が出るリスクがあるとしており、難しい金融政策運営を迫られることになりそうです。
特に今回のアメリカの利上げは、ヨーロッパ中央銀行が追加の金融緩和を決めた直後で、中国経済も減速するなど世界経済の不透明感が強まる局面で実施されるため、金融市場の資金の流れを大きく変える可能性があり、すでに原油市場では原油価格の下落が続いています。
また外国為替市場では、FRBが来年以降も段階的に利上げを実施すると予想されているため、金利が上がっていくドルに資金が集まり、一段の円安ドル高が進むのではないかという見方があります。その一方で、利上げによって新興国から資金が流出し新興国経済が不安定になれば、国際的な金融市場も不安定になりかねず、当面は、リスクを避けようと比較的安全だとされる円に資金が集まって、逆に円高ドル安が進むのではないかという見方もあります。
こうした状況のなかで、日銀はアメリカの利上げ自体は、アメリカ経済の強さを反映するものだと評価していますが、利上げによって新興国の成長が鈍ったり、金融市場に波乱が起きたりすれば日本の景気や物価の動向にも変化が出るリスクがあるとしており、難しい金融政策運営を迫られることになりそうです。